裏・ディケイド   作:三澤未命

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第24話『5ディーラー!! 炎の定め』

○アバンオープニング

N「これまでの仮面ライダーディケイドは……」

 サーベルを突き合うザビタンとイビル。

ザビタン「お前の協力があれば、アクマ族の野望を打ち砕けるんだ!」

イビル「何をバカな!!」

 悩むユウスケ、そしてジュン。

ユウスケ「いつも正しいのは人間の方だと思ってたけど、本当にそれでいいのだろうか?」

ジュン「信じる。……私はあなたを」

 メザロードと戦うディケイド&アクマイザー。

メザロード「悪魔の心こそが真の姿だということが、分からんのか!?」

士「こいつら三人は、今こそ本当のチームになった! それが真実だ!!」

 

○街中の駐車場

 並んで歩く士、ユウスケ、夏海。

 士は、黄色いスーツに黄色い軍帽姿。

ユウスケ「また今日は派手な格好だな」

夏海「軍人さん……ですか?」

士「俺に聞くな」

 と、そこへ全身灰色のロボットと黒いマスクの戦闘員が数人現れる。

ロボット「見つけたぞジョーカー。貴様だけは始末しなければならん!」

士「ジョーカー?」

ロボット「行け!!」

 ロボットの号令で走り出す戦闘員たち。

 身構える士とユウスケ。

 と、戦闘員たちの頭上からパラパラと無数のトランプが落ちてきて目眩まし。

 思わず立ち止まる戦闘員たち。

 次の瞬間、ロボットの胸に四枚のトランプが貼りつく!

ロボット「何!?」

 周りを見回すロボット。

 と、そこに四人のサイボーグが現れた。

赤い男「スペード・エース!」

青い男「ダイヤ・ジャック!」

ピンクの女「ハート・クイーン!」

緑の男「クローバー・キング!」

四人の男女「我ら、ジャッカー電撃隊!!」

 ポーズを決める四人のサイボーグ。

士「ジャッカーの……、世界か」

 

○オープニング曲

 

○街中の駐車場

 サブタイトル『第二十四話 5ディーラー!! 炎の定め』

 ロボットたちと戦うジャッカーの四人。

 戦闘員たちを蹴散らし、残るはロボット一体。

ロボット「うぬう……!!」

 戦いを凝視する士たち。

エース「ジャッカー・コバックだ」

ジャック・クイーン・キング「おう!」

 ジャッカーの四人、ロボットを四方から囲み、自分の脳天をロボットに密着させて互いに肩を組む。

 そして、その場でグルグルと回って、自らのエネルギーを脳天に溜めていく。

 しかし、クイーンのエネルギーが安定せず、バランスが崩れてバッと弾け飛んでしまう。

ロボット「……しめた!」

 そのスキに逃げるロボット。

 倒れ込んだジャッカーの四人は、その姿を人間体(エース=サクライ、ジャック=ヒガシ、クイーン=カレン、キング=ブンタ)へと変化させる。

 そこへ駆け寄る士たち。

 と、士の姿を見たブンタが叫ぶ。

ブンタ「……ジョーカー!!」

 ブンタの声に士の方を見る他のジャッカーたち。

ヒガシ「ジョーカー!! いつ戻ったんで!?」

 戸惑う士。

士「い、いやあ……」

サクライ「(眉間にしわを寄せて)ジョーカー、髭剃りました?」

ブンタ「そういや、ジョーカーより全然若いような……」

士「……あいにく、俺はジョーカーとかいう奴ではない。それより……」

 士、倒れ込んでいるカレンを見遣る。

 そのカレンをヒガシが抱き起こす。

ヒガシ「どうしたクイーン! 最近おかしいぞ」

 黙って唇を噛み締めるカレン。

士「とにかく、この世界の事情を聞かせてもらおうか」

 

