御影悠の日常彩る化学式   作:月宮如月

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ようやく科学部員を出せた。
まぁそれでも科学要素なんてほとんど出ないが


第5話

 

「ここか、科学部って」

「結構教室から離れてるね~」

 

放課後、俺とカナは部活見学のために科学部の部室に向かった。部室は学校の敷地の端にあるので結構遠い。ノックをして扉を開けようとすると

 

「おい! そっちに行ったぞ! 確実に仕留めろ!!」

「くたばれ!害虫!」

「やったか!?」

「逃がした!!」

「クソっ! 月宮、お前もゲームをやってないで手伝え!!」

「黙れ!今いいとこなんだ、邪魔するな!!それにそんな気持ち悪い生物の相手を私にしろというのか?クソメガネ、お前がやれ!」

「お前、ほんと口が悪いな!一応先輩だぞ!?」

 

 

 

 

なにやら部室の中が騒がしいな。

「どうしようか、カナ」

「う~ん、少し待ってみようか。なんか害虫とか気持ち悪い生物とか聞こえてきたしアレが出たんじゃないかな……」

あぁ、あれか人類の天敵。黒光りするG。

 

 

 

 

「あぁー!!もう、めんどくさい!!これでもくらえー!新薬、甘い香りの除虫剤!!」

「ちょっ!? 結衣、お前今度は何作った! なんだこの煙!!」

「なにって除虫剤だよ。この煙を吸えばたとえGでも即死だよ! あとこの煙あまり吸わない方がいいよ。肺に付くから」

「はぁ!?それを先に言えよ!っていうか、なに二人ともマスク着けてるんだよ! 桜花、俺のは!?」

「あるわけないじゃん」

「そんなことより早く出るぞ。煙が充満してきた」

 

 

 

 

室内の騒ぎが収まるまで廊下で待っていると扉が開き女子二人と男子1人が出てきた。

「ん?君たちはもしかして部活見学をしにきたのか?」

 

綺麗な黒髪を背中まで伸ばしている女生徒が話しかけえてきた。

 

「えぇ、そうです。この部活の顧問の…」

「確保ー!!」

 

科学部顧問の葉月姉さんのことを話そうとしたら、もう一人の女子がいきなり飛びかかってきた。

 

「うおぉっ!」

 

ガンっ! 

 

咄嗟に避けて、迎撃をしてしまい、飛びかかってきた女子を床にたたき落としてしまった。

 

「ちょっ!? 悠君、何やってるの!!」

「いや……。つい反射的に。 あの大丈夫ですか?」

「あーそこのバカは放っておけ。君たちは科学部の見学にきたのだろ」

「ちょっと兄さん! バカって酷くない!? 可愛い妹に向かってバカって!」

「自分で可愛いとかいうな! それにいきなり飛びかかるとかどんな思考してるんだ!!」

 

なにか二人が言い争いを始めてしまった。女子の方が兄さんと呼んでいるからこの二人は兄妹なのだろうか。とりあえずもう一人の髪の長い女子に話しかけてみる。

 

「あの~いいんですか?止めなくて」

「あぁ、いつものことだ。そのうち止まるだろう。それより見学なんだろ?今、実験室は使い物にならないから準備室を開けよう」

 

そういい準備室を開けて入っていった。僕たちも入室した。

とりあえず座ってくれ。と言われ、先輩の向かい側の席にすわる。そこで廊下で争っていた兄妹も入ってきた。

 

「いや~ごめんね。さっきはいきなり飛びかかって。この部活、廃部寸前だから嬉しくて。あ!飲み物どうする?コーヒー?それともお茶?あと、お菓子もあるよ!」

 

妹さんがテンション高めに話しかけてきて、御茶やお菓子を準備している。

カナは目の前に出されたお茶とお菓子をみて、ここは天国ですか!と言っている。いや、科学部だよ。

 

「お前、少しは落ち着け。まぁ、とりあえず自己紹介だな。俺は部長の三日月 修だ。んで、こいつが妹の」

「結衣だよ。よろしくね~」

「私は副部長の月宮 桜花だ。まぁ、よろしく」

「御影 悠です」

「結城 彼方です。よろしくお願いします」

 

自己紹介をすると先輩方は俺達から少し離れてなにか小声で会話をしていた。

 

「兄さん、御影ってことは先生が言っていた子じゃない?」

「あぁ、そういえば言っていたな。二人ほど連れてくるから逃がすなと」

「まぁ部の存続がかかっているから逃がす気はないが」

 

なにやら不敵な笑みを浮かべている。話し合いは終わったのか先輩方が戻ってきた。

 

「ようこそ科学部へ! この入部届にサインするまで君たちは返さないよ!!」

「お前は何言ってるんだ!?いいから部活動の説明をするぞ!」

 

にぎやかな部活だな~と思っているともう一人の部員、月宮先輩が説明をしてくれた。

 

「まぁこの部活は基本自由だ。器具や薬品を自由に使って実験してたり、のんびりと適当に過ごすもよしだ」

「真面目に実験やることなんて滅多にないしね。いつもは駄弁ったりゲームしたり面白おかしく調薬したり」

「調薬しているのはお前だけだろ。といっても最低でも年に2回は何かしら実験をしてレポートをまとめなければいけないがな。まぁ適当にやるけど」

 

順に月宮先輩、三日月先輩…紛らわしいから結衣先輩、そして修部長が部の説明をするが、本当に葉月姉さんが言ってた通りの部活だった。

 

「というわけでこの高校で最も自由で楽しい科学部の入部届はこちらになります」

 

そしてさり気なく二人分の入部届を出してくる結衣先輩。うん、この流れでサインすると思っているのかな。さすが葉月姉さんが顧問の部活というか、自由すぎる。部室入る前のあの騒動からして少し不安があるが……。

 

「そそられますね」

「カナ…はやまるな」

 

奇妙な部活に来てしまったようだ。

 

 




なんとなく3人分の設定 確定ではないが

三日月 修
3年 結衣の兄 科学部部長  
目にかからない程度にそろえられた暗めな茶髪で眼鏡をかけていてなんか見た目が凄く真面目そう。科学部で比較的まともな人。
・オタク設定を追加するかも

三日月 結衣
2年 修の妹 
紅葉のように赤い髪を肩に届かない程度に伸ばしていて、外側に少しはねている。
理科系の知識が豊富で、暇があれば薬品をつかい奇妙なものを調合したりしている。
無駄に元気があり活発的。桜花とは1年のころからの親友。

月宮 桜花
2年 科学部副部長 
背中まである黒髪をストレートにしている。
重度のゲーマーで夜遅くまでゲームをしているから朝は眠気でテンションがかなり低く、朝と昼のテンションの差が大きい。
・一部の人間には毒舌にしようかなと思っている。
・実際書き始めると性格をどうしようか迷い始めた。

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