いくつか考えてあることが出来ればいいかなぁ。
ファースト・W・プロローグ
暗い部屋で目が覚めた。確か、自分は死んだはずだった。なんてことはない。異常気象で世界中、人が沢山死んでいた。その中の一人だっただけ。
なのに、意識がある。体が動く。自分の手を見てみた……黒い?
『やったぞ! 実験は成功だ!!』
『あの人の理論は実証されたんだ!!』
実験? 何の話だろう。
日本語を話しているのがせめてもの救いか……後ろにポスターみたいなのも貼ってある。
実験室って割には俗物的なものが多い。
あと、俺がホルマリン漬けっぽい入れ物の中に入っているからか、声がくぐもって聞こえる。っていうかこの中大丈夫?
『プロジェクト・ベターマン、その最初の一歩。ここはまだ通過点にすぎない! 諸君、気を引き締めてかかれよ!!』
『はい!』
『分かってますよ!』
『よし、それじゃあセカンド・タイプの製造プランを上と交渉して――』
眠くなってきた。疲れたし、少し眠ろう……ただ、ベターマンって…………昔そんなアニメがあったっけ。
◇◇◇
アレから数日がたった。喋れないけど、目は動くし耳も聞こえる。
今の自分の体はベターマンというアニメに出てきたDタイプのハンターというクローン人間……だったっけ? まあ、とにかくそれにソックリだった。
いや、アレも人造ベターマンみたいなものだし、あながちベターマンってのは間違いではないけど……
ちなみに、ベターマンとは簡単に言えば、あらゆる状況下でベターな姿に変身することからそう名づけられている。けっこうトラウマシーン多いアニメだし……同じ世界観のガオガイガーの方が好きだったなぁ
閑話休題
どういうわけか、その作品に出てきたクローン人間にソックリなのだ俺。
というかこの研究所のプロジェクト・ベターマンってのがまんまあの作品のベターマンを人造的に製造する感じ。国際的にだめだろおい。
これでリンカージェル(その作品出でてきた物質)が出てくれば、間違いなくあの死亡フラグ満載の世界だな。
いい加減向き合うと、何故か転生しました俺。いや神様には会っていないけど……でもなぁ、あの当時って地球生物絶滅しそうだったし、神様も手一杯とか?
まあそんな現実逃避は止めて、どうやって逃げ出すか……せめて暇つぶしだけでもしたい。
でもなぁ違法研究している人たちだけど、なんていうか憎めないんだよねここの人たち。
出来るバカっていうか……
『しかし、主任……このリンカーコアって凄いですね』
『だろう? ただ魔法を使うためだけの内臓器官にしておくのは勿体無い。見たところ色々と面白いぞ』
はい? リンカージェルじゃなくてリンカーコア?
え、リンカー違い?
『さて、異世界人に負けるなよ! この世界にだってクローニング技術はあるんだからな! まぁ、代表的なのはうちのライバルのHGS研究だが……あっちが超能力で来るならこっちは人を超えた人。ベターマン製造だ!』
ええと、HGSって……超能力とくればとらハ? でもリンカーコアがあるってことは……
『主任! 上からの連絡です! 管理局ってのが来てとっ捕まりそうっていうかもうとっ捕まるって!!』
『なんだとぉぉぉ!?』
『研究データをはやくバックアップだ!』
『プロトタイプをはやく移動させろ!』
『ダメです――キャァ!?』
あぁ……ここ、リリカルでマジカルな世界だったのか…………管理局の皆さんお疲れさまです。俺、どうなるんだろ……
『仕方がない……プロト、よく聞くんだ』
なんですかぁ主任……俺もう眠いんだ。
『今からワープ装置を使ってお前を転移させる。上のほうでパワーバランスが崩れたのか知らんが、私達は一月もすれば此の世にいないだろう。その上で君に頼みたい』
ええと、こういうシリアスな空気は少し苦手なんですが……
『君の体についてのマニュアルと、生体デバイスも一緒に転送させる。あと、まだ試作段階だがこの錠剤も付けておこう』
生体デバイスって……なんか工具てきな物が散乱している机の上の虫っぽい奴?
