裏・ディケイド   作:三澤未命

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最終話『世界の破壊か? 救済か?』

○アバン・オープニング

N「これまでの仮面ライダーディケイドは……」

 宙空に浮かんで呟く紅渡似の男。

男「あなたたちは、今からその裏側の世界を旅して真実を突き止めねばならない」

 裏の異世界を巡る士たち。

士「……イナズマンの、世界」

士「信じるもののために戦える、守りたいもののために戦える、それが真実だ!!」

士「ここはズバットの世界だ」

士「心の中の存在が、色褪せない強い記憶が、生きる者に愛と誇りを与えてくれる! それが真実だ!!」

士「アクマイザーの……世界?」

士「こいつら三人は、今こそ本当のチームになった! それが真実だ!!」

士「ジャッカーの……、世界か」

ディケイド「こいつら四人は、みんなそれぞれ自分の信じた生き方を持っている。自分の人生を犠牲にしてもお前らクライムをぶっ潰すと決意を固めたんだ! それをお前ら外道にとやかく言われる筋合いはない! それが真実だ!!」

士「……マシンマンの、世界か」

士「子供たちの自由と未来を守る、それはこの星の無限の未来を守るってことになる。それが真実だ」

ユウスケ「ロボット刑事……。ロボット刑事の、世界か」

クウガ「……市民を守る刑事の役割、それは絶対正しいとも!! それが真実だ!」

士「スカイゼルとグランゼル……、キョーダインの世界か」

カブトディケイド「人間ってのは、それぞれ感情を持っているから意味があるんだ。そして、それを最も端的に表しているのが兄弟愛だ。お前らにそれが理解出来ない内は、残念ながらダダ星は救われんだろうな。それが真実だ!」

ディケイド「変身忍者嵐の世界……か?」

クウガ「無茶だ! 弟子が師匠に止めを刺すだなんて……」

士「……キカイダーの世界か」

クウガ「もう誰も悲しませてはいけないんだ! みんなの、笑顔を守らなくっちゃいけないんだ。それが人間の使命! それが、真実だ!!」

 光写真館内で呆然とする士。

士「ユウスケ……、ユウスケーーーーーッ!!」

 

○光写真館前の道

 サブタイトル『最終話 世界の破壊か? 救済か?』

 周囲をキョロキョロ見廻しながら走る士。

士「ユウスケ! ……ユウスケ!!」

 と、一瞬空間が歪み、別世界へと移動する。

 そして、鳴滝が目の前に現れる。

鳴滝「あれほど破壊を止めろと言ったのに……」

士「何だと? どういうことだ、説明しろ!!」

鳴滝「お前はそれぞれの世界を救ってきたつもりだろうが、実はそれぞれの世界を破壊してきたに過ぎない。いや、正確に言うと……」

 と、そこへキバーラが飛んでくる。

キバーラ「世界の歪みを修正して、それぞれの世界を『なかったこと』にしてきてたってワケ」

 顔色を変える士。

士「何だって!? じゃあ、俺が今まで巡ってきた世界は……」

鳴滝「もう、全て存在しない」

士「ちょっと待て! じゃあ、ユウスケはもう存在していないと言うのか!?」

キバーラ「……そういうことに、なるわね」

士「そんな……、そんな簡単に……」

 肩を落とし、うなだれる士。

鳴滝「ディケイド、それがお前の力なのだ。パラレルワールドの歪みを修正して同化させていく、その特殊技能を大ショッカーはお前に与えたのだ」

士「大ショッカー? お前は一体……」

鳴滝「私の本名はバラカシン・イイノデビッチ・ゾル。かつてはゾル大佐と呼ばれていた」

 鳴滝、クルッと一回転し、ナチス風の出で立ちに変化!

ゾル大佐「今は追われる身だが、世界征服を企む悪の秘密結社・大ショッカーの元幹部だ。そしてディケイドよ、お前こそ大ショッカーが生んだ最高レベルの改造人間なのだよ!!」

 

○大ショッカー基地

 メインルームと思しき場所に座り込む栄次郎改め死神博士。

 そして傍らには、同世界に存在する地獄大使の姿が。

死神博士「ついに九つの世界が統合された。先に統合した十一の世界と合わせて、我々大ショッカーの野望がついに完成へと近付く!」

地獄大使「うむ。……しかし、ゾルがまだ動いているフシがある。まずは奴の抹殺だ」

 そう言いながら、地獄大使はサッと右手を前に突き出す。

 と、そこにはザンジオーとカミキリキッドの姿が!

