「くっそめんどくせぇ、やってられっか!」
そう言ってある男子生徒-刀条 要ーは15分くらい問題を解くと寝る態勢になった。
この日、行われているテストは振り分け試験であり、テストが行われているこの私立文月学園では来年どの教室で受けるかを振り分けられる大変重要なものである。文月学園にはA~Fまでの6クラスあり、成績がいい順にAクラスから分けられていく。最高クラスのAクラスは1席につきリクライニングシート、ノートパソコン、冷暖房、冷蔵庫があり、教室の前には大型ディスプレイが設置され、お菓子は食べ放題、冷蔵庫の中身は補充される、どこぞのVIPが使うような教室である。これが最低クラスのFクラスになると、かび臭い畳に割れた窓、ちゃぶ台に座布団、さらに夏は日当たり良好でものすごく暑くなるおんぼろ教室となる。それをめんどくさい、の一言で投げ出す彼は勇者と言えるだろう。
「ん?なんか変な文章が入ったな。まあいいや、寝よ。」
違う教室で女子生徒が倒れる音と男子生徒が先生に怒鳴る声が聞こえたが、要の意識は闇に沈んでいった‥。
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side要
はじめまして、刀条 要だ。今は日課のランニング&素振りに行くところだ。
いっていなかったが、家は桜一刀流という剣の流派の道場をしている。この流派は江戸時代後期に天下無双の剣であった。俺は流派の技を全て会得しており、家の誰もができなかった終の太刀も扱える技はため、師範代をしている。
なので、体力をつけ、技を忘れないようにするため、毎朝5時半に起きて町外れの空き地に向かい、そこで真剣を振っている。家の流派の構えは独特な形で、半身になり、刀を顔の高さまで上げる。この構えから様々な技を出すのだ。
「桜花七式一の太刀 五月雨!」
これは相手の喉元に刀をおいて放つ突きだ。置くだけなので、余力があり、ある程度までなら、手首を捻ったりして相手を追いかけることができる。まだ他にも発展技があるが、それはまたの機会に。
「桜花七式二の太刀 陽炎!」
これは五月雨を見慣れた相手に有効であり、途中まで五月雨と一緒である。只、突きの状態から面や胴に変化させるため、相手はそれについていけず、切られる、といった技だ。これにも派生技がいろいろある。
「桜花七式三の太刀 飛鳥!」
五月雨、陽炎と同じ挙動から最短距離で面を打つ技だ。真っ直ぐ、ほとんど振り上げずに打つため、あまり力を使わず、手首の捻りが重要になってくる。
「桜花七式四の太刀 凍鶴!」
この技は相手を威圧し、たまらず打ってきたところを返す技だ。ぶっちゃけると、面返し胴みたいなやつだな。
「桜花七式五の太刀 春雷!」
この技は相手の打ってきたところを出鼻を押さえる技だ。桜花七式の中では簡単な部類だろう。
「桜花七式六の太刀 神無!」
この技は花足、いわゆる縮地を使い、一瞬で相手との間合いを詰めて放つ技だ。桜花七式では難しい技だ。
「桜花七式終いの太刀 現身!」
これは桜花七式の奥義にして桜一刀流を江戸時代最強にした技だ。一般に「面すり上げ面」という技は相手が打ってきた面をすり上げて面を打つ。だが、この技は桜一刀流独特の構えではなく、中段の構えから剣線を左目につける、いわゆる平正眼の構えから相手が打つ前に刀身をすり上げてずらしてから打つため、あまり力を使わずに打つことができる。只、タイミングがあまりにも難しいため、俺一人しか打つことが出来ない。
ここまで長々と説明してきたが、いつの間にか形を全て終えていた。さてと、家に帰って飯食って学校にでもいきますか。
さて、今は学校に向かっている途中だ。なに?時間が飛んだって?ハハハ、気にしたら負けってもんさ。気にすんな。あぁ、それにしてもだるい。実は今日、振り分け試験の結果が発表される。俺は試験中に寝たから、結果がもうわかっている。だから、本当は行きたくないのだ。
そうこうしているうちに、俺が通っている私立文月学園に着いた。おっと、校門のところに生徒指導の先生がいるな。挨拶しなきゃ。
「おはようございます。西…西…西…西鉄先生!!」
「お前は人の名前さえ覚えられんのか?俺の名前は西村 宗一だ。」
「わかりました。鉄人先生。」
「お前はわざとやっとるのか?まあいい、ほら、振り分け試験の結果だ。受けとれ。」
「貰わなくても結果はわかっているんですけどね。一人一人渡しているんですか?」
「ああ、学園長の趣向でね。しかしお前はバカか?皆が必死で試験を受けているのに面倒だから寝るなど聞いたことがない。」
「まあ、それが俺ですからね。(ビリリッ)やっぱりか。」
そこには大きくFという文字が真ん中に書かれていた。
文才が切にほしいと思う今日この頃。
あぁ、ダレカタスケテー