ポケットモンスター・THE LEGEND 作:疾風のメガピジョット
グリーン「サンダー、熱風だ!」
先に動いたのは俺だった。熱風を起こしてフリーザーを近づけずに先制しようとした。
レッド「なら!フリーザー、吹雪!」
負けじとレッドも応戦してする。
グリーン「チッ。サンダー、10万ボルト!」
レッド「不味いフリーザー、中断して避けろ!」
吹雪を当てることに集中していたフリーザーは反応が遅れ、10万ボルトを受ける。
グリーン「今だサンダー、電磁h……おい、どうしたサンダー!?起きろ!寝るんじゃねぇ!」
サンダーは突然フィールドに降りて寝始めた。こんな大事な時に居眠りかよ畜生!いくらバッジを8つ集めたところで初戦子供の指示なんざ聞いてくれないのか……でもこのバトル中、今までサンダーはこんなことしなかった。なら違う、サンダーが指示を聞かない訳じゃない。でも調子が狂ったのは事実だ。いや、思えば初めからエーフィが攻めてこなくて調子を狂わされたっけ。……そうだ、あのエーフィにはさりげなく相手の調子を崩すやり方があった!
グリーン「……そうか、あのときエーフィがわざわざサンダーの目の前に出てきたのは……欠伸を仕掛けるため!」
レッド「ご名答!だからここで一気にけりをつけようか!フリーザー、サンダーに心の眼!」
フリーザーはサンダーに照準を合わせ、その次の大技に備える。ヤバいぞ、早く起きてくれ!
レッド「終わりだ、絶対零度!」
フリーザーから冷気が放たれ始める。
しかしそのタイミングでもう一方の伝説の鳥は身の危険を感じたのか起き上がった。
サンダー「ギャー!」バチバチ
グリーン「起きてくれたか!悪いが時間がねぇんだサンダー、一か八かぶっ放せ!フリーザーに電磁砲だ!」
サンダーは慌てて電磁砲を作りだし、フリーザー目掛けて発射するも、直後に絶対零度に包まれ完全に凍結した。
レッド「起きやがったか!あれは、電磁砲か!フリーザー、避けろ!」
だが絶対零度のような大技は使う側にとってもかなりの負担がかかるため機転が効かなくなる。よってフリーザーには電磁砲を避けることは出来ず、勢い余ってフェンスに突っ込んだ。
審判「ふ、フリーザーにサンダー、共に戦闘不能……」ブルブル、ヘクション!
実況『サンダー、突然の眠気に襲われながらもしがみついた!これで両者共にラストだァ!』
サンダーは俺に心を許しつつあったのに俺は疑ってたな……
グリーン「ごめんなサンダー。正直諦めかけてたわ、情けねぇ……」
サンダーをボールに仕舞うと、俺はレッドを鋭く見つめた。
グリーン「ラスト1匹……分かってるよな?」
あいつの返事はただ1つのはずだ。
レッド「当然だ、こないだのリベンジってなぁ!いくぜ、リザードン!」
俺はその答えを聞いて安心し、微かに笑った。
グリーン「フン、そうだよな。わざわざ聞く必要なんかねぇよな!さあ出てこい、カメックス!」
思えば、旅に出てから俺はこいつに負け続けた。酷い時はピカチュウ1匹に壊滅させられたこともあった。けど俺は手持ちメンバーを弱いとは思わなかったし、あいつ以外には勝てたんだから寧ろ強い方だと思ってたな。だからポケモン達との信頼も強かったし、ラッタなんて俺を命懸けで救ってくれたんだ。待ってろよラッタ、俺はこいつを倒してカントーの頂点に立つ!
この俺、レッドは今絶体絶命とまではいかなくともピンチな状態に陥っていた。正直グリーンがここまで強くなるとはあまり思って無かったが、やはりグリーンの元々の才能に転生者の持つ知識の一部をを加えると何とも恐ろしい。
そんな訳でお互いラスト1匹になり、思った通りリザードンとカメックスの対面になった。しかしグリーンのカメックスはメガシンカが可能。考えてみればメガシンカポケモン同士の対決は初めてだな。でもそれはあいつも同じはず。幸い昨日のワタル戦が初めてのメガシンカだったらしく、まだ慣れていないだろう。それにこっちは相性的には不利だから短期決戦を仕掛けるしかないか。
レッド「いくぜリザードン!」
グリーン「頼むぞカメックス!」
メガシンカ!!
