裏・ディケイド   作:三澤未命

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第29話『孤独な人形? 夢見る機械?』

○アバン・オープニング

N「これまでの仮面ライダーディケイドは……」

 巨大グモの前に立ちはだかるハヤテ。

ハヤテ「吹けよ嵐! 嵐! あ~らし!!」

ディケイド「変身忍者嵐の世界……か?」

 火を囲んで座るハヤテ、士、ユウスケ、ザント。

ザント「あれは、伝説のヒトオニ・ギュウキだ」

ハヤテ「トウジを救うのは俺しかいない。そして、ギュウキを消し去るのもまた……」

 倒れたままのハヤテに駆け寄るトウジ。

トウジ「……師匠からの最後の教え、確かに授かりましたよ」

ザント「通りすがりの戦士……ってところかな。しかと覚えておこう」

 

○荒野

 佇む士とユウスケ。

ユウスケ「お、士。また元の格好だな」

士「うむ。いよいよか……」

ユウスケ「そうかもな。そして、ついに俺の真実も……」

 と、突如周りに白いロボット兵たちが現れる!

ユウスケ「……何だ!?」

士「とりあえず、この世界の敵には違いなさそうだな」

 士、そう言ってカードを手に取って変身せんとする。

 と、上空からギターの音色が。

 キョロキョロしながら騒ぐ白いロボット兵たち。

士「何だ?」

ギターの青年「出たな、ダークの破壊ロボットめ!」

 高台でギターを弾いていた青年、その手を止めてギターを背中に移動させる。

ギターの青年「チェンジ!」

 ギターの青年、三本の指を突き出すポーズをすると、両肩のスイッチを押して変身!

 大きくジャンプして旋回し地上に降り立ったのは、頭部半分に機械が露出し、赤と青の二分割カラーリングをした戦士だった。

白いロボット兵「キカイダー!」

士「(手元のカードを見ながら)……キカイダーの世界か」

 

○オープニング曲

 

○荒野

 サブタイトル『第二十九話 孤独な人形? 夢見る機械?』

キカイダー「ヤーッ!」

 ダークロボットたちと戦うキカイダー。

ユウスケ「士、俺たちも!」

士「おう」

 士とユウスケもそれぞれ変身!

キカイダー「(ディケイドとクウガを見て)君たちは……!!」

 と、そこへ妙な笛の音が。

キカイダー「うっ……!!」

 突如頭を抱えてしゃがみ込んでしまうキカイダー。

ディケイド「何だアイツ、急に……」

キカイダー「うう……、うわあああああ!!」

 笛の音になおも苦しむキカイダー。

 見ると、眼前に長い横笛を吹く老人が立っていた。

ダークロボット「ギル様!」

ディケイド「ギルだと?」

 鳴り続ける笛の音。

 苦しむキカイダー。

 と、少し離れたところにキカイダーとよく似た風貌の戦士が一人、落ち着いた様子で座り込んでいた。

キカイダー似の戦士「……妙だな。変身したら良心回路は正常に働くはずなのに。これはもしや……」

 と、今度は上空からトランペットの音色が。

クウガ「今度は何だ!?」

トランペットの青年「ジロー、まだギルなんぞに操られてんのか! 甘いぞ!!」

 そう言い放つと、トランペットの青年もジローと呼ばれたキカイダーと同様にジャンプして変身!

