気まぐれ短編集   作:Boukun0214

7 / 17
episode3*Mortal UnHero*
Mortal UnHero:前編


縄が肉に喰い込む感触。

 

身体が重く、首が歪む。

 

苦しさに涙が溢れる。

 

 

縄が軋む音と、声にならない自分の嗚咽が部屋に響く。

 

 

息が出来ない。

 

 

 

自分で選んだというのに。

この世で最も贅沢に、罪を償いもせず。

自分の死ぬときを選んだというのに。

 

 

空気を求めて口が大きく開く。

そこからは、唾液が漏れだし、涙と混ざり合う。

 

 

足場を求めて四肢がもがく。

それでも、足場なんて見つからず、ただ空虚を掻く。

 

 

助けを求めて眼を見開く。

しかし、透明な液体で部屋は歪み、視界が潰れる。

 

こんな時でも、思いの外、思考は安定していた。

いや、こんなことを考えているのだから、むしろ異常なのかもしれないが。

 

死神というものは、実在するのだろうか?

だとしたら、おそらく、今、俺の後ろに迫ってきているものがそうなのだろう。

 

その、死神が、死が、もう吐息がかかるのではないかと思えるほどすぐそこまで、決定的なところにまで迫ったその時。

 

 

 

鈍い音がして、俺の身体は、自由になった。

 

 

身体中を、衝撃と、鈍痛が貫く。

 

しかしそれは、生きていることと同義の痛みだった。

 

 

首を吊っているときと、別の意味を持った涙が流れた。

 

 

言いようもない安堵の涙と、背後の窓から吹いてくる冷たい夜風が、俺の頬を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首に縄の跡が残ってしまったので、制服の下にタートルネックを着ていくことにした。

もう冬と言っても差し支えのない時期なので、特に違和感はないだろう。

いや。見た目的には不自然か。

 

 

一人暮らしなので、特に昨日のことを訊ねてくるような人はいない。

 

 

なんにせよ、首についた縄の跡を見つけられてどうかしたのかと訪ねられても、まさか自殺未遂だなんて答えられるわけがない。

 

 

いつも通り、過ごせば良いんだ。

 

そう。昨日までと変わらず、いつも通り。

ただ日常を過ごせば良いんだ。

 

 

 

鏡を正面から見て、不自然な点がないかを確認する。

まあ、大丈夫だろう。

 

 

「いってきます。」

 

 

小さな小さな声で玄関に呟く。

 

誰も聞く人がいないこの言葉は、俺にとって、おまじないのようなもので、基本的には毎朝無意識に呟いてしまう。

 

 

自殺未遂をした次の日に普通に学校へと行こうとするのは変なことだと思うかもしれない。

でも、そうすることで俺は日常を確認したかった。

 

それに、数日間休んでいたのだ。

流石にもうそろそろ仮病も潮時だろう。

 

 

俺はいつも通り自転車に股がり、普段よりもスピードを出して学校へ向かった。

 

 

学校へ着くと、もう結構人はいた。

 

 

「よっす!風邪はもういいのか?」

「ああ。お陰さまで。」

「あんま無理すんなよ~。」

「わかってるって。」

 

 

クラスメイトと軽く挨拶を交わす。

 

 

「あ、ヒロくんオハヨー。」

「おはよう。川上さん。」

 

 

数日間だけでは流石に見馴れたクラスは見馴れたクラスのままで、少しだけ安心した。

 

そうだ。自己紹介が遅れたが、俺は榊原 滉晠【サカキバラ ヒロアキ】。漢字がやたらと難しいのは親が好きな字を並べたらこうなったそうだ。

 

よく、ヒロと呼ばれる。

 

 

この日は、平凡に、久しぶりの授業を受けて、久しぶりに友達と話して。

そうやって過ぎていった。

 

 

昼休み。

 

 

他愛ない話をして、もう、やっぱり日常に戻ってきたと感じた。

いや。そう思い込みたかっただけかもしれない。

それでも、思い込んでいられて、よかったと思う。

 

俺は、弁当を食べ終わって、昨日眠れていないこともあり、襲ってきた眠気に意識を委ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「榊原くん、起きてくださ~い。」

 

「んぅ。。。」

 

 

誰かに揺り起こされた。

 

 

「あ、すまん。」

 

 

長い黒髪の少女が俺を覗き込んでいる。

クラスの女子のようだ。

 

見たことはあるが、、、そこまで仲が良いと言うわけでもない。整った顔のこともあり、どこか凛としたイメージ。

 

 

 

たしか、名前は・・・そう、シロカネ。

 

 

「って、あれ?」

「もう、放課後よ。」

 

 

教室を見渡すと、もう俺と彼女しかいないようだ。

 

 

