トッキュウ・オンライン、トッキュウ6号VRMMOに行く、ここか…………俺の死に場所は!   作:ライダーファイト(ただいま療養中)

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お久しぶりです。何とか更新できました。


楽しみにしていた読者はいないと思いますが、どうぞ。


第9駅 第三層のクエスト

キリトの指示でもう一度パーティーを組み、第三層に入った俺は三層の光景に少し驚いた。

 

第三層のテーマ《森》のようで、第一層のホルンカの村周辺や二層の南エリアの森とは規模も迫力も桁が違いすぎだ。

見渡す限り森、森、森だ。まさに森を隠すなら森の中の言葉で表せられる。

そして幾重にも折り重なる枝葉の隙間から降り注ぐ光が幻想的で心地いい。

 

 

「わあ……………!」

 

 

俺の隣ではアスナが小さな歓声を上げて駆け抜け、キリトは百八十度旋回しながらアスナの姿を眼で追っている。

 

アスナは少し先で立ち止まり、細い陽射しの陽光を浴びながら回っている。大森林の幻想差を全力で堪能しているのかもな?

 

 

「この眺めだけでも、ここまで上ってきた甲斐があったわね!………………」

 

アスナが常に装備しているフードは後ろに払われ、長い栗の色の髪に滑りながら光眩いている。左隣のキリトはアスナのその姿に目を射られているのか、アスナの一歩一歩の行動に見惚れていた。

 

 

 

「…………ほんとに、甲斐があったな」

 

キリトは呟き立ち上がる。レザーコートを払い大きく伸びをした。

 

 

「その通り、みたいだな…………」

 

俺はそう言って、キリトに目線を送る。

 

 

 

「何だよアキラ!その目は!?」

 

「気にするな」

 

「気にするわ!!!」

 

 

俺の返答にキリトは叫ぶ。

 

 

 

「ゴホン!…………さて…………」

 

 

咳払いをして呟き、キリトはウィンドウを開き、インスタント・メッセージを手早く入力していった。大方送信する相手は情報屋の《鼠のアルゴ》だろうな。

 

一応あいつも二層のボス攻略戦に居合わせたのたが、いつの間にかいなくなっていた。

さすがは鼠のアルゴ。

鼠と言うだけに素早くいなくなったな。

 

 

 

キリトはインスタント・メッセージを打ち、アスナはまだ三層の幻想さを堪能している。

ポツンとなった俺は、少し首を(ほぐ)すように動かす。どうにもここにいてから体の節々が凝っているような気がする?

 

(…………何なんだこれは一体?)

 

 

そう思っていると、キリトはいつの間にかアスナの隣まで移動していた。

 

何か喋ってるな?

二人の元まで俺は歩き出す。

 

 

「あの道、右に行くとすぐに主街区。左に行くとしばらく森が続いて、抜けると次の村」

 

「……………うん」

 

 

アスナは首を縦に振り答え、俺はただ耳を向けるだけにする。

 

 

 

「本来なら、まず主街区に行って転移門を有効化(アクティベート)すべきところだけど、俺としてはその役目はリンド隊かキバオウ隊に任せたい」

 

「…………うん」

 

「理由は、まあ人目につきたくってのもあるけど、左の森で先に一件済ませておきたいタスクがあるからというのもある。ただまあ、それは両方とも俺の個人的な事情というわけで………………」

 

 

この辺のキリトの言葉で、アスナの笑みがどんどんと薄れ始めていく。その反対で、瞳には剣呑な光が宿っていく。

大方、ここからの台詞を選び損なえば、アスナの機嫌が悪くなり、キリトに不幸が降り注ぐんだよな。

…………だが、アスナが怒る法則性がまったくもって分からん。

 

 

(それにしてもミオとのデートとやらをしたとき、俺は何であんな酷い目に遭わされたんだ?女と言うのは分からんもんだな)

 

そんな事を考えていると、アスナのクールな声が耳に入り、キリトに顔を向けると、キリトは恐る恐ると言った感じで続けた。

 

 

 