 地上に降り立ったその姿は、頭部全面に機械が露出し、ボディはキカイダーより整った感じの赤青カラーリングの戦士だった。

ダークロボット「ゼロワン!」

ディケイド「ゼロワン?」

ゼロワン「そう、俺はキカイダーゼロワン! ……ダブルオー、お前も戦わんか!!」

 ゼロワン、そう言って座り込んでいたキカイダー似の戦士(ダブルオー)に首を振る。

ダブルオー「やれやれ……」

 重い腰を上げたダブルオー、ゼロワンとともに、ダークロボットとの戦いの輪に入る。

ゼロワン「(戦いながら)お前らは何だ!? ダークの手先か? それとも俺たちの味方か?」

ディケイド「……まだ分からんな」

 ディケイド、そう言いながらダークロボットを蹴散らしていく。

クウガ「少なくともワルモノじゃないぜ」

 クウガもまた、ダークロボットをパンチやキックで軽く蹴散らす。

 と、今度はどこからか口笛の音が聞こえてきた。

ゼロワン「ぬ、この音は……。ハカイダー!」

 ゼロワンが振り向いたその先には、頭部に脳が露出した黒一色の戦士(ハカイダー)が立っていた。

ディケイド「何だ? 今日は顔見世大会か?」

ハカイダー「おいギル! キカイダーは俺の獲物だ! 邪魔をするな!!」

 ハカイダー、バイクに乗った黒いロボット・アンドロボットたちを引き連れ、戦いの輪に割って入る。

 ハカイダーのチョップで横笛を落とされるギル。

 ようやく苦しみから解放されたキカイダー、首を横に振って立ち上がる。

 と、周りはキカイダーを中心に、ゼロワン、ダブルオー、ディケイド、クウガ、ギル、白いダークロボットたち、ハカイダー、黒いアンドロボットたちが交錯するように戦い合い、もはや収拾がつかないような状況。

ディケイド「……全くどうなってんだ! 誰に味方すりゃいいか分かんねーぞ!」

 と、今度は上空から数発の銃撃が!

 凄まじい白煙が立ち込め、周囲の視界が遮られていく。

 そしてその中に現れたのは、ディエンドと鳴滝だった。

鳴滝「ディケイド! 破壊をやめろと言ってるんだ!! いい加減にしないと……」

 喋りながら、スゥーッと姿が消えていってしまう鳴滝。

ディエンド「やっぱり、こっちの世界ではキツそうだね」

 ディエンド、そう呟くとさらに戦いの輪に向けて銃撃!

ディケイド「海東! 貴様も無差別か!!」

 と、混沌とした戦いの中、突如頭を抱えて膝をつくハカイダー。

ハカイダー「ムッ! 今日はもう来たか……。やむを得ん! 一旦引き揚げだ!!」

 ハカイダー、黒いアンドロボットたちにそう指示すると、おのおののバイクでその場を引き揚げていく。

 残された白いダークロボットたちを破壊し尽くしたキカイダーら。

 と、いつの間にかギルの姿も消えていた。

 白煙が止んだ荒れ地の中心に戦士たちが集い、キカイダーはジローに、ゼロワンはイチローに、ダブルオーはレイに、ディケイドは士に、クウガはユウスケに、そしてディエンドは海東にそれぞれ変身解除。

士「やけに混乱した世界だな、ここは」

ジロー「……君たちは、何者なんだ?」

 

○ダーク基地

 手術台に横たわり、カプセル内で培養液に浸された一人の老人との血液交換処置を施されているハカイダー。

ギル「お前の脳は城山坂の脳。よって、一定時間内に血液交換をしないと脳死してしまう。……フフフ、不便よのお」

ハカイダー「クッ……、貴様が設計しておきながら!」

ギル「ワシは、逆にパワーアップしてジローをいつでも思うままに操れるようになった。……そろそろ勝負じゃのう」

ハカイダー「ムム……」

 横たわったまま神妙な面持ちのハカイダー……。

 

