やはり俺がIS学園に入学するのはまちがっている。 作:AIthe
そういえば、電話の回を大きく改定しました。感想欄に例をもらったので、それを参考にして書かせて頂きました。
ほぼ丸パクリです。批判は覚悟しています。
また、それのフォローとしてその次の話も改定しました。
関係ないのですが、ISの設定がガバガバ過ぎて辛いです。特にセシリア。代表候補生のくせに、初心者である一夏に負けそうになるのは流石に‥‥‥主人公補正やらを考慮しても、実はセシリア弱いんじゃないか?と個人的には思っています。
そもそもブルー・ティアーズがおかしいんですよ。専用機と言う名のただの実験機ですし、ブルー・ティアーズ駆動中は動けないとか欠陥がありすぎると思います。それに、スペックが第二世代型以下という‥‥‥‥
あれ?逆に考えればそれで頑張っているセシリアって強いんじゃ?
一夏+白式+零落白夜+運+初見=セシリア+ブルー・ティアーズ+油断
という事になるんですかね?
‥‥‥セシリア腕立ち過ぎじゃないですかねぇ?
自称生徒会長にISについて色々と教授してもらった後、一応お礼を言ってアリーナを後にさせてもらった。あの槍でいつ刺し殺されるかわからないもん。ほら、俺幸運Eだからどこぞのゲイボルグが必中じゃん?俺セイバーじゃないけど士郎と契約しなきゃ(使命感)。
なんて事があって寮に戻る途中、俺は会いたくない人物ベスト3に入る一人と鉢合わせてしまった。
「よう、比企谷。」
「うわぁ‥‥‥うっす。」
織斑弟。みんな仲良く(笑)とか、一致団結(冷笑)とか、「一人はみんなのために、みんなは一人のために(暗黒微笑)」とか好きそうな奴だ。葉山と同じ匂いがする。いや、ホモ的な意味じゃない。断じて違うんだ。
ちなみに一位は金髪クロワッサン。三位が織斑先生。というより話した事のある奴三人しかいないし?まじウケ‥‥‥ウケねーよ。
「風邪なんだってな。大丈夫か?」
「大丈夫だ。ハチマントッテモゲンキ。ハチマンウソツカナイ。」
「そっかそっか。よかった。まあ、部屋も近いしなんかあったら言ってくれよ。」
そう言って俺の肩を叩き、織斑弟は自室に戻った。リア充ってどうしてあそこまでコミュ力あるの?やっぱり初期ステの差がおかしい。こんなの絶対おかしいよ。
一応礼儀として、扉をノックしてから鍵を開けると、中には誰もいなかった。俺は宗教の勧誘か何かに成り下がってしまったのか。ああ、スクールカースト最下位、むしろスクールカーストに入ってない俺には成り下がる場所なんてありませんでしたね。
前から思っていたのだが、スクールカーストというのは間違っていた造語だと思う。カーストの語源はインドのカースト制度だが、あれは生まれた瞬間決まるものであって、落ちる事もなければ上がる事も絶対にない。それに対し、スクールカーストというものは理由があれば上下する。そうなると、それはカーストというべきではなくヒエラルキーと言った方が正しいのではないか?
なんて平塚先生に一撃をもらいかねん事を考えていると、同室の子が汗だくのまま帰ってきた。突然入ってくるとびっくりするんでノックして下さい。ノック大事。親しき仲に“も”礼儀あり‥‥ってな。親しくない仲にはもっと礼儀っていう意味だろ?つまり関わらなければ礼儀も必要ない。天才の発想だろこれ。Q.E.D.証明終了していい?
「あ、ひ、比企谷くん。大丈夫?」
「大丈夫だ、問題ない。」
頭が大丈夫か聞かれているんですねわかります。
今朝もこんなやり取りをした気がする。まさかエンドレスエイト?あれは八回も放送するべきじゃなかった。ハルヒ見るのやめた人続出だろ。ソースは俺。
「今日、比企谷くんの事見たよ。」
「え?」
「頑張ってたね。」
どこで何を見られていたんだ?アリーナには誰も来ていない筈だしな‥‥‥本当にどこで見ていたんだ?
