気まぐれ短編集   作:Boukun0214

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君と僕の七日未満:番外

朝が訪れた。

 

 

不思議なことに、この日、数日間続いた黒い雲は晴れた。

 

そして、様々な場所で同時に起きた地震の被害は大きく、過去にないほどの死傷者を出した。

 

 

でも、それだけだった。

 

 

 

 

あれだけ人々が大騒ぎした世界滅亡説も、現実のものとなったわけではなかった。

 

多くの死傷者が出たが、それは全人口の5%にも満たない。

 

ただ、このほんの数日間で、人類が多大な損害を受けたことは確かであった。

多くの都市は破壊され、地震があった地帯ではそれはより壊滅的なことになっていた。

 

失ったものを嘆く者もいた。

久しぶりの青空に喜ぶものもいた。

 

 

それでも、数日ぶりの空に人類が希望を取り戻すのは早く、すぐに世界中での復興作業が始まった。

 

 

 

まずは、地域的にそこの人々が出来ること。

 

食料の問題などはあったが、動ける人達は瓦礫の撤去や、取り残された人たちの救出をした。

 

数週間が経つと、やがて地域同士が連携をして復興作業をするようになった。

 

そして、少しずつ、他の場所を助けることのできる余裕をもった地域が出てきて、支援が成されるようになった。

 

今までは政治的な面も含んでいたかもしれない。

ただ、今回は、民間の善意だけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーこの日、人類は、協力を知った。ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか忘れてしまっていたことを、この大混乱を通して、皮肉にも人類は痛感することになった。

 

 

 

 

この風潮もいつまで続くかはわからない。

でも、少なくとも今だけは、人は、人間ではなく人々に成ることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、あの、二人の物語が始まった"あそこ"は、もう、なくなってしまった。

 

あの日、周囲の林は崩れ、丘への道は塞がれた。

 

街を見渡せる場所が街から見えるとは限らない。

 

もう、あそこには誰も人は入っていけないから。

きっと、彼らが見つかることもないだろう。

 

ベンチで適当に時間を潰す少年と、そんな彼に遠慮をしながらも甘えようとした少女の、そんな、二人だけの場所。

 

彼らは行方不明として処理がされたが、二人の世界が終わった日、そんなのは何人もいるので、別段気に留めたのはほんの一部の人々だけであった。

 

現実とは、そんなものだ。

 

お互いの名前と境遇しか知らない関係。

 

好みも、趣味も、この二人は、お互いにほとんどなにも知らない。

 

強いて言えば、好きなアイスぐらいだろうか。

 

キスすらしてない、友達と言うには近すぎるような、恋人というには互いを知らなすぎる、そんな、少年と少女のお話。

 

 

出会ってから一週間もまだ過ぎていないこの関係には、きっと名前はない。

 

 

 

 

彼らの七日未満の関係は、こうして、終わりを告げた。

 

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