柏田は、宿題をやっていないことに気付いて打ちひしがれていた!!
それも、半分も終わってない状態なのだ・・・
そんな時に恋ヶ崎から一本の電話がかかってきた。
『私の家に来たら』と恋ヶ崎に言われる・・・・
俺は今夏休み残り一週間という事実に驚きつつある。そう、学生の皆さんなら一度は経験したことはあると思う。そう夏休みの宿題を全くやってないのです。数学、国語、英語、化学、地理のワークとかヤギに食べさせたい気分です。そして、俺は藁にもすがる思いで恋ヶ崎に電話をした。二回目の着信で出てくれた。
『もしもし、柏田?何の用?』可愛らしくとても通る声で恋ヶ崎が応答した。
『急に電話してごめん。 その、お願いしたいことがあって・・・・ 夏休みの宿題が終わってないからできれば手伝って欲しいんだよ。たのむ!!』
『夏休みの宿題くらい1週間もあればなんとかなるじゃない。』
『俺はお前と違って賢くないから無理だよ。』
『まあ、あんたなら無理だね。』なんかものすごいバカにされている感じなのは許せないが事実なので何も言えなかった。
恋ヶ崎は見た目に似合わず成績上位者なのだ。俺と違って..... ちなみに俺は下の上くらいの順位が妥当なのだ。
『分かった。手伝ってあげる。その代わり近いうちに鈴木君と遊ぶ約束を取り付けるっていうのが条件よ!! もちろん、私とあんたと小豆ちゃんと鈴木君の四人で遊び行くから。』
俺と恋ヶ崎は協定を結んでいる。その協定とは、俺たちは片思いの人がいる。俺はその人に好きになってもらうためにリア充になることを決意した。ただし、俺は物心ついた時からオタク道に走ってしまいどうすればリア充になるかが分からなかった.... そして、俺は恋ヶ崎から私をオタクにしてと頼まれた。その理由は、恋ヶ崎の片思いの相手がオタクだから。俺の学校に通っている鈴木は見た目にそぐわないガチオタなのだ。恋ヶ崎は鈴木と共通の趣味を持つことでお近づきになりたいと思っている。お互いの利害が一致したことで俺は恋ヶ崎をオタクにして、恋ヶ崎は俺をリア充にするという協定を高校1年生の時に結んだのだ。
『分かった。予定が空いてる日を鈴木に聞いておくから。』
『なら、私の家に来て。外暑いから汗かいてお化粧とか崩れたりするの嫌だし。早く来なさいよ。さっさと終わらせたいんだから。』
そして、自転車で漕ぐこと1時間。やっと恋ヶ崎の家に着いた。ピンポンを鳴らしてドアから出てきたのは。
『柏田のお兄ちゃんだーーー』
ドアから飛び出してきたのは恋ヶ崎の妹恋ヶ崎柚子。 なぜか俺は柚子ちゃんに最初は嫌われていたけど恋ヶ崎の家に遊び行った時に理由が分からないが好かれるようになった。
『柚子ちゃん。お出迎えありがとうね。』
『うん。だって彼氏を待つのは彼女の役目だもん。』
可愛い女の子にウインクしながらこんなこと言われるとロリコンになってしまいそうで怖くなる。言っておくけど、俺は決してロリコンではない!!!!
