御影悠の日常彩る化学式   作:月宮如月

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久しぶりの投稿!
貴方の後ろに這いよってみたい如月です

これを書いていると高校でのことを思い出し、できることなら学生時代をやり直したいと思います。
さてそんな如月ですが寝ている間に乾燥で喉をやられて風邪をひきました。喉がつらくてのど飴が手放せません。皆さんも風邪には注意してください。


第13話

 

ポーションの材料を買いに行った次の日。

 

え?なんで次の日かって?

昨日は買い物に時間がかかりすぎて調合する時間が無くなったんだよ。

食糧売場に行くとついつい安売りしている食材に目が行ってしまい、俺は食材を求めて走り出した。

 

俺が離れている間に買い物は終了していた。修部長がなんか疲れた顔をしていたが、二人が余計なものを買おうとしたりしたのでそれを抑えるのに苦労したそうだ。それにしては荷物が予定より多そうに見えるが暴走する二人を抑えられなかったんだろう。

 

ちなみにカナは店に着くなり走り出した俺を追ったが見失い、カナについていった結月と共に店内のカフェでのんびりお茶をしていた。

 

店を出たのは17時で学校に戻って買ってきたものを薬品庫という名の冷蔵庫にぶち込んでその日は解散となった。

 

ちなみに昨日新しく入った結月夏帆だが、趣味が料理らく、帰りに料理について話し合って大分盛り上がった。今度お菓子でも作って持って行ってみるか。

 

部室にカナと結月と一緒に向かってみるとすでに結衣先輩と月宮先輩が材料や機材を並べて準備していた。しかし一人足りないような……。

 

「結衣先輩、アレはいないんですか?」

「あぁ、アレ?逃げた」

「逃げた?」

「本当かはわからないけど就活だって。兄さん卒業したら就職するみたいだし、朝早くに自転車で出て行った」

 

冗談で修部長のことをアレ呼ばわりしたがまさか通じるなんて……。しかし、なにやらおかしなことが聞こえたような。

 

「は?就活ですか?しかも自転車って……。何考えてるんですか、アレは」

「アレが言うには、俺達の兄貴、棗○輔は就活を徒歩で行った。ならば俺は自転車で乗り切ってやる!って言ってた。アホだよね」

「アホですね」

「アホだね」

「救いようのないアホだな」

「皆さん部長さんに容赦なさすぎではないですか!?」

 

俺、カナ、月宮先輩の順にアレをアホ呼ばわりした。

 

「おぉ!結月の初ツッコミ入りました!!」

「やったね夏帆ちゃん!」

「おめでと!ユーちゃん!」

「これで君も私たちの仲間だ!」

「えっ!?なんですか!?」

 

結月がツッコミを入れたことで大騒ぎ。結月はなんというか俺達とは違って普通すぎるから少し心配だったが問題なさそうだ。

ちなみに結月のことをユーちゃんと言ってたのは結衣先輩だ。あの人があだ名で呼ぶのは後輩限定かな?でもカナにはあだ名つけてないしな。今度聞いてみるか。

しかしアレがいないとなると困るな。

俺と同じ考えなのか月宮先輩が

 

「まぁ、アレがいないのは喜ばしいことなのでが被験者がいないのは困るな。全く肝心な時に使えないな、あの屑は!」

「仕方ないよ桜花。とりあえず作ってしまおうよ。そこらへんは後で考えよう」

「そうですよ。とりあえず調合しちゃいましょうよ」

 

そんなわけで調合開始!

 

「では、ポーションの材料はこちらになります!」

 

そう言い結衣先輩が机に並べてある食材を見せる。

 

カルダモン フェンネル ローズマリー

レモン ブルーベリー 乾燥させたみかんの皮 ショウガ オロナミンC 謎の粉末

 

「なんですか?この粉状のものは」

「それ?去年調合したポーションの残りをフリーズドライにして保存しておいたものだよ」

「普通のポーションはないんですか?」

「うん。あるにはあるけど勿体ないじゃんこれ。せっかくだからポーションの代わりに水でもどしてコレをベースに使おうと思うんだけど」

「下手したら死人が出ますよ?」

「でも、やるよね」

「もちろんです」

 

恐れていたら実験なんてやれるか!

 

「それでは桜花!材料の説明をよろしく!」

「任せろ結衣。まずはスパイスだがカルダモン、フェンネル、ローズマリーの3種を用意してみた」

「聞いたことのあるようなものばかりですがどのような効果があるんですか?スパイスはあまり使わないもので」

「逆に知ってたら驚きだよ。まずカルダモンだがこれは最も古いスパイスの一つだな。樹脂系のさわやかで上品な香りがあり、スパイスの女王、高貴な香りと形容されている。そしてフィンネルは……」

「搭乗者の意思で遠隔操作が可能な小型の遠隔操作型機動砲台のことで複数の砲台を操作し全方位から攻撃を行う事が出来るオールレンジ攻撃が可能な強力な兵器」

「これはキュベレイに初めて搭載され、その後もキュベレイMk-II、クィン・マンサ、ゲーマルク等の機体に搭載された」

 

月宮先輩の説明に結衣先輩と俺が介入すると月宮先輩がとびっきりの笑顔を浮かべ、

 

「貴様ら、それはファンネルだ。私が説明してやっているのにいい度胸だな。ふざけているとこの粉を口の中に突っ込むぞ♪」

 

「「ごめんなさい月宮(桜花)様!」」

 

俺達はその笑顔に命の危機すら感じた。月宮先輩のあの笑顔怖い……。

 

「フィンネルは甘い香りと苦みが特徴で消化促進・消臭に効果がある。最後にローズマリーだが水蒸気蒸留法で抽出した精油を香料として使おうと思う」

「そして作業手順は以下のとおりになります」

結衣先輩が教壇の前にある2段の黒板を動かして手順を書いた黒板を上に上げる。

いつの間に書いてたんだろう。

 

① ミキサーにポーションの粉とブルーベリー、ショウガ、カルダモン、フィンネル、みかんの皮、レモン汁をいれて水を適量入れる

② ①でできた液体を吸引ろ過装置でろ過する

③ ろ過した液体を濃縮器にかける

④ ③の液体とオロナミンCを1:3の割合でわる。

⑤ ローズマリーで作った精油で香りづけ

 

「みんな理解したかい!!」

 

結衣先輩の問いかけに俺とカナ、結月は

 

「危険性は理解しました」

「ok把握」

「不安しかありません」

 

さて、生贄の準備もしておくか。

 

 




明日から本気出す。やっぱ無理だ。
明後日が祝日だし明後日から本気出す。 多分……。

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