○アバン・オープニング
N「これまでの仮面ライダーディケイドは……」
道端で尋問されるユウスケ。
K「怪しい車を見たんですね?」
ユウスケ「もうどっか行っちゃいましたけど……て、アンタ、ロボット!?」
光写真館で話す新田刑事。
新田「こいつは人間と同じだよ。俺たちと同じように考えて、バドーを倒すために力を尽くしてくれている。でも、おやっさんは……」
柴崎「ロボットは所詮人間の道具だ。使いようによって良くも悪くもなる」
バドー社員と対峙するディケイドたち。
ディケイド「こいつは自分の意思に基づいて、自分の信じる道を進んでいるんだ」
K「私は……、私はロボット刑事。市民を守るために働く、刑事だ!!」
○街のイベント施設界隈
並んで歩く士、ユウスケ、夏海。
夏海「ここは……?」
キョロキョロと回りを見回す夏海。
ユウスケ「(士を見て)……士、もしかしてそれって、元の格好じゃないのか?」
士「そうだな。……妙に懐かしい感じだ」
夏海「つ……、ついに、士君の世界に来たんでしょうか!?」
士「そううまくいくか」
冷たく言い放つ士。
と、行き交う人々の間に突如割って入る数体のロボット!
人々の悲鳴!
次々と人間たちをなぎ倒すロボットたち。
ユウスケ「これは……!!」
変身せんと身構える士とユウスケ。
と、その混乱の中にまた二つの影が割って入る。
それは、ジェット機が人型になったかのような赤いロボットと、スポーツカーが人型になったかのような青いロボットだった。
暴れ回るロボットたちと戦う赤と青のロボット。
青いロボット「行くぜ兄貴!」
数体のロボットをまとめて放り投げる青いロボット。
赤いロボット「おう! グランゼル!」
赤いロボット・スカイゼルは、青いロボット・グランゼルの投げた数体のロボットを次々とパンチで破壊していく。
そして、間もなく暴れ回るロボットたちを全て殲滅。
士「(手元のカードを見ながら)スカイゼルとグランゼル……、キョーダインの世界か」
○オープニング曲
○街のイベント施設界隈
サブタイトル『第二十七話 見たぞ! 兄弟愛と秘密歌』
スカイゼルとグランゼルの元へ、防衛軍の面々が走り寄ってくる。
谷口大佐「おい! ダダロボットは!?」
スカイゼル「大丈夫です。全て片付けました」
近藤軍曹「良かった良かった」
胸をなでおろす小柄な近藤軍曹。
近藤軍曹「……ん? 君たちは?」
士たちに気付いて声をかける近藤軍曹。
他の者たちも近寄っていく。
ユウスケ「え~っと、僕たちは……」
士「……お前ら二人はキョーダイン。ダダ星のロボットたちからこの星を守っている。それでいいな?」
スカイゼル「いかにもそうだが……、君は?」
士「旅の者だ。……行くぞ」
士、無表情でそう言い放ち、踵を返して歩き出す。
ユウスケ「お、おい士!」
夏海「士君!」
ユウスケと夏海、慌てて士の後を追う。
グランゼル「……何だ? アイツら」
去っていく士たちを目で追うグランゼル。
スカイゼル「ところで大佐、ダダロボット破壊のカギですが、その後……」
谷口大佐「いや、まだ分からん。やはりあの歌に何かが隠されていると思うんだが……」
と、物陰に海東の姿が。
海東「……歌?」
近藤軍曹「柿にカボチャはカンナかな……って、何のこっちゃ分からんねぇ」
スカイゼル「花摘みの歌。この中にダダ軍団を倒す謎が……」
その様子を覗き見て、顔をしかめる海東。
海東「花摘みの歌……、まさか!?」
○光写真館・撮影室
ソファーに寝そべる士。
傍には困惑の表情のユウスケと夏海。
ユウスケ「ところでいいのか士。アイツらにこの世界の事情を聞かなくて……」
士「今回はやる気が出ない。お前たちに任せる」
そう言って寝返りを打つ士。
ユウスケ「おい、士……」