「ああ、ありがとう。シロカネさん、で・・・・合ってる、よね?」

 

 

もうあと残り5ヶ月もないクラスのメンバーに、こういう風に訊くのはあまりよろしくないような気もするが。

 

彼女は、静かに笑って、こう答えた。

 

 

「合ってるよ。私は、白銀 香雪【シロカネ コユキ】。香る雪と書いて、"こゆき"って読むの。」

 

 

少しばかり、自慢気に彼女は言った。

 

こゆき、可愛らしい名前だ。

 

 

「あ、俺はそろそろ帰るね。」

 

 

会話が止まったので、沈黙になる前に席を立つ。

 

そして、鞄を持って教室の出口に向かった。

 

 

「それじゃ・・・「ねえ。」

 

 

白銀に言葉を遮られる。

 

 

そして一呼吸おいて、彼女は、白銀 香雪は、ふっと笑い、

 

 

「・・・死に損ねたって、どんな気分?」

 

 

とんでもない言葉を、先程と同じ、静かな笑みでぶつけてきた。

 

先程まで談笑をしていた少女から。

先程まで綺麗だと思っていた笑みが、気持ち悪かった。

 

突然のことに、思わず、反応が遅れた。

 

 

「なんで、わかった。」

「そりゃあ、首についた索状痕を見れば誰にでもわかるでしょ。貴方が寝ている間に見えたのよ。」

 

 

迂闊だった。

眠っている間にずれたのだろう。

 

 

 

他に人がいないのは幸いだった。

 

 

「・・・別に、深くは追求しないけど。ただ、興味があるの。貴方という人間に。」

 

 

だって、

 

 

「恐い顔しちゃって。女の子はもっと優しい目で視るべきでしょ?」

 

 

このときの俺は、きっと、獲物を殺すときの眼をしているのだから。

 

 

「なんのつもりだ。」

「いいえ?別に。一つ質問に答えてほしいだけ。」

「質問?」

 

 

「ええ。質問。だって貴方でしょう?」

 

 

 

 

 

 

「ーーー最近のカラスの死体の犯人。」

 

 

本能的に、瞬発的に、身体が動いた。

まるで、初めからそうするつもりだったかのように。

 

懐にある、お守り代わりだった折り畳み式のナイフを取り出す。

 

そしてそれを逆手持ちにして、ナイフの峰の部分を白銀の首筋に当てる。

 

それと同時に、すぐ近くの机に彼女の細い身体を押し倒した。

 

 

「・・・血の気が多いのね。嫌いじゃないわ。」

 

 

彼女は、全く持って笑みを崩さず、そして落ち着いた様子で、俺を見つめる。

 

 

「そうだ。と言ったら、どうする?」

 

「どうもしないわ。だって、貴方を通報しても私にメリットなんてないじゃない。」

 

 

「それよりも、私を殺してくれないかしら?」

 

「は?」

 

 

顔が近い。

そりゃあもう、息がかかるくらいに。

 

そして、目を合わせるとすべてを見透かされるような気がして、目は合わせられなかった。

 

 

「カラスをもう、何羽も殺したんでしょう?だったら、人を一人殺してもそんなに変わらないと思わない?」

 

「・・・カラスならいくら殺しても、器物損壊罪に問われるかどうかだが、人を殺したりしたら殺人罪で一発逮捕だ。良くて懲役刑だろうよ。」

 

 

すると、彼女はがっかりしたような顔をして、でも次の瞬間には名案を思い付いたというような顔をして、こう言った。

 

 

「なら、付き合って。」

 

 

何をいっているんだ?こいつは。

 

 

「私の残り少ない時間にちょっとばかり付き合ってくれないかしら?」

「・・・死期でも悟ってんのか?」

「ええ。だって、私、あと一年で死ぬんだもの。」

 

 

あっけらかんと、重たいはずの台詞を彼女は吐いた。

まるで、当然のように。

雲を見て、「雲だ。」と言うように。

事実をそれ以上としてとらえていないかのように見えた。

 

少し考え、いや。

考えるまでもなく、返答は、

 

 

「・・・断る。」

 

 

当然だ。嘘かもしれないことを真に受けて、人生のうちの一年間を犠牲にするだなんて馬鹿げている。

 

 

「そう。。。貴方、なかなか薄情者ね。」

「なんとでも言え。」

「榊原くん、私、傷ついたわ。フラれちゃった女の子が、勇気を振り絞ってしたお願いなのに。」

 

 

口ではそう言っているが、表情に変化はない。

 

 

 

 

 

「それとも貴方、本当に、自分に拒否権があるとでも?」

 

 

はっとした。

そうだ。俺は、彼女になんでか弱味を握られているんだ。

一つは、カラス殺しのこと。

もう一つは、今、彼女に刃物を突きつけていること。

 

