なんでみんなあんなに臨場感あふれる戦闘シーン書けるの?
訓練スペースには二人の少女がいた。
一人は二丁の拳銃を持っている、まだ幼女とも言える少女レディ。もう一人は女性にしては頭一つ大きく、体にフィットする戦闘服を着ているトーレ。
「行くぞ、レディ」
「ハッ、さっさとしろよ」
「チンク、始めてくれ」
『分かった。では、模擬戦開始!!』
レディとトーレの戦いが始まった。
その瞬間、トーレが消えた。いや消えたように見えるほどの速さで動いたのだ。トーレは高速移動能力のIS【ライドインパルス】を使用したのだ。しかし、レディは来るのが分かっていたかのように躱す。トーレはそれを意に介さず高速戦闘を仕掛けていく。インパルスブレードがレディの体を引き裂こうとするが、何回も打ち込んでいるにも関わらずレディの体にカスリすらしていなかった。
「相変わらずだなっ―――!!」
トーレの高速で行われる攻撃をレディは流れるように回避していく。しかし、その回避動作は異常だった。見切りや武の技量などでは断じてない。
それは明らかに勘だった。おそらく武の構えすら知らないだろう。
直感を超える超直勘。レディは武の修練すら抜きになんとなくでトーレの挙動を予測している。
才能―――凡百がいくら努力しようとも、それを凌駕する生まれ持った天性の感覚。
ただの悪ガキが素面で神域に達したという出鱈目な姿がそこにある。
当然、トーレより速いわけじゃない。しかし、その場その場で最適な判断で最短の距離を選択しているレディの反応にトーレは捉えることさえ出来ずにいた。
「ほら歯ァ食い縛れよ、っと!!」
逆にトーレをレディは拳銃で殴りつけた。小柄で力がない上、魔力で強化すらしていない一撃だったがカウンターとして決まったそれはトーレの体勢を崩すには十分な一撃だった。
トーレが体勢を整えているうちにレディは両手の拳銃を撃ちまくった。
―――ズガガガガガガガ!!!
それは如何なる魔技か、一瞬のうちに吐き出された魔力弾の数は五十を超えていた。それは点というより面と言えるほどの銃撃だった。
しかも、その全てが正確無比であり、その中には誘導弾も含まれていた。その上、トーレが避ける方向が分かっているかのように直射弾同士もぶつかり合い跳弾して向かってくるのだ。
「――はぁ!!」
トーレは避けきることができないものは、インパルスブレードで切り落とし再びライドインパルスを発動しレディに向けて疾走した。
「おっと、あっぶね~」
銃撃後の一瞬の隙を突いた攻撃はレディの体を掠めていった。そして加速しすぎていたため追撃ができなかったトーレとレディは距離を置いた。
再び始まるレディの銃撃とトーレの攻撃。半年前からそうだが決着はなかなか付きそうになかった。
■■■
「相変わらずだよね~、あの二人」
「特にレディの戦い方は本職の特訓してる人が見たら発狂するだろうね」
「ふむ、レディは魔法無効化を使っていないようだね」
「プロテクションどころかバリアジャケットや戦闘服さえも無効化してしまうため危険ですからね」
その戦いをチンク、セイン、ディエチ、スカリエッティ、ウーノが見学していた。
「自分に対しても常時発動してるからバリアジャケットすら構築できないんだけどね」
「非殺傷設定とか治癒魔法すらも無効化するから攻撃食らったら高確率で死ぬだろうしな」
そうなのだ。レディのレアスキル『魔法無効化』は自分に対しては常時発動しており、魔力強化やバリアジャケットなどの自分にかけられる魔法を善悪関係なく無効化してしまうのだ。つまりレディは戦闘中、生身で戦っているに等しいのだ。
「ふむ、実験は終了だ。チンク、戦闘を止めてくれ。それとこれからの予定を話すから集まるように言ってくれ」
「分かりました」
■■■
『二人とも、実験が終了した。それとドクターが今後の予定を話すから集まってくれだそうだ』
「……分かった」
「りょーかい」
トーレは不満がありそうだった。またほとんど攻撃を当てられなかったことが悔しいのだろう。
「あ~、めっちゃ疲れた」
「クソッ、一発も当てられなかった…」
「直線的な動きが多すぎんだよ、スピードに頼りすぎ。もうちょい複雑な動きできねぇの?地上でこんなんじゃあ空中じゃまともに動けねぇだろ」
「空中戦とはそういうものだ」
空中戦は足場がないため体勢が取りづらく、接近戦ではすれ違いざまに一撃入れるのが普通である。
背後を取るにしても大回りになってしまい、よほどのスピードでない限り逆に隙になってしまう。
「おいおい、なんのための肉体が強化された戦闘機人だよ?それじゃ魔導師とほとんど変わんねぇだろ、地上で戦ったほうがマシじゃね?」
「…………ドクターに相談してみよう」
「すげぇ間だったな。そんなに私のアドバイスを受け入れんのが嫌か」
「嫌だ」
「そうかい」
「…嫌だが、お前のアドバイスは的を射ている。強くなるためなら受け入れるさ」
なんだかんだで仲がいい(?)姉妹だった。
■■■
「では、今後の予定を話そうか」
「何をするんだろうね、最近訓練ばっかりで飽きてきたから面白いことだといいな~」
「そう言うなセイン。基礎は大切だと思うぞ」
「チンク姉の言う通りだ。大体セインはそんなに強くない上に裏方専門だろ」
「なに~!?私だってちゃんと戦えるんだぞ!」
「そのセリフは一度でも誰かに勝ってから言うんだね」
「グッ…」
「あなた達、きちんと話を聞きなさい」
話を脱線させるセインとディエチを注意するドゥーエ。ピアッシングネイルを出しているドゥーエを見て顔を青くして黙り込むセインとディエチだった。
「では、今度こそ話そうか。最近戦闘機人について調べている部隊がある。そのうちプラントを見つけてしまうかもしれない。別に一つや二つぐらい構わないのだが上層部がうるさくてね、その部隊を壊滅することにした」
「その部隊の詳細は?」
「主な構成はランクはオーバーSでベルカ式を扱うストライカー級が一人に、近代ベルカ式を扱うAAランクが二人よ」
「ふ~ん、誰が戦うんだ?」
「前線はトーレ姉さまとチンクちゃんよ~、もしかしたらレディちゃんにも出てもらうかもね~。後衛は私よ~」
「私とディエチは~?」
セインが自分が呼ばれてない~、と疑問げに質問した。
「おそらく戦闘はプラント内になるわ。元もと、戦闘に不向きなセインは待機、ディエチはプラントから出てきたやつを殺してちょうだい」
「「は~い」」
「オーバーSにAAランクが二人だ。気を抜くなよ」
■■■
レディ達が出ていき部屋にはスカリエッティとウーノ、そしてドゥーエがいた。
「ドクター、私はどうすればよいでしょうか」
ドゥーエはスカリエッティに訪ねた。
「あぁ、ドゥーエには管理局に潜入してもらいたい。準備は済んでいる。ウーノ、データを転送してくれ」
ウーノは頷くとデータを転送しながらモニタを表示させ口を開いた。
「これから計画には管理局の情報が必要なの。危険だとは思うけれどあなた以外の適役がいないの」
「もしもの時の緊急避難場所などもそのデータに入っている。情報も必要だが、自分の身も大切にしてくれ」
「ドクター、ありがとうございます」
こうしてドゥーエの管理局への潜入が決まった。
なんとか投稿しました。
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