「…………えっと…………補給やメンテもしなきゃだろうし、もしアスナやアキラが先に主街区にいきたいなら、パーティーはここで解散ってことになるかなーって思うんだけど…………もちろん森の用事にお付き合いいただけるなら、こちらにはまったく異存はござら………ござりませ……………」

 

 

(おいキリト。いくら、そいつが怖いからって、どもるなよ………………キリトはこのデスゲームを少しだが知り尽くしているからな。この第三層で最重要は左の森の道か…………もしかしたら三層の攻略に必要なのかもな。まあ俺には関係ないが、必要ならやっておくか)

 

左の森を睨み付けるように、真っ直ぐ見る。

 

 

 

「べ・つ・に、パーティーを解散したくないって訳じゃ全然ないですけど?あなたもその人も私もソロプレイヤーだし?」

 

「は、はい」

 

「ただ、あなたの言うその用事って、当然《先に済ませておいた方がお得》なことよね?」

 

 

「なら同行するわ。私効率悪いこと大嫌いだから。もちろん、あなたが現状まだパーティーメンバーの私達を放り出してまで利益を独占したいって言うならやむをえないですけど」

 

アスナのキツい言い方に俺は言う。

 

 

「…………勝手に俺を入れないでくれるか。それに機嫌が悪くなる意味が分からん?俺はキリトに付いていき力を貸す、キリトはこのゲームを少しだが知り尽くしている」

 

 

 

「ならお前の目的のためにも、キリトの指示はきちんと聞いたおいた方が攻略は少しでも早くなるだろ。お前はキリトに何度も助けられてるんだ、その言い方は偉そうだがな」

 

 

俺がそう言いきると、キリトは凄まじく青くなるような顔になり、アスナは射殺せるように俺を睨み付けるが、俺はそんな睨みを気にせず左の森にまた目を向ける。

 

 

「ッ………独り占めしたいなんて全くない!これっぽっちも。それに、複数人の方が効率良い!」

 

さて、左の森にこの層で必要になりそうなのがあるのなら、行くか

 

「なら急ぎましょ。補給もメンテもまだしばらく大丈夫だから」

 

「お、おう」

 

「それよりも……………………………………」

 

 

アスナは左の森に人差し指を向ける。

 

 

 

「あの人、もう勝手にズカズカと左の森に1人で行ってるわよ」

 

「え」

 

 

「♪~♪~~~♪~♪~♪~~♪~~♪~」

 

 

アスナの言葉にキリトは左の森に目を向けると、アキラがハーモニカを吹きながら左の森を進んでいた。

 

………………………キリトとアスナの2人は、時が止まったかのようにアキラの大きな背中を見つめていた。

この第三層の光の筋が降り注ぐ幻想的な森の中で、アキラがいつも吹いている美しいハーモニカの音色。

それが1つに合わさっているのか、2人はその光景に見惚れていた。

 

が、すぐに気を取り戻しキリトは叫ぶ。

 

 

「おい!ちょっと待てアキラ!勝手に進むな!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森の古道を歩いていると、自然の空気が変質したのを肌で感じ、周りに目を配りながらも聴覚を立てると、キリトが口を開いた。

 

 

「この辺で出る敵は、強さ的には二層迷宮区の連中と大差ない。(ほとん)どが動物か植物型だからソードスキルも使わない」

 

キリトの解説に、アスナは無言でこくんと頷き、俺は警戒に身を置く。

 

 

「ただ、全Mobに共通する行動パターンとして、戦闘中に少しずつこっちを森の奥に引き込もうとする。相手が隙を見せたからって突進攻撃ばかりしてると、勝った時には道を見失ってることが結構あるんだ」

 

 

キリトの台詞に俺は疑問を抱き、キリトに聞く。

 

 

「キリト、マップタグを見れば、進んだところはちゃんとマッピングされてるんじゃないのか?」

 

「それがな…………」

 

 

キリトは右手を振り、ウィンドウを呼び出し、マップに切り替えて俺達に示した。

 

 

 

「あ………薄い」

 

 