この二つを世に明かされたら、まあ、確実に退学は免れない。

 

 

「・・・わかったよ。」

 

 

こう答える他はなかった。

 

 

「・・・なら、交渉成立ね。」

 

 

その言葉を認識した次の瞬間、思いがけないことが起きた。

いや、普通の神経を持っているやつには予想もつかない。そんなことが。

 

 

 

 

俺と彼女の顔の距離が急に縮まり。

 

 

 

ーー気が付いたときには、俺は、彼女とキスをしていた。

 

何が起こっているかわからず、状況判断を冷静にする。

まず、唇の感覚。

 

これだけで充分だった。

いや、充分すぎた。

 

 

頭が真っ白になり、咄嗟に退く。

 

 

おそらく間抜けな顔をしているであろう、毒気を完全に抜かれたであろう俺とは対照的に、白銀は、満足そうに笑っていた。

 

 

「誓いのキスってやつよ。」

 

 

彼女は最初に俺がしたように鞄を持ち、教室の出口に向かった。

 

 

そして、出口で立ち止まり、俺の方を見て、こう言った。

 

 

「それじゃあ、明日からよろしくね。榊原くん。・・・いえ、滉晠。」

 

 

手を軽く降りながら、こうつけたした。

 

 

「私のことも、香雪で良いから。」

 

 

すると悪戯っぽい笑みを浮かべ、こう言い放った。

 

 

「ああ、そうそう。私ね、ファーストキスだからね。さっきの。じゃあね。私の"ヒーロー"さん。」

 

 

満足げに去っていった。

 

 

おそらく、ヒーローというのは俺のあだ名であるヒロをもじったものだろう。

 

 

顔が耳まで熱くなっているのを感じる。

 

 

キスされてしまった。

今日ほとんど初めて話したようなクラスの女子に。

 

かなり険悪な状況下で。

 

それなりに好みな女子に。

 

 

「・・・呼んでやるかよ。"白銀"。」

 

 

独り取り残された教室は、もうすっかり夕日に染まっていることに気がつく。

 

きっと、俺の顔も同じくらい染まっているのだろう。

 

昨日今日で、一生分の刺激的な体験をしてしまったような気がして、もう、考えるのが面倒になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

正直、どうやって家に帰ったか覚えていない。

 

気がついたら、ベッドの上に座ってぼーっとしていた。

 

 

「はぁ。」

 

 

ため息をついた。

 

 

まだ、日が沈んでから時間がたっていないけれども。

 

 

「・・・・寝るか。」

 

 

誰にともなく呟いた。

 

最近は、家にいるとどうも独り言が多い。

 

 

思考を放棄した頭と言うのは、すぐに意識を手放すもので。

あっというまに俺は、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、次の日の朝。

 

 

目が覚めたのは、予期せぬモーニングコールでだった。

 

 

呼び出し音を鳴らす携帯を手に取る。

 

 

・・・知らない番号だ。

 

まあ、とりあえず、出よう。

面倒なようであれば、切ってしまおう。

 

 

「もしもし。」

「あ、もしもし~、滉晠?」

 

 

プツッ

ツー ツー ツー ツー

 

 

即効切った。

 

は?なんで?

 

なんで、アイツが俺の番号知ってんの?

 

 

プルルルル プルルルル

 

 

再び呼び出し音が鳴り響く。

 

 

ピッ

 

 

「酷いわね。女の子からのモーニングコールを切るなんて。」

「なんで?」

「・・・なんで、と言いますと?」

「なんで、番号・・・」

「ああ。うん。それはね、城ヶ崎くんに訊いたら教えてくれたのよ。」

 

 

俺の個人情報。。。

あの野郎、今日会ったら殺す。

 

 

「消せ!」

「イヤよ。滉晠と私の仲じゃないの。」

「昨日初めて話したようなものじゃないか!」

「私のファーストキス奪ったくせに?」

「あれはお前がっ・・・!」

 

 

ああ。朝からもう。。。

 

 

「調子狂う。」

 

 

それに、コイツ、意外とテンション高いやつなんだな。。。

 

 

「一年の辛抱よ。」

 

 

まだ言ってやがる。。。

 

 

 

 

まあ、そんなこんなで、俺、榊原 滉晠と、白銀 香雪の奇妙な関係の一日目が始まった。

 

 

「・・・」

 

 

電話をし終わった。

 

まだ朝食も食べていないと言うのに、随分と疲れてしまった。

 

 

時計を見ると、まだ普段起きてる時間よりも三十分ほど余裕があるので、何時もよりも、少しだけゆっくりと朝食の用意をして、のんびりとした朝を過ごした。

 

健康的で悪くはないか。

 

いろいろと面倒なことがあるけど、それとこれとを相殺で。

 

そろそろ行くか。

 

 

まだ何時も出ている時間よりもずっと早いけれど、家にいてもやることが特にないので早めに出ることにした。

 

 

「いってきます。」

 

「あら。一人暮らしじゃなかったっけ?」

 

 

!?