 

○光写真館前の道

ゾル大佐「大ショッカーは、あらゆるパラレル世界の中で最も強大なショッカー組織だ」

士「……何を企んでいるんだ?」

ゾル大佐「大ショッカーの目的はズバリ、パラレルワールドの統合だ。全てのパラレルワールドを一つに統合して、その最高峰の世界を征服しようとしているのだ!」

 息を呑む士。

ゾル大佐「お前『門矢士』というどの世界にも行き来出来る特殊な肉体を与えられ、世界再構築のため大ショッカーのプログラム通りに動いていたのだ」

士「バカな!? 俺は俺の意思で動いてきた! 操られてなんかいない!!」

ゾル大佐「それも全てプログラムの内なのだ。お前の巡った世界の記憶は残っているだろうが、もはやそれぞれの世界は存在しない。それがディケイド、お前の宿命なのだ」

士「そんな……、それが本当に真実だと言えるのか……?」

 ゾル大佐、手元のムチをひと振りして、訝しげな表情で続ける。

ゾル大佐「うむ。私も納得出来なかった。それぞれの世界での真実は、それぞれ別個のものであるべきだ。私自身、幾人もの私を消していったことで初めてそれが分かった。世界を、破壊してはならないのだ!」

士「(キバーラに目を遣り)キバーラ、お前は何者なんだ?」

キバーラ「私は、とある『キバの世界』から来た特異点」

士「特異点?」

キバーラ「そう。電王の世界でも、時間と空間の影響を一切受けない特異点という存在がいたわよね。それと一緒。私の世界はいち早く大ショッカーに支配されちゃった。だから、アンタにカードを渡した私の世界のワタルは、もう操り人形みたいなもんだったワケ」

 キバーラ、フワーッとゾル大佐の近くへと飛んでいく。

キバーラ「私は、大ショッカーの企みなんてどーでもいいんだけど、面白いからついてきてるだけ。一応、大ショッカーからはゾルちゃんとディケイドの監視役として雇われてんだけどね!」

士「じゃあ、お前は敵なのか? 味方なのか?」

キバーラ「難しい質問ね。だって、アンタは大ショッカーの一員でありながら、自分では世界を救おうとしていたんだから」

 頭を抱える士。

士「……お、俺はこれから一体、どうすれば……!!」

 と、そこへ突如、死神博士と地獄大使が現れる!

地獄大使「ディケイド! そろそろ戻ってきてもらうぞ!」

 士、死神博士の顔を見て驚く。

士「……じいさん!?」

死神博士「(士を無視するように)ゾル! 貴様はここで始末してやる!」

 死神博士の言葉と同時に、続々と現れる大ショッカー戦闘員、そしてザンジオーとカミキリキッド。

士「……くそ!」

 士、ディケイドライバーにカードをセットして、ディケイドに変身!

 瞬間、ディケイドに群がる大ショッカー戦闘員たち!

 そして、ザンジオーとカミキリキッドはゾル大佐を狙う。

キバーラ「ゾルちゃん! ひとまず退散よ!」

ゾル大佐「うむ!」

 キバーラ、ゾル大佐とともにその場をテレポートし始める。

地獄大使「キバーラ! 貴様裏切る気か!?」

キバーラ「(姿を消しながら)だって、こっちの方が面白そうなんだもん!」

 完全に姿を消すキバーラとゾル大佐。

 一方、孤軍奮闘のディケイド。

 そこにザンジオーとカミキリキッドも襲いかかり、ディケイドに集中攻撃!

