リリカル・W・ボーイ   作:アドゥラ

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今回、色々とぶっ飛んだ内容なのでご注意ください。
ジュエルシードも気前がいいというか、なにかが起こり始めているそんな状況。

ちなみに、ベターマンって姿にもよりますが基本的にどこぞの起動戦士よりは小さいのです。

時々は活動報告のネタさらしもどうぞ。


マジカル・W・ストーリー

 結局、高町なのはは魔法少女デビューを果たしてしまった。魔法について、ユーノから詳しい説明を受けることになったのだが……

 

「な、なのぉ?」

「えっと、大丈夫?」

 

 致命的に文系が苦手なため理屈で覚えるのはだめだったようだ。

 

 

 ◇◇◇

 

 翌日、神社の裏手にて魔法のレクチャーを始めることになった。理由としては、このまま放置しても、なのはは自分の膨大な魔力のせいで体に異常をきたす可能性があるからである。案外、覚醒させてよかったのかも知れない。

 アクアもこの機会に一度おさらいしておこうと思いついてきているが、なのはにジト目で睨まれた。いつか泣かそうと思った。

 

「つまり、この胸の部分にリンカーコアっていう器官があって、そこに大気中の魔力素をとりこんでいるんだ。で、取り込んだ魔力素から魔力を生成して、それをプログラムに走らせて使うのがボク達の魔法」

「もっと、ファンタジーなのかなって思ってたの」

「あるにはあるんだろうけど……」

 

 ユーノもオカルトな魔法はまだ見た事が無い。あるところにはあるのだが、使い手は古代ベルカ式の使い手よりも少ないと言われている。

 その後ろでアクアは延々と魔力を手のひらに集中させている。フェイトの使っていた電撃の対抗策を考えているのだ。なんとなく、魔力が水のように変質してきているのを無意識にだが感じ取り、手探りながらも行動しているのである。

 

「うーん、一個ぐらいファンタジーみたいな魔法ないの?」

 

 こうなったら最後まで付き合うしかないか、ユーノはそう思いある術式を起動する。

 ユーノの足元に広がる魔法陣。それは彼の姿を変化させた。

 

「どう? 変身の魔法なんだけど」

「……か、」

「か?」

「かぁいいいい!」

 

 フェレットに変身したユーノ。なのはの何かのツボに入ったのか首根っこ引っつかんで頬ずりを始める。

 

「う、わわわわあ!?」

 

 その後ろでひたすら魔力を練り始めるアクア。そろそろ泡を魔力で作れるようになってきた。上達スピードは流石と言うぐらいに速かった。

 と、そこまでやっておいて誰かが接近してくるのを感じていた。

 

「ん~……ゴリラ?」

 

 そう、ゴリラが森からやってきた。というかどこから現れたんだこのゴリラ。

 

「あ、そういえば動物園へ輸送していたゴリラが事故でどっかに行っちゃったってこの前ニュースでやっていたの」

「なんて冗談?」

 

 大人しそうではある。だが、これどうしたらいいのだろう……

 

「そうだ! アリサちゃんに連絡しよう。困ったときのアリサちゃんだよ!」

「いや、誰?」

「というかこの状況を説明したら――」

「あ、もしもしアリサちゃん?」

「――あ、俺の話はやっぱりスルーなのか……絶対にいつか泣かす」

 

 お互い、相容れない相手というのはいるものだった。

 とりあえず隅っこでいじけるアクア。その頭をゴリラが撫でていた。

 

『なんかよう? 徹ゲーで眠いんだけど……』

「不健康は美容に大敵だってモンタさんが言っていたよ」

『相変わらずね……で、なんか用?』

「えっとね、この前テレビでやっていたゴリラさんがいるの」

『……動物園にでもいるの?』

「ううん、近くの神社」

『………………それって、この前やっていた事故の?』

「うん。そうなの」

『――――え、エライコッチャァァァァ!?』

 

 アリサ、魂の叫びであった。

 

『鮫島! 至急総員配置に付けって言っておいて!』

 

 不吉な叫びが聞こえたかと思ったら切れた。

 

「……なのは、最悪ゴリラさんが不幸なことになっちゃうよ。犬とかじゃないんだからそんなあっさり友達に言うとかよく考えたら…………え、えらいこっちゃぁぁぁ!?」

 

 ユーノは地球の風習とかにまだ慣れていないので、ゴリラに危機感を覚えなかったが、よく考えたらここにいるべき動物ではなかった。

 どうする? どうするんだ!?

