ポケットモンスター 〜撫でる者〜   作:東谷左之助

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サブタイトルでわかるかも


2.研究所の緑

 

生まれてから5年たった

生まれたところはマサラタウンだった

初代からやっているオレには嬉しいかぎりだが

オレが生まれた家はほとんど母子家庭のようなふうだ

ほとんどというのは一応親父がいるだが

ただこのアホ親父、旅好きらしく、たまにしか帰ってこない

オレが親父にあったのは数える程度

ちったぁ、家庭を帰りみろよ

とは言うもののそういうやつはこの世界じゃあ

稀というわけでもないようだが

母さんは健気に親父を待っているようだし

 

母子家庭だが特に不自由はない

近所の人はよくおすそ分けに訪れ、母さんと世間話をしていく

時々、オーキドのじいさんが訪れ、母さんに相談はないかなど聞いてくる

 

そう、オーキド

あの初代からやっている奴はもちろん

ポケモンプレイヤーなら知っているであろうポケモン博士

このじいさんもマサラタウンに住んでいる

結構頻繁にうちにくるからそれなりに親しくしている

性格はアニメのような陽気な性格のようだ

たまにボケをかましてくるのでツッコミを入れてやっている

手間のかかるじいさんだ

 

 

「アツシー、ちょっときてー!」

 

母さんが呼んでいるようだ

アツシというのはオレの名前だ

苗字はない

この世界では苗字がある方が珍しいらしい

ただ苗字があるものは血縁者に大きな功績を残した者が多いと聞いている

オーキドの場合、マサラタウンの初代村長がオーキドであり、現在もオーキドのじいさんがポケモン界では知らぬものなしの超有名人であることが大きいだろうな

 

 

「母さん、なに?」

「アツシ、おつかいを頼まれてくれない?」

 

リビングにいくと母さんにおつかいをたのまれた

 

「いいけど、どこに?」

「オーキド博士のところよ、

クッキーを作り過ぎちゃったし、おすそ分けでさしあげようと思って

いつもお世話になってるからね」

「ん、わかった」

「それに.........あなたも行きたいでしょ?オーキド博士の研究所」

「.........じいさんに会いたいわけじゃねえよ」

「こら!口が悪いわよ!」

「はいはい、わかりましたよー」

「もう!じゃあこれ」

母さんからクッキーが入ったバスケットをうけとる

「あとこれも」

こんどは布製の袋をいつも受け取った

「いつもいってるけど人にあげちゃダメよ

人が食べても大丈夫だけど、とっても不味いわ」

 

母さんからいつもの注意事項を聞いている

前に注意を無視して食べた結果えらい目にあった

それ以来、キチンと聞くことにしている

それにそうしないと、この話しがいつまでも終わらないからだ

 

「じゃあ、いってらっしゃい」

「んー、いってきます」

「あんまり、夢中になって遅くならないようにね」

「..........保証しか「わかってるわよね?」はい」

 

くそっ

 

「じゃあ、今度こそいってらっしゃい」

「いってきます」

 

オレはオーキド研究所に向け歩き出した

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

道中、ポケモンにからまれた

いやオレの腰にあるものを所望のようだ

いつものように、布袋からポケモン用のクッキーを取り出す

肩にとまったポッポが

『飯くれ、飯くれぇー!』

とうるせえ

砕いて手の平に乗せて、差し出すと物凄い勢いで食べ始めた

ただ、手の平がチクチクする

「おい、めっちゃチクチクするぞ」

『うるせぇ!飯の最中にはなしかけんじゃねぇ!』

このポッポかなり口が悪いようだ

仕方ないから食い終わるまで待つか

 

数分後、ポッポは完食したようだ

『食った食った、うまかった』

「そりゃあよかった、じゃあ.........」

『じゃあなあー「まてやコラ」オフッ!?』

 

オレはポッポの足を掴んだ

 

「仲間から聞いてないか?オレの飯を食ったら.........」

『わかったよ』

「じゃあ、さっそく」

オレは肘を曲げ、前腕にポッポを移動させると

 

 

 

 

『なあ』

「あんだよ、どっか痛かったか?」

『いや、心地良いぐらいなんだが』

「そうだろそうだろ、オレのモフりは」

全力でモフりはじめた

時々ナデナデもしている

「この一年間、あらゆるポケモンをモフり、ナデ倒してきたからな

特にお前らポッポとコラッタはこの辺りに多く生息しているからな

モフナデのツボを外すわけない」

『いや、分かっ..............たのか?まあいいが、ただな?』

「なんだ?」

『俺たちは飯食って、心地良い思いをしているだけなんだが』

「はっ!オレだって、飯を食わせたくて食わせて、モフり、ナデたいからモフナデしているだけだからな」

『そうなのか?』

「そうだ」

『そうか.........』

 