ディケイド「ウグッ……!!」

 大ショッカー勢の攻撃に、ついに意識を失ってしまうディケイド。

 

○光写真館・撮影室

 ソファーに座り、呑気に鼻歌を歌っている夏海。

 と、そこへキバーラとゾル大佐が現れる。

夏海「(驚いて)うわっ!! 誰なんですかあなたたち!!」

 夏海は、これまでの旅を全てを忘れてしまっている様子。

キバーラ「……しょうがないわね」

 キバーラ、スーッと夏海に近付き、夏海の首筋にガブッと噛みつく。

夏海「キャッ!!」

 夏海から離れるキバーラ。

 すると、夏海の表情が一変する。

夏海「……士君!!」

キバーラ「思い出したようね」

夏海「キバーラ! 士君はどこ!? ……そうだ、ユウスケがどうとか……、ユウスケがどうかしたの!?」

 夏海、必死の形相でキバーラに詰め寄る。

キバーラ「ユウスケはもういない。……そして士も……」

ゾル大佐「士君は、恐らく大ショッカーに捕えられてしまったのだろう」

夏海「(ゾル大佐に目を向け)大ショ……、あなたは誰なんですか!? ……え? 鳴滝さん!?」

ゾル大佐「そう。私の正体は大ショッカーの元幹部・ゾル大佐」

 夏海、ゾル大佐の両腕に掴みかかる。

夏海「どういうことなんですか!? ユウスケがいないって!! 士君が捕まったって!!」

ゾル大佐「士君は元々大ショッカーが造り出した改造人間。本人も知らぬまま、世界の破壊を続けていたんだよ。そして、クウガの世界の消滅とともに、ユウスケ君もいなかったことになってしまった。……君が慕っていたおじいちゃんも、実は大ショッカーの幹部・死神博士だったんだ」

夏海「そんな……、そんな……!!」

 その場に泣き崩れてしまう夏海。

 と、そこへ海東が現れる。

海東「(入口のドアにもたれながら)士を助けたいかい? 夏メロンちゃん」

夏海「(顔を上げ)……当たり前です! ……それから、私は夏メロンじゃなくて夏みかん……じゃなくって、夏海です!!」

 海東、微妙な笑みを浮かべながら部屋に入ってくる。

海東「士を助けるためには、花摘みの歌を解析しなければならない。……僕の実家に、こんなものがあった」

 海東、古びた巻物を机の上に置く。

夏海「これは……?」

 ゾル大佐、巻物を手に取り、机の上に広げて見せる。

 そこには、一編の詩が綴られていた。

 

 永続する広大な自然美

 その美しさは悪しきものをも重宝す

 満足と野心、そして幸福をもたらすものは

 すなわち愛と疑惑の芽生えなり

 転化、それは良き方向への希望

 魂の意を込め、実りは甘い誘惑へ

 忘却、それとも歓待か

 理想への努力、そして自由への道

 

夏海「何のことやらさっぱり……」

海東「これはね、世界再構築の予言書さ。そして同時に、それを防ぐカギも隠されている」

ゾル大佐「(ジッと巻物を睨みつけながら)……なるほど。無数に存在するパラレルワールド、そこに大ショッカーという野心が幸福の名の下に現れる。破壊者は希望、誘惑、そして忘却を呼ぶだろうが、努力というキーワードが再び自由への道を拓く、と」

海東「さすがはゾル大佐。これは大ショッカーの野望を予言しながら、その防止策のヒントも示しているんだ」

夏海「ヒント……、ですか?」

海東「そう。夏メ……いや夏海ちゃん。花摘みの歌に出てきた花を思い出してごらん」

夏海「柿、南瓜、カンナ、マンゴー、松茸、マンダリン、栗、胡桃、くちなし、ライラック、ラベンダー、ダリア、ダイダイ、大根、苺、イチジク、銀杏、葡萄、ブナ、椿、つくし、月見草……」

海東「花に付き物なのは花言葉。この詩は、見事に花摘みの歌に出てくる花の花言葉に対応してるんだ」

夏海「柿は自然美……、南瓜は広大、カンナは永続……、ホントですね!」

海東「(頷きながら)そしてもう一つ、その花言葉がまた、実は過去のライダーたちともシンクロしてるんだよ」

 ニヤリとする海東。

 

○荒野

 風が吹きすさぶ荒野。

 そこには、黒い眼のディケイドが佇む。

 周囲には、死神博士、地獄大使、そして、ザンジオー、カミキリキッドをはじめ、二十一体の大ショッカー怪人が身構える。

地獄大使「ディケイド! 今こそ世界を一つにするのだ!!」

 ディケイド、両腕をクロスして何やら念じたかと思うと、ゆっくりと天に向かって両手を広げる。

 空が曇り、空間が歪み始める。

 と、ディケイドの頭にユウスケの声が!