 

思わず仰け反る。

 

声のした方には、当たり前のように白銀が立っていた。

 

 

「えっと、家、教えたっけ?」

「それなら、真野くんが教えてくれたわ。」

 

 

俺にプライバシーは認められてないのだろうか。

なんだこの情報の駄々漏れ様は。。。

 

 

「さあ、立ち話もなんだから、早く行きましょう。」

「・・・なんでもいいや。。。もう、なんでも。。。」

 

 

中ば投げやりになっている俺を、彼女はぐいぐい引っ張っていった。

 

 

「ちょっ、おい。俺はチャリ通だぞ?」

「え?そうなの?」

 

 

電話番号と住所は把握してるくせになんでそんなことは知らないんだよ。。。

 

 

「つーか、お前、歩きなのになんでうちに来るんだよ。あきらかに遠回りだろ。」

「いつもこの時間に出ているから、歩きで間に合うのよ。」

「ああ。なるほど。」

 

 

さすが優等生。

いや、成績がどうかは知らんけど。

 

 

「なら、乗せてってくれないかしら?」

「あ?やだよ。免停くらいたくねーし。」

「つめたいわねー。女の子との二人乗りなんて青春じゃないの。」

「・・・自分で言うのか。ソレ。」

「昨日のことを表沙汰にしたらどうなるのかしらー?」

「あー!もう!わかったよ!乗せてきゃいいんだろ!」

 

 

2ケツはこぎにくいんだよ。。。

 

 

「自転車の後ろに乗るのって初めてー!」

「・・・お気に召したようで何よりだよ。。。」

 

 

長い髪の毛が風でなびく。

きっと、後ろに立ったらシャンプーの香りでもするのだろう。

 

白銀は、後輪の上の荷台に横向きに座って、俺に寄り掛かっている状態だ。

 

端から見れば恋人同士なのだろうか。

などと、乙女チックな思考を回す。

 

実際は、カラス殺しの犯人とそれの強迫者なので、ロマンスの欠片もくそもない。

 

 

「つまらなそうね。」

「あ?」

 

 

表情は見えないが、おそらく、不機嫌そうな顔をしているだろう。

 

 

「周りの目を気にしてんだよ。」

「あら酷い。私といるのをそんなに人に見られたくないの?」

「・・・そりゃあそうだろう。誰が強迫者といるところ見られたいんだよ。」

「別に、私は嫌じゃないわ。格好いい男の子と一緒にいるしね。」

 

 

なかなか返答に困るところをついてくる。

嫌な奴め。

 

 

「そうか。」

「素っ気ないわね。もうちょっと反応してくれてもいいじゃないの~。」

「・・・」

 

 

いちいち意味深なことを言ってくるのを止めてほしい。

 

ただでさえ、この状態だ。

健全な男子高校生として、高鳴るものがないものでもない。

 

 

「お前さ、好きな奴とか、いねーの?」

「あらまぁ。突然、どういう風の吹き回し?」

「いや。こんなところ、そういうやつに見られて困らないのかなって。」

「そんなこと言っても、逃がさないわよ。」

「は?」

 

 

そもそも俺は捕まえられてたのか。

 

 

「滉晠は私を殺さないといけないんだから。それまでは逃がしてあげない。」

「だから、白銀のことは、殺さないって言ってるだろ!」

「白銀じゃなくて、香雪でしょ。」

「呼ばねーよ?」

 

 

すると、いじけたように白銀は黙ってしまった。

 

・・・やりづれぇ。。。

 

 

そんなこんなで、いつもよりも早い時間に学校についた。

 

そして、二人して駐輪場から教室へと向かう。

 

 

教室は、まだ人が誰もいなく、もしも今が夕暮れだったら、昨日に戻ってしまったと錯覚するほど静かだった。

 

 

「ちょっと、まってて。」

「?」

 

 

白銀はパタパタと小走りで教室のベランダへ向かっていった。

どうやら、花の世話をしているらしい。

 

先生が気まぐれで飾った花が、いつまでも枯れていないのは、彼女のお陰のようだった。

 

 

「偉いんだな。お前。」

「そう?どうせ誰かがやらなくちゃ。」

 

 

誰もやらないで枯らしているクラスも沢山あるだろうに。

彼女は、さも当然のように毎日一番最初に学校に来て、この花の世話を続けていたのだ。

 

 

「だって、枯らしちゃったら残念でしょ?せっかく、綺麗に咲くのに。」

「そういうもんかね。」

「そういうものよ。」

 