 

 

 

そうこうしているうちにオーキド研究所についた

「着いたな、お前はどうする?」

『ここは、仲間うちでも心地良い場所だと聞いてる

オレは先に入ってるぞ』

「じゃあ、中で会ったらよろしくな」

『ああ』

そういってポッポは飛び立って行った

オレはオーキド研究所の玄関の前で立っている

 

「オーキド博士!いらっしゃいますか!?」

 

普段ならこんなうやうやしい物言いはしないが他の研究員がいることがあるからな

注意されるのは面倒だ

 

 

ドタドタと騒がしい音がした後、扉が開いた

「おー、お主か。庭に行きたければ今なら良いぞ」

「いえ、母さんのお使いで来ました」

そういってオレはバスケットを手渡した

「それはすまんかったの。

あとそんな畏まった喋り方をせんでもよいぞ

中にはそんなに気にする者もおらんじゃろ」

「んじゃあ、そうするわ」

オレが態度を崩したところで

じいさんはバスケットの中身を見た

「おお、これは美味しそうなクッキーじゃの」

「母さんが作り過ぎたから日頃の感謝もこめておすそ分けだとさ」

「これはちょうどいいのぉ」

「.............なにが?」

「ちょうど今孫が来ておっての

お茶やジュースはあるんじゃが菓子がなくての

お茶うけにちょうどよい」

「孫?」

「長男夫婦の子供なんじゃが

お主の家から少し離れたところじゃからしらんかもしれんの

今その子の親が出払ってての、ワシが相手をしてるんじゃ

.........おお、そういえばお主とは同い年だったかの

あやつも5歳なんじゃがポケモンに興味津々じゃ

話しが合うと思うから、仲良くしてやってくれんか?」

「.........まあ、とりあえず会うだけ会ってみるわ」

「そうか!」

じいさんは嬉しそうにニコニコしている

「んで、そいつ名前はなんていうんだ」

「グリーンじゃよ」

 

 

 

あれ?オレ主人公フラグ?

いやいやいや

ライバルがグリーンならオレはレッドじゃないとおかしいだろ

偶然だ偶然

それに原作のグリーンだって友達がレッドだけじゃねえよ

 

 

「居間におるから着いておいで」

オレは大人しくじいさんのあとをついていった

 

 

居間に着くとソファーにオレと同い年ぐらいのガキンチョが窓から外を眺めていた

あの髪の毛のツンツンぶりからおそらくこいつがグリーンだろう

どういう奴かはわからないが

ボンジュール☆キラーン

とか言われても吹き出さないように気をつけないと

 

「グリーン」

じいさんが呼びかけるとこちらを振り返った

その目は祖父に呼ばれて嬉しいような風に見えた

 

だが隣のオレを見た瞬間その目は

警戒心むき出しの目に変わった

「おじいちゃん、そいつだれ?」

「グリーン、この子は近所に住むアツシくんじゃ

お母さんのお使いでここに来たんじゃ

今、この子のお母さんが作ったクッキーとジュースを用意するから二人で遊んでおってくれんか?」

「.........わかった」

グリーンの返事を聞いたじいさんが台所だか給湯室だかわからんがそっちの方へ行ってしまった

 

さて、とりあえずあいさつはしねえとな

「あー、とりあえずオレはアツシな。

お前はグリーンでいいか?」

「.........お前、おじいちゃんのなんだ?」

こいつ、おじいちゃんっ子か?

つーかオレの質問はスルーかよ

「さっきじいさんがいってたろ近所の子供だって」

「それにしては仲良さそうだな」

「別に、旅に出てる親父があんまり帰ってこないから気にかけてるだけだ

親父とじいさんは仲がいいらしいしな」

「ふーん」

そう言うとグリーンは再び窓のほうをむいた

「お前、ここに来たときもそうだけど、窓なんかみて楽しいか?」

「見てるのは窓じゃなくて外のポケモンだ」

「へー、どのポケモンだ?」

グリーンが見ている窓からは3種類のポケモンが見える

「.........お前に言う必要あるか?」

なんだこのガキ

「いいから答えろや

コラッタか?サイホーンか?モンジャラか?」

「!?.........お前ポケモンの名前わかるのか?」

「あ?常識じゃねえの?」

「コラッタやモンジャラならともかく、サイホーンはこの辺にはいないはずだが?」

「カントー、ジョウトのポケモンならわかるわ!

