やはり俺がIS学園に入学するのはまちがっている。 作:AIthe
織斑兄妹も千葉県民です。
よって、篠ノ之姉妹も千葉県民です。
今回は、八幡に人間味をもたせてみました。コレジャナイ感が強いと思いますが、よろしくお願いします。
と、言う訳で翌日が来ちまったよ‥‥
朝5時頃に我が愛しの妹に叩き起こされ、荷物を持って玄関に出ると、昨日のリムジンが迎えに来ていた。だからリムジン嫌いだっての‥‥‥‥
柔らかいソファに腰掛けてぼんやりすること数十分。思ったよりも早くIS学園に着いてしまった。
一言で表せば、デカい。無茶苦茶デカい。幕張メッセかと思っちゃったぜ。
IS学園の前にはガタイの良い数人の警備員と、黒スーツ姿の女性の姿があった。どこかで見たことのある顔だ。
「はじめまして‥‥と言っておくか?ようこそIS学園へ。」
「は、はじめまして。比企谷八幡です。」
「私は織斑千冬だ。お前のクラスの担任でもある。」
「お、織斑千冬!?」
織斑千冬。その名を知らぬ者はこの世界にいないだろう。
第一回IS世界大会、通称モンド・グロッソの総合優勝及び格闘部門優勝者。公式戦の記録は全戦無敗。その美貌と実力より、「プリュンヒルデ」と呼ばれ、世界で慕われ続けている。
少し前に現役を引退したのはテレビで報道されていたので知っていたが、まさかIS学園の教師となっていたとは思いもしなかった。
あ、テレビってのはチバテレビな。ここテストに出るから。
「ど、どうも。出会えて光栄です。」
「ふふっ、思ってもいないことを口にするんじゃない。全く、君は前任の担任に聞いた通り、根性の曲がった人間なのだな。」
世辞を神回避された。なんなの?回避性能+2なの?モンハンなの?
しかも平塚先生何しでかしてくれてんだ。なんか笑ってるしもう明るい未来が見えない。あっ、元々でしたねすいません。
「まあ、ここで根性の曲がった事をしていたら私がお前を叩き潰す。わかったな?」
「ハ、ハイ‥‥‥」
あっ、世界最強に目をつけられた‥‥‥死んだな(確信)。
小町‥‥お兄ちゃんが死んだ後はベットの下は漁らないでね‥‥‥‥
「よろしい。私の事は織斑先生と呼べ。」
「わかりました、織斑先生。」
「ふむ。では、お前の寮室に向かいながら色々尋問するとしよう。」
「えっ、あの、ハイ。」
ここ学校だよね?海軍とかじゃないよね?この時点でこの先生きのこれない希ガス。ちょっと首吊ってきます。
「では、そうだな───」
───2───
「ええっ!ヒッキーがIS学園に転校!?なんでですか!?」
「お、落ち着け由比ヶ浜。会えなくなった訳じゃないんだ。」
「そうよ、少し落ち着きなさい由比ヶ浜さん。」
比企谷八幡のIS学園への転校。世間ではまだ発表されていないが、職員室では大騒ぎとなっていた。
扱いとしては、親の用事で転校という事になっている。彼の担任である私は、彼が所属していた奉仕部の部員には本当の事を伝えるべきだと思い、部屋の扉を叩いた。
それで伝えたのはいいのだが、予想以上に由比ヶ浜が動揺している事に、私の方が驚いた。あいつ自分の事ぼっちって言ってたよな?ん?