○光写真館・撮影室

 部屋には士、ユウスケ、夏海、そしてジャッカーの四人が。

サクライ「我々ジャカーは、犯罪組織クライムを倒すために結成された秘密部隊だ」

ユウスケ「クライム?」

サクライ「(頷いて)クライムは、世界各地で重要犯罪に携わっている。さっきのようなデビルロボットを操って無法の限りを尽くしているのだ」

ユウスケ「それで、あなた方が変身して戦っているというわけですね?」

サクライ「変身……とはちょっと違うんだが」

ヒガシ「我々はサイボーグだ。優秀な科学者であるジョーカーによって改造され、それぞれに特殊な能力を持っている」

サクライ「さっきの姿は、強化カプセルの中でエネルギーを浴びることによってチェンジした姿なのだ」

ユウスケ「なるほど……」

 と、そこへ栄次郎がコーヒーとクッキーを持ってくる。

栄次郎「まあまあ、どうぞクッキーでも」

夏海「あ、おじいちゃん! また新しいの作ったんですか?」

栄次郎「今回も、自信作だよお」

夏海「おじいちゃんの作ったクッキー、とってもおいしいんですよ。どうぞどうぞ!」

 ジャッカーの四人にクッキーを勧める夏海。

サクライ「いえ。あいにく我々は通常の食事は出来ないんです」

夏海「え!?」

ブンタ「僕らが口に出来るのは、それぞれの体内機質に合ったエネルギードリンクだけ。まあ、サイボーグの悲しい性ですねぇ」

 同情的な眼差しで四人を見つめる夏海。

カレン「……そうよ。来る日も来る日も戦いばかり。食べる楽しみもなければ、誰からも感謝されることもない。……もうたくさん!!」

 そう叫んだかと思うと、机をバンと叩いて部屋から飛び出していくカレン。

サクライ「クイーン!」

 サクライが立ち上がりかけるが、それをヒガシが止める。

 夏海、それを見て立ち上がり、小走りに部屋を出ていく。

士「……そういや、さっきもあの女がブレーキになっていたように見えたが?」

サクライ「クイーンはここに来て壁にブチ当たっているようだ」

ヒガシ「甘いんだよ」

ブンタ「まあ、お年頃ですからねぇ……」

 神妙な面持ちでドアの方を見遣るユウスケ。

 士は、構わず平然とコーヒーをすする。

 

○道端の石階段

 涙ながらに走ってくるカレン、立ち止まって石階段の上の方に座り込む。

 膝を抱えてむせび泣くカレン。

 と、後ろから夏海が近寄ってくる。

夏海「……カレンさん」

 カレン、夏海の声に振り返り、サッと右手で涙を拭う。

カレン「ごめんなさい。カッコ悪いとこ見せちゃって……」

夏海「いえ……。そんなことありません」

 夏海、そう言いながらカレンの座っている一段下の石階段に腰を下ろす。

カレン「……私は、元々麻薬担当の刑事だったの。でも、ある事件で大怪我をして、自分から志願してサイボーグ手術を受けた。……最初から女の子らしい生活なんて無縁だったんだけど、ジャッカーになってからは本当に毎日戦うだけの人生。……情けない話だけど、最近何だか訳が分からなくなってきちゃって」

夏海「……大変だと思います。私は弱い人間ですから偉そうなことは言えませんが、いつも士君やユウスケを傍で見ていますので、そういう辛さは分かります」

カレン「彼らも戦っているのね?」

夏海「(頷いて)私たちは、これまで色んな世界を渡り歩いてきました」

 

○光写真館・撮影室

サクライ「……では、君たちは別の世界からやって来たと言うのか?」

士「そうだ。これまで十二の世界を旅してきた。だから、もはやどんな世界があったって驚きゃしないね」

ユウスケ「あなたたちを改造した、そのジョーカーって人は?」

サクライ「半月ほど前、任務でニューヨークへ発った。クライムがまた新しい動きを見せているようで……」

 

○道端の石階段

カレン「私だけが苦しいわけじゃないってことは、分かってるんだけど……」

 遠い目になるカレン。

夏海「……士君もユウスケも、好きで仮面ライダーになったわけじゃありません。でも、二人とも世界を破壊から防ぐために戦っています。……士君なんて、今までどの世界に行っても悪者扱いされて、凄く辛い思いしていると思うんです。それでも、それぞれの世界での自分の役割を見つけて戦ってきました。……苦しくても、自分の役割を全うすることが大切なんじゃないでしょうか」

カレン「役割……か」

 カレン、そう言って自分の手をジッと見つめる。

 

○飛行移動型基地・スカイエースの中

 ジャッカーの秘密基地兼飛行要塞・スカイエースの中にいるサクライ、ヒガシ、ブンタ。

 ブンタ、レーダーを操作しながら、

ブンタ「……これだ! さっきのデビルロボットの位置をキャッチしたぞ!」

サライ「よし! 出動だ!!」

 サクライ、ヒガシ、ブンタの三人が、基地からそれぞれの専用マシンで出ていく。

 と、基地の陰から現れる海東。

 海東、スカイエースを見上げてニヤリと笑う。

 