『こら、柚子ピンポン鳴ってダッシュしない!!危ないでしょ。』
俺は文字通りのピンポンダッシュだと思ってしまった。
今日の恋ヶ崎は白いワンピース姿だった。いつも恋ヶ崎は派手な服を見る事が多いが今日みたいなラフな格好を見るのは久しぶりだ。恋ヶ崎は容姿がお人形さんみたいで何着ても似合ってしまう。
『ほら、柏田もそんな熱い中立ってないで中に入ったら?』
『うん。そうだね。柚子ちゃん中に入ろうか。』
『うん。』
俺は恋ヶ崎の部屋に通された。流石に何回も恋ヶ崎の部屋に入ったことがあるのでもう慣れたけど。いつ見ても周りがピンクだらけで女の子部屋だなぁ~と思ってしまう。
『さぁ、はやくやっちゃいましょう。あんたどこまでやってるの』
『それが・・・・』俺は恋ヶ崎にそれは綺麗な純白の宿題を見せた。
『あんた・・・・・・ 夏休み中何してたの』っと恋ヶ崎は飽きれた様子だった。
『えっと~マンガやラノベ読んだりアニメ見たり・・・ あとはアニメイトでブルーレイなんかを買うためにバイトに励んだりしてた。』
『これは長丁場になりそうね!!』 俺と恋ヶ崎は中央の机で向かい合わせに座った。俺はとりあえず出来るところだけは自分の力ですることになり、分からない所は恋ヶ崎に教えてもらうことにした。一方、恋ヶ崎は最近ある恋愛小説にハマりそれの同人誌(小説)を制作している。二人が黙りながら作業するので外のセミの声とエアコンなんかの機械音しか聞こえない。
『恋ヶ崎最近小説の方どうだ?』時々恋ヶ崎から小説を読んでアドバイスなんかをしている。
『う--ん。今はネタに悩み中ね。夏って恋人と一緒にするイベントが多いからどのイベントにしようか悩み中よ。私的には海のイベントにしようかと思っている。』
『そうなんだ。』俺は海と言われて恋ヶ崎の水着姿を思い浮かべてしまう。恋ヶ崎なら多分何でも似合いそうだな!!
『それより、宿題どのくらい終わったの?』
恋ヶ崎が前かがみに覗き込んでくるので服の間から胸元が見えてしまいそうで俺は咄嗟に目を逸らした!! 今、ピンク色が見えたけどもしかして・・・・ いやいや、そんな場合じゃない!!!
『大体、俺ができそうな所は終わった。』
『そう、ならどこが分からないの?』そう言いながら恋ヶ崎が俺の横に座ってきた。
やばい!! 女の子のいい匂いがする。 なんで女の子はシャンプーみたいないい香りがするんだろ。そんなこと思っていると
『ちょっと、柏田聞いてる。』
『ああー! 悪い。えっとー英語のここの英文ってどう訳すの?』
そこには、Nerd is often hated womenと書かれていた。これ本当に高校で習う英語なのか?
『これを日本語に訳すと(オタクは女性に嫌われることが多い)って訳すのよ』イラッ!! 何かのあてつけか。
もう一つの英文も恋ヶ崎に聞いてみた。そこには、Geek does Mas Moteって書かれている。これ絶対意図があるだろうっと柏田は思っていた。
『これは(オタクはモテません)』
『こんな宿題やってられるかぁ~』柏田は紙相手に大人げなく叫ぶのであった。そんなこんなで三時間ぶっ通しで宿題の半分を終わらせたので休憩をいれることにした。流石、恋ヶ崎というかこんなに勉強ができるとは思いもしなかった。それにずっと隣に座っていたからいい香りがして理性がやばかった・・・
『ちょっと柚子と遊んでおいて。私は下でやることがあるから。』恋ヶ崎はそう言いながら下に降りて行った。
数分後にドアから例の高いアイスを持った柚子ちゃんが入ってきた。柚子ちゃんも恋ヶ崎と似たようなワンピース姿だけど色は女の子らしいピンク色の洋服を着ている。髪は長くて暑苦しいのかツインテールにして結っていた。
『お兄ちゃん、何してたの?』っと俺の脚の上にちょこんと座ってきた。
『さっきまで学校の宿題をしていたんだよ。柚子ちゃんのお姉ちゃんに教えてもらいながら。 柚子ちゃんはその間何していたの?』
『柚子はね、お姉ちゃんに柏田がくるから部屋に絶対入ってきたらメっだからねって言われてたから下でお絵かきしてた。』柚子ちゃんはしょんばしている様子で俺に教えてくれた。
『柏田宿題疲れた?』
『うん。とっても疲れた。今は休憩してお姉ちゃんを待っているかな。』
『疲れたんだ。なら、これあげる。あ~~ん』
『えっ!?』柚子ちゃんは俺の口元にアイスの乗ったスプーンを差し出してきた。アイスは見た限り白いのでバニラ味かな?
