問題児たちと裁き司が異世界からくるそうですよ 作:ルドルフロートリゲン
プロローグ
惑星・
「最近メフィリムも平和だし、フェリンは公務で忙しいし、祭典なんかのイベントもなくて暇だな。いっそ、ハシェベトが復活して新たな使命を任されたりすれば……」
はっきり言って、裁き司にあるまじき発言である。しかしここ数か月単調で同じような日々が続いていることを考えれば仕方のないことだった。
―――そしてその願いは唐突にかなえられた。
突然ヨナタンの目の前の霧が渦巻き、中から金などで装飾された絢爛豪華な杖が出現したのだ。それは数年前、バール・ハッザトとの最後の戦いの後、本来の姿に戻って失われた、ハシェベトそのものだった。そして、さらに杖と一緒にDear Jonathan Jbock と書かれた手紙が出てきた。もちろんそれを見たヨナタンの驚きは半端ではない。
「……うそ。ハシェベトが出てくるだけでも驚きなのに、ジョナサン=ジェイボック宛の手紙だって?そんな、ネシャンではこの名前を知っている人はもういないはずじゃ……」
そこではっと気が付く。これはもしかしたら地球から来た手紙なのかもしれない、と。慌てて手紙を開けるヨナタンだったが、そこに書かれていたのは、彼が全く予想もしない内容だった。
*
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界のすべてを捨て、
我らの〝箱庭〟に来られたし』
*
「わっ」
「きゃっ」
ヨナタンの視界は間をおかずに開けた。
急転直下、彼は上空4000mほどの位置で投げ出されたのだ。
「ど………何処だここ!?」
柄にもなく大声を上げたところで自分以外に人がいることに気がつく。自分よりも10歳ほど年下らしい彼らとともに何が何だかわからないままヨナタンは落下していた。そう、そこは、おとなしい性格のヨナタンが叫んでしまいたくなるくらい不思議な場所だった。
目の前には世界の果てを彷彿とさせる断崖絶壁。
背後には巨大な天幕で覆われた未知の都市。
彼らが召喚された場所は、完全無欠に異世界だった。
学生なので投稿は不定期になります。すみません。感想を待っています。