「応援、してるから。」
「お、おう。」
応援されちゃったよ。そもそもこの子誰だよ。ルームメイトだけど名前すら知らなかったわ。礼儀がなってないのは俺だったのか。
「そ、そうだ。後でご飯食べに行かない?」
「‥‥‥すまん、今日は一人で食べるから。」
「そっか‥‥じゃあ先にお風呂頂くね。」
この子が何故俺に話しかけたのか。罰ゲームなのか、ルームメイトとして挨拶をしようとしたのか、俺にはわからない。
もしこの子が特に理由もなく俺に話しかけた、優しい女の子だとしても、今の俺はこの誘いを断っていただろう。
───由比ヶ浜。俺は、優しい女の子が嫌いだ。
───2───
それから数日間、俺は時間の許す限り必死に勉強した。こんなに何かを努力したのは人生で初めてかもしれない。疲れはしたが、 不思議と辛くはなかった。うわっ‥‥俺の社畜適正、高すぎ‥‥‥?
朝早く起きて知識を詰め込み、授業ノートを取り、休み時間もひたすら勉強する。放課後は、基本的に一人で練習し、副担任の山田先生が空いている時は、ISについて色々とレクチャーしてもらった。山田先生は先生と呼ばれる事が嬉しいらしく、俺が何かを聞くと「何でも聞いて下さいね。私は先生ですから!」と言ってくる。確かに他の生徒に「やまや」「まやちゃん」「やまちゃん」とか呼ばれていた気がする。童顔だから仕方ないね。
その辺を考えると、現在は順調に進んでいると言えるだろう。明日は身体を休めると共に作戦を考えるつもりだ。
だが、俺には目の上の瘤‥‥そこまで酷くはないが、それに近い人物がいる。
「比企谷くん、ご飯食べに行こ?」
こいつだ。このルームメイト。毎日断り続けているのだが、それでも誘ってくる。根気があるというか、諦めが悪いというか。何なんだこいつは?NHKの集金なの?チャンネルを付けていないのに集金しようとする害悪なの?
「なあ、どうしてそこまで俺を誘おうとする?」
「なんでって‥‥‥一人で食べるよりみんなで食べた方がご飯はおいしいよ?」
小学校の先生があんまり喋らない孤立した子に言いそうなセリフを頂きました。ぼっち飯を真っ向から否定されて涙目ですわ。食堂の一番端は俺のベストプレイス。俺の前には何者も座る事が出来ないのさ。あ、小町と戸塚は例外な。むしろ戸塚は俺の前に座って欲しい。戸塚の事は一万年と二千年前から愛してるね。八千年過ぎた頃からもっと好きになったもん。
「いや、今日は───」
またかよ。ある意味凄いよこいつ。罰ゲームでもここまで話しかけてくるやついなかったぞ。いや、ハニトラの可能性が‥‥‥織斑弟ならありそう。
さて、ここでの俺の選択肢は三つ。
①断る◀︎
②やんわりと断る
③理由をつけて断る
‥‥三択に見せかけた一択だった。脳内選択肢が俺の間違った青春ラブコメを全力で邪魔してるわ。
角を立てぬよう③を選ぼうと思ったのだが、ガイアが俺にもっと謀れと囁いている。
そして、ある考えが浮かぶ。
「‥‥‥‥今日だけだぞ。」
「ほんと!?ありがとね!」
顔がパァァと明るくなる。そういう顔されると勘違いしそうになるんでやめて下さい。
「あんまり人に見られたくないから遅めに行くぞ。」
「はーい!」
‥‥こいつには悪いが、少し利用させてもらうぞ。
───3───
「奢ってやる、好きなの頼めよ。」
「え?でも‥‥‥」
「いいんだよ。今まで断ってきたしな。それに‥‥‥いや、なんでもない。」
「‥‥うん、分かった。ありがとね。」
機嫌がいい方が都合がいいだけだけどな。それに、小町が「女の子とご飯を食べに行った時は、絶対に奢らなきゃダメだよ!」とうるさいかったからなぁ‥‥‥一緒に食べる人などいないというのに‥‥‥
「あらま、今日は二人かい?」
「あぁ、はい。ははは‥‥‥あ、ラーメンセットを一つ。お前は?」
「私は中華丼がいいな。」
「おう、あと中華丼で。」
「はーい。すぐできるから待っててねー。」
余談だが、IS学園の食堂は安い。学費の中から人件費等々が引かれているのか何なのかは知らないが、とにかく安い。俺はここに特別入学という扱いで入ってきたので、学費諸々は国が負担してくれる。そこで比企谷家が出すお金は食費のみになったのだが、これも国からの補助が出た。しかし、両親はそれを知らず俺の銀行口座に食費をぶち込んできた。
つまり、その食費分は好きに使える。これがスカラシップ錬金術ならぬ、食費錬金術である。完全な身内詐欺だが、親は総武校でかかっていた分の学費を払わずに済む。俺はお金をもらえる。winwinの関係なので問題はない筈だ‥‥‥そうだよね?