○街中の公園

 噴水の下で佇む士とユウスケ。

 行き交うこの世界の人々。

士「一見平和なこの世界も、実はジャッカーが人知れず守っている……」

ユウスケ「この世界では、俺たちは一体何をしなければならないんだろう?」

士「さあな。……夏みかんが、俺たちの代わりをしてくれているのかもしれないぞ」

 ニヤッと笑う士。

 キョトンとするユウスケ。

 と、背後に空間の歪みが発生し、そこから鳴滝が現れた。

鳴滝「ディケイド! こんなところにいたのか」

士「(振り向き)鳴滝……!!」

鳴滝「お前がこんなところにいる間に、ますますライダーの世界が……!! クッ!」

 苦しむ鳴滝、その体が徐々にうっすらと消え始め、また空間の歪みへと引きずり込まれていく。

ユウスケ「鳴滝さん!」

士「……どうやら、この裏世界ではあいつは自由がきかないらしいな」

海東「あいつの動きなんて、どうでもいいよ」

 そこへ突如現れた海東。

士「海東……」

海東「士。久々にここにはお宝が転がっていそうだよ。特に、あのジャッカーとかいう奴らのエネルギーの源は興味深い。……核に電気に重力・磁力。どれも世界を揺るがす重要なエネルギー体だ」

士「海東、お前妙なマネは……」

海東「士! 僕をただのお宝マニアだと思っていると、後で痛い目に遭うよ」

 海東、そう言って小走りに消えていく。

 

○地下道の中

 走るサクライとヒガシ。

 と、目の前の扉からブンタが出てくる。

ブンタ「OK! 妨害装置は全部取り除いたぜ」

サクライ「よし! クライムめぇ、この辺り一帯の電気系統を麻痺させようったって、そうはいかんぞ!」

 と、背後から数発の弾丸が襲う!

 素早く気配を感知して転がり避けるサクライたち。

デビルロボット「おのれジャッカーめ! ここでまとめて始末してくれるわ!!」

 

○街外れの道

 悩みの表情で歩くカレン。

 カレンの脳裏に、サクライの言葉が思い出される。

サクライ「クイーン、俺たちは何のためにジャッカーになったんだ? それぞれ平穏な生活を捨てて、何故サイボーグになった? ……クライムは誰かが倒さねばならない。人々に平穏な日々を取り戻すためには、誰かがやらねばならないんだ。そのために、俺たちは決心したはずだ。……戦うことを辞めるのもいい。だが、俺たちの体は、もう決して元には戻らないんだ」

 カレン、サクライの言葉を胸に刻みながらスカイエースへと帰ってくる。

 と、スカイエースに忍び込もうとする一つの影が。

 海東だ。

カレン「……何者!?」

 カレン、一瞬身を隠すと、スカイエースの中に入っていった海東を追う。

 

○スカイエースの中

 機器を物色する海東。

 その後方、ソロリソロリと忍び寄り、海東の背後に回り込むカレン。

カレン「手を上げて」

 カレン、海東の後頭部に銃口をつきつける。

海東「(素直に手を上げて)これはこれは磁力のお姉さん。戦いは辞めたんじゃなかったのかい?」

カレン「余計なお世話よ。……早く出てって」

海東「はいはい」

 海東、そう言って一歩二歩と踏み出した瞬間、サッと身を翻して逆にディエンドライバーをカレンに向けて構える。

カレン「ハッ!」

海東「残念ながら僕は女性には甘くない。……ここの技術、この僕が貰っていくよ」

カレン「何ですって!?」

 と、無線がピーピーと鳴って自動受信する。

スピーカーからサクライの声「……クイーン! クイーン聞こえるか!? デビルロボットに苦戦している。どうしても君の力が必要だ!」

カレン「エース……」

海東「無視すればいいじゃないか。どうせ誰も認めてくれないんだぜ?」

カレン「……そうかもしれない。だけど、これは私自身が信じて決めた道。今さら、後には退けない!!」

 カレン、そう言って強化カプセルの中に入る。

 カプセルの中でエネルギー光に包まれるカレン。

 と、その姿がハート・クイーンにチェンジ!

 目を見張る海東。

 カプセルから出てくるクイーン。

クイーン「ゴメンね。今はあなたの相手してるヒマはないの」

 クイーン、海東にそう言い放つと、強化カプセルのコンテナを積んだジャックタンクで出撃していく。

海東「……強い女ってのは、扱いにくいねぇ」

 

○街中の路上

 バタリと出会う士と夏海。

夏海「士君!」

 士に走り寄る夏海。

士「夏みかん……。あの女、大丈夫か?」

夏海「分かりませんけど……、あの人も士君と一緒で強い人です。だからきっと大丈夫です!」

 と、突如辺りの地面が揺れ始め、地割れとともにデビルロボットと戦闘員たちが現れた!