というか怪しい薬とか怖いんですが……
『すまなかったな……キミもこんな生まれ方は嫌だっただろう。だけど、キミは私達にとっては最後の希望なんだ。どうか、この世界を救ってほしい』
そう言うと、主任は転送装置を起動させ始める。
『マニュアルはすぐに読んでくれ! きっとこれから先大変なこともある。戦わなくてはいけないだろう……だが、元気で暮らしてくれ。私達の子供よ!! それが私達の願いだ!!』
そして、俺は光に包まれ研究所から消えた。
その後に研究所で起こったことはわからなかった。
気がつくと、森の中にいた。何処だかわからない。近くには薬箱とでかい虫みたいな奴がいた。あと、マニュアルってこの電話帳みたいな……分厚すぎる。
◇◇◇
遠い異世界。ここにスクライアと呼ばれる一族がいた。
その中でも一風変わった少年、彼の名前はユーノ・スクライア。
まだ10にも満たないその齢で魔法学校を卒業した天才。
だが、それゆえに彼の周りの人たちは一歩引いていた。
「お、お姉ちゃん……」
だが、そんな彼を心配していたのか、一人仲のいい女性がいた。
彼の姉であり母であり、友達であり……だが、そんな彼女も今、息絶えようとしていた。
「ハハハは! そんな奴を庇うからそうなるのさ! いい加減退けよ」
ワケがわからなかった。いきなり自分のことを変な呼び方で呼び、殺傷設定で魔法を放ってきたこの男、本気でユーノを殺す気だった。
「逃げて、ユーノ……」
「いやだよ、お姉ちゃんも一緒に――」
「いいから逃げなさい!!」
「――う、うんっ」
ユーノは転移魔法を使い、逃げだす。その距離には限界があり、まだ姿が見える距離だった。それを確認して、男はユーノに向かって砲撃魔法を発動させようとする。
「あなた、なんでこんなことを……って聞くまでもないわよね。どうせ同類でしょ」
「なんだ……お前も転生したのか。なら分かるだろ? アイツがいたら彼女達は幸せにならない」
「そんなことを本気で言っている馬鹿がいるなんてね。はぁ……私もツイていないなぁ。でもね、あの子を守るためなら私はなんだってやる。この世界で生きて、私が感じた全て。貴方の腐った根性とどっちが上かしらね?」
「言ってろ、どの道お前はここで死ぬんだよ!」
「そうね。でもただでやられるつもりもないから――」
砲撃が放たれた。ユーノへ向かうそれの間に入る女性。そして、その砲撃を体で受け止め――
◇◇◇
「バカな女だな。お前一人のためなんかに死ぬんだからよ」
「あぅああぅああ……」
「さて、再会させてやるよ。あの世でなぁ!!」
男が砲撃を放とうとした、そのときだった。
「ガッ!? く、鎖だとッ? 何処から――!?」
いつの間にか男を絡めとっていた鎖。その先にはユーノがいた。ユーノの右手から魔力で構成された鎖が飛び出ていたのだ。
「チェーンバインドだと? い、いつの間に……」
「ゆるさ、ない……おねえちゃんを、お姉ちゃんを返せェェ!!」
その戦い方は、男の目には転生する前に見たアニメやゲームのあるキャラの技を連想させた。いや、ソックリだったと言ってもいい。
「なんで天の鎖みたいな使い方……そうか、あの女か――まぁ、俺を捕まえたことだけは褒めてやる。だからもういいだろ。いい加減死にやがれ!」
男はそう言って力をこめるが、鎖は外れない。
「なんでだよ! なんでハズレねえんだ!」
男は二つ間違えた。ユーノは攻撃魔法との相性が極端に悪い。それなのに幼少期から総合Aランクを超えた実力をもつ。それは何故か?
防御と捕縛、結界など他の面で他者より圧倒的に秀でているからである。
なおかつ、複雑な式を必要とする魔法をその頭脳だけで展開することも出来る。
それゆえに、彼の魔法の構成には隙がなく、壊しづらい。
ゆえに、まず一つはユーノの実力を見誤ったこと。
そしてもう一つは。
「お姉ちゃんを、返せェェェ!!」
「な、鎖が、ガアアアアアアアアアアア!?」
既に男が生きているこの世界は、現実であり、なんでも自分の思い通りにいくと思ったら大間違いだということだ。
◇◇◇
結局、魔力切れで倒れてしまうユーノ。ボロボロになるも、男はチャンスとユーノを狙うも女性が死ぬ間際に連絡したのか時空管理局が男を捕まえに来た。
部が悪いと逃げ出す男、彼はこの後指名手配されることとなる。
「おねえちゃん……」
原作とは違う関わりを持ち、心に大きな傷を負ってしまった少年。
《マスターユーノ、そろそろ……》
「わかってるよ、レイジングハート。じゃあ、行くね……」
彼がジュエルシードを発掘するまでまだしばらく時間がある。
物語はまだ序章にすらたどり着いていないが、まだまだ困難が彼らを待ち受けている。
◇◇◇
前世の記憶を持って生まれてしまった生物兵器の少年。
心に大きな傷を負うことになってしまった一人の少年。
これはそんな二人の少年の物語である。
というわけで、主人公とユーノの話を交互に出来ればいいかなと考えています。
ポケモンの小説もやっていますが、なんか人が集まらないので先にこっちを書きたくなりました。
どっちも細々と続ける予定ですのでよろしくお願いします。