○荒野

 戦闘の後、そのまま話し込む士たち。

レイ「……なるほど。つまり、あなたたちは時空を超えた旅人というわけですね」

士「まあ、そういうこったな」

ユウスケ「君たちは、みんな兄弟なのかい?」

イチロー「兄弟……、そうだな。ロボットであるのは確かだが、俺たちはそれぞれ兄弟という設計のもとに造られた、ということかな」

ジロー「僕は、イチロー兄さんやレイを本当の兄弟だと思っている。……ミエコだって似たようなものだ」

女性の声「呼んだ?」

 背後から一人の女性(ミエコ)が現れる。

士「君は?」

イチロー「俺たちの仲間、ビジンダーだ。人間の姿ではミエコと名乗っている」

士「……で? さっきの奴らは何なんだ?」

ジロー「奴らはダーク。世界征服を企む悪の組織だ。僕たちを造った城山坂博士の同僚だったギルがそのボスだ」

ユウスケ「その、城山坂博士は?」

ジロー「ダークに囚われ、そして……」

イチロー「現在、その脳がさっき戦ってたハカイダーの頭部に移植されている」

ユウスケ「何だって!?」

 驚くユウスケ。

レイ「まあ、だからと言ってどうというわけでもないんだけど」

 妙に冷静なレイ。

 イチローとミエコも同様に顔色一つ変えないが、ジローだけは苦い表情。

海東「……話を聞いていると、ジロー君とやら、君だけが何故か情緒不安定だね。さっきも、変な笛の音で苦しんでたようだけど」

イチロー「ジローには、俺たちにはない良心回路が組み込まれているのだ。それも不完全な」

ユウスケ「良心回路?」

士「なるほど、大体分かった。そのせいで人間のような良心とロボットとしての指令に葛藤してしまうというわけだな?」

レイ「僕たちには考えても分からないことだけどね」

 黙り込むジロー。

 そのジローを同情するような眼差しで見つめるユウスケ。

 士と海東は、無表情のまま腕組みして立っている……。

 

○光写真館・夏海の部屋

 机の上のオルゴールを眺めて座っている夏海。

 そこへ、フラフラ~ッとキバーラが飛んでくる。

キバーラ「夏海~、何ボンヤリしてんのさ」

夏海「……キバーラ。……私は、何者なんでしょう?」

 ピタッと止まるキバーラ。

夏海「教えてキバーラ! 私は、何故ディケイドが他のライダーたちと戦う夢ばかり見るの!? 何故こうして色んな世界を渡り歩くことが出来るの!? そして、この花摘みの歌は私の過去に一体何の関係が……」

 うなだれる夏海。

 そんな夏海を尻目に、ソッと部屋から出ていくキバーラ。

 

○同・リビング

 食器類を片付けている栄次郎。

 そこへ、キバーラが入ってくる。

キバーラ「栄ちゃん、夏海が……」

栄次郎「(食器棚をバタンと閉めて)もうすぐ決着がつく。そしてついに我々が動く時が来るのじゃ。……我々大ショッカーの動く時が!!」

 栄次郎、そう叫ぶとクルッと一回転!

 すると、外が黒く中が赤い大きなマントに身を包んだ悪の幹部風の出で立ちに!

キバーラ「栄ちゃん……、いや、死神博士」

 

○街中

 ひとまずジローたちと別れた士、ユウスケ、そして海東の三人。

海東「じゃ、僕はここで」

 立ち去ろうとする海東。

士「待て、海東」

 呼びとめる士。

海東「ん?」

士「お前の狙いは何だ? 何故鳴滝などと一緒にいた?」

海東「フッ。鳴滝さんが世界の破壊を止めようとしていることは事実だ。そして僕も……」

ユウスケ「海東さん! あなたも士が世界の破壊者だと言うんですか!?」

 ユウスケの問いに神妙な顔つきになる海東。

 そして、無言で背を向けその場を立ち去る。

士「おい海東!」

 士の呼びかけにも応えず、そのまま去っていく海東。

ユウスケ「海東さん……」

士「……まあいい。とにかく、まずはこの世界の問題を解決して、ユウスケ、お前の真実を明らかにすることが先決だ」

ユウスケ「そうだな。……ありがとう、士」

士「何言ってやがる」

 士、ユウスケの礼の言葉に照れたようにそっぽを向いて歩き出す。

 

○荒野

 仁王立ちするハカイダーと黒いアンドロボットたち。

ハカイダー「キカイダー、出てこい! 今日こそ、今日こそ決着をつけるぞ!!」

 ハカイダーの呼びかけが通じたのか、高台に勢揃いしてくるジロー、イチロー、レイ、ミエコの四人。

イチロー「ハカイダーよ、悪いが返り討ちだぜ!! 行くぞ!」

 イチローの号令とともに、四人が変身!

 そして、ジャンプして地上に降り立つキカイダー、ゼロワン、ダブルオー、ビジンダー。

ハカイダー「フフフ……、出でよ! ハカイダー軍団!!」

 ハカイダーがそう叫びながらサッと手を挙げると、バイクに乗った別のハカイダーが三人現れた!

 ゆっくりとバイクから降りる三人のハカイダー。

胸元が赤いハカイダー「レッドハカイダー!」

胸元が青いハカイダー「ブルーハカイダー!」

胸元が銀色のハカイダー「シルバーハカイダー!」

 黒い元祖ハカイダーとともにポーズを決めるハカイダー四人衆!