夏海「キャッ!!」

士「夏海! 下がってろ!!」

 と、そこには、戦闘員たちと戦うサクライ、ヒガシ、ブンタの姿もあった。

士「あいつら……」

 士、ディケイドライバーにカードを差し込み、ディケイドに変身!

 戦闘員たちに斬りかかっていくディケイド。

 一方、デビルロボットは体中からミサイルを一斉発射!

 爆発で戦闘員ごと吹っ飛ばされるジャッカーの四人。

 とその時、クイーンの運転するジャックタンクが登場!

クイーン「みんな! お待たせ!!」

サクライ「……クイーン!」

ヒガシ「ふさざけやがって」

ブンタ「待ってました!」

 フラフラと立ち上がり、ジャックタンクの方へと走っていくサクライ、ヒガシ、ブンタ。

ディケイド「早くしろ!」

 ディケイド、そう言いながらデビルロボットに斬りかかっていく。

 

○ジャックタンクの中

 サクライ、ヒガシ、ブンタが強化カプセルに入る。

 三人の体を眩いエネルギー光が包み込み、ジャッカーの姿にチェンジ!

 

○街中の路上

 デビルロボットとやり合うディケイド。

 と、その眼前に四人のサイボーグ戦士が並び立つ!

エース「スペード・エース!」

ジャック「ダイヤ・ジャック!」

クイーン「ハート・クイーン!」

キング「クローバー・キング!」

四人「我ら、ジャッカー電撃隊!!」

 ポーズを決めるジャッカーの四人。

デビルロボット「ジャッカーめ、性懲りもなく!」

エース「クライム! 貴様らの好きなようにはさせん!!」

デビルロボット「くだらん! 愚かな人間が余計な力を持つ必要はない。愚かな人間どもは、我々クライムにひれ伏すべきなのだ。貴様ら四人が体を張ったところで、何も出来ん!!」

ディケイド「違うな」

 デビルロボットと若干距離を置いていたディケイドが口を挿む。

 その傍らには夏海。

ディケイド「こいつら四人は、みんな自分の信じた生き方ってのをを持っている。自分の人生を犠牲にしてもお前らクライムをぶっ潰すと決意を固めたんだ! それをお前ら外道にとやかく言われる筋合いはない! それが真実だ!!」

デビルロボット「何だと!? 貴様何者だ!!」

 ディケイド、首を振って夏海を促す。

夏海「(一歩前に出て)……通りすがりの仮面ライダーです! 覚えておいて下さい!!」

デビルロボット「何を~!?」

ディケイド「だとよ」

 ディケイド、そう言いながら夏海の前に立ちはだかる。

 と同時に、ジャッカーの四人がデビルロボットに向かって走る!

エース「スペード・アーツ!」

 エース、デビルロボットにムチ攻撃!

ジャック「ダイヤ・ソード!」

 ジャック、デビルロボットに剣で斬りかかる!

クイーン「ハート・キュート!」

 クイーン、デビルロボットに刃の付いた盾で斬りかかる!

キング「クラブ・メガトン!」

 キング、左手に大きなグローブを付け、デビルロボットにパンチ一閃!

 連続攻撃に怯むデビルロボット。

エース「ジャッカー・コバックだ」

ジャック・クイーン・キング「おう!」

 ジャッカーの四人がデビルロボットを四方から囲み、回りながらエネルギーを放射させていく。

ジャッカーの四人「ジャッカー・コバック!!」

 四人でデビルロボットを空中高く蹴り上げ、整列してポーズを決める。

 空中でバチバチと光を発し、爆発するデビルロボット!

ディケイド「やったか!?」

 しかし、爆煙が止むと、そこには全身錆色のデビルロボットの姿が!

ジャック「何ィ~!?」

ディケイド「ヤロウ……!!」

 ディケイド、カードをディケイドライバーに差し込み、アギトにチェンジ!

 そして高々とジャンプし、デビルロボットにキックを浴びせかける!

 爆発を起こすデビルロボット。

 しかし、爆煙が止むと今度は全身金色に変化したデビルロボットが仁王立ち!