 

しばらく静寂が続いた。

 

そして、なんとなく気になって、俺はこの話題を持ち出した。

 

 

「そういえばさ。香雪って、随分と可愛らしい名前だよな。」

 

 

今朝までのちょっとした仕返しでもあるのだけれど。

 

 

「そう。ありがとう。似合うでしょう?」

「・・・自分で言うのか。」

 

 

全く動じていない。

なんか悔しい。

 

 

「でも、読みにくいし、変わった名前よね。香雪って。そのまま読んだら"こうゆき"だし。」

「いや、それを言うなら俺の方が変わってるだろ。滉晠なんて、ほとんど当て字みたいなもんだし。」

 

「いいじゃない。"滉"は水が深くて広い様子で、"晠"は訓読みで"あきらか"。深い水の中があきらかになるなんて、格好いいと思わない?それに、日に成ると書いて晠。貴方にはぴったりだと思うけど?」

 

 

少し恥ずかしく、そっぽを向いてしまう。

 

 

「・・・そんな、大層なもんじゃねぇよ。」

 

 

とは口で言ったものの、自分の名前を誉められるのは悪い気分にはならない。

 

それが、女子。それも、それなりに美人な女子からならなおさらだ。

 

軽くおちょくるつもりだったのが、逆に丸め込まれてしまう自分に情けなさを感じる。

 

それに、彼女は随分と博識のようだ。

 

普通、こんな小難しい非常用漢字の意味なんて知らないぞ?

 

 

「まあ、なんにせよ、滉晠って名前は、ヒロっていうあだ名にも意味的にも合うところがあるしね。」

 

 

「・・・ドーモ。」

 

「あら?もしかして照れてるのかしら?」

「うっせ。」

「可愛いのねー。いじめ甲斐があるわぁ。」

 

 

コイツ、Sか。。。

 

気を付けよう。うん。

 

 

「お前、いい性格してんな。」

「ありがとう。嬉しいわ。」

 

「皮肉だっつの!」

 

 

マジでもうなんなのこいつ。。。

 

 

「よっすー。あ、ヒロ。お前が早いのは珍しいな。」

 

 

突然、空気もなにも読まずに教室に入って来たのは、昨日、俺の電話番号を流出させたであろう男、城ヶ崎だ。

 

とりあえず、怒りを噛み殺して言う。

 

 

「おい。城ヶ崎。俺になにか言っておくことないか?」

 

 

返答次第では罰則を・・・

 

 

「ん?なんのこと?」

「ケロッと答えてんじゃねぇ!お前だろ!」

「え?え?」

 

 

やっぱ前言撤回。

噛み殺せてないっす。

 

つーか、城ヶ崎を噛み殺しそう。

 

 

「あー、白銀さんに電番おしえたこと?」

「それだ!」

「イーじゃん別に~。めんごめんごーww」

 

 

ゴッ

 

 

結論から言おう。

 

噛みはしなかったけど、頭突きはした。

 

 

「いってぇ!」

「このくらい当然だ!」

「なんだよー。もう。白銀さんに知られてなんか困ることでもあるのかよー。」

 

 

・・・そういえば。

 

いや、事実こいつに付きまとわれて困ってるんだけど、いやでも、それが嫌だって訳じゃないし。。。

 

ああでも、結果的に朝に要らん気苦労をすることになったのも事実なんだけど・・・

 

 

「ん?どした?」

「あー!もう!お前のせいで頭こんがらがってきた!もう一発頭突きさせろ!」

「や、八つ当たりかよ!?」

 

 

 

あ、そうそう。

 

この、俺と城ヶ崎のやり取りを見て白銀が笑い転げていたのは言うまでもない。

 

 

「こらこら、ほどほどにしなさいな。」

「そもそもお前が原因だということに気がついてくれ。」

「つーか、お前ら付き合ってんの?」

 

 

は?

 

ああ、やっぱり、そう見えちゃうのか。

 

 

面倒後とは避けたいし、ここは否定しておくか。

 

 

「いいや。俺とこいつは付き合ってねーよ。」

「え?そうなの?」

「ええ。私の目的に対する協力者よ。彼は。」

「ふーん、お似合いだと思うんだけどなぁ。」

 

 

そう見えるのかねぇ。

 

 

「さっき二人乗りしてたし、てっきり付き合ってるんだと思ったよー。」

「!?」

「そうじゃないのよー。ごめんねー。」

 

 

いや謝る必要ないだろ。。。

 

 

「・・・何処からみてた?」

「え?普通に。追い抜いてきたよね?」

「言うなよ。」

「へ?」

「絶対に誰にも言うなよ。いいな。」

「お、おう。」

 

 

なかなか大騒ぎな朝になってしまった。

 

