トッキュウ・オンライン、トッキュウ6号VRMMOに行く、ここか…………俺の死に場所は! 作:ライダーファイト(ただいま療養中)
カウントを無視して森エルフに剣を投げつけたアキラは、倒れた森エルフに素早く関節技のアンクルホールドを仕掛けた。
「おりぃやあぁっ!!」
アンクルホールドとは、相手の足首を手を使って固定し、捻って極める技である。
主に総合格闘技やグラップリングで使用される技で、相手の足首を両腕で胸に抱え込むように取り、自分の肘の内側に相手のアキレス腱のあたりを当てて支点とし、もう一方の手でつま先を折り込んで上体ごと折り曲げながら足首を伸ばしきるようにして極める。
ヒールホールドやアキレス腱固め、膝十字固め等、他の足関節技からの連携としても柔軟に使用することができるほどでもある。
エスケープ方法としては、つま先を捉えている相手の腕をもう一方の足で蹴り、技をほどいてから脚を抜く方法や、つま先が捻られる方向へ体ごと回転し、もう一方の足で相手の尻を蹴って脚を抜く方法が一般的である。ただし、後者は足をまっすぐ伸ばしきるように極められた場合には効果はない。
それに関節技を得意としているアキラは、手加減など一切しない。ついでに、関節技を知らない森エルフも抜け出す方法を知っているわけがない。
そして遅れて2人のエルフの頭上にあるクエストマークが、進行中のものに変わった。
「うおぉぉーーーーーーーーお!!!!!」
「ぐわぁぁぁっ!??」
アキラはそんなことを気にせずに、ただ森エルフの足首をさらに伸ばす。
忘れているだろうが、アキラが出てきた奥の木の中にはキリトとアスナが唖然としていたが、ようやく気を取り戻し2人も木の中から姿を表しキリトは叫ぶ。
「何やってんだアキラ!?俺の話ちっとも聞いてないじゃないか!?」
キリトとアスナの登場に、黒エルフは振り向き言う。
「人族がこんなところで何をしている!邪魔立ては無用だ!今すぐに立ち去れ!!」
だが、言われるがまま立ち去らないキリトとアスナ、そしてまだアンクルホールドを掛け続けるアキラ。
2人はアイコンタクトをして、同時に剣を抜き切っ先を森エルフに向ける。が、森エルフはアキラに関節技を掛けられているため何も言えない、口に出しているのは苦痛の叫びだけである。
「ぬあぁぁぁぁぁっ!?」
「ふっ!せあぁぁぁぁっ!!」
キリトとアスナに黒エルフはポツンと寂しく小さな風が吹いて葉っぱが動いてるだけだった。
「アキラ!いい加減こっち戻ってこい!!!」
キリトの大きな声にアキラは「ん?」と振り向き、森エルフに掛けている関節技を解き投げつけたシーケンソードを拾い、バク転・後転・空中回転をしながらキリト達の元まで戻り、右手に持ったシーケンソードを横に構え自分の目の下まで持っていき、森エルフを睨む。
「ぐっ、うぅぅぅ。愚かな・・・・・ダークエルフ如き
に加勢して、我が剣の露として消えるか」
「そ・・・・・・・・」
「そうよ、でも消えるのはそっちよこのDV男!」
アキラのアンクルホールドにまだちょっと苦しんでいる森エルフの言葉に、キリトは決め台詞を言おうとしたが、アスナに取られる。
この状況でDVなのか迷うキリトと完全に疑問を浮かべながら首を傾げるアキラ。その先で森エルフのカーソルが変色し、薄い黄色からドス黒いダーククリムゾンに変化。
森エルフの男が酷薄な笑みを浮かべた。
その笑みを見たアキラは、首を傾げるのを止め再び臨戦態勢に入った。
「よかろう!ならば貴様らから始末してやろう。人間よ」
「いいな、ガード専念だぞ!」と言うが、アスナの表情を見て不穏な気持ちになった。何故ならアスナの顔は今、本気の本気になった時に見せる顔だった。
「あの、ガード・・・・・・専念・・・・・・」
「分かってるわよ!」
低く叫ぶが、その言葉とは裏腹に、右手のレイピアがキラリと獰猛な輝きを放つ。そして何よりも早くいつの間にかアキラが森エルフの後ろを取っておりソードスキルを咬していた。
「うおりぃやぁぁっ!」
「アキラ!お前は俺達の話をちゃんと聞けーーーーー!!!!!!!!」
キリトの突っ込みが森中に響き渡る。
・・・
数分後
「ば・・・・・・馬鹿な」
「ば、バカな」
そんな言葉を残し、倒れる森エルフを呆然と見ながら、キリトも呟いていた。
「・・・・・・何だ、やればできるじゃないの」
「おいキリトどう言う事だ?お前の話じゃこいつは俺達の手では倒せないと言ったが・・・・俺達の手で倒せたぞ?」
何度も