デビルロボット「ガハハハハハ! もはや貴様らの攻撃など効かんわ!!」

キング「くそ! どうすれば……」

 ディケイド、ジャッカーのカードを取り出して見てみると、そこには白いステッキの絵が浮かび上がっていた。

ディケイド「これは……、そういうことか!」

 ディケイド、ジャッカーのカードをディケイドライバーに差し込む。

「ファイナルフォームライド! ビ・ビ・ビ・ビッグワン!!」

 ディケイド、腕をクロスさせて自らの胸をトンと叩くと、その体が変形していき、白い鳥人・ビッグワンにその姿を変えた!

ビッグワンディケイド「ビッグ・ボンバーだ! みんな、武器をここに持ち寄れ!!」

エース「……お、おう!!」

 戸惑いながらも、ジャッカーの四人がビッグワンディケイドの前にそれぞれの武器を置くと、それが変形・合体して大砲の形となった!

ジャック「これは……!!」

ビッグワンディケイド「行くぞ!!」

 ジャッカーの四人、反射的に大砲の周囲に座り込んでガッチリと支える。

ビッグワンディケイド「ビッグ・ボンバー!!」

 掛け声とともにステッキを前に出すビッグワンディケイド。

 すると、大砲から弾丸が発射して真っ直ぐデビルロボットに命中!

デビルロボット「ウギャーーーーッ!!」

 大爆発を起こすデビルロボット。

 そして、今度こそ本当に砕け散った。

 立ち上がり、ビッグワンディケイドの方へ振り返るジャッカーの四人。

エース「君は一体……」

ビッグワンディケイド「クライムも進化した。お前らもパワーアップが必要だ。この白い鳥人が、これからお前らのバックアップとなる。……俺の予言だ」

 息を呑むジャッカーの四人。

 と、クイーンがふと気がついたように叫ぶ。

クイーン「そうだ! スカイエースに!!」

 

○スカイエースの中

 カレンを先頭に、バタバタと機内に入ってくるジャッカーの四人と士。

カレン「あいつは……」

 キョロキョロと機内を見渡すカレン。

 海東の姿はそこにはなく、何かを盗られた様子もない。

 と、奥のチェアーがクルッと回ると、そこに一人の女性が。

士「お前は……、朝比奈ケン!?」

 確かにズバットの世界にいたケンと瓜二つの女性が、白い帽子と白いスーツ、そしてステッキを持って足を組みつつ座っていた。

白い女「私は番場ソーコ。今日から、ジャッカーの行動隊長に着任しました」

ヒガシ「行動隊長?」

士「……ケン、ではないのか?」

 と、ここで通信モニターにジョーカーの姿が映し出される。

エース「ジョーカー!!」

モニター内のジョーカー「諸君、私は当分ニューヨークを離れられないことになった。しかし、クライムの力はますます強大になっている。そこで私の代わりに、そこにいる番場君が君たちの指揮を執ることになった。彼女は頼れる女性だ。これからも、日本を頼んだぞ!」

 立ち上がり、モニターのスイッチを切るソーコ。

ソーコ「聞いての通りです。クライムの野望を打ち砕くため、これから一緒に戦いましょう。……よろしく!」

 指でポーズを取りながらウィンクするソーコ。

 若干戸惑い気味のサクライ、ヒガシ、ブンタの三人。

カレン「(満面の笑みで)はい! 隊長!! ……ホラ、みんな隊長にちゃんと挨拶して!」

 カレンが三人を小突く。

 サクライ、ヒガシ、ブンタの三人、互いに目配せしながら溜め息をつき、ソーコに一礼する。

サクライ・ヒガシ・ブンタ「……よろしくお願いします!!」

 ニコッと笑うソーコ。

 士、その様子を苦笑いしながらカメラに納める。

 

○光写真館・撮影室

 士の撮った写真を見るユウスケと夏海。

 そこには、ジャカーの四人とソーコが笑顔で映っている。

夏海「良かった。これでカレンさんも心強いですね」

ユウスケ「うん」

 士、カードデッキからジャッカーのカードとアギトのカードを取り出すと、その二枚がスゥーッと消えていった。

士「この世界と対応していたのはアギトの世界か。自分を犠牲にしても信じて守り抜く決意……。これでアギトの世界も救われた」

 と、生傷だらけの海東が入ってくる。

海東「……畜生! ひどい目に遭った。……おい士! 気の強い女には注意しろよ!」

士「海東、お前……」

 大笑いする士、ユウスケ、夏海。

海東「ええい! うるさい!!」

 壁をバンと叩く海東。

 と、その衝撃で次の背景ロールが落ちてくる。

 そこには、黒縁眼鏡と野球のボールがフワフワと……。

 

○第二十四話・完

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