ポケットモンスター・THE LEGEND 作:疾風のメガピジョット
あたしは対戦表を見て、複雑な気持ちになっていた。
カスミ(相手はあたしの昔からの憧れでもあるカンナさんよ。そんな人と公式戦で当たるのは嬉しい。でもそんな人にあたしは勝てるの……?)
悩んでいると、控え室にレッドが戻ってくる。
レッド「おいどうしたんだカスミ?対戦表見て悩んでるなんてよ。」
カスミ「アンタはあたしの次の対戦相手、誰だと思う?」
レッド「……四天王の誰かか?」
カスミ「当たり。でもただの四天王じゃなくて、あたしの憧れの人なのよね。」
レッド「あぁ、こないだそんなこと言ってたよな。そんで、勝てるかどうか不安って感じなのか?」
カスミ「うん……」
レッド「そんなに思い悩むなよ。自分らしさを全力で見せつけてやれ、憧れを追い越すつもりで。お前のお姉さん方やハナダのジムトレーナーだって期待してんだからさ?」
カスミ「……そうだよね、ありがとうレッド。」
リーフ「カスミっ、ごめんなさい!」
そこに慌ただしくドアを開けてリーフが入ってくる。
リーフ「あんなことして、ごめんなさい……」
カスミ「いいのよ、そんなに暗い顔しないで。アンタは明るい方が似合うわ。」
リーフ「ありがとうカズミィ~」グスッ
リーフは泣きながらあたしに抱きついた。
レッド「二人も和解したことだし、思いっきり当たって砕けて来い!」
リーフ「頑張ってねぇ!」
カスミ「ありがとう!絶対勝ってくるから!」
実況『決勝トーナメント2回戦第2試合は、四天王・カンナ選手対ハナダジムリーダー・カスミ選手です!!』
うわー、今まで全く緊張してなかったのに相手がカンナさんだと緊張しちゃうな。フィールドが砂でジャリジャリなる音すらもあまり耳に入らない。
カンナ「久しぶりねカスミ。ここまで来たってことは少しは成長してくれたのかしら?」
カスミ「勿論です!でも今日は成長したのが実力だけじゃないことをお見せしますよ。ここで勝たせて頂きますから!お願い、ランターン!」
カンナ「へぇー、威勢がよくなったのね。出てきなさい、マンムー!」
マンムー……見たこと無いなぁ。氷タイプと、何タイプなんだろう?
カスミ「ランターン、ハイドロポンプ!」
カンナ「ストーンエッジで防いで!」
ランターンの放ったハイドロポンプはマンムーのストーンエッジによって阻害されるが数秒後、ハイドロポンプによる水流が岩を突き破った。しかし、
カスミ「!、居ない……?」
カンナ「マンムー、地震!」
カスミ「うわっ!?ちょっと!?」
実況『おっと、凄い揺れです!電気タイプのランターンには痛い攻撃か?』
カスミ「ランターン、大丈夫!?」
カンナ「あら、さっきまでの威勢のよさはどこに行ったのかしらね?」
カスミ「まだよ!ランターン、ハイドロポンプ!」
カンナ「マンムー、走って避けて!」
マンムーがいた場所に水流が掛かり、砂のフィールドがみずびだしになる。また避けられて、みずびだしになる。5回程この繰り返しが続いた。
カンナ「そろそろPP切れかしらね、だいぶ粘ったけど御苦労様。それじゃマンムー、地震!」
カスミ「ランターン、守る!」
カンナ「あらあら、まだそんな技で粘る積も……り?」
地震による振動が弱まっていた。
カンナ「!?さっきのハイドロポンプで!?」
カスミ「砂利の上にいたのが誤算だったみたいですね!ランターン、ハイドロポンプ!」
マンムーに強烈な一撃が加えられる。
審判「マンムー戦闘不能、ランターンの勝ち!」
カンナ「へぇー、少しは出来るようになったのね。じゃあ次はこの子で行くわ、ジュゴン!」
カスミ「ランターン、もう少しだけ頑張って!ジュゴンに10万ボルト!」
カンナ「地面に冷凍ビームを撒き散らして!」
ジュゴンがフィールドに冷凍ビームを掛けている間にランターンの攻撃が当たるが、ジュゴンはなんとか堪え、その結果、フィールドは氷に覆われた。
カンナ「これで主導権はこっちのもの!ジュゴン、絶対零度!」
カスミ「ランターンお願い、もう一度10万ボルト!」
ランターンが瞬時に氷付けになるが、一方でジュゴンは氷のフィールドの上で倒れていた。
審判「ランターン、ジュゴン共に戦闘不能!」
カンナ「まさかここまで強引にやらないとランターンを倒せなかったなんてねぇ。強くなったじゃない?」
カスミ「ありがとうございます。でもここからはもっと厳しいかも知れませんね!お願い、ヌオー!」
ヌオー「ヌ……?」
カンナ「ヌオーねぇ……だったら出てきなさい、ルージュラ!」
ルージュラ「ジュラァ!」
順調に進んでいたはずだったけど、ヌオーはルージュラがエナジーボールによる奇襲を仕掛けてきたことによってあっさり倒れ、続くゴルダックは悪魔のキッスに対して歯が立たず、ヤドランは炎技を使ってどうにかルージュラを倒したものの、次のマニューラっていうポケモンに倒された。そのマニューラもドククラゲの熱湯で火傷して、結果的に自滅。続くパルシェンもヘドロ爆弾で押しきった。カンナさんをどうにか追い詰めたけど、ドククラゲはもう限界に近い。