リザードンとカメックスはそれぞれ強い光に身を包んだ。
メガリザードンX「グォォォッッ!」
メガカメックス「ガァァメェェ!」
両者の咆哮が会場に響き渡る。
実況『こ、これは……!?一体どういうことだぁ!?リザードンとカメックスが同時に進化したぞぉ!!』
ヒビキ「へ?リザードンとカメックスってまだ進化するの!?いや、この前はフシギバナも進化したっけ?」
コトネ「これが、メガシンカ……」ボソッ
伝説のポケモンの戦いに引き続き観客が騒然とする。この現象を進化と答えるのは半分正解だが半分違う。本来この時代のカントー地方にメガシンカは伝わっていないはずだから仕方ないことだが。最早この世界の秩序を乱しているのは悪の組織などではなく俺なんじゃねぇか?
エーフィ(でもメガシンカセットは自分で見つけたんじゃなくてフジ老人から譲り受けた物でしょ?)
あ、あの人もか。
グリーン「いくぞカメックス、龍の波動!」
そんなこと言ってる場合じゃねぇ。
レッド「龍の舞で上昇して、左に避けろ!」
使い慣れた龍の舞を回避技としても使用することでチャンスを作る。
レッド「ドラゴンダイブ!」
リザードンが高速でカメックスに突っ込む。
グリーン「波動弾で迎撃しろ!」
レッド「構わねぇ、突っ込め!」
波動弾は追跡してくるため避けても仕方ない。ならさっきのカビゴンのように正面から破壊した方がいいに決まってる。そしてその通りにリザードンは波動弾を粉砕しつつカメックスに突撃した。
グリーン「何てパワー……流石フスベシティの長老直伝の技だな!」
は?あいつ何言ってんだ?……いや、気にしちゃダメだ。
レッド「リザードン、雷パンチ!」
リザードンは素早くカメックスを殴りつける。だがグリーンも反撃にでる。
グリーン「立ち上がれ!今がチャンスだカメックス、龍の波動!」
リザードンがカメックスから離れようと背中を向けた隙にカメックスが龍の波動を放ち、リザードンに命中させた。
レッド「リザードン!?」
リザードンは不意に弱点を突かれたのが不味かったのか、地面に墜落した。
それを見たグリーンは勝利を確信したと言わんばかりに笑う。
グリーン「レッド、俺は旅に出てからフルバトルでお前に勝ったことは無かった。旅に出る前は逆だったのになっ!」
グリーンは拳を握り締めた。
グリーン「旅に出る直前にお前に何があったのかも、旅の途中でどんなふうに鍛えたのかも知らない。でも、俺はやっとここで勝てる。リーフの仇を取るため、俺の夢を叶えるため、勝たせて貰うぜレッドォ!」
グリーンの言葉に応じてカメックスは攻撃体勢に入る。
グリーン「食らえ!カメックス、ハイドロカノン!」
水タイプの究極技が、グリーンにとっての最後の一撃が、リザードンに向かって真っ直ぐ撃たれる。
グリーンはもう勝ったつもりでいるのだろう。でも、俺は認めない。
レッド「……グリーン、何言ってんだお前、こんなところで終われるはずがねぇだろうが!!」
その瞬間、ぐったり倒れていたはずの相棒、メガリザードンXが飛び上がり、ハイドロカノンをギリギリで避けた。
グリーン「なっ……!?まだ飛べるのかよ!?」
レッド「……確かにお前は強い。戦術自体に無駄は無いし、どのポケモンからも熱意が伝わってきた。でもな、こっちもまだ燃え尽きてねぇんだよ!俺らだって頂点目指してんだ!」
俺はリザードンを見て合図を送る。
レッド「これが俺の全力だ、リザードン、ブラストバーンっ!!」
フィールドが崩壊し、青白い炎が吹き出て、カメックスを包み込む。
レッド「てめぇのその根性に、あっつい炎を灯してやんよ!」
メガカメックスを中心に爆発が起こった。
審判「ゲホッゴホッ、カメックス戦闘不能、リザードンの勝ち!よって勝者マサラタウンのレッドォゴホッ!」
実況『遂に決着!激闘を制したのはレッド選手だァ!!』
コトネ「うっわー、あんなこと叫びながら勝つって恥ずかしく無いのかなあ?ねぇヒビキ?……あれ、いない?」
選手控室も大熱狂だった。
カスミ「いぃよっしゃあぁぁぁっ!優勝よ優勝!!」
タケシ「……強くなりやがって。」
カツラ「うおおおっ!レッド君天晴れじゃ!」
ナツメ「凄いわ……」
キョウ「ファファファ!それでこそ拙者を驚かせたレッドよ!」
アンズ「レッド殿が勝った!」
一方で、決勝戦の結果を残念に思う者もいた。
マチス「Oh My God !!」
