バカと剣士と召喚獣   作:sun陽

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第8話

  side 要

 

「お、おい!康太!雄二!大丈夫か?」

 

 俺は急いで康太と雄二の介抱に向かった。二人の体は痙攣していた。かなり不味くないか?

 

「明久、秀吉、何が起こったんだ?」

 

「え、えっと………。姫路さんのお弁当の中身をつまんだら、一瞬にして倒れた。」

 

なるほどなるほど。全ての元凶は姫路さんの弁当だったか………。

 

「なぁ、姫路さんよ。君さ、弁当になんか入れたか?」

 

「はい!酸味が欲しかったので、塩酸を少し。」

 

「え、でも塩酸って気体が水にとけたものだから、火を通せばとんでいくんじゃない?」

 

 

 

「んーと、あ、最後に中和しようと思って水酸化ナトリウムを振りかけました。」

 

「「「それだ!絶対それだ!」」」

 

水酸化ナトリウム。空気中の水蒸気にも反応し、高い熱を出す。皮膚につくだけで汗と反応し、皮膚を溶かす。もちろん、口にいれていいものではない。

 

「明久!愛子!とりあえず二人の介抱をして!優子と秀吉は効果ないと思うけど、殺菌作用のある緑茶を帰るだけ買ってきて!」

 

「「「「わかった(のじゃ)!」」」」

 

「あ、姫路さんは弁当、いや、料理を作るの禁止!」

 

「ええっ!?何でですかぁ?(泣)」

 

「料理に平然と毒物を入れる人に作らせられるか!」

 

 

 

因みにこのあと、無事に雄二と康太は復活しました。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

あのあと、明久は昼を買うお金がなかったため、いつも通り水だけですごし、他の5人は購買でパンをかって食うことになった。ん?姫路さんの弁当?俺たちが来る前に明久が雄二に無理矢理食わせたんだと。鬼畜だな。

 

「んで、次はどこを攻めに行くんだ?」

 

「まあ、待て。Aクラスの二人がいる今話すのは不味いだろう。あとで話す。」

 

「おっと、そうだったな。まわりに気を付けなければ。」

 

「そうだよ。もっと注意してよね。」

 

明久が俺にたいして言ってくるが、

 

「「「「明久、お前だけには言われたくない。」」」」

 

お、みんなもそう思ったようだな。注意してきた本人は「うぐっ」とか言いながら胸を押さえている。

 

「明久君、大丈夫でしょうか?」

 

「言葉が自分に帰ってきただけだ。気にすることはな「要君、はい!あーん」いって、愛子!お前は周りの目を気にしろ!」

 

「ん?周りの目?」

 

愛子が周りを見渡すと、そこには、

 

「………………殺したいほど妬ましい。」

 

「本当にそうだよね。異端審問に架けなきゃ。」

 

羨望と嫉妬、怨みのこもった声を上げるバカが二人いた。まあ、普通に過ごしている男子学生にとってはうらやましいだろうな。かく言う俺も結構嬉しい。だがな、

 

「康太はともかく、明久、お前は姫路さんに弁当を作って貰ったじゃないか。」

 

「ほえ?あれって姫路さんが皆に作ってきたものじゃないの?」

 

「おい、明久。昨日の会話を思い出せ。」

 

「うーん………」

 

「要君。はい、あーん。」

 

「だから愛子。止めろって。ったく、そういうのは好きな人にやるもんだぞ。」

 

「ボクは要君のことが好きだよ。」

 

「そ、そうですか………。」

 

その好きがloveかlike かは分からないが、女子に好きと言われるのは嬉しい。

 

「とにかく。はい、あーん。」

 

「仕方ないな………。あーん。」

 

のってみたが、かなり恥ずかしい………。

 

「むーっ」

 

ふと横を見ると、優子がふくれていた。

 

「どうしたんだ?そんなにふくれて。」

 

「な、何でもないわよ!」

 

「ボクが要君にあーんをしているのがうらやましかったんでしょ。」

 

「愛子、何をいっているんだ?そんなことはないと思うんだが………。でも、愛子があーんをしたタイミングでふくれていたし………。」ブツブツ

 

「違うわよ!」

 

「優子、もうちょっと自分の気持ちに素直になったら?」

 

「うっ」

 

そんな感じでお昼は過ぎていった………。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 お昼ご飯を食べたあと、Aクラスの二人を帰して次にどこに宣戦布告するかを話していた。

 

「んで、次はどこを攻めるんだ?」

 

「次はBクラスを攻める。」

 

「ねえ、僕たちの目標ってAクラスだよね。何で直接Aクラスを狙わないの?」

 

「はっきり言うが、俺たちの戦力ではAクラスには絶対勝てない。」

 

「じゃあ、Aクラスは狙わないんだね。」

 

「いいや、Aクラスを攻める。」

 

「おい、雄二、さっきといっていることが逆だぞ。」

 

「だからこその策略だ。とにかく、次はBクラスを攻める。というわけで、明久。宣戦布告に行ってこい。」

 

「ええー!嫌だよ。それに、前回僕がいったんだから、次は要か雄二が行ってきてよ。」

 

「ならじゃんけんで決めるか。」

 

「オーケー。なら僕はグーを出すよ。」

 

「なら俺はお前がグーを出さなきゃブチコロス。」

 

「俺は明久がグーを出さなきゃその首を撥ね飛ばす。」ジャキッ

 

俺たちは心理戦を仕掛ける。まあ、俺と雄二のは脅しだがな。

 

「「じゃんけん、ポン!!」」

 

「うわああぁぁぁぁ!」

 

パー←俺、雄二

 

グー←明久

 

案の定、明久は慌ててグーを出した。

 

「フッ、お前の敗けだな。逝ってこい。」

 

「漢字が違うんだけど。まあ、今回は大丈夫だよね。」

 

「あぁ、大丈夫だ。俺がいつお前を騙した?」

 

「前のししょムグッ!」

 

ゆ、雄二の奴、何しやがる!

 

「お前は黙っていろ」ヒソヒソ

 

「わぁったよ」ヒソヒソ

 

「それにだ、明久。Bクラスには美少年好きが多いらしいぞ。」

 

「うん!わかった!行ってくるよ!僕は360度どこから見ても美少年だしね。」

 

「な、なんだ、とぉ!?明久が間違えない何て、明日は槍が降るのか?」

 

「いや、隕石が降るんじゃないか?」

 

「………………明日は地球滅亡の日」

 

「まだやりたいことがあったのにのう………。」

 

「皆!とっても失礼だよ!とにかく行ってくるよ。」

 

そういって明久は出かけた………。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

数分後、明久はボロボロになって帰ってきた。

 

「言い訳を聞こうか。」

 

「予想通りだ。」

 

「くきぃー!殺す!殺しkill!!」

 

「落ち着け」ドゴッ

 

雄二は暴走した明久を鳩尾を殴って沈めた。それにしても、きれいに決まったな。

 

「さて、そこで寝ている明久はおいといて、Bクラス戦の用意をしなくてはな。」

 

「明久はほっとくのか。いいのか?結構きれいに決まってたぞ。」

 

「そのうち起き上がるだろう。ほっとけ。」

 

「そうだな。」

 

そう会話を切ると、俺たちは次のテストの用意をした。




因みに私の友達には理科学部に所属していて、塩酸を飲んだことのある人がいます。

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