 

「なあ、ゴリ吉が向こうに走って行ったけど?」

「「ゴリ吉ぃぃいぃ!?」」

 

 いつの間にか名前(リミピッドチャンネルによって会話可能だった)を聞きだしていたアクア。とりあえずツッコミ所が多すぎる。

 

 ◇◇◇

 

「なんでこうなるんだろう……ジュエルシードも探さないといけないのに」

「みんな逃げ惑っているの」

「そりゃゴリラが街中を走っていればな」

 

 警察とか自衛隊とかの出動前に大人しくさせたいけど、むしろ自分達が近づいたらダメな気も……そう考えるものの、なのはが魔法少女としての仕事なの。そう決意しちゃったのでそれを追いかけている男二人。

 というか、先ほどユーノがなのはの魔法適性を調べたが……空間把握能力と高い飛行能力はまだいい。だが、そのほかの適性が堅牢な防御力強化、周囲の魔力を集める集束、そして、極めつけはとんでもなく高い、いや、全次元を探し回ってもおそらくトップに君臨するほどの砲撃適性。

 こんなに単独戦闘に向いた砲撃魔道師の才能を持った人は可能性適に考えて、なのは一人いたのが奇跡だよとはユーノの弁。つまりはバリバリの戦闘職向きの能力である。

 

「まつのー」

「なのはレイジングハート振り回しちゃダメェェ!」

「……テレビにみつかったら厄介だとは思っていた。だけどな、それ以上にマズイのが見つかった」

「あ、アクア?」

「ハンドウでのサーチに引っかかった。ジュエルシードが、ゴリ吉の前方約100メートルにある」

「ノォォォォォォ!!」

 

 ユーノは地面に突っ伏した。いや、まだだ。この少女は身体強化からの加速魔法でこのぐらいの距離、直線ならなんとかなる!

 

「なのは!」

「うん!」

「ジュエルシードをお願い!」

「分かったの!」

 

 いざ、役に立つ時が着たとばかりになのはは加速し、ジュエルシードを封印しようとするが……

 

「がぺっ」

 

 何も無いところで転んでしまった。高町なのは、運動は恐ろしく苦手である。

 

「お、終わったぁぁぁぁ!?」

「プレト! ……あ、メンテナンス中だった」

 

 これはいよいよ詰んだ。そう思った三人だった。ちなみに、ユーノはなのはに魔法を教えるために見本として色々使ったので、あとは非常時の結界を作る余力しかなかった。封印に必要な分は無い。

 

「ウッホ……ホ?」

 

 そして、ゴリラがジュエルシードを触ってしまう。

 

 ◇◇◇

 

 その日、月村すずかはわけがわからないよ、そう言いたい日だった。友達のなのはは「運命に出あったの」と言って時々連絡が取れなくなるし、もう一人の友達のアリサは昨日から徹ゲー。

 もう一度アリサに電話したら「今から全面戦争よ。なのはは私達が助けるの」とか言い出したので思わず電話を切ってしまった。

 

「まったく、いったいどうしたのかな……」

 

 とりあえず、暇だしテレビをつけてみると……

 

『見てください、突然海鳴市に現れたこのキングコングを! これは作り物ではありません。実際の映像です。 推定10メートルくらいはあります。あ、大きなトカゲのような生き物が突然現れました。コチラは5メートルぐらいで、線も