たまには、悪くはないけど、これ以上の情報漏洩は止めてほしいものである。

 

ああ、そうそう。

追記だけど、真野は殴った。

 

まあ、アイツがあれ以上馬鹿になったらたまったもんじゃないから、一発だけにしたけど。

 

 

昨日で刺激的な体験を全てしきったと言ったかもしれないけど、前言撤回だ。

 

まだまだ、世の中には色々とあるようだ。

 

 

その日の帰り道。

 

 

俺は、朝と同じように、白銀を後ろに乗せて、下校をしていた。

 

・・・わけではなく、一人で自転車に乗って普通に帰宅していた。

 

なんでも、

 

 

「家の場所を知られたくない」

 

 

だそうだ。

 

うん。深くは追求しないけどさ、アイツ、俺の家知ってるよね?俺の無許可で聞き出したよね?

 

 

まあ、向こうが嫌がっているのだから深追いはしない。

納得はいかないけど。

 

 

 

そして、帰宅途中、カラスが公園にたまっているのを見つけた。

 

 

それと同時に、記憶がフラッシュバックする。

 

 

俺にとって、都合の悪い記憶が。

 

 

 

俺の、人には見せられない、黒い部分の記憶が。

 

 

 

 

カラスの断末魔が夜の公園に響く。

 

ナイフを肉に食い込ませる感触の後に、ゴリっとした気持ちの悪い、骨を断つ感触。

 

 

罪悪感が無かったわけではない。

 

ただ、欲が勝った。

それだけの話だ。

 

スリルがどうとか、自惚れだとか、そういうのは無かった。

 

本当に、意味のない行為だった。

 

 

時折、カラスを殺し、黒い羽を赤黒く染める。

 

連続する日もあれば、しばらく空く日もあった。

 

 

そして、始めてから一月ほど経ったあと。

 

 

俺は、カラスを殺している場所を、誰かに見られた。

 

 

普段よりも多く殺して、時間がかかっていたのも要因の一つかもしれない。

 

おそらく、同い年くらいだと思う、一人の青年が、舞い散る黒い羽の向こうにいた。

 

 

彼は、とてもとても冷たい眼で、驚いたような顔をしてこちらを見つめていた。

顔の表情と眼の表情が異なり、とても不気味だった。

 

 

フードを被っていたから、顔は見られていないだろう。

 

この暗いなかでは、輪郭しか見えていなかったかもしれない。

 

でも、俺は、その場から逃げ出した。

 

 

全速力で。

呼吸もせずに。

 

一目散に、家へと逃げ帰った。

 

誰もいない家へと。

 

 

それからは、思い出したかのように、突然罪の意識に苛まれ、仮病を使って学校を休み、一日中布団の中で震えて過ごした。

 

何処からか視線を感じるような気がして、今まで殺してきたカラスの報いを受けるような気がして、怖くて怖くて、胎児のように布団の中でうずくまった。

 

 

家族と暮らしていれば、誰かしらが心配しに来てくれるかもしれない。

でも、あいにく俺には、そんな人間は、とうの昔にいなくなっていた。

いや。もともといなかったと表現した方がいいかもしれない。

 

そうして、何日間か過ごしたあと、昨日のことだが。

 

俺は、自殺をしようと思い立った。

 

 

その辺の店でロープを買って、俺はそれを実行した。

 

 

 

 

 

 

それが昨日までの話だ。

誰にも話していないのに、白銀にバレてしまった話。

 

 

もっとも、結果は無様に失敗。

死に損ないだ。

 

 

 

ちなみに、俺の起こしたカラスの事件、それは、なかなかにこの田舎町では目立ちそうな事件なのだが、運の良いことに、いや、間の悪いことに、大きな交通事故がほぼ同時期に起きたらしく、しばらくはそちらに埋もれてしまうだろう。

事実、今はその話題は、微かに広まってはいるものの、警察は事故の方で大変だし、人々の関心は、やはり人が死んだ場合の方が奪われやすい。

 

しかし、カラス殺しの噂は、確実に、この地域の学生を中心に広がりつつあった。

 

俺は自らに断罪をするほかは、自首しかない。

 

いや、刑罰を恐れた結果、社会的な自らの立場や孤独を恐れたから自殺未遂をしたのだが。

 

 

 

ここまで回想をして、自分に嫌気がさす。

罪を犯したことではなく、それをもう償おうと思う勇気が自分にないことに気がついたから。

それどころか、まだ、欲求があることに気がついたから。

 

 

「・・・帰ろう。」

 

 

立ち止まった足を動かす。

 

何はともあれ、俺は、本当に日常に戻ってこれたのだろうか?

