IS二次。楯無・刀奈がヒロイン。
HELLSINGの旦那的な人が楯無の周りで戦ったりするみたいな。能力とかもまんま旦那。IS使わない。てかもう吸血鬼だから必要ない的な……。
ただただ楯無が旦那的な人に振り回されて乙女になるのを書きたかった
(ツイッター解説より)
影に沈むモノ
ISことインフィニット・ストラトスが世を台頭する時代。ありとあらゆる軍略兵器は「旧兵器」と蔑称され、世界を流れる風は表から見て完全に逆風吹き
インフィニット・ストラトスとは即ち、国を、世界を支配する兵器なのである。その使用が競技という形骸化された枠組みに押し込まれているように見えても。
夏。7月も下旬のこの時期、梅雨がようやく明けたかと思えばカンカンと照りつける太陽が日毎に気温を底から押し上げ、アスファルトやら金属が鉄板のごとく暑くなる。
しかしそれも言ってしまえば外での出来事である。気温が30度間近であるにも関わらず、好き好んで灼熱の太陽の元を駆け回るのは、大抵がアスリートなのだ。
一方、ここIS学園の生徒会室は午前中からクーラーを全開に使用し、快適な空間を作り出していた。誰もが天国と羨むその程よい涼しさは至福の空間となるに違いない。
そんな生徒会室にある人影は3つ。
1年1組所属、布仏本音。3年整備課所属で現在主席、布仏虚。2人ともに姉妹である。
そして、IS学園現役生徒会長と務める更識家当主、更識楯無。
IS学園で唯一の生徒会役員である3人が部屋にはおり、楯無は会長席で第2学期予算案を眺め、虚は後期の行事に向けた企画書の作成を、本音はソファに深く腰掛けて足をぱたぱたと手持ち無沙汰にさせていた。
「……うーん……」
楯無はと言えば、椅子の背もたれにぐでっと脱力して体を預けつつ、センスを顎に当てながら唸っていた。
「何やら難しい顔をなさってますけど、どうされました?」
気が付いて声をかける虚。その手には淹れたばかりの紅茶があり、それをそっと楯無の前にティーカップを置いた。
「ありがと。学園祭の予算なんだけど、もっと増やせないものかと思ってね」
「また余計なお遊びでも?」
「いやいやいや、流石にそこまで巫山戯た事でもないのよ? ただ、やっぱり今年は特別にしたいじゃない」
紙の資料をパシッと弾いて小悪魔な笑みを浮かべる楯無。こういう時は大抵自分が面白そうだと思う自己中心的な考えを巡らせていて、かつ譲れないものだと虚は長い付き合いから熟知していた。
「特別、というのはやはり男性操縦者の彼のことですか?」
「あったりぃ~。まぁともかく、織斑一夏に関することなんだけどね。1学期は忙しすぎて手が出せなかった分の項目が溜まってるから、ここらでちゃちゃっと片付けちゃいたいのよ。そうすれば後が楽になるってもの。IS学園生徒会長として、更識家として、今回は学園祭を変えておきたいわ」
「……打算があるならとやかくは言いません。ただ、常識の範囲内にして下さいね。あまり度が過ぎると監督不足で私まで痛い目を見るんですから」
「その時はケーキ奢りってことでっ」
「面倒事起こす前提で話を進めないで下さい」
ピシャリとした口調の
「で、話は戻しますが予算のことですよね。結局それをどこから捻出するおつもりですか?」
「流石にもう決まっちゃったところから勝手に差し引くのは申し訳がないしただの横暴だもの。ここは追加予算を考えておきたいわね」
「と言っても既に貯金は底を尽きかけていますが。さて誰の所為でしょうね」
「うっ……」
気まずそうに楯無がすっと目を逸らした。虚も虚で冷め切った視線を向けている辺り大体の状況は察している。
「妹様の援助を惜しまないのは立派なこととは思いますが、もう少し考えましょうね。お嬢様の場合、妹様のこととなった途端に周りが見えなくなるんですから。特に、お金の事に関しては私に一言言って下さい。咎めるようなことはしませんから」
「はい、ごめんなさい……」