エリカ「あら、グリーン様……」
リーフ「惜しかったねっ……」グスッ
ワタル「マサラタウンのレッド選手、優勝おめでとうございます!本日より、貴方をカントー地方チャンピオンに任命致します!」
会場から拍手喝采が沸き上がる。
レッド「皆様、最後まで試合をご覧頂き誠にありがとうございました。史上最年少チャンピオンということで大変緊張しておりますが、何卒宜しくお願い致します!」
カンナ「ありがとうございました。以上を持ちまして、第17回ポケモンリーグセキエイ大会を閉会します。」
カンナさんの言葉により、俺は退場して裏道を歩いていた。
ヒビキ「あっ、あのっ!」
俺は急に声を掛けられ立ち止まった。
レッド「ん?君は……」
ヒビキ「僕はヒビキっていいます!あの、レッドさんみたいになるにはどうしたらいいんですか!?」
おいおい、唐突過ぎるぞ。
レッド「そうだね……まずはポケモンを道具だなんて思わずに、俺らとは違う生き物として真剣に向き合い、大切にすること。あとは勝ちたいって思いと諦めないことだね。……そうだ、こいつを渡すよ。」
俺はある物を取り出した。
ヒビキ「……これは?」
レッド「ポケモンのタマゴ。バッジを集め終わってから特訓してた時に見つけたんだ、大事に育てろよ?」
俺は振り替えって歩き始めた。
ヒビキ「あの!……今度会ったら、バトルしましょうねっ!」
ありがちな展開だとは思うが、これはこれで楽しみだな。
レッド「ああ、楽しみにしてるぜ!」
俺は颯爽と走り去った。
グリーン「で、何でお前がフスベシティの長老直伝の技を知ってんだ?全部吐きやがれ!」
翌日、俺らはマサラタウンに戻り、俺の優勝記念パーティーをオーキド研究所にて行っていた。そこで当然、この話が出るだろうなとは思った。
カスミ「いいの、言っちゃって?」
レッド「バレちゃ仕方ないだろカスミ、全部この二人に言うわ。」
リーフ「身内にも言えないことだったの!?カスミは知ってるのに!?」
レッド「まあ……な……」
リーフは双子である自分に隠し事をしていた俺の事を不満に思っているようだった。
レッド「悪かった悪かった、そんで実はな……」
俺が前世の記憶を引き継いでいること、前世ではポケモンは架空の存在であり、ゲームやアニメの世界でしか無かったこと、そういった物でのポケモンの知識を覚えているということなど、俺は自分の大体のことを話した。
グリーン「ハッ、信じがたい話だけどよ、そうじゃねぇとあのレッドが急に強くなったりしないよなぁ」
レッド「うるせぇ……」
リーフ「じゃあ元のレッドは……」
意外と痛いところを突いてくるな……。
レッド「人格としては消えたけど、その時の記憶もあるし、根本的な人間性は変わって無いらしいぞ。」
グリーン「あー、分かる。しぶといところとかは全然変わって無いしな。」
丁度そこへ、オーキド博士が来た。
オーキド「おお、揃っていたか。お前さん達に丁度いい話があるぞ!」
オーキド博士はチケットを数枚取り出す。
オーキド「レインボーパスといってのう、ナナシマの1から7の島までを自由に回れるチケットじゃよ!……2枚しか無いがの。」
レッド「ああ、それは俺もカスミも持ってますよ。」
カスミ「確か3の島で貰ったわね。」
オーキド「なら話が早い、グリーンとリーフに渡そう。」
グリーン「おっ、サンキュー。……ってこれ発効されるの来月末じゃん。」
リーフ「えぇ……せっかく今度こそグリーン君とナナシマ観光しようと思ったのに……」
しかし俺にとってはその方がよかったりもする。
レッド「いやー、俺明日から数週間はチャンピオンとして色々飛び回らなきゃいけねぇらしいからかえって丁度いいよ。」
カスミ「あたしもジムの休みがまだ取れないし……」
グリーン「俺もトキワジムの採用試験が控えてた……」
リーフ「じゃあ、来月末になったらみんなで予定揃えてナナシマに行こうよっ!」
リーフの言葉に皆は頷いた。
レッド「よし、待ってろよナナシマ!」
ここから、俺の新たな旅が始まろうとしていた。
レッドがヒビキにあげたタマゴについての描写は今までにはありませんでしたがそこだけ脳内補完お願いします(笑)
なんとかカントー編が完結致しました、最後まで追いかけて頂き誠にありがとうございました。
また近いうちにナナシマ編、カントー編2を書き始める予定です。