やはり俺がIS学園に入学するのはまちがっている。   作:AIthe

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五月十四日に、この作品がランキング四十六位を記録させて頂きました。お気に入りに入れてくれた方々、評価をしてくれた方々、本当にありがとうございます。これからも頑張ります。

話は変わりますが、感想欄に時系列が分かりにくいとの話があったのでここで書いておきます。

一夏がクラス代表になり、その後鈴が入ってくる予定だったのですが、比企谷くんの影響でそれが大幅にずれてしまっています。俺ガイル基準で時間軸を決めているので、大体今は六月始めを予定しています。タグの通り原作崩壊しています。勿論この後にシャルもラウラも出てきます。シルバリオ・ゴスペルも出てきます。

更に話は変わりますが、ISの設定を変えさせて頂きました。今のままだと万能過ぎるので‥‥‥‥‥

まだまだ至らぬ点がありますが、これからもこの作品をよろしくお願いします。


だから、織斑千冬は訝しむ

金髪クロワッサンについて調べた次の日の朝、俺は突然織斑先生に呼び出された。ほぼ一徹してるから次の朝ってのはおかしいか?おかしくないよ!寝たの三時だもん(白目)。

 

そして開口一番、先生はこう告げた。

 

「今日、お前の専用機が届く事になった。」

 

‥‥‥ゑ?

 

「は?そういうのってもっと早く言ってくれるものじゃないんですか?」

「本当は一ヶ月近くかかる予定だったのだがな。今日の朝に、完成したから届けると連絡が来た。」

 

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!

『おれは昨日打鉄に乗る事を想定した作戦を立てたと思ったら、突然今日専用機が届く事になった』

な…何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…

言うのを忘れていたとか報告体制に問題があったとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

織斑先生の無能さを味わったぜ…

 

「いでっ!?」

「今失礼な事を考えただろ。」

 

出席簿からあんな音が鳴るなんてヤバイ。何がヤバイってその威力。軽く振っただけなのに平塚先生のファースト・ブリットレベルを叩き出す。人間ってレベルじゃねえぞ!

 

「イテテ‥‥‥それで、放課後の模擬戦はどうなるんですか?」

「模擬戦?普通に専用機で実行されるに決まっているだろう。お前もスペックが高い方がいいだろう?そうだよな?」

「ハ、ハイ‥‥‥‥」

 

有無を言わさないこの圧力。この圧力だけで角煮作れる気がする。織斑先生は圧力鍋だったのか(困惑)。

 

「では放課後、楽しみにしているぞ。」

 

俺の肩をポンと叩き、織斑先生は立ち去ってしまった。

 

‥‥‥俺が昨日徹夜で練った作戦はどうするのさ?

 

───2───

 

という訳で、現在第三アリーナのピットに来ています比企谷八幡です。昨日の作戦がおじゃんになったので、もうヤル気0なんだゾ☆

マジでどうすればいいんだ?専用機は願ってもない事だが、俺は操作が下手だから打鉄の防御力を頼りにしてたのに‥‥‥‥これで専用機が速度特化とかだったら笑えん。それと現役時代の織斑先生みたいなブレオンの機体も死ねる。ブレオンってのはブレードオンリーの事な。アーマード・コアかボーダーブレイクやればわかるんじゃないかな(白目)。

 

「比企谷、届いたぞ。」

「あっ、はい。わかりま「あー!君が比企谷君かー!」

 

大声を出しながら、こちらに駆けてくる丸いシルエット。見るからにただのオッサン。凄い普通なオッサンだ。俺の手を掴み、大きく上下に振ってくる。なんか粘ついてるんですけど。この人汗かき過ぎだろ。鼻の先が完全に大洪水である。

「ど、どうも」と挨拶をするが、完全に苦笑いなのが自分でもわかる。

 

「よろしくね!私は千葉工の社長だよ。いやぁ、比企谷君、君に会えて光栄だよ。」

「千葉工の社長!?こ、こちらこそ会えて光栄です。」

 

掌返しが早い?え?なんだって(難聴)?

説明しよう!略名千葉工、正式名称千葉メカトロニクス株式会社とは、千葉県が誇る最大の工業系の企業だ!地元からの就職に根強い人気がある!近年はIS開発部が発足し、日本三大IS工業会社としての名が高いのだ!

余談だが、千葉工業高校と千葉工業大学という同じ略ができる学校が二校もあるが、それぞれ「工業」、「千葉工大」と言えば通じるのだ!

千葉県民にその名を知らぬ人はいないと断言してもいい!

 

どうだ俺の千葉愛は!いや、もはや愛を越え‥‥憎しみすら超越し‥‥宿命となった!