ユウスケ「士……、士! いけない!!」

 一瞬ハッとして手を下げるディケイド。

地獄大使「どうした!? ディケイド!!」

ディケイド「……いや、何でもない」

 ディケイド、小さくそう呟くと再び両腕を天高く掲げる。

 そしてまた、空間が歪み始める。

 と、そこへ海東、夏海、ゾル大佐、キバーラが現れる!

夏海「士君! 目を覚まして下さい!!」

 ディケイド、夏海の声に反応なく、そのまま天空に念を送り続ける。

海東「仕方ない」

 海東、ディエンドライバーにカードをセットしてディエンドに変身!

 そして、海東自身が作った二十一人のライダーたちが描かれたスペシャルカードを取り出し、ディエンドライバーにセット!

ディエンド「行くよ」

 ディエンド、ディエンドライバーから順次実体ライダーを射撃出現させる!

「柿! 自然美と優美の戦士・仮面ライダー1号2号!!」

「南瓜! 広大な技そして力・仮面ライダーV3!!」

「カンナ! 永遠の情熱・ライダーマン!!」

「マンゴー! 悟りを拓くカイゾーグ・仮面ライダーX!!」

「松茸! ワイルドナーバス・仮面ライダーアマゾン!!」

「マンダリン! 万能電気人間・仮面ライダーストロンガー!!」

「栗! 豪華な大空・スカイライダー!!」

「胡桃! 宇宙の野心・仮面ライダースーパー1!!」

「くちなし! 幸福を呼ぶ熱風・仮面ライダーZX!!」

「ライラック! 愛と希望の戦士・仮面ライダーBLACK!!」

「ラベンダー! 疑惑と期待の戦士・仮面ライダーBLACK・RX!!」

「ダリア! 古代そして優雅・仮面ライダークウガ!!」

「ダイダイ! 寛容そして泰平・仮面ライダーアギト!!」

「大根! 希望への戦い・仮面ライダー龍騎!!」

「苺! 尊敬につながる愛情・仮面ライダーファイズ!!」

「イチジク! 飽和する裕福感・仮面ライダーブレイド!!」

「銀杏! 永遠に語り継がれる魂・仮面ライダー響鬼!!」

「葡萄! 背中合わせの信頼と忘却・仮面ライダーカブト!!」

「ブナ! 果敢なる愛国心の象徴・仮面ライダー電王!!」

「椿! 理想の愛・仮面ライダーキバ!!」

 次々と現れる二十一人の過去ライダーたちの雄姿!

ディエンド「つくし! これはビッグサプライズ! つまり僕とディケイド!! そしてもう一つは自由への道標、それは!!」

 キバーラに目で合図するディエンド。

 キバーラ、それを受けてフワーッと夏海の方へと飛ぶ。

 戦い始める二十一人のライダーと大ショッカー怪人たち!

夏海「ライダー大戦……、これがそうだったんだ……」

キバーラ「夏海! 最後のカギ・月見草はアンタなのよ! 士を助けるために、アンタも仮面ライダーに!!」

夏海「ええっ!?」

 驚く夏海。

キバーラ「生まれながらの特異点であるアンタなら、士をきっと止められる! アンタこそ、歴史が選んだ戦士!!」

 夏海、不安ながらもキッと唇を噛み締め、スクッと立ち上がる。

夏海「キバーラ!」

 夏海、宙空に浮かぶキバーラを右手で掴んで、自分の左手に噛みつかせる!

キバーラ「ガブッ!!」

 夏海の腰に植物の蔓のようなものが次々と巻きついてベルトとなり、キバーラがそこへ吸い込まれる!

 ベルトを中心に夏海の全身が変化していき、白ベースのコウモリ形態の戦士・仮面ライダーキバーラに変身した!