『柚子のあ~~んは嫌?』柚子ちゃんはそんなこといいながら上目づかいでそんなことを言ってきた。こんな表情でこんなこと言われたら断れるはずもない。
『ううん!!嫌なわけないよ。』と言いながら柚子ちゃんが差し出してくれたアイスをもらった。うん。やっぱりバニラ味だな。
『柏田おいしい?』
『うん。おいしいよ。柚子ちゃんのおかげで疲れがとれたよ。ありがとう。』俺はそう言いながら柚子ちゃんの頭を撫でた。そしたら柚子ちゃんは嬉しそうにうんと言いながら顔を逸らした。耳とか赤くなっているから多分お礼を言われて恥ずかしかったのかなと俺は考えた。
『なに、私の妹をたぶらかしてるの? あんたまさかロリコンにでも目覚めたの?』そこには、いつの間にか戻ってきた恋ヶ崎がいた。
『違う!! 俺はロリコンなんかじゃない。って手に持っているのはなんだ?』俺は話をそらすように恋ヶ崎に尋ねた。
『これは、さっき出来上がったクッキーよ。別にあんがつかれたと思ってわざわざ作ったんじゃなくて今は出せるお菓子がなかったからしょうがなく作っただけだから勘違いしないでよ。』ものすごい剣幕でそんなことを言われた。
『お前が作ったのか?』俺は女性から手作りのお菓子をもらうなんて初めてのことだった。手作りっていうところがポイント高いよな。
そのクッキーは四角形のカタチしていて肌色のクッキーと茶色のクッキーの二種類があった。恋ヶ崎は俺の向かいに座ってクッキーの皿を机に置いた。
『食べてみてもいいか?』俺は恐る恐る恋ヶ崎に聞いてみた。
『べつにいいわよ。』恋ヶ崎は俺を見ずにそう言ってきた。
俺は肌色のクッキーを一口食べた。それは、甘くなく・・・しょっぱかった・・・
『恋ヶ崎これ砂糖と塩間違えてないか?』俺は恋ヶ崎に尋ねた。その横で恋ヶ崎の妹の柚子ちゃんもクッキーを食べたのか顔が歪んでいた。
『嘘でしょう?!』恋ヶ崎は驚いた様子でクッキーを一口食べた。
『うわ~~。まじだ。こんなミスするなんて・・・せっかく柏田のために作ったのに(ボソッ)』
『え?なんて。』
『なんでもない。』恋ヶ崎は下を向いたまま言ってた。俺は聞こえないフリをしていたがそこは聞こえていた。俺はそれでもクッキーに手を伸ばした。
『ちょっと柏田何してんのよ!!』恋ヶ崎は慌てた様子でそんなことを言っていた。
『何ってクッキー食べてる。確かにしょっぱいけど別に食べられなくはないよ。次は甘いクッキーを作ってくれたらうれしいよ。』俺は笑いながらなんの気なしに俺は全部食べた。
『あんた馬鹿よね。分かったわよ。次はとびっきりおいしいやつ作ってあげるから。』恋ヶ崎はそんなこと言っていたが顔はとても満ち足りていたと俺は思った。
そんなこんなで、俺はなんとか夏休みの最大の敵である夏休みの宿題を終わらせることができた。これも協定関係である恋ヶ崎のおかげだった。いつか恋ヶ崎には協定での約束以外でのお礼を考えないといけないと思った。夕方なので自転車で帰るには程よい夏の風がとても心地よかった。