アスナの言うとおり、マップは俺達が進んだ道がはっきりと示されているのだが、今はその表示が霧がかかっているようになっていた。

 

「どういうことだ?」

 

「この辺のエリアは固有名“迷い 霧の 森”(フォレスト・オブ・ウェイパリング・ミスト)っていうんだけどさ」

 

 

「マップも見辛い、時々すごく濃い霧がかかって迷う。だから例え戦闘中でも原則として、この道とパーティーメンバーからは絶対離れない!これだけ気を付けといてくれ」

 

「了解」

 

「任せろ。それなら今が気を付けた方が良いな。後ろを見ている奴がいるぞ」

 

「「へ?」」

 

 

俺の言葉にキリトとアスナは後ろを振り向く。後ろには枯れ木があるのだが、その枯れ木は“生えている”のではなく“動いて”いたんだ

 

上部に並んだ、青白い眼で俺達を見て、左右に長く伸びた枝をゆらゆら揺らしている。

 

 

(このモンスターの名前は《トレント・サプリング》って言うのか)

 

 

トレント・サプリングは「モロオオォォォォォォ!」などと雄叫びを漏らしながら、俺達に襲い掛かってきた。

 

 

 

だが、キリトとアスナは素早く愛剣《アニール・ブレード+6》と《ウインド・フルーレ+5》を抜刀、ソードスキルを放つ。

そして、俺も体術スキル《閃打》を放った。

 

 

 

 

その結果、植物型モンスター トレント・サプリングは誰にも一撃入れられず、無惨に爆散した。

 

 

 

小さすぎる危機を難なく終わらせた俺達はまた、古道に向かって歩いている。

 

俺の前でキリトとアスナは何やら話しているが、俺はそんな事を気にせず再び周りの警戒をするために、耳を立てる。

 

 

耳で警戒をしながらも俺は頭上を見上げ日差しを確認するが、日差しは少し傾いているが夜にはまだまだ間があるようだ。

 

それと俺はキリトが言っていた事が気になり、聞く。

 

 

「そう言えばキリト、お前が言っていた、《先に済ませておきたいタスク》って何だ?」

 

「ああ、それはな、さて、とこの辺なんだけどな?」

 

「ここが、キリト君が言ってた所?」

 

 

聞くが、キリトは立ち止まり周りをキョロキョロと見回す。アスナも首を傾げて聞いた。

 

 

 

「イエス。つっても、単にクエストを一件受けるだけなんだけど……………スタートNPCの居場所がちょっとランダムなんだよな。アスナ、アキラ、耳に自信あるか?」

 

キリトがそう言い何気なく視線を向けると、アスナは耳を両手で隠して一歩後退(あとずさ)った。

俺は顎に手をやり、首を傾げながら頭の中で考える。

 

 

(スタートNPCって何だ?耳に自信があれば良いのか?)

 

 

 

俺は元シャドーだからな、この状態でも少し耳を立てていれば、どんな小さな音でも耳に入るからな。

なるべく、シャドーの力は使いたくないんだがな、こういう場面では皮肉にも使い物になるな・・・・・・

 

 

 

「…………キリト君て、そういう趣味だったの? 耳フェチ?」

 

「ち、ち、ちがわい!この状況で自信って言ったら形じゃなくて聴力に決まって!」

 

(ちがわいって、映画で見た昔の人間かよ)

 

 

「冗談よ。ていうか、この状況って言うなら耳の善し悪しなんか関係ないでしょ。私達音を鼓膜じゃなくて脳で聴いてるんだから」

 

「………………なるほど、そりゃそうだ。じゃあ三人で探そう。聞き耳スキル取ってれば簡単なんだけどな…………」

 

 

キリトは背筋を伸ばし、耳の後ろに(てのひら)を当てる。アスナもキリトの真似をするも言う。

 

 

「探すのは良いけど、どんな音?葉っぱが一枚落ちる音とか言わないでよね」

 

「大丈夫、自然音じゃなくて金属音……………具体的には、剣と剣が合わさる音だから」

 

 

