「おかえりなさい」
ここは砂漠地帯。灼熱の太陽が照りつける砂丘は地平線まで何一つとして遮蔽物が無かった。
そんな中に女性が1人。黒の日傘を差した彼女は微笑みながら目の前に着地した2機のISの搭乗者を見やり声をかけた。
「無事取り戻せたみたいね」
「はい。塗装は全て落とされてしまいましたが」
紫の蝶を模したISが脚を地面に着けるのに対し、鋼色のISはPICと反重力制御により着地することはなかった。元より脚部も全て突撃剣のソレ地上に落ち着くことを最初から考慮していないのだ。
「M。センとのコンビはどう?」
「問題ない。オータムと組むよりずっと良い」
バイザーの下で不機嫌そうに口元を歪めたMの返答に女性は苦笑した。相変わらずな反応に思わず笑ったのだ。
「さて、じゃあ行きましょうか。次はIS学園よ」
「このまま向かうのか?」
「別にそれでも構わないけど。でもセンがいるのよ?」
「私にはお構いな」「一度帰投しよう」「…………マドカ?」
遮るような物言いにセンが困惑する中、マドカは続けた。
「センも疲れただろう。帰って休憩してから、また出るぞ」
「マドカ、言っておくけど私は元日本代表よ? 脚が無くなっただけで弱ってなんか」「それでもだ。万が一で戦力が減るのは我々にとって愚策。行きがけで綻びを作るよりは、基地できちんとした準備を行う方が何倍も良いだろう?」
と、マドカの返答にセンは「むぅ」とバイザーの下で唸るばかり。正論過ぎて反論できなかった。
「決まったみたいね。じゃあ一度帰投しましょ」
「了解」
「……了解しました」
渋々、と言った様子でセンが頷く。返事を確認したところで女性は自らも黄金色のISを展開、先頭に立って飛び上がり、2機もその後ろに続いて砂漠を飛び去った。
数年前のことである。1つの悲惨な事故があった。
ISの公式大会である世界選手権で日本チームが団体戦で世界一位を修めた時がある。その日本選手団は大会を終えてバスに乗り込み、空港へ向かっていた。帰国の関係でまた日本に戻るためだ。
しかしバスが空港へ向かう途中に事故を起こし、選手団の多くが重傷を負った。不幸中の幸いか死人が出るようなことはなかったが、選手大半が入院する騒ぎとなった。
その選手の中でも特に、日本を優勝に導いたエースの怪我は酷かった。両脚がバスと道路の下敷きとなり、両脚切断にまで至ったのだ。先述の通り一命を取り留めてはいたが、やむなく彼女は日本代表を外され、ISから縁遠い生活を強いられることになったのであった。
オリ主とまどっちの百合書きたくなった。百合になりきれるかどうかはわからんかったけど