そして、ダークエルフは何かを言いたげな顔をしていたが、その顔を見たキリトだけは無理矢理気のせいにしたのであった。
キリトがβテスト時代に経験したこのクエストは、その名も
このクエストは本来ならば、こうなるはずだった。
森エルフの男騎士か黒エルフの女騎士どちらかに味方しても、最終的には2人共倒れる。共闘した方のエルフが数秒だけ持ちこたえ、『秘鍵を野営地に届けてくれ』言い残して死ぬ。
2人の遺骸消滅したあとは、木の葉を縫い合わせた小さい袋が1つだけ残る。
遺言に従い野営地に鍵を届ける。届けずに街にあるNPCショップに売ればそこそこの額は入るが引き換えにクエストは進行できなくなる。クエストを進行させれば野営地にいるエルフが褒美とともに新たなクエストをくれるらしい。
だが、味方したエルフ騎士が生き残る展開分岐があるのは知らなかったキリト。そうなると他のβテスト出身者どころか鼠のアルゴも知らない。アキラの言った通り茅場晶彦が設定を変えたのかもしれない、ならばここからは未知とも呼べるストーリーが起こる。それに3人は覚悟しなければならない。
と考えながら未だに立ち尽くしているキリトと、平然とレイピアを鞘に収めるアスナと、自身の肉体の調子を確認しているアキラだった。
相変わらず無言のダークエルフの騎士で名はキズメル、少し離れた場所では森エルフの死体がささやかな粉砕音を放ち消滅した。
経験値と金が加算、幾つかレアアイテムがドロップしたが3人は確認はしなかった。
死体が消えた地面には、キリトがβテスト時代に見た葉っぱ製の巾着袋が残された。キリトは拾って良いのか駄目なのか判断できなかった。もしこれを拾ってキズメルが敵対したら目も当てられないからである。
「え、えーと・・・・・・・どうしようか?これ」
大変わざとらしい台詞を口にするキリト、それを聞いたアスナは当たり前のように拾おうとしたが、キリトが反射的に彼女のフードを後ろから引っ張り、ぎろっと睨まれたアキラはそんな2人のやり取りをボーっと見ていた。
するとキズメルがようやく反応を見せ、腰を屈め黒い革手袋に包まれた両手で大切そうに袋を拾い、そっと胸に抱き安堵したように息を吐く。
「・・・・・・これでひとまず聖堂は守られる・・・・・・」
密かな声で呟き、袋を腰のポーチに仕舞い、騎士は姿勢を正してアキラ達を見た。
「・・・・・・・・・・・・礼を言わねばならないな」
黒と紫の鎧がガシャッと鳴らして一礼して、キズメルは言葉を続けた。
「そなたらのお陰で第一の秘鍵は守られた。助力に感謝する。我らが司令からも褒賞があろう、野営地まで私に同行するがいい」
再び、キズメルの頭上にクエストの進展を知られる【?】マークが点灯した。それを見たキリトは顔にでないよう注意しながらホッとしていた。
キリトはチラリと細剣の使いのアスナを見たが、アスナはキリトに目もくれず一歩前に出て、キズメルに向けて言った。
「それじゃ、お言葉に甘えて」
「「・・・・・・・・・・・・・・・」」
キリトはコホンと咳払いしてから、何かを言おうとしたが、それよりも早く黒エルフのキズメルは軽く頷き、身を翻す。
「よかろう。野営地は森を南に抜けた先だ」
クエストログが進行したのを表すように、キズメルの頭上の【?】マークが
颯爽と歩き始めるキズメルに続いて、軽やかな足取りで
アスナが付いていく。
キリトは3秒ほど棒立ちになったが、慌てて2人を追おうとすると、隣にアキラが来てアキラはキリトに話し掛けた。
「・・・・キリト・・・・・・教えてくれるか?お前がβテスト時代に受けたこのクエストは何だったのか?」
「そして、このクエストのおかしいところも、教えてくれ」
「!?」
アキラの言葉に、キリトは目を見開いて驚きながらアキラに顔を向ける。
「な、何で・・・・分かったんだアキラ?」
「あの森エルフを倒したときに発したお前の言葉に疑問を抱いてな。それに所々警戒を抱いてるところもあったからな」
「っ・・・・・・・・・・・・・」
キリトは本当に驚いていた。アキラの目の付け所や洞察力の高さに驚かされるが、だが逆にそんなアキラが恐ろしくも感じたが、キリトはそれを気にせず話すと決めた。
「分かったアキラ・・・・・・・・・お前の言う通り俺達βテスターが受けたときは」
キズメルとアスナに離れずにアスナに聞こえないように距離を置いて、森を進みながらアキラに話始めた。
辛い。小説読みながら書いてるから、すんごい辛い。
こうなったら、この話さっさと終わらせるために徹夜でめちゃくちゃ文章長くするか?