アスナは一瞬戸惑う顔をしたが、すぐ「了解」と頷いた。

 

2人は古道の真ん中で、ぴったりと背中を合わせて立ち、全方位の音を精査しようとしている。

 

(別にそんな事しなくても良いんだがな…………)

 

 

そう思うが、俺は2人に声をかける。

 

 

 

「おいお前ら、別に耳を済ませなくても「アキラ少し黙っててくれ」俺の言葉はキリトに遮られた。

 

 

「……………………そうか、なら俺は先に進ませてもらう」

 

俺は南西の方向に進もうとすると、キリトに止められた。

 

 

 

「おいアキラ、どこに行くつもりだ!また勝手に進むなよ!?」

 

 

「…………お前が言っていた剣が重なりあう金属音が聞こえたから進んでいるんだ」

 

「「…………………………………………………」」

 

 

俺がそう言うとキリトとアスナは、素早く俺に振り向き間が出来たが、すぐに第一声を放った。

 

 

「「…………早い(な)!!」」

 

アスナとキリトの大声が同時にハモった。

 

 

 

「よし、なら行こう」

 

 

踏み出そうとしたが、アスナがキリトが装備しているコートをくいっと引いた。

 

 

「でも、森に入っても大丈夫なの?」

 

「そう言えば、そうだな」

 

 

アスナの疑問にキリトは親指を立てて言った。

 

 

 

「大丈夫、無事にクエを受けられれば道まで戻ってこられる」

 

「受けられなかったらどうするんだ……………?」

 

「そっちも問題ない、野営セット完備! さあ急ごう!」

 

「分かった」

 

 

そっち方面にも簡単に答えてくれたキリトに頷き、キリトと共に南西に走り出す。

それにしても、またクエストか…………………

 

 

後ろではアスナの懐疑的な声が届くが、アスナも俺達に追い付くように走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地面が石畳から苔に覆われた地面になったが、そんな事を全く気にせずアキラ達は走り続ける。巨大な幹をうまく避けながら、音源を目指しながら突き進む。

 

キリトの索敵スキルによって、モンスターとエンカウントしないよう遠回りで回避し、幸いモンスターと出くわすことはなかった。

 

 

 

 

5分足らずで走る間に、微かに聞こえていた金属音のボリュームが増していく、幹から出てみるとアキラ達の視界中央にはNPC色のカーソルが2つ浮かび、次に木々の幹に反射するライトエフェクトが視られた。

 

 

キリトが背後のアキラとアスナを右手で制止し人差し指を立てて“静かに”とゼスチャーを出し太い幹の端からそっと覗き込んだ。

 

そこは、やや広めの空き地に、激しく戦う2つのシルエットがあった。

 

 

1人は後頭部に結わえられた髪で見事なプラチナブロンドの北欧系のハンサム。輝く金色と緑色の軽装鎧に身を固めた長身の男。右手に長剣を持ち左手にはバックラーの盾を装備していた。

 

もう1人は短いスモークパープルの髪、やや浅黒い肌の横顔はかなりの美貌。艶やかな赤い唇と、わずかに隆起したブレストプレート黒い剣士は女性であることだ。そして対照的に黒と紫の鎧を纏い。緩く弧を描くサーベルと小型のカイトシールドと言うのもダークカラーだ。

 

 

 

 

「ハアッ!」

 

プラチナブロンドの髪の男が、猛々しい気合いと共に右手の剣を振り下ろした。

 

「シャッ!」

 

それを紫髪の女がサーベルで迎撃し、キィィィイン!と澄んだ金属音が響く、発生したライトエフェクトが深い森を一瞬明るく照らす。

 

「………………ほ、ほんとにNPCなの…………?」

 

 

キリトのすぐ後ろで、アスナが信じられないと言うように呟いた。

 

 

「NPCどころか、厳密にはmob(モンスター)扱いだけどな。彼らの耳、見てみろよ」

 

キリトの言葉にアキラは戦っている2人の耳を見てみる。

 

 

「ん?……………あの2人、耳が尖ってるな?」

 

 