まあ、他んところのも大体わかるがな

つーか、オレ、ここに1年前からよく来てんだ、わからないわけないだろ?」

「そうか」

ん?なんか嬉しそうだな

「おい、あれは?」

おいおい、いきなりクイズしてきたよ

「ラッタだろ?コラッタの進化系の」

「じゃあ、あれは?」

「ラフレシアだな、ナゾノクサが進化したクサイハナがリーフの石で進化する」

「じゃあ、あれは?」

「ガルーラだろ?珍しいな

って突然クイズはじめてんじゃねえよ!」

「本当に知ってるんだな、お前」

「あん?」

「今まで、同世代どころか、大人でも話しが合わなかったからな

お前とは話しが合いそうだ」

なぜか機嫌がよさそうにグリーンは話す「ほっほっほっ、仲良くしてるようじゃの」

「これが仲良くしてるように見えるなら目玉くさってんじゃねえか?じいさん」

「なかなか、過激なことをいうのぉ」

別に仲良くしているつもりはねえけどな

「おじいちゃんの悪口をいうな!」

突然キレ出すし

「これこれ、そういきり立つんでない」

「でも!」

「こやつの口の悪さはよく知っておる

ワシも気にしておらんから

落ち着きなさい」

その言葉でグリーンはソファーに座り直した

仕方ねえな

「あー、悪かったな、大好きなおじいちゃんを軽く侮辱して」

「別にいい」

そっぽをむきながらグリーンは答えた

 

まいっか

「仲直りもできたことじゃし

お主達、庭のポケモン達を見に行かんか?」

「「行く!」」

オレとグリーンの声が重なった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

オレたちは研究所の庭に出た

研究所からは見えなかったが、ホーホーやオタチなどジョウトのポケモンもチラホラ見える

「ワシは中におるからなにかあれば言うんじなよ?」

そう言ってじいさんは中に戻って行った

 

さてと懐からポケモンクッキーをだして

「てめえらオヤツの時間だ!このヤロー!」

そう言うと周りからポケモンたちが一斉に駆け寄って来た

『おやつ!』

『おやおや、アツシさんじゃありませんか

おやつください』

『アツシ!今日はなにすんの?』

コラッタやモンジャラなどこの辺にいるだろうポケモンから

サイホーンやウツドンなどこの辺にいないであろうポケモンが寄って来た

「まてまて、順番だ」

オレは早い順で食べさせていく

「いつもこんなことをしているのか?」

グリーンが質問してきた

「ああ、来たらとりあえずやってるな」

「なぜだ?」

「あん?」

「こんなことをやって意味あるのか?」

「あるね!オレが超楽しい!」

「..................聞いたオレがバカだった」

「あ''ーん?お前にこの楽しさがわからないってのか!?」

「わからん」

「いいだろう、お前にポケモンへの餌やり、モフリ方に『アツシー、もっとちょうだいよー!』だー!うるせぇ、今こいつとはなしてんじゃねえか!

つうか、お前にはさっきやっただろうが!!」

いきなりコラッタが餌の催促にきた

最初にきたやつのようだ

『あんな、ちょっとじゃ足りないよ!』

「足りないよ、じゃねえよ!みんな平等だ!」

『えぇー!』

「えーもおーもねぇ!

あーもうわかった、後で撫で倒してやるからガマンして待ってろ!」

『うん!わかった!』

『チョット待ってください』

今度はサイホーンがきやがった

このサイホーン、サイホーンのくせにやけに丁寧な話し方をしてきやがる

「今度はなんだよ」

『アツシさん、あなたのモフりは天下一品、それはここのポケモンたちはもちろん、貴方自身良くご存知のはずです』

「あぁ、オレのモフりは他の追随を許さねえと自負している」

『では、その天下一品なモフりをこのコラッタだけにするのは些か不平等に思えるのですが』

 

なに?

それはオレのポケモン愛に偏りが生じるのか?

 

正直、野生や他のポケモンより手持ちなどの自ポケが優先されるのは当たり前だと思う

が、今目の前にいるポケモンは野生か他人のポケモンだ

そこに優先順位などない

 

「それもそうだな

.............じゃあ、ここにいる奴らは後でモフり倒してやる」

 

 

『『『『やったぁー!!』』』』

 

 

クククッ、覚悟しろよお前ら

 

 

『のぉ、アツシ』

モンジャラが話しかけてきた

このモンジャラ、かなりの高齢でまわりのポケモンからは長老と呼ばれることもある

 

「あん、なんだ?心配しなくてもキッチリ撫でてやるよ」

『いや、そうじゃないんじゃ』

「じゃあなにか?おやつの催促か、いい加減、自重しやがれ」

『いや、違うんじゃ。ただ.............』

「ただ?」

『後ろの小僧はいいのかの?』

 

その言葉に振り返ると

唖然としているグリーンがいた

 

 

「あ、忘れてた」

 




ありがとうございました

グリーン登場です
本編開始数年前と言うことで子供っぽくしたんですがいかがだったでしょうか?
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