夏海「私は、何だか落ち着かない変な感じがします。とにかく行きましょう!」
立ち上がって、部屋の扉へと向かう夏海。
ユウスケ「夏海ちゃん!」
夏海を追わんと立ち上がるユウスケ。
と、部屋から出ようとする夏海の前に、スッと現れる海東。
夏海「……か、海東さん」
後ろを向いたままピクッと肩を動かす士。
海東「士。どうやら僕の探していたお宝はここにありそうだ。……僕のことをもっとよく見ておかないと、困ることになるんじゃないのかい?」
動かない士。
キョロキョロと両者を見回すユウスケと夏海。
海東「フッ、まあいい。僕は僕で勝手にやらせてもやうよ」
ニヤッと笑って出ていく海東。
逆に、何故かその場に立ちすくんでしまう夏海。
ユウスケ「……士! どういうことなんだ!? オイってば!!」
士、ユウスケの問いかけにも無視を貫く。
ユウスケ「……ったく。とにかく僕たちも行こう、夏海ちゃん!」
夏海「……は? ……はい!!」
ユウスケと夏海、二人小走りに部屋を出ていく。
ソファーに腕を組みながら寝そべる士。
しかし、その目は大きく見開き厳しい表情。
そして、リビングではこれまた珍しく固い表情の栄次郎がそれを見遣る……。
○稲川家・研究室
スカイゼルとグランゼルの住む稲川家の一室。
様々な器具を使い、自らの体をメンテナンスしているスカイゼルとグランゼル。
スカイゼル「親父と俺たち二人が拉致されて一年。未だにその理由は分からないが、ダダロボットの攻撃は日に日に激しさを増していく」
グランゼル「早く何とかしないと……な」
と、室内へバタバタと入ってくる少年・ケンジ。
ケンジ「大兄ちゃん! 小兄ちゃん!」
グランゼル「ケンジ! この部屋には危ないから入っちゃダメだと言ってあるだろう!」
慌てて開いていた自分の腹の辺りのパーツをカチッと閉じるグランゼル。
ケンジ「だって……。兄ちゃんたちが、怪我してやしないかと思って……」
スカイゼル「ケンジ、俺たちは絶対怪我なんかしないから安心しろ」
グランゼル「そうそう。……もう少し待ってろよ。俺たちがダダの奴らをやっつけて、必ず親父と俺たち自身も取り戻す!」
グランゼル、そう言いながらケンジを高々と抱きかかえる。
にこやかに笑うケンジ。
○同・庭の一角
花壇が並ぶ稲川家の庭にそっと入り込むユウスケと夏海。
ユウスケ「夏海ちゃん、よくこの場所が分かったね」
夏海「……不思議なんですけど、何だか足が勝手にこっちに向いちゃったんです」
そう言いながら、咲き並ぶ花々を見つめる夏海。
と、そこへスカイゼルと、ケンジを肩車したグランゼルが勝手口から出てくる。
スカイゼル「……ん? 君たちはさっきの……」
ユウスケ「あ、すいません! 勝手に入ってきちゃって……。その、お聞きしたいことがありまして……」
○光写真館・撮影室
ソファーに仰向けの状態で、ジッと天井を見つめる士。
そこへ、キバーラがフワフワと飛んでくる。
キバーラ「つ~か~さ! どうして行かないのさ!」
士「うるせーな。……ここでは、やる事がないからだよ」
キバーラ「やる事がない……。フーン。じゃあ、何でこの世界にやって来たんでしょうね~」
キバーラ、そのままフワフワと部屋から出ていく。
士、体を起こして考え込む仕草……。
○稲川家・庭先
立ち話を続けているユウスケ、夏海、スカイゼル、グランゼル。
ユウスケ「……なるほど。じゃあ、あなた達はダダ星人からこの星を守るためにやってきたサイバロイドで、ケンジ君の二人のお兄さんは別にいる、と」
スカイゼル「そうです。我々は、科学者である親父がジョージ・リュージ二人の兄弟の人格をコピーして造られたサイバロイド。一番下の弟、このケンジを残して、一年前に我々三人はダダ星に拉致されてしまったのです」