しゅんとなって紅茶に口をつける。肩を縮めているあたり、犬耳をつけていたら垂れて落ち込んでいることだろう。1つ年下の主人を見て、虚は気付かれないよう微笑んだ。
「そう言えば、
「え、あ、そう、だっけ……」
虚がその言葉を言った途端、楯無が突然態度を変えた。怯えているような、恥ずかしがっているような、ともかく急にソワソワと落ち着きがなくなり始めた。
「……いい加減、まだ
「だ、だってぇ……」
「今更初恋を経験したばかりの少女漫画な顔しないで下さい」
扇子で顔を隠しさっきよりも縮こまる楯無。しかし残念なことに耳の赤さまでは隠しきれていなかった。
「会うたび、その……よ、要求してくるし……」
「仕方ないことですね」
「いつも、何かからかってくるし……」
「お嬢様が注文したことですしね」
「シチュエーションも、アレみたいだし……」
「お嬢様の意思を汲み取った結果ですもの」
「と、ともかく何か苦手なの!!」
その顔、どう見ても恋する乙女の表情であるby布仏虚。
「苦手意識は早々に排除して下さい。これからに支障が出そうですから。あまり悠長に構えられる時間も今後は無くなっていくんですから」
「無茶苦茶よ虚ちゃん……」
「臨時収入の為です我慢して下さい。って言うかもう我慢しなくても良いようにして下さい。部下からの一生のお願いです」
「そうか、
突然低い男の声が聴こえたかと思えば、ぴとっと冷たい手が楯無の頬を後ろから包み、
「ぴゃあぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーっっ!!??」
楯無が悲鳴を上げて椅子から飛び上がり資料のある机の上を転がって反対側に落ちて、虚の足元にしがみついて頑張って身を隠そうとしていた。スタントマンもびっくりな早業である。
「ひゃ、へぇやぴょえよ……!!」
「落ち着いて下さいお嬢様、間抜けにも程があります」
涙目でふるふると生まれたての子鹿のごとく震える楯無。ついでに言えば腰も抜かしているので、必死に立ち上がろうとはしているのだが、力が入らずへたり込んでいる次第である。
「お疲れ様です、センカ様」
「久方ぶりに声を聞いたぞ、虚。いつ以来だ」
「私が中学を卒業した直後のそれっきりですから、2年と半年になります。センカ様からしたら久しいとは言えないでしょう?」
「いやなに、少しは人間らしく振る舞ってみただけだ。存外、私は今気分が良いらしい」
低い声で男はクツクツと喉を鳴らした。
センカと呼ばれた男は正に“異様”と言えた。真夏になろうと言う今日この頃であるのに真っ黒なロングコートに漆黒のスーツとネクタイ。眼にかかる黒よりも黒い髪の間からチラチラと鮮血のように真っ赤な鋭い瞳を見え隠れさせていた。
「さて我が主。ただいま戻ったぞ。収入は全て貴方の口座に入れてある。好きなことに使うと良い」
「良かったじゃないですかお嬢様。予算が増えましたよ」
「そ、そうだけどぉ……、」
と、より一層縮こまる楯無。心なしか、この先に起こる出来事から遠ざかりたいと表情に出ていた。
「一応確認致しますがセンカ様、今後のご予定の方は?」
「我が主から
「それなら丁度良いところです。更識家当主から直々に任務遂行の命令があります」
ね、お嬢様? と足元に話を振る。当の本人は突然の転換にビクッと肩を震わせて恐る恐る長身の男を見上げた。
男はニィッと口角を上げていた。真正面から見れば完全にラスボスの笑みである。楯無は若干青ざめた表情になりながらも、数秒かけて口を開いた。
「……貴方に、ある人物の護衛と、観察を命ずるわ」
「ある人物…………言わずともわかるさ。織斑一夏、そうだろう、我が主よ」
「彼に寄り付くハイエナに容赦はいらない。喉元から丁寧に捌いてやりなさい。これは命令よ」
「――――御意に、
男が
まぁ旦那みたいなセンスある人なんて書けないんさ。私はヒラコーじゃないですしおすし。
ヒラコーのセンスは本当に脱帽もの。ああいうクリエイターになりたいっていうね。