.hack//X(KAI)   作:トカGE

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 リハビリと気分転換かねて投稿。現行の2作品とも、リアルのせいで半年近く間あいたせいで展開あーでもないこーでもないと書き直し繰り返すどん詰まり状態だったので、別ジャンルで少し書いてみるテスト。
とりあえず続けるにしても、先の2つ優先のはず……


開(エピローグからのプロローグ)#1

この世界で最も多くの人がプレイしているオンラインゲームは何か?と聞かれたら、ほぼ全ての人が『The World』と答えるだろう。世界規模のネットワーク災害『第一次ネットワーククライシス』の後、世界標準のOSとして広まった『ALTIMIT』対応の初の大規模MMORPGとして売り出されたそれは、フェイスマウントディスプレイによる迫力ある、まるで実際に異世界に居るかのような美麗な映像、とあるネット叙事詩を元にしたとされるその深淵なる世界観、自由度の高いキャラメイキングetcetc…とまあ、旧来の物とは文字通りレベルが違ったこのゲームは、瞬く間に世界中のゲーマーを虜にした。それは、『いろいろ』あった今現在も変わらず、この世界には今も多くの人間が訪れている。

 

 かく言う僕も、その虜になったプレイヤーの一人だ。と言うか、周りからは廃プレイヤーとして認識されているらしい。なんか、最近二つ名までついてるみたいだし。

 

(まあ、確かに廃人ではあるんだろうなあ)

 

 数か月前にあったとある事件。それに巻き込まれた僕は必要に迫られたとは言え、それこそ無茶苦茶なペースでレベル上げを行っていた。いや、寝食を忘れるなんて事は無かったし、学生の本分である勉強をおろそかにすることも無かったけど、それ以外の時間は基本ゲームプレイに費やしていたように思う。うん、十分不健康な廃人生活だ。プレイを初めてしばらく経って、母さんから「ちょっと丸くなった?」と言われた時は軽くショックを受けたものだ。まあ、その後仲間の皆から諭されたことで廃人プレイのペースは落ちて行って、一般プレイヤーレベルになったのだが。今でもあの時の事を思いだすと震えが止まらなく……あれ?

 

(うん、なんか思いだしてはいけない気がする)

 

 なんか大剣とか斧とか魔法とか飛んできてた気がするけど気のせいだろう、たぶん。

 

「おい、どーした?カイト」

「あれ?オルカ?いつの間に……」

 

 そんな感じで震えていると、背後から声をかけられた。声の主はオルカ。リアルでの僕の親友であり、この世界での僕の仲間の一人だ。

 

「なんか変な感じに震えてたみたいだけど、大丈夫か?」

「大丈夫だ、問題ない」

「……それ、大丈夫じゃないやつじゃねえか?」

 

 そんなことは無い。うん、きっと大丈夫だ。たぶん。

 

「いや、ただあの事件の時の事を思いだしてただけだよ」

「あー、あの時か……いや、俺ロクに覚えてないけどさ」

 

 彼はこの世界で起きた事件の被害者だった。後に『黄昏事件』と呼ばれるそれは、このゲームのプレイしていた人間が突如意識不明に陥り、目覚めなくなるというものだった。僕の初ログインの日に僕らはそれに巻き込まれ、オルカ……ヤスヒコは意識不明者、通称『未帰還者』となった。そこから僕の廃プレイが始まった訳だ。

 

「まあ、大したことじゃないよ。ただ、今思いだすとあの時の僕ってかなりの廃プレイしてたんだなーって」

「……あー、確かに。2か月ちょいで俺らと同等レベルどころかぶち抜かれてるし」

 

 オルカの声に呆れの色が混じる。まあ、呆れるのも解るけどさ。彼はβ時代からのプレイヤーだ。そんな彼がプレイ2か月の初心者に抜かれるって言うんだから。

 

「仕方ないじゃないか。ゲーム内で事件を追ってったら、どんどん高レベルエリアに行かなきゃなってくし、事件の鍵っぽいボスはどいつも強い上に負けたら僕らも未帰還者になるかも知れなかったんだ。そりゃ、安全の為にがんばるしかないじゃないか」

「そりゃそうだけどよ」

 

 うん、事件の真相に近づけば近づくほど、高レベルエリアを探索するハメになり、そのたびに初見殺しすぎるだろと言いたくなるようなボス達と敗北を許されない戦いをしてきたのだ。そりゃこんな高レベルにもなってしまうだろう。だから、決して僕が廃人だからとかそう言うんじゃないはずだ。いや、確かにレベル上げしてる時はなんか変な汁が出そうになってはいたけれど。

 

 

 

 

 

 そんな感じでたわいもない会話を続けながら、僕らはここに来る予定の最後の一人を待っていた。そして十数分後。会話の話題がゲームの中の事からリアルの事に移り始めた頃。

 

「すまない、待たせたな。」

「お、漸く来たか」

「やあ、バルムンク」

 

 白い翼を背負った美剣士が現れた。僕の仲間の一人、バルムンクだ。真面目で融通が利かないところがあるけど、その真っ直ぐさに救われたことも少なくない。最初のうちはぶつかり合っていたけど、今ではいい思い出だ。

 うん、いい思い出のはずだ。割と結構本気で疑われたりしてたけど。剣とか向けられたけど。……今度、彼の羽を心ゆくまでモフらせてもらうとしよう。それでチャラにしよう、うん。

 

「それで、今回はどのエリアに出たんだ?」

 

 オルカがバルムンクに問いかける。今回僕らがここに集まったのは、ウイルスバグと呼ばれるモンスターを倒す為だ。『黄昏事件』の際に見られたそれらは、バグによってHP表示が狂い、普通に戦っていては倒すことのできないモンスター。あの事件が終わり元凶を打ち倒した後も、ウイルスバグは頻度は減ったとは言え出現を続けていて、僕らはそれの討伐を続けている。ウイルスバグを倒せるのは現状、僕のPC(正しくは僕のPCが所持しているとあるアイテムだけ)だということもあるが、事件を追っているうちに好きになったこの世界を守りたいというところが大きい。とは言え、最近は僕ら自身のレベルが現状のレベルキャップに到達し(バグモンスターだけあって経験値は少なくない)、装備も最強クラスになってきたこともあり(バグモンスターだけあってドロップ品もいい)、最近は作業感が否めないのだが。なんか、こう言うとウイルスバグって僕ら専用のボーナスモンスターみたいになっちゃってる気がするけど、きっと考えない方が精神衛生上よろしいと思う。

 とまあ、そんな感じに僕はかなり呑気にしていた。

 

「ああ、今回は『(デルタサーバー)輪廻する 煉獄の 祭壇』の最深部らしい」

「え?」

 

 バルムンクが、今回の目的地となるエリアのワードを言うまでは。




基本的には、原作ゲームの流れにXXXXとかオリジナルとかぶっこんでくんじゃないかなあ?って感じ。逆行とかはしないです。続くとしたら、この後回想って形で本編入る予定。カイト君の性格はXXXXやLINKで結構固まってきてはいるけれど、今作品ではどうなるかはまだまだ未定。勢いで書いてます、これ。
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