夏海「じゃあ、本物のジョージさん、リュージさん、お父様は、今もダダ星に?」
グランゼル「囚われの身となっている。だが、何故か自由は保障されていいたので、俺たちを造ってこの星に送り込むことが出来たんだ」
スカイゼル「今思えば、我々がこの星に来ることすら、奴らの計算だったのかもしれないが……」
と、建物の陰にまたしても海東の姿が。
ユウスケ「ダダ星人たちを倒すことが出来れば、三人を助け出せるわけですね?」
スカイゼル「まあそうですね。しかし、ダダ星からの脱出は難しく、この星に対するダダ星人の攻撃も激しさを増すばかり。……ところで、君たちは時空を超えて様々な世界を旅していると言ったが……」
ユウスケ「はい。ですんで、何かお役に立てるんじゃないかと思って……」
顔を見合わせるスカイゼルとグランゼル。
そして頷き合う。
グランゼル「親父からは、ダダ星人の装甲を一気に溶かしてしまうX物質なるものがこの星のどこかに隠されていると聞いてるんだ。だが、その場所が分からない」
スカイゼル「……その場所の秘密を解くカギとなる歌が、実はあるんですが」
夏海「歌?」
少し身を乗り出す夏海。
物陰から盗み聞きしていた海東も、さらに聞き耳を立てる。
ケンジ「これさ。……柿にカボチャはカンナかな♪ マンゴ松茸マンダリン♪ 栗に胡桃はクチナシさ♪ ライラック~にはラベンダー♪ ダ~リアダイダイ大根で♪ 苺とイチジクイチョウの木♪ ぶ~どうコロコロブナの下♪ つ~ばきつくしを、月見~草♪」
ユウスケ「……変な、歌ですね」
夏海「でも、どこかで聞いたような……」
グランンゼル「え!? ホントかい!?」
夏海「いえ、はっきりとは分からないんですが……、何かとても懐かしいような……」
そう言って自分の頭をコンコンと叩く夏海。
スカイゼル「……この『花摘みの歌』の謎を解けるのは、親父の親友である海東博士ただ一人と言われています。しかし、海東博士の行方も知れず……」
ユウスケ「海東……博士?」
ユウスケと夏海、思わず顔を見合わせる。
グランゼル「博士を知っているのかい!?」
ユウスケ「……いえ。たまたま同じ名前の知り合いがいるだけでして……」
ユウスケたちの会話を盗み聞きしていた海東、ニヤリと笑いながらその場を去る。
と、上空にダダ星人の円盤群が!
グランゼル「チキショー! また出やがった」
スカイゼル「行くぞ!!」
走り出すスカイゼル。
グランゼル「ケンジ、家に入ってろ」
グランゼル、そう言ってケンジを肩から降ろす。
ケンジ「ウン」
小走りに家の中へ入っていくケンジ。
そしてグランゼルも、スカイゼルを追って走り出す。
ユウスケ「俺たちも手伝います! ……夏海ちゃん、士も呼んできて!」
夏海「はい!」
走り出すユウスケ。
夏海、一瞬ジッと考え込んだものの、ハッとして士を呼びに行くために走り出す。
○街中
円盤からのビーム攻撃で街を破壊していくダダ星人たち。
そこから次々と地上に降りてくるダダロボットたち。
駆け付けるスカイゼルとグランゼル。
後からやってきたユウスケも、クウガに変身して助っ人に入る!
○光写真館
バタバタと中に入ってくる夏海。
夏海「士君!」
家中を捜し回るが、士はいない。
夏海「士君! どこ行ったの!?」
応接間で右往左往する夏海。
と、そこにキバーラが現れる。
夏海「……キバーラ! 士君は!?」
キバーラ「さっき出てったわよ。やる気ないなんて言ってたけどさ~」
夏海「士君……」
振り返った夏海、その瞬間、棚の上にあったオルゴールに肘をぶつけて落してしまう。
床に落ちたはずみで鳴り出すオルゴール。
そのメロディは……、さっきケンジが歌っていたあのメロディ!?