 

 

後悔と不安と嫌悪と、少しの安堵を抱えて、俺は再び、家へと歩き出した。

 

 

そして、家に付くと、料理をする気が起きなかったので、適当に卵かけご飯を食べて寝た。

 

粗食もまあ悪くはない。

 

 

 

 

 

 

 

そして、次の日の朝、

 

 

プルルル プルルル プルルル

 

 

やはり、モーニングコールが来て、目が覚めた。

 

不思議と、昨日ほど嫌ではなかった。

 

 

「もしもし?」

「おはよう。滉晠。」

「・・・おはよう。」

「あら、今日はなんだか素直ね。」

「どうせ、今家に向かってるんだろ?」

「そうよ。そろそろ着くから、はやく準備してね。」

「はいはい。」

 

 

こうやって、朝起きてから誰かと、電話越しでも話せるのは、なんだか、救われる。

 

こんなことを考えてしまうのも、相当に、弱っているのかもしれない。

思い出すだけでここまでに弱るのは、情けないものだ。

 

 

「・・・やべえ、なに食おう。」

 

 

台所に歩いていって気が付く。

 

そういえば、昨日は料理しなかったから作りおいているものがない。

 

テキトーにトーストでも食べるか。

 

 

着替えている間にオーブンでトーストを焼く。

あれから生活習慣が乱れまくりだ。

 

まあ、昨日から早起きはするようになったから、悪くはないかな。

ちょっとずつ改善していこう。

 

 

「いってきます。」

 

 

家の外に出ると、昨日のように白銀はそこにいた。

結構急いだから、まだ時間は七時頃。

 

もしかしたら、かなり早く来て、ここで待っていてくれたのかもしれない。

そろそろ寒くなってきているので、少し申し訳ない。

 

 

「・・・あのさ、着いたらすぐにインターホン押して良いんだぞ?家の中の方が暖かいだろ?」

「でも、来たときはいつも寝てるんじゃないかしら?」

 

 

コイツ、家に着いたときに電話を掛けてきているのかもしれない。。。

 

・・・6時起きになろう。

頑張ろう。

 

 

「なんだか元気がないみたいだけど、大丈夫?」

「寝不足だ。心配すんな。」

 

 

しばらく黙っていると、白銀が顔を覗き込んできた。

髪が揺れて、シャンプーの香りがする。

 

咄嗟に誤魔化してしまったが、かなり心配そうな表情をしていたのを見ると、きっとすごい顔をしていたのだろう。

 

気を付けよう。

 

 

「あ、寝不足って、もしかして、昨日の夜、一人でお楽しみだった?」

「・・・殴るぞ。」

 

 

白銀が悪戯っぽく笑う。

 

少し彼女に申し訳なさを感じていた矢先にこれか。

十秒前の自分に警告をしに行きたい。

 

・・・罪悪感を感じるだけ無駄だと。

 

 

「さ、早く行きましょ。」

「はいよ。」

 

 

自転車を引いてきて、白銀が後ろに乗ったのを確認してから自転車をこぎ始める。

 

昨日も思ったことだけど、二人乗りをすると後ろが重くて少しこぎにくい。

あと、立ちこぎが出来ないから結構疲れる。

 

これも、"一年の辛抱"のうちの一つなのだろうか?

 

だとしたら、一年たった頃にはもう慣れてしまってるかもしれない。

 

 

そんなことを考えていたからだろうか?

俺は、とんでもないことを呟いていた。

 

 

「病気とかなのか?」

「え?」

 

 

そして、その言葉が冬の空気に融けたあとに、俺は失言に気がついた。

 

 

「あ、いや。何でもない。ごめん。」

「もしかして、私のこと?」

「・・・」

 

 

変なときに勘が鋭い。

言い訳は出来ないな。

 

 

「ごめん。。。言いにくかったら、別に聞かなかったことに・・・」

「時が来たら。」

 

 

「時が来たら、話すわ。」

 

 

彼女は、白銀は、そうはっきりと言った。

今までのどこか人を小馬鹿にするような声とは違い、確信を含み、覚悟を持った声だった。

 

自分の言葉に、それを発した不注意な自分に、腹が立った。

それは、連日の自己嫌悪をより強くするには、充分すぎた。

 

 

「そうか。」

 

 

それが、俺の口からでた、精一杯の言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから時間が経ったある日、俺が毎朝の早起きに慣れてきた頃。

二人乗りのバランスが、もう簡単に取れるようになったある日の話。

 

 

俺は、断罪の機会を完全に失った。

 

 

 

「ね~ね~、知ってる?あの、例のカラス殺しの犯人。」

「それがどうしたの?」

 

 

昼休みに、トイレに行く途中。

ふと、別のクラスの女子達の大声での話し声が聞こえた。

 

戸惑い、つい、歩みを止めそうになる。

 

 

「・・・なんかね、捕まったんだって。ニュースでやってたよ。」

 

 

捕まった?