アキラが言った通り、男と女の耳は尖っていた。

 

 

 

「男のほうは“(フォレスト)エルフ”。女のほうは“(ダーク)エルフ”さ。それと頭の上も見てみ」

 

その言葉にアキラとアスナの視線が少し上に移動。アスナが「あ」という声を漏らした。

激しく戦う剣士達は、2人とも頭上に金色の【!】マークを表示させていた。

 

 

「2人ともクエマーク付きで、しかも戦ってるって、どういうこと?」

 

「簡単な話だ。つまりどちらか片方のクエストしか受けられないってことだろ?キリト」

 

「そ、片方しか受けられない……………………ここでアキラとアスナに、重大な選択をしてもらいたい」

 

 

キリトがそう言うと、レイピア使いのアスナはエルフ達から視線を外し、くるっとキリトを見上げ、死に場所探しのアキラはエルフ達の戦闘を見っぱなしでいる。

 

「選択…………?」

 

「ああ。彼らがくれるクエストは、単発モノでもこれまで幾つかあったシリーズモノでもない。初の大型キャンペーン・クエだ。層をまたいで延々続いて、完結するのはなんと第九層」

 

「き!?」

 

と、叫びそうになる口を、アスナは慌てて押さえた。だがしばみ色の瞳は驚愕に見開かれていた。そんなアスナにキリトは内心ニヤニヤしており、更なるビックリ情報を追加爆撃しようとしたが、その前にアキラが口を開いた。

 

 

「だがキリト、それはお前らベータテスターの頃の話だろ?第一層のボス戦の事もある。下手したら茅場がクエストの設定を変えてるんじゃないのか?」

 

 

アキラの台詞にキリトは顎に手をやり考える。

 

 

「確かにアキラの言うことも有り得る。でもゲームマスターの茅場晶彦の事だ。こういうクエストじゃあ設定は変えてないさ」

 

 

「それと、このクエスト途中でミスっても受け直し不可。当然、対立ルートへの変更も不可。ここで選んだ道を九層まで走り続けるしかないって訳だ」

 

 

 

「ちょっとあなた…………そういうことはもっと早く言いなさいよ!」

 

「受け直しが出来ないってのはめんどくさいな。ん?対立ってことは、あの2人のエルフか………」

 

「そう。どっちかを助けて、どっちかと戦うんだ。黒と白、どっちがいい?」

 

 

あっさりと訪ねるキリトに、アスナはジトーっとした眼で睨んだ。

 

 

 

「…………それ、選択の余地ないでしょ?普通のゲームならともかく、今のSAOじゃ、ベータの時にあなたが選んだルートに行くしかないじゃない。ていうか………私、あなたがどっちを選んだルートに行くしかないじゃない。ていうか・私、あなだがどっちを選んだか完璧に確信してるんですけど」

 

ウッ。と、今度はキリトが押し黙り、アスナはますます冷ややかな眼になり、アキラが揺るぎない口調で断言。

 

 

「キリトが選ぶなら、あっちのダークエルフの方だろ?何せ黒いからな」

 

「あ、ああそうだ…………お姉さんだからじゃないからな。黒いからだ!」

 

 

アキラはキリトを目線だけで見ながら言う。アキラのそんな言い方に少しごもりながらアスナに言い訳するキリトであった。

 

 

(? もしやキリトは年上が好みなのか?そんでまた何でアスナ(こいつ)は機嫌が悪くなる?短気か?)

 

 

だが、そんな言い訳がアスナに通用するわけがなく、立ち上がると“ふんっ”と顔を逸らして言い放つ。

 

 

「まあ、いいわよ。私も男の味方して女の人を斬るなんてまっぴらだから。じゃあ黒エルフに加勢して森エルフを倒すってことでいいのね?行きましょ」

 

「俺はどっちでもいいがな。クエストを始めるなら早くやって終わらせた方がいい。それじゃあ……………行くか。さっさとあの森エルフを倒しに」

 

 