夏海「……これは、花摘みの……歌!?」
しゃがんでオルゴールを拾う夏海。
ジッとそのメロディに聴き入る。
その様子を、廊下から真剣な眼差しで見つめてる栄次郎。
○街中
ダダロボットたちと戦うスカイゼル、グランゼル、そしてクウガ。
グランゼル「……君も、そういう力を持っていたんだな!」
クウガ「(戦いながら)はい! 俺が今出来るお手伝いを……、してみます!」
倒すも倒すも、次々と現れるダダロボットたち。
グランゼル「チキショー! キリがねーな」
と、どこからか連続したビーム攻撃がダダロボットに浴びせられていく!
スカイゼル「何!?」
一気に片付くダダロボット。
そこに姿を現したのは、ディエンドライバーを構えた海東。
クウガ「海東さん!」
グランゼル「何だって!?」
海東、ゆっくりとクウガたちのもとへ歩み寄る。
海東「(歩きながら)花摘みの歌は、小さい頃何度か親父に聞かされた。でも、幼い僕には、所々歌詞が分からなかった」
スカイゼル「君は……、海東博士の!?」
海東「(スカイゼルの問いかけを無視するように)さっき、ケンジ君とやらの歌のおかげで、ようやく長年の溝が埋まったよ。僕にとって、最高のお宝だ。礼代わりに、君たちにとっての答えを教えてやるよ」
グランゼル「歌の謎が解けたっていうことなのか!?」
勇んで前のめりになるグランゼル。
海東「単純な語呂合わせさ。小節ごとの頭文字をつなげてごらんよ」
クウガ「……えっと、カキ、マンゴー、クリ……」
スカイゼル「カ・マ・ク・ラ・ダ・イ・ブ・ツ……。鎌倉大仏だろ。そのぐらいは我々も思いついた。しかし、鎌倉の大仏をいくら調べてみたところで、何も出てこない」
海東「(ニヤリと笑い)違うんだよね~。親父と稲川博士は幼馴染だ。子供の頃、秘密基地と称していつも遊んでいた幻谷のある場所に、大仏そっくりの形をした岩がある。それが謎の正体だよ」
グランゼル「ホントなのか!?」
海東「別に信じる必要はないけどね」
スカイゼル「……いや。そういうことなら、俺たちの親父が『歌の謎は海東博士にしか分からない』と言っていた意味が通る。……本当だろう」
クウガ「海東さん……、アンタは……」
海東「士に言っといてくれ。花摘みの歌の謎は、実はこれだけじゃない。僕たちにとっても重要な意味がある、とね。……じゃ」
海東、そう言うやいなやディエンドライバーで地面を撃つと、爆煙とともにその姿を消した。
クウガ「海東さん……」
グランゼル「兄貴! 謎は解けたぜ! すぐに幻谷へ行こう!!」
スカイゼル「うむ!」
と、その瞬間、三人の眼前に一つの影が現れる!
影「そうはさせない」
それは、ダダ星幹部の女性型機械生命体・ガブリンクイーンだった!
○光写真館・応接間
オルゴールを手に、茫然と座り込んでいる夏海。
そこへ近付く栄次郎。
栄次郎「夏海。そのオルゴール、どうかしたのかい?」
夏海「(顔を上げて)おじいちゃん……。この曲、よく知ってるはずなのに、思い出せないの……。何?」
栄次郎「夏海が小さい頃、子守唄代わりに聴いていた曲だよ」
夏海「子守唄……。うっ!」
突如頭痛に襲われ、頭を抱える夏海。
その脳裏に、ディケイドが他のライダー達と戦ういつものビジョンが……。
夏海「あーーーーーっ!!」
頭を振ってうつむく夏海。
栄次郎、それを見て静かに振り返り、応接間を出ていく。
栄次郎「この世界は……、危険じゃ」
○街中
ガブリンクイーン、指先から発射されるビームガンで、スカイゼル、グランゼル、クウガを次々と射撃する。
転がり避ける三人。
スカイゼル「……いかん! 一旦退け!!」
二人に退却命令を出すスカイゼル。
逃げ出そうと走り出すグランゼルとクウガ。
ガブリンクイーン「そうはさせんと言っておる!」
ガブリンクイーン、高速の動きで三人の行く手を阻み、逃げることを許さない。
その時、今一つ高速の影が!