ゼロワン「四対四か、上等だ!」

 戦闘になるキカイダー軍団とハカイダー軍団。

 しかし、アンドロボットたちが多数いるハカイダー軍団が圧倒的有利な状況。

 と、そこへ士とユウスケが登場。

ユウスケ「俺たちも加勢するぜ!」

士「よし!」

 士とユウスケ、同時に変身!

 戦いに割って入り、アンドロボットたちを次々と蹴散らしていくディケイドとクウガ。

キカイダー「ありがとう! 助かる!」

 と、そこへまたしてもギルの笛の音が!

キカイダー「う……、うわああ!!」

 頭を抱えてしゃがみ込むキカイダー。

ギル「ジローはワシの獲物じゃ!」

 一言叫ぶや、再度笛を吹き始めるギル。

 と、キカイダーと対峙していたハカイダーが、ハカイダーショットをギルに向ける。

ダブルオー「何!?」

 ショットを放つハカイダー。

 ギルの身体に命中し、笛ごと吹っ飛ぶ。

ギル「グアッ!!」

 倒れ込むギル。

 そこへ近寄るハカイダー。

ギル「……ハカイダー、貴様……、グッ!!」

 気を失うギル。

ハカイダー「(ギルを肩の上に抱え)キカイダー! 俺はコイツを使って唯一の弱点を克服する! 待っていろ!!」

 ハカイダー、そう言ってバイクに乗り込む。

 残り三人のハカイダーも、戦いを切り上げてバイクへと向かう。

ゼロワン「テメェら! 逃げんのか!?」

 ハカイダー部隊、一斉に撤退していく。

 立ち尽くすキカイダーたち。

ダブルオー「アイツ、今日は最初からギルが狙いだったんだな」

ビジンダー「私たちは囮だったってわけ?」

ゼロワン「チクショー! 奴ら何企んでやがんだ!!」

 一人、しゃがみ込んだままのキカイダー……。

 

○ダーク基地

 手術台に横たわるハカイダー。

 その隣の手術台にはギルが。

 そして、周りを取り囲むダークの改造科学班たち。

 ハカイダーから城山坂博士の脳を取り出し、代わりにギルの脳を移植していく。

 

○光写真館・撮影室

 ソファーに座る士、ユウスケ、ジロー。

士「ハカイダーとやらの考えていることは一つだな」

ジロー「ああ。奴の弱点は一定時間内に脳の血液を交換しなければならないことだ。それは、奴の脳が城山坂博士のものだから……」

ユウスケ「しかし、ギルの脳に入れ換えたとしたら……」

ジロー「(頷いて)恐らく、血液交換の必要はなくなる。今までは僕たちへの牽制の意味もあって、城山坂博士を何らかの形で生かしつつ戦っていたのだろうが、ギルを利用するということなら簡単に殺してしまうだろう。そして、最強のハカイダーが生まれる!」

士「厄介なこったな。……しかし、お前の兄貴らは今イチ気付いていないようだったが」

ジロー「僕以外は良心回路が組み込まれていないので、良くも悪くも本当にロボットなんだ」

ユウスケ「ドライなんだね」

ジロー「ちょっと羨ましくもありますが、僕はやっぱり……」

士「人間になりたい……か?」

ジロー「……正直、よく分かりません。人間と同じ考えを持てるようになった時、僕はそれを本当に受け入れられるのかどうか……」

 ジローの本音に沈黙する士とユウスケ。

 

○ダーク基地

 手術台から、強化カプセルのようなものの中に移動しているハカイダー。

 改造化学班の一人がスイッチを入れると、カプセル内に電流が走る!

 ハカイダーの身体を電流が包み込む!

 電流が止み、カプセルがゆっくりと開いてゆっくりとハカイダーが出てくる。

 ギルの脳を得たハカイダー、自ら全身を見渡し、ギルハカイダーとして生まれ変わったことを実感する。

ギルハカイダー「うむ! パワーアップしたギルの脳を手に入れた。これで血液交換の必要はない。このギルハカイダーが世界の頂点に君臨するのだ! ……もはやダークのギルは存在しない。我々は、ダーク改めシャドウと組織改名する!」

周期の改造科学班たち「シャドウ……」

 室内端っこにいた三人の別ハカイダーたちが姿勢を正す。

レッドハカイダー「シャドウ!」

ブルーハカイダー「シャドウ!」

シルバーハカイダー「シャドウ!」

 敬礼する三人。

 そして、ギルハカイダーが叫ぶ。

ギルハカイダー「シャドウ!!」

 