 

「いやぁ、僕の事を知ってるなんて嬉しいねー。」

「いやいや、千葉工の社長となれば知らない人はいませんよ。」

「比企谷くんに会えてよかったよ!同じ千葉県民として君みたいなのは誇りだよ!」

「俺もです!」

「ゴホンゴホン、そろそろ本題に入ってもいいか?」

 

今凄い盛り上がってたのに‥‥織斑先生とかみんながカラオケでリア充御用達の曲を歌ってるところに、アニソンを歌い始める系の人間だな。あの空気が冷める感は異常。まあそんな人達とカラオケに行く機会なんてないんですけどね‥‥‥‥

 

「社長、ISの方は?」

「もう来る筈なんだけど‥‥‥お、来た来た。」

 

ゴゴゴという轟音と共に、IS運搬用エレベーターが到着する。重々しいその扉が開き、ISが姿を現わす。

 

「じゃじゃ〜ん!」

「‥‥‥‥先生、これISですか?」

「‥‥‥‥お前がそう思うならそうなんだろう、お前ん中ではな。」

 

突然の少女ファイトはNGな。

それにしても、目の前のISはすごいよぉ!さすが‥‥さすがなんのお兄さんなんだ?

 

「これが、君の専用機だ。」

 

それを一言で表すなら、異端。そのISらしくない見た目を言葉にするならば、それが一番近いだろう。半ば頭部と合体した胸部の突き出た胴体。左腕よりも大きな右腕。がっしりとした両足。そのどれもがISとは程遠く、その統一性のなさにどこか違和感を感じさせた。

 

「千葉メカトロニクス試作第三世代型IS。名前はないよ!」

「ええー。」

「名無し‥‥‥何故に?」

「うーん。ちょっと事情があってね。これの製作エピソードにあるんだよねー。」

 

いやそこ重要だよね?むしろそこが一番重要だよね?

先にアリーナに出ている金髪クロワッサンをチラ見して、このままだと長くなって迷惑だと判断して、さっさとISを装備する。金属の装甲が全身を包み、真っ暗だった世界に色が宿る。ハイパーセンサーが起動し、ゆっくりと立ち上がる。社長が驚いた顔をしている。自社で作ったISだろオイ‥‥‥

 

「うーん。気分はどうかね?」

「‥‥はい、大丈夫です。」

「そうかそうか。じゃあ、頑張ってきてくれるね?」

「勿論です。」

 

楽しそうな社長に応対をしながら、俺はカタパルトデッキに脚部を接続する。緊張してドキがムネムネしちゃう。心臓病かもしれん。もしそうならトランクスが未来から来るまで待たなきゃ(使命感)。

 

「じゃあ行ってこい。比企谷、応援しているぞ。」

「わかりました。比企谷八幡、出ます。」

 

前傾姿勢を取り、カタパルトから俺のISが射出される。その寸前、俺の耳は確かに捉えた。

 

「あ、その子飛べないって教えるの忘れちゃった。」

 

‥‥社長ってほんとバカ‥‥‥‥‥‥

 

───3───

 

「社長。本当にあの機体は何ですか?正直私はあなたが信用できません。」

「いやいや、嫌われちゃったなぁ。」

 

アリーナの管制室で、私と千葉工の社長は比企谷の試合を見ている。だが、私は試合の結果を見届ける事よりも、この男の案件を処理したい。

 

「大体、一ヶ月後の予定が今日になるのはどう考えてもおかしいですよね?」

「いや、全然そんな事はないよ?」

 

この社長、実に怪しい。普通過ぎて逆に怪しい。一ヶ月が一日に縮まる訳がないのだ。それに、IS自体の形もおかしい。

もし比企谷に悪さをしようとしているのなら、私は教師として然るべき対処をさせてもらう。

 

すると、社長は突然自慢気に語り始める。

 

「あのISの名前、【源氏物語】って言うんだよねー。知ってる?」

「源氏物語‥‥‥」

 

国語の苦手な私でもそのくらいは知っている。確か、光源氏とかいうイケメンがハーレムを作ったのち、その息子もモテモテなけしからん純文学らしいが、どう考えても最近のハーレム系ライトノベルだ。これを純文学だと評価した人は頭が湧いているのではないか。当時流行った凄い本だとはいえ、内容が純文学からは程遠い気がする。

一夏もモテモテだからな‥‥‥こうなってしまうのか?一夏も光源氏なのか?

 

「そうそう。全部で五十四貼で作られた、光源氏の栄華と衰退を描いた作品だよ。まあ途中からその息子の話になるけどね。厳密には息子じゃないけどねー。」

 

社長はニヤニヤと笑う。その余裕の態度が不快だ。そうやって、人を見下す人間は嫌いだ。

 

「本当に一ヶ月かかる予定だったんだよ?ただ、それは【源氏物語】じゃない。もう一機の方だからねー。」

「じゃあ、比企谷が装備しているのは?」

「あれは、我々の思いの寄せ集めだよ。ボツになった五十四の設計図。【桐壺】から始まり、【浮夢橋】で終わる全てを混ぜ込んだ、最強の一機だよー。」

「混ぜ込んだ?適当にくっつけただけじゃないですか!?」

 

あのISの違和感がようやく分かった。あれは、様々なISの出来損ないを寄せ集めた、正に“出来損ない”だ。

私の胸の中がグツグツと煮えたぎる。比企谷はあんなに頑張っていた。なのに、この男は全てを台無しにした。誰かの頑張りを無駄にする行為を許すほど、私は出来た人間じゃない。

 

「おお、怖い怖い。そんなに睨まないでよー。」

「‥‥‥‥‥」

「大丈夫。あのISは何よりも強いよ。だってさ───」

 

そして、この男は衝撃的な発言をする。

 

「───あの子に反応した人は、今のところ比企谷君だけなんだからさ。」




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