ライダーキバーラ「ヤーーーッ!!」

 ジャンプ一番、戦いの輪の中へ入っていく仮面ライダーキバーラ。

 そしてゾル大佐も、ムチをサッと振り下ろす仕草で狼男に変身、ライダー勢として加勢していく。

 大混戦となる戦い模様!

 

 ライダーキバーラ、壮絶な戦いの中、ディケイドのところへ走り寄る。

ライダーキバーラ「士君! 目を覚まして!!」

 ディケイド、傍に来たライダーキバーラを手刀で振り払う。

 しかし、ライダーキバーラも怯まない。

ライダーキバーラ「私が……、私が!!」

 ディケイドと格闘するも劣勢のライダーキバーラ。

 と、そこへ走り寄るディエンド!

 ディエンドライバーの射撃攻撃が、ディケイドの肩をかすめる!

ディケイド「うっ!」

 のけぞるディケイド。

ディエンド「夏海ちゃん! 今だ!!」

 ライダーキバーラ、腰からレーザーサーベルを抜き、ディケイドの身体を『K』の文字状に斬り裂く!

ディケイド「グワッ!!」

 倒れ込むディケイド。

ライダーキバーラ「カタルシス・ウェーブ!!」

 右手をディケイドに向けるライダーキバーラ、その掌から光線が発射され、ディケイドを包み込む!

 白く発光するディケイド、そして、黒い眼が徐々に緑へと戻っていく。

 首を振り、ゆっくりと立ち上がるディケイド。

ディケイド「……俺は一体……、ムッ、お前は!?」

ライダーキバーラ「士君! 一緒に戦いましょう!!」

ディケイド「な、夏みかん!?」

 ディケイドの様子を見て顔色を変える死神博士と地獄大使。

死神博士「ムムッ、よくも!」

地獄大使「ウーーーー、ギャーーーオ!!」

 叫び声とともに、死神博士はイカデビルに、地獄大使はガラガランダに変化した!

ディケイド「あれが正体か」

ライダーキバーラ「もうあれは……、おじいちゃんじゃない!!」

 ディケイドとライダーキバーラ、互いに目で頷き合いながらジャンプ!

 空中で重なるように肩を組み、ピカッと光るディケイドとライダーキバーラ!

 眩い光に思わず目をそむけるイカデビルとガラガランダ。

 ディケイドとライダーキバーラの身体を、青白い炎が包み込む!

ディケイド&ライダーキバーラ「ライダー・クロスファイヤーキーーーーック!!」

 二人の炎のキックがイカデビルとガラガランダに命中!

 そして、爆発!!

 

ディエンド「やった!」

 周囲では、他のライダーたちも次々と必殺技で怪人たちを倒していく!

 と、突如として空が暗転!

ディケイド「何だ!?」

 身構えるディケイドの眼前に、なんともう一人のディケイドが現れた!

 そのディケイドは、全身全てが真っ黒のフォルムだった!

ディエンド「あ、あいつは……」

狼男「伝説の大ショッカー首領、シャドウ・ディケイドだ!!」

ディケイド「何だと!?」

 ゆっくりと歩を進めるシャドウ・ディケイド。

シャドウ・ディケイド「……我は汝、汝は我。そして、我こそが真の破壊者!!」

ディケイド「何だと? 何が言いたい!」

ディエンド「アイツはディケイドの影の存在。言うなればディケイドの深層心理であり、ある意味真の姿!」

ライダーキバーラ「そ、そんなバカなこと!」

 全身から黒いオーラを発するシャドウ・ディケイド。

シャドウ・ディケイド「世界の破壊こそ我の喜び。破壊なくして創造なし。……真の世界は、一つであらねばならない。大の虫を生かして小の虫を殺す、それが世界統合の真の姿! 無用な世界は、一掃されねばならんのだ!!」

 シャドウ・ディケイドの言葉を受け、自信満々に一歩前へ出るディケイド。

ディケイド「違うな」

シャドウ・ディケイド「何!?」

ディケイド「一つの世界だけが真実ではない。一寸の虫にも五分の魂、あらゆる世界には、それぞれ確固たる自我が存在する。そこに嘘など一つもない。無駄な世界など、一つとしてないんだ! それが真実だ!!」