「カメンライド、カ・カ・カ・カブト!」
カブトにチェンジしたディケイドが、クロックアップしてガブリンクイーンの前に立ちはだかる。
----クロックアップ中のシーン----
倒れ込んだまま超遅速状態のスカイゼル、グランゼル、そしてクウガ。
その中で、カブトディケイドとガブリンクイーンが戦いながら会話する。
ガブリンクイーン「この星にも、これほどの動きを可能にする科学力があったのか!?」
カブトディケイド「悪いが俺はこの星の人間ではない。それより、お前らは何故この星を襲う? 何故こいつらの親父や兄弟を拉致した? お前らの科学力からすれば、この星などちっぽけなものではないのか?」
ガブリンクイーン「ダダ星の科学力は素晴らしい。その発展は止まるところを知らぬ。だが、それ故に歴史的必然としての滅亡説が囁かれ始めたのだ。……そんな時、この星を見つけた。科学力では我々に大きく劣るが、彼らは我々にないものを持っていた」
カブトディケイド「お前らにないもの?」
ガブリンクイーン「そうだ。この星の人間は、一人ひとり固有の『感情』と呼ばれるものを持っている。我々にとっては、それは邪魔でしかない病のようなものだ。しかし、この星の発展はその邪魔なる要素がポイントであると、我が総帥・ガブリンがはじき出し、サンプリング活動を始めたのだ。……そもそも、個体がたった三人欠けただけで、何故ここまで騒がねばならんのか?」
会話しながら続く殺陣。
そして一瞬、カブトディケイドが動きを止める。
カブトディケイド「……違うな。人間ってのは、それぞれ感情を持っているから意味があるんだ。そして、それを最も端的に表しているのが兄弟愛だ。お前らにそれが理解出来ない内は、残念ながらダダ星は救われんだろうな。それが真実だ!」
ガブリンクイーン「理解不能。……お前は、何者だ!?」
カブトディケイド「通りすがりの……、と、今回は覚えてもらわなくて結構」
カブトディケイド、ガブリンクイーンを上回る超高速の動きで背後に回り、回し蹴り式のライダーキックを見舞う!
ガブリンクイーン「グワッ!!」
爆発するガブリンクイーン。
----クロックアップ終了----
倒れ込んでいたスカイゼル、グランゼル、クウガがそれぞれ上体を起こす。
クウガ「(周りを見渡しながら)奴は……。そうか、士がやったんだな?」
カブトディケイド、変身解除して士の姿に戻る。
クウガも同じく変身解除。
士「オイ、次はガブリンって奴が出てくるぞ」
スカイゼル「(立ち上がりながら)うむ。しかし、花摘みの歌の謎は解けた。幻谷にあるであろうX物質を一刻も早く手に入れ、ダダ軍団を殲滅する!」
士「そうか。まあ、精一杯やるこったな」
ユウスケ「……そうだ士! 海東さんが、花摘みの歌の秘密はそれだけじゃないって……」
士「……帰るぞ」
士、険しい表情でそう言い放ち、踵を返して歩き出す。
○光写真館・撮影室
無言でソファーに寝そべる士。
傍らの椅子では、夏海もまた無表情で座っている。
目の前の机の上では、置かれていたカブトとキョーダインのカードがスゥーッと消滅していく。
ユウスケ「士、夏海ちゃん……。二人ともどうしたんだ? ……海東さんもどっか行っちゃったし、どうもこの世界はおかしな事が多かったな……」
栄次郎「ちょっとゴメンよ」
ハタキをかけながら入ってくる栄次郎。
それが背景ロールのロープにはたと触れ、次のスクリーンが現れる。
栄次郎「……おっと!」
そこには、鳥のような姿形をした忍者が一人……。
○第二十七話・完