御影悠の日常彩る化学式   作:月宮如月

18 / 21
如月「今日、雨凄かったな」
カナ「だね~。これが夏の風物詩。局地的豪雨、通称―」
如月「ゴリラ豪雨」
カナ「なんでゴリラ!?」
如月「いや、今日の雨はゲリラ的な突発性もありながらゴリラのような力強さもあったから」
カナ「でも豪雨ってところで強い雨って言ってるよね。つまりゴリラ豪雨って」
如月「雨粒でクレーターができるほどの雨が降ってくる?」
カナ「なにそれ、こわい」


第17話

 

「で、榊は今日も科学部によるのか?」

 

今日の授業が消化され放課後に荷物を鞄に入れながら悠は聞いてみた。

 

「ん~そうだな。暇だし今日も行くかな」

「もう入部しちゃえよ。何度も来てるんだし」

「いや、遊ぶために行ってるだけで部活動には参加する気はない」

「そうか。カナー、結月ー部活行くぞ」

 

 

そして部室へ

 

 

部室に入るとすでに結衣先輩と桜花先輩がいた。

二人で雑誌を見ているようだが、またゲーム雑誌だろうか。

 

「こんにちは~。二人して何見てるんですか?ゲーム雑誌ですか?」

「あぁ、悠君か。これはゲーム雑誌ではないよ。これは」

 

桜花先輩が雑誌を閉じて表紙を見せてくる。

 

「私の愛読書の一つ、まんがタイムきららM○Xだ!」

「おぉ!月宮先輩もその雑誌読んでるんですか!でも、俺はキャ○ット派ですね。M○Xも面白いですけど立ち読みで我慢してるんですよね」

「なるほど、悠君もなかなかいい趣味をしてるな」

「しかし月宮先輩でも漫画、読むんですね。てっきりゲームばかりかと」

「さすがの私でもゲームばかりやってるわけではない。アニメも見るし漫画も読む。最もほのぼのとした作品しか見ないがな」

「そうなんですか。あっ、読み終わったら後で俺にも読ませてください」

「いいぞ」

 

桜花先輩と話しているとカナが俺の制服の袖をひっぱて

 

「ユウ君、ユウ君。クッキー出さそうよ。夏帆ちゃんがお紅茶入れてくれたよ」

「ん、そうだったな。みなさん集合!」

 

俺は科学部に集合をかける。

紅茶が準備された机にバックを上げる。

 

「今日は俺がクッキーを焼いてきました」

「おぉ!ミカッチのクッキーか!」

「悠君はお菓子作りができるのか?さすがにネタに走ったものは食わないぞ」

「ご心配なく。両方取り揃えています」

「「「「いらないよ!」」」」

 

俺がまともなクッキーとふざけて作ったクッキー両方作ったというのにいらないとは。

桜花先輩、榊、結月は不満のようだ。

 

「でもどんなのも作ったのかは気になるね。ミカッチ、どんなの作ったの?」

「こちら先日のポーションを作った際にできた廃棄物を混ぜ合わせて作った特別なクッキーになります。ぜひ、お召し上がりください」

「ごめん。いらない」

 

さすがの結衣先輩もチャレンジする気はないそうだ。

まぁこれは部長用に作ったものだからいいか。

 

「まぁいいです。こちら、普通に作ったありふれたクッキーです。なんの面白みもありませんがこの素朴な味をお楽しみください」

「いや、素朴な味って……。うん、結構おいしいよ。ミカッチ料理上手だね」

「あぁ、ちょうどいい甘さだな。これはココアパウダーを混ぜ込んだのか」

「ゆうふんおふくるほのあはんへもほいひいよ(ユウ君の作るものは何でもおいしいよ)」

「カナちゃん。口に入れながらしゃべるのは行儀が悪いよ。あっ、おいしい」

 

よかった。皆にも好評なようだ。

 

「……御影」

「なんだ?榊」

「ネタクッキーを持って期待しているかのような目で俺を見てるのはなぜだ」

「いや、榊ならあるいは、と思って」

「食わねぇぞ」

「お前はつまらない人間になったな。お前のそのギャグ耐性はなんのためにあると思ってるんだ!いついかなる時も身体を張り、ネタに走り、ネタに生きるためだろ!」

「うるせぇよ!お前何言ってるの!?」

 

そんな感じにのんびりとお茶の時間を楽しんでると部室の扉が開いて誰かが入ってきた。

 

「おーす。久しぶりだな」

 

科学部の部長が現れた。

俺はおもむろに立ち上がり修部長の方を指さし

 

「見てください。空気です。見事な空気です」

「たしかに空気だな」

「空気だね」

「おいコラ御影。お前、空気ってどうゆうことだ!?俺が最近全く部室に来ないからって空気扱いか!?それに結衣に月宮!お前らまで同意してるんじゃねぇよ!」

「何を騒いでいるんだ貴様は。悠君は貴様を指さしたはけではない。そこにある空気をさしただけだろ?」

「そうだよ兄さん。そんな勘違いするということは自分がこの部活にとってすでに空気のような存在だと自覚しているということかい?」

 

さすが結衣先輩と桜花先輩というべきか。俺の考えていたことを瞬時に読み取ってくれた。

 

「そんな修部長にこちらの用紙を」

「ん?これは……」

「退部届です」

「お前ら俺に対して容赦ねぇな!!」

「そうですか?これはただの挨拶ですよ」

「そんな挨拶止めてくれ。ってか御影、お前月宮に毒されてないか?お前ってそんなキャラだったか?」

「もとからですよ」

「……この部活ってなんでこうもおかしなやつばかり集まるんだ」

「ほら、類は友を呼ぶっていうじゃないですか。部長のような変態が中心にいるなら当たり前じゃないですか」

「俺のせいなのか!?」

 

 

 




ゴリラ豪雨って検索したらゴリラ豪雨ってアプリが出てきた
まぁやらないけど

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。