○光写真館・撮影室

 作戦を練る士、ユウスケ、ジローの三人。

ジロー「ハカイダーがこれ以上強力になるとますます厄介だ。何とか先手を打ちたいところだが……」

ユウスケ「せめて奴らのアジトが分かりゃあなあ」

 と、そこへ飛んできたキバーラ。

キバーラ「私が案内してあげよっか~?」

ユウスケ「キ、キバーラ! お前、知ってんのか!? 奴らのアジトを!」

キバーラ「私を甘く見てもらっちゃ困るわ~ん。それとこの世界は……、まあいいわ」

 士、キバーラの言葉に眉をひそめる。

士「……まあいい。案内しろよ。……ところで夏みかんはどうした?」

キバーラ「な~んか部屋で塞ぎこんでるわ。そっとしといてあげたら~?」

ユウスケ「疲れてるんだろう。とにかく、イチローさんたちにも声を掛けて行こう!」

ジロー「よし!」

 立ち上がる三人。

 

○森の中

 キバーラを取り囲む士、ユウスケ、ジロー、イチロー、レイ、ミエコ。

士「で、奴らのアジトはどっちなんだ?」

キバーラ「ん~、手っ取り早く行きましょっか。……みんな目を閉じて!」

イチロー「ああ?」

 さすがにキバーラに不信感を持っているキカイダー勢。

ユウスケ「みんな、とにかく今はキバーラに従おう!」

 ユウスケの言葉を受け、しぶしぶ目を閉じる全員。

キバーラ「じゃ、行くわよ。……キバットバット!!」

 キバーラの叫びとともに、六人はフッとその姿を消す。

 

○アーマゲドン・ゴッド内

 目を開いた六人は、とある機械要塞の内部にいた。

士「……ムッ!?」

ジロー「ど、どこだここは!?」

 と、六人の頭の中にキバーラの声が聞こえてくる。

キバーラ「そこはアーマゲドン・ゴッド。シャドウの移動要塞基地よ。……ああ、シャドウってのは、ハカイダーがギルの脳を取り込んで新たに発足させた悪の組織のこと。そこに、奴らが全員いるはずよ。……まあ、せいぜいしっかりおやんなさい」

 キバーラの声を聞くも、まだ半信半疑のキカイダー勢。

イチロー「ここが奴らのアジトだって? おいおい、そんな都合のいい話あっかよ!」

レイ「確かに、非常識極まりない状況ですが」

ミエコ「……でもこうなった以上、受け入れるしかないんじゃないの?」

ジロー「……行こう!」

 決心を固めるキカイダー勢。

 一方、士とユウスケは互いに顔を見合わせながら、少し余裕の笑み。

 

○同・長い通路

 真っ直ぐ通路を進んでいく六人。

 しかし、敵の気配は全くない。

ジロー「(おかしい。罠としか思えないが、今はそれでも進むしかない!)」

 と、頭上からガタン!と大きな物音がしたかと思うと、一瞬周囲が真っ暗闇に!

ジロー「何だ!?」

 再び光が灯ると、そこには士、ユウスケ、ジローの三人しかいなかった。

士「……何!?」

ユウスケ「イチローさんたちは!?」

 と、どこからともなくギルハカイダーの声が!

ギルハカイダー「フハハハ! よく来たなキカイダー。悪いがお前の仲間たちを先に料理しといてやる。お前はメインディッシュだ!!」

ジロー「何だと!? チクショー、出てこい! ハカイダー!!」

 通路を走るジロー。

 それを追う士とユウスケ。

 まるでジローたちを誘い込むように、一本道で動力室へと辿り着く。

 警戒しつつ、動力室の扉を開けるジロー。

 

○同・動力室

 室内に入るジロー、士、ユウスケ。

 その傍らには、カプセル内で培養液に浸された城山坂博士が!

ジロー「し、城山坂博士!!」

 カプセルに駆け寄るジロー。

 その後ろで周囲を警戒する士とユウスケ。

 と、室内奥からギルハカイダーが現れる。

ギルハカイダー「フフフ……、ようこそ、キカイダー!!」

 

○第二十九話・完

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