シャドウ・ディケイド「貴様……、我を認めんと言うのか!」

デェケイド「俺は通りすがりの仮面ライダー。ただそれだけだ。……しっかり胸に刻んで、地獄へ堕ちろ!!」

 と、ディエンドが二十一人ライダーのスペシャルカードをディケイドに投げ渡す。

ディエンド「士!!」

 カードをキャッチするディケイド。

 そして、素早くディケイドライバーにセットする。

「ファイナルアタックライド! カ・カ・カ・カメンライダー!!」

 全てのライダーがディケイドとシャドウ・ディケイドを中心にし、グルグルと円を描いて超高速で走り始める!

 そして、それは大きな光の輪となり、シャドウ・ディケイドに向けてその直径を縮めていく!

 天高くジャンプするディケイド!

ディケイド「ファイナル・ディケイドキーーーック!!」

 光の輪がシャドウ・ディケイドを捕獲し、そこに向けてディケイド渾身のキックが炸裂!!

シャドウ・ディケイド「ウギャーーーーッ!!」

 大爆発とともに消滅するシャドウ・ディケイド!!

 

 白煙の中、それぞれ変身解除しながら士、海東、夏海、ゾル大佐が歩み寄る。

士「これで、終わったのか……」

海東「この世界の大ショッカーは、間違いなく滅んだだろう。しかし、世界の統合を防いだということは、同時にまだ悪事を企む組織があらゆる世界に存在するかもしれない、ということだ」

 神妙な表情となる四人。

夏海「ゾル大佐、あなたはどうするんですか?」

ゾル大佐「大ショッカーが滅んでも、私はこうしてここにいる。ということは、私も君たち同様、特異点となったのであろう。……ならば、私はこれまでの悪事を清算する旅に出る。……さらば!」

 ゾル大佐、そう言ってムチで地面を叩いて砂煙を立たせたかと思うと、スッとその場から消えた。

 そして他のライダーたちも、手を振りながら消えていく。

 

○光写真館前の道

 晴れやかな表情で立つ士、海東、夏海の三人。

海東「僕は、最後に大きなお宝を手に入れた」

士「何だ?」

海東「それは、……友情だよ」

 士に手を差し伸べる海東。

 そして、笑顔でその手を握り返す士。

海東「士、君とは最後に本気で戦うことも覚悟していた」

士「フッ。そうなった方が良かったんじゃないのか?」

 いたずらっぽく笑う士。

夏海「もう! 士君ったら」

 微笑する海東。

海東「僕はひとまず自分の世界に帰るよ。そこで次に探すべきお宝を研究する」

士「そうか。……じゃあな」

海東「ああ。また、どこかで会おう!」

 手を振りながら士と夏海に背を向け、その場を去っていく海東。

 それを静かに見送る士と夏海。

夏海「……士君は、どうするんですか?」

士「俺は、旅を続ける。……ユウスケを探す旅を」

 ニコッと笑う夏海。

士「ユウスケは消滅なんかしていない。……確かに、ユウスケがいたクウガの世界は消滅したかもしれない。しかし、俺たちと旅を続けている間に、ユウスケもきっと完全な特異点とやらになっていたはずだ。ならば、きっとどこかの世界で元気に存在している。俺は……、そう信じてる!」

夏海「うん。私もそう思います。ユウスケがいなくなるわけない! ……士君」

士「(夏海の目をジッと見て)……一緒に、行くか?」

 満面の笑みで頷く夏海。

キバーラ「私も連れてって~!」

 夏海の周りを飛び回るキバーラ。

夏海「えっ!? またライダーにならなくちゃいけないの?」

士「頼りにしてるぞ、夏海」

夏海「士君……」

 

 OP曲『Journey through the Decade』フルコーラス。

 その間、士と夏海が様々な世界を巡る様子が映し出される。

 笑って、泣いて、怒って、時にはともにライダーとなって戦い、世界を救う。

士「待ってろよ、ユウスケ」

夏海「いつか、きっと……」

 オーバーラップするユウスケの笑顔。

 曲、終了。

 

○仮面ライダーディケイド・完

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