「どういう事ですか?」
「かくかくしかじかと言う訳でだな。」
事情を説明すると、雪ノ下は苦虫を噛み潰したかのような顔をする。あれ?この反応おかしいぞ。おっと、目から汗が‥‥‥
「それは‥‥仕方がありませんね。」
「で、でもそんなのおかしいよ!だって‥‥だって‥‥‥‥」
「これは国の決定なんだ。二人とも、すまない。」
「いえ、先生は何も悪くありません。本人も別にどう思ってる訳でもないでしょうし。」
「ゆ、ゆきのん!?」
「そうでしょう。だって、比企谷くんはこの学校が好きだった訳でもない。違うかしら?」
雪ノ下の言う通り、確かにあの男はこの学校が好きな訳ではなかっただろう。だが、彼はこの部活の事が嫌いじゃなかった筈だ。それは、この目の前の少女も同じだ。
あの男も、雪ノ下も、どちらも自分に素直になれない。捻くれ者で、誰よりも純粋な、自分の道を求める人間だ。だからこそ、私は雪ノ下を正してやらねばならない。
「それは違うな、雪ノ下。」
「‥‥‥ちなみにどこがどう違うのですか?」
「比企谷自身の事ではない。お前は、あの男を気に入っていただろう?」
「‥‥‥おっしゃってる意味がわかりません。何故私があの目の腐った男を気に入らなければならないのですか?」
ムッとした表情。やはり、こいつもまだまだ子供だ。
「お前は比企谷を拒まない。それが答えだ。」
「平塚先生。確かに私は彼を入部させましたが、それはあなたの頼みだったからです。」
「それは論点のすり替えだな。私が聞いているのは、お前が比企谷を拒むか拒まないかの話だ。」
「‥‥‥‥‥」
雪ノ下雪乃という人間は嘘をつかない。だからこそ、彼女の行動は読みやすい。彼女の思いも、その信念も。
「まあいい。取り敢えず比企谷の電話番号を教えといてやろう。煮るやり焼くなり好きにしろ。」
「‥‥‥‥‥」
メモ紙を書き残し、私は奉仕部を立ち去ろうとした。
「平塚先生。」
「なんだ?」
私の背中に声がかかる。
「‥‥‥ありがとうございます。」
「‥‥‥ああ。」
全く、どいつもこいつも素直じゃないな‥‥‥‥
彼女らの方を振り向かず、今度こそ私は奉仕部部室を後にした。
───3───
あの後織斑先生に様々な事を尋m‥‥聞かれ、弟をよろしくと頼まれた。テレビで話題の織なんとかさんは織斑だったのか。織斑家とISは深い関係♂にあるのか(困惑)。これもうわかんねえな。
部屋は入れ替えがあるらしく、荷物は織斑先生に預けた。
なんてことがあって現在、俺はIS学園1年1組の扉の目の前に立っている。
「ほら、入ってこい。」
いや入って来いじゃねえよ殺す気なの?確信犯だよ絶対‥‥‥‥
扉の向こうにはハーレムな世界が広がっている。いや、織斑先生の弟がいるから厳密にはハーレムではないのか。
どっちにしろ、俺のような人間が女衆の中に突っ込んだらそれこそ発狂物だろう。俺も嫌過ぎて発狂する。
あ、ちなみに俺は高二。ここ1年1組。後はわかるな?でも、こんな状況だって覆せる。そう、iPhoneならね。
「おい。」
「はっ、はい。」
扉を開く。疲れやら緊張やらでガチガチな身体を動かし、織斑先生の横に立つ。女子の目線が痛い。特にクロワッサンみたいなの吊るしてるやつ。あいつこわい。
「こいつは新たな男性IS適性者だ。おい、自己紹介をしろ。」
「ひ、ひき、比企谷はちみゃん‥‥です。」
噛んだ死にたい。今ならハイウェイ・トゥ・ヘル使える気がする。詳しくは「ハイウェイ・トゥ・ヘル ジョジョ」でググって、どうぞ。
「こいつはISについて右も左も分からないトーシロだ。お前ら仲良くしてやってくれ。」
なにこの姉御やだ惚れちゃう。
「お前の席は窓側、一番後ろだ。」
「わ、分かりました。」
なにそのベストプレイス。この先生俺の事知り過ぎだろ。平塚先生何やってんだ。俺の事なんて心配してないで早く結婚しろ結婚して結婚して下さいお願いします。
席に着く途中、前席に座っていた男、織斑弟と目が合ったが、すぐに目線を外して自分の席に着いた。
───3───
やべえ、授業全然わからん。なんだよあの、ぱっしぶいなー‥‥‥いなー‥‥‥なんだっけ?
まあいいや、初めての授業終わったし寝よ。もう疲れちゃったよ小町‥‥‥‥
と言う訳で、総武校にいた時と同じ様に耳にイヤホンを着けて机に突っ伏していると、不覚にも邪魔が入ってしまった。
「おい、おーい。」
「‥‥‥‥‥‥」
男の声。恐らく織斑弟の声だろうが、無視だ無視。俺は疲れているんだ。あとリア充とは関わりたくない。
「寝てるのかな‥‥‥」
「一夏さんが挨拶しているのに返事をしないなんて‥‥‥無礼にもほどがありますわ。」
ひでえ。寝てる人に向かって無礼とかひでえ。いや寝てないけどね?
「私のブルー・ティアーズで叩き起こしましょうか?」
「いやいやそれは死ぬだろ。」
俺の知らない間にこの二人が俺の運命決めちゃってるよ。俺の命は小まt‥‥いや戸塚のものだ!戸塚結婚しよう!
「ん‥‥‥なんだ?」
白々しく今起きました風の演技。演技もできるとか八幡SUGEEEEEEE!!自画自賛だけどSUGEEEEEEEEE!!