アスナは早口でまくし立て、アキラは立ち上がり軽い準備運動をして、肩に掛けてある剣に手を置き隠れ場所から出ようとすると、キリトは慌てて2人を止めた。

 

 

 

「ま、待った待った!後1つ大事なこと!!」

 

「「何だ(よ)」」

 

 

「あのな、黒に加勢するのはそうなんだが、残念ながら俺達は森エルフには絶対勝てない」

 

「え……………ええ!?」

 

「……………………………………………」

 

 

再び両目を見開くアスナ、キリトはアスナを落ち着かせる。

 

 

 

「強げな装備を見ても解ると思うけど、あの白い方《フォレストエルブン・ハロウドナイト》と、黒い方《ダークエルブン・ロイヤルガード》」

 

 

「本来7層まで行かないと現れない、しかもエリートクラスのmobなんだ?いくら安全マージンを取っていると言っても、3層に来たばっかりの俺達に勝てる相手じゃない」

 

 

「じゃ、じゃあ……………どうするの?だって私達、死んだら…………あ、でもアキラ(この人)がいるから、大丈夫なんじゃ」

 

そう言ってアスナはアキラの方に顔を振り向かせる。アスナの言葉でキリトもアキラの方に顔を向ける。

 

 

 

「た、確かにアキラのあのスキルを使えば、森エルフも俺達の手で倒せるかもしれないな。アキラの戦闘技術は完全に俺達ベータテスターを越えてるどころか、システムの範囲を越えてるレベルだからな」

 

アキラが持つユニークスキル《勝利のイマジネーション》を使えば、どんなクエストだろうが困難であろうが乗り越えることができる。

高レベルのエルフに勝利することも容易い。

 

2人の話に名前が出たアキラは、キリトとアスナの視線に気づくも首を傾げる。

言い終わりキリトはアキラからアスナの方に振り返る。

 

 

「でも大丈夫だ。負けると言っても絶対にそこまではいかない。こっちのHPが半分減ったところで、加勢した方が奥の手を使ってくれて、それで倒せる!」

 

 

 

「俺達がすべきなのは、慌てず防御に徹することだ。それでもHPをガリガリ持っていかれるけど、黒エルフのお姉さんが助けてくれるのを落ち着いて待てばいい。パニックになって逃げ惑うのが一番危ない、万が一他のmobを引っかけないとも限らないからな」

 

「……………………………………解った」

 

 

「よし。アキラもそれでいいな?」

 

「ああ、任せろ」

 

 

今まで黙っていたアキラが口を開くが、ちゃんと聞いていたのか心配するキリト。

 

「じゃあ、3つ数えてから飛び出すぞ!近付くと自動でクエが始まるから、俺かアキラの近くにいるだけでいい」

 

 

こくりとアスナは頷いて並び立つ、キリトは3カウント数えるが、内心で謝罪した。

キリトは隠していた、このクエストの後1つの情報を。

 

 

 

 

「………………2、1、ゼ「トリィヤアァァ!!」ロ!?」

 

 

カウントダウンの最後を言い終わる前に、アキラは第2層で3回強化させた己の武器シーケンソード+3を森エルフの男の顔面に向かって、投げつけたのである!

 

 

 

「ぬわっ!!?」

 

シーケンソード+3は見事、森エルフの顔面にぶち当たり倒れ、相手をしていた黒エルフは後ろを振り向きアキラの姿に驚く。

 

 

そして、シーケンソードを投げつけたアキラは戦闘ポーズをとって森エルフに飛び掛かる!

 

 

「うおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

 

「「……………………………………………………………………………………」」

 

 

キリトとアスナは呆然と立ち尽くし、そこの空気だけは何故か固まっていたのであった。




ガチでお久しぶりです!トッキュウ・オンラインを更新できなかったのは、私の責任だ!

だが、私は謝らない!!!


嘘です。謝ります。本当にごめんなさい!!!!
これだけの文章作ったから本当に許してください!!!


理由言うなら、リアルが地獄で死にかけていました。俺の家でもいざこざがありまして、はい。

まあ、作品更新したので、感想待っています。
アンケートもまだ待っています!
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