カンナ「カスミも大したものね、まさか私の方が先に追い詰められるなんてねぇ。でも、まだ私にはこの子が居ることを忘れた訳じゃないわね?出てきなさい、ラプラス!」
ラストはカンナさんが小さいときから同じ時間を過ごしてきたというラプラス。当然あたしはラプラス対策を怠ってはいない。
カスミ「もう少しだけ頑張って!ドククラゲ、アシッドボム!」
アシッドボムがラプラスに付着し、弾ける。しかし、ラプラスはそれを全く気にしない。
カンナ「何か仕掛けてくるかと思ったけど、期待外れねぇ。ラプラス、サイコキネシス!」
ラプラスに弱点を突かれ、ドククラゲはその場に倒れた。
審判「ドククラゲ戦闘不能、ラプラスの勝ち!」
実況『両者共に後が無くなった!しかしカスミ選手、またもや押されているか?』
カスミ「……五月蝿いのよ。分かってない癖に……」
あたしは選手用の観客席の方をチラッと見た。するとそれに応じるかの如く、アイツがゆっくりと頷く。
カスミ「やっぱここからが見せ場だって分かってるのはアイツだけよね……」
右手でボールを掴み、覚悟を決める。
カスミ「お願い、マイステディ!」
スターミー「ヘアッ!」
カンナ「やっぱり最後はスターミーなのねぇ。お互い最後なんだし少しは楽しませて貰うわ。ラプラス、シャドーボール!」
カスミ「スターミー、小さくなる!」
スターミーは縮んでシャドーボールを避ける。
カスミ「続けてサイコキネシス!」
スターミーのサイコキネシスがラプラスにヒットし、ラプラスはもがき苦しむ。
カンナ「(思った以上に効いている……?)前言撤回するわ、これ以上長引いても私が不利になるだけみたいだしねぇ、さっさと終わらせるわ。ラプラス、絶対零度!」
ラプラスの絶対零度がフィールドを覆った。スターミーがいくら小さくなったところで、フィールド全体を覆い尽くしてしまえば逃げ場はない。更にラプラスはレベルも高く、命中不安定な絶対零度さえも上手くコントロール出来る。
カンナ「悪いわねカスミ。少しは楽しめたつもりだけど、私も四天王。ここで負けるわけにはいかないのよ。」
しかしカスミはそれを聞いて不敵に笑う。
カスミ「じゃあ、尚更あたしは負けられませんよ!」
刹那、倒れたはずのスターミーが氷から飛び出した。その身体には赤色の襷の切れ端のような物が付着していた。
カスミ「決めるわよスターミー、10万ボルト!!」
スターミー「ヘアッ!」
氷の中で溜めていたエネルギーが全て放出され、それはラプラスに勢いよく降り注いだ。
審判「ラプラス戦闘不能、スターミーの勝ち!よって勝者、ハナダジムリーダー、カスミ選手!」
実況『なんと、まさかのカスミ選手の大逆転劇!これで四天王の脱落者も二人目だあ!』
カンナ「そんな……レベルはラプラスの方が勝ってるはずなのに……一体どうやって!?」
カスミ「スターミーの身体についているのは気合いの襷ですよ?」
カンナ「気合いの……襷?」
カスミ「ポケモンに道具を使うことは出来なくても、持たせることに関しての制限は無かったですよね?」
カンナ「道具ね……今までは道具を持たせなくても勝てたから、全く気にして無かったわ。」
カスミ「それとドククラゲのアシッドボム。あれでラプラスの耐久力を下げたんです。」
カンナ「そういうことだったのね……まだまだ私も勉強不足だったわ。またいつかリベンジさせて貰うわ。」
カスミ「ええ、是非!」
控室
レッド・リーフ「四天王に勝利おめでと!」
カスミ「まあ半ば賭けみたいなもんだったと思う。ドククラゲがもっと早く倒れてたらラプラスは倒せなかったし。」
リーフ「でもカスミはその賭けに勝ったんだし。それだけでもすごいよ。」
カスミ「ありがと。でもこれで次はアンタとバトルしなきゃいけなくなったみたいね。」
レッド「いやー、漸く念願のカスミとのガチンコ対決が実現してくれると思うとテンション上がるわ!しかもリーグでなんてよぉ!」
俺が勝手に盛り上がってる中、カスミはモニターを見ていた。
カスミ「あ、これってグリーン!?」
リーフ「……すごい!」
レッド「ん?どうした?……おいおい、あいつもやりやがったな……!」
モニター『なんとシバ選手、カンナ選手に続き、四天王最年長のキクコ選手が脱落!制したのはかつてのチャンピオンであるオーキド博士の孫、グリーン選手!!』
モニターには四天王に対して最後の1匹を見せることなく勝利したグリーンの姿が映っていた。
※ポケモンが自分で使えるものなら1つだけ道具を持たせて良い(重複禁止)というルールが存在するという設定ですが、実際作中で道具を駆使してるのは今のところマサラ組とカスミとキョウとサカキくらいです。