という訳で、誰かに飯を奢るくらいどうって事ないのだ。良い子のみんな、絶対に真似しちゃダメだぞ?
「はーい、どうぞー。」
「ういっす‥‥‥」
お盆を受け取り、ベストプレイスに向かう。初めて(前に座るの)は戸塚って決めてたのに‥‥‥
「はふ、はふふむぅはふはふ‥‥」
「‥‥‥‥‥いただきます。」
凄いガツガツ食べるな‥‥‥
「‥‥運動部か?」
「ふん(うん)。はんほほーるはよ(ハンドボールだよ)。」
「うんうん、成る程な。」
成る程全然わからん。ハフハフし過ぎだろ。小動物みたいだなこいつ。あんかけはトロッととしてるから熱を含みやすいんだぜ。火傷しないように気をつけてほしいところだ。
「今日もうまいな。」
「はーめんふきなほ?(ラーメン好きなの?)」
「まあそんな感じだな。」
もくもくと湯気が立つ俺の器から、香ばしい味噌の香りが漂う。バターがあれば完璧だった。醤油、豚骨の間に、時々味噌バターコーンを食うのがベスト。「味噌ってこんなにうまかったんだ!」という感動が得られる。毎日食ってると飽きるけど。
なーんて俺がラーメンに対する情熱を燃やしていると、突然目の前の少女が箸を止め‥‥ごめんなさいスプーンでした。いくら表現といっても嘘は良くないね。
「どうした?」
「いやー、お腹いっぱいかなーって‥‥‥あはは‥‥‥‥」
俺は瞬間的に察した。こいつはダイエットとしてご飯を抜こうとしているのだ。そこに図々しく、俺のお兄ちゃんスキルが発動する。
「知ってるか?ダイエットってのは身体に凄く悪いんだ。食事を摂らないと身体は栄養分が足りないと判断し、蓄えようとする。つまり、お前ら女子共が無理をして飯を抜けば抜くほど、身体はどんどん太りやすくなる。」
「じゃ、じゃあどうすればいいの?」
「いっぱい食っていっぱい運動しろ。その前にお前太ってないだろ。あまりに痩せすぎていると逆に気持ち悪いぞ。大事なのは体重じゃなくてスタイルだ。」
小町も同じような事を言っていたので、同じように諭してやった気がする。ドン引きするか苦笑いでもするのかと思ったが、予想外にも、その少女は優しく微笑む。
「比企谷くん。」
「‥‥‥どうした?」
「‥‥‥比企谷くん。」
「な、なんだよ。早く言えよ。」
「こんなに優しいのに‥‥どうして誰にもそれが伝わらないのかな‥‥‥‥」
そう言って、少女は俯く。それはあまりに痛々しく見えて、触れれば壊れてしまいそうな笑みだった。
突然の出来事に俺は反応できず、声は氷になったかのように咽喉でつっかえる。
「ごめん、先に戻るね。」
「‥‥‥‥‥おう。」
そのまま、彼女は立ち去ってしまった。
俺はこの時、何をすれば正解だったのか。結果的に見れば、あのルームメイトは正真正銘の善意で俺に話しかけてくれたのだろう。
ふと脳裏に、ピンク色の髪をした少女が浮かぶ。
由比ヶ浜‥‥‥お前はどうだったんだ?
こうやって、俺の心を惑わせる。だから俺は、優しい女の子が嫌いなんだ。
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