嘘だろ?犯人である俺がここにいるのだから、そんなはずはない。

きっと、何かの勘違いだろう。

 

 

「えー、そうなんだ!まあ、最近も大分殺してたみたいだしね。」

 

ここ数ヶ月は、白銀と出会ってからは、いや、そのまえから。

 

俺は、カラスを殺してなんていない。

 

 

「なんか最近ってさ、結構汚く散らかってたらしいよね。雑だったって話。最初の頃は死体はキレイに片されてて、その場には大量の羽しか残ってないから証拠とかほとんどなかったらしいよ。」

「だからこんなに時間かかったのかー。お巡りさんも大変だねぇ。」

 

 

もしかして、もしかするとだが。

 

 

"模倣犯"?

 

 

俺の、したことを、誰が?

 

 

トイレに入り、鏡と眼を合わせ自問自答をする。

 

いや、自分に質問を続けた。

自問自答と言うには、答えなんて、出なさすぎた。

 

 

「なんだよ。。。なんなんだよ。。。」

 

 

罪から逃れることが出来たのだから喜べそうなものだが、とてつもない吐き気が襲ってきて。

 

なんだか、やはり自分のしたことは否定されることなのだと。

そう、再認識して。

 

 

俺は、トイレに汚物を吐き出した。

 

 

でも、胸の蟠りは、何一つ吐き出すことは出来ずに、俺はふらふらと教室に戻った。

 

 

「なあ!ヒロ!」

「どうした?」

 

 

教室に戻ると、城ヶ崎が話しかけてきた。

平静を出来る限り保ち、答えたのだが大丈夫だっただろうか?

 

 

「英語の訳を見してくださいお願いしますっ!」

「・・・たまには自分でやってこいよ。」

「一生のお願いっ!順番的に今日は俺指されるのっ!」

「お前の一生のお願いはもう少なくとも今月入ってから七回は聞いた。」

「そこをなんとかっ!」

 

 

さっきまでのシリアスがぶっ飛んだ。

 

やっぱり、これからは日常を過ごすんだ。

そうやっていけば、いつか、こんな気分を思い出すこともなくなってくる。

 

 

「しょうがないなぁ。・・・ホラよ。」

 

 

英語のノートを城ヶ崎に渡した。

 

コイツ、英語以外はデキが良いんだけどなぁ。

それだけいつも赤点ギリギリなのが不思議だ。

 

それ以外ならむしろ俺よりも出来る方なのに。

 

 

「ありがとう!あとで飲み物おごる!」

「じゃあ、ココアでよろしく。ホットのやつな。」

 

「滉晠、ちょっと、いいかしら?」

 

 

城ヶ崎との取引と言うか、なんというかが終わったところで、白銀が話しかけてきた。

 

 

「どうした?」

「来て。」

 

 

と、一言だけ言って俺の腕を引っ張って教室を出た。

 

 

「お、おい、なんだよ。」

「良いから。」

 

 

そして、人気のない廊下に出てから、こう言われた。

 

 

「さっき聞いたわ。・・・カラスの件、あれはどういうこと?」

 

 

ああ、その話か。

断罪の機会を失っても、やはり罪には向き合うべきなのだろう。

 

 

「・・・多分、模倣犯だ。」

 

 

俺は、自分の予想、いや、希望的観測を述べた。

 

 

「そう。」

 

 

白銀は、静かに頷いて、そして、笑った。

 

 

「そっかあ。うん。」

 

 

心底ほっとしたというように。

 

彼女はまるで、模倣犯が俺の罪を被って捕まったことを喜んでいるようで、きっと、そこまでの感情はないのだろうけど、とても、居心地が悪かった。

 

彼女がこうだと、俺は、本当に自分の罪を忘れてしまいそうで怖かった。

 

 

罪が罪たりえるためには、それを意識せざるを得ない、それを責めるものがないといけないのだ。

 

そして、それは今まで彼女が俺を脅すという形で成立していた。

 

 

「白銀。」

 

 

この思考は、とても危険だ。

俺は、自分の言葉を、制御できなくなってしまった。

 

 

「俺は、そんなお前に喜ばれるような人間じゃあない。」

 

「え?」

 

 

まだ、まだ今なら間に合うと、今ならまだ引き返せると、そう、脳が警告した。

 

 

「俺は、俺は・・・!」

 

 

 

 

 

 

言わなければ、隠していることが出来れば、どれだけ楽だったろう。

 

 

 

「俺は、ヒーローなんかになれない。」

 

 

俺達の、奇妙な関係が始まったその日の、"ヒーロー"という言葉。

 

 

「俺は、人を・・・」

 

 

 

 

もう、止めることはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺してるんだ。」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。