というより俺を褒める人なんていなかったわ(絶望)。
「俺このクラスで男子1人だったからヤバかったんだよー。」
性的な意味でですねわかりません。
軽々しく話しかけてきた織斑弟は、爽やかスマイルをこちらに向けてくる。すごい葉山臭がする奴だった。
「俺は織斑一夏。よろしくな。」
「わたくしはセシリア・オルコットですわ。以後お見知りおきを。」
「あ、はい。よろしく。」
適当に挨拶をし、再び机に突っ伏す。
「お、おい?」
「色々あって眠いんだ。」
「そ、そうか‥‥‥‥」
よっしゃ、葉山と違って諦め早くてうれしいぜ!俺の目に狂いしかなかった!濁りもあった!
濁りは旨味。つまり俺の目玉は旨味だったのか(動揺)。
「まあ、初対面の人の挨拶も適当に返すなんて人としての品格が知れますわね。」
「あーはいはいすいません。」
「なんですのその口の利き方は!?」
品格なんてねえよ。ぼっちにそんなもんある訳ねえだろ。
この時、俺は珍しくイライラしていた。家という安息の場所を奪われ、その上奉仕部の二人とも会えなくなってしまった。特に小町。
暫く小町と会えないというのは、俺の鋼の心にも響くものがある。
だから俺はこの時、こんな反応をしてしまったのだろう。
「ふん。こんな様子じゃ、ご家族も同じようなダメ人間なのでしょうね。レベルが知れていますわ。」
今なんて言った?俺の家族がダメ人間?
俺の視界が真っ赤に染まり、何がに乗っ取られたように狂い出す。
「あ?今俺の家族の事なんつった?」
この瞬間、俺を縛っていた何かが切れた。
───4───
こ、この人怖すぎますわ!ど、どうしましょう‥‥‥‥
「おい、もう一回言ってみろ。なんつった?」
「ひいっ!そ、その‥‥‥」
最初は、この男も一夏さんのように素晴らしい人である事を機体しておりました。しかし、現実はそうではなく、酷く濁った眼をした見るからにひ弱そうな少年でしたわ。わたくしは少し失望すると共に、人は見た目で判断してはいけないと思い、声をかけました。
そしたらなんと、この男。まともに挨拶する事もできませんでしたの。わたくし少しだけ‥‥‥少しだけですわよ?少しだけイラっときてしまい、彼の事を小馬鹿にしてみましたの。でも、芳しい反応はありませんでしたわ。
私はこの時、「ああ、この男はわたくしが最初に思っていた“あの男”と同じ、誰かの陰にコソコソと隠れる事しかできない能無しなのですわ。」と思ってしまったのです。
そして、何を思ったのかわたくしは立ち去り際に文句を言ってやろうと思い、彼の家族の事を馬鹿にしてしまいましたの。
それで現在に至りますわ。正直怖いですわ。織斑先生の比じゃありません。
「聞いてんのか!?」
「き、聞いておりますわよ!」
「‥‥‥‥もう話しかけてくんな。」
「い、今なんと?」
「俺に話しかけんな!二度と近寄らないでくれ!」
「お、おい比企谷。流石にそれは酷いんじゃ‥‥‥」
そう言い捨て、一夏さんの制止を無視し、彼は早歩きで教室から出て行こうとする。わたくしは彼に悪い事をしてしまった事に気付き、小走りで追いかけようとします。ですが、それよりも早く彼が手にかけた教室の扉が開きました。
「おい、比企谷。何をやっている?」
「‥‥‥‥‥‥」
扉を開けた人物は、一夏さんの姉。世界最強の人物。織斑先生でした。
「‥‥‥答えないつもりか?」
「‥‥‥調子が悪いので早退します。」
「‥‥‥ふむ。大体の事情は読めたぞ。おい、オルコット。」
「ひゃ、ひゃい!?」
突然の声掛けに声がひっくり返ってしまいましたわ。
「一週間後、こいつと模擬戦だ。」
「!?先生。俺はそんな事「比企谷。お前は黙ってろ。」
織斑先生は彼をギロリと睨み、こちらに視線を向けてきました。
「オルコット。こいつに代表候補生というものを教えてやれ。」
「わ、分かりましたわ。このセシリア・オルコット。織斑先生の「御託はいいから返事!」
「は、はい!」
織斑先生の計らいによって、わたくしとあの男が模擬戦をする事が決まりました。
この件、わたくしが全面的に悪いとは思っています。後で、謝つもりでもいます。
しかし、それとこれとは別です。
わたくしは一夏さんの時のように慢心をしません。徹底的に潰して差し上げますわ。
どうして八幡は怒ったの?
急にIS学園に移動させられ、奉仕部の連中に別れも言えず、小町とも離れ離れになってしまい、心が参ってしまった所に、セシリアが爆弾を投下したからです。
個人的な解釈ですが、比企谷八幡という人間は妹のを心の拠り所としていたため、馬鹿にされたら怒ると思い、こういう描写を取らせてもらいました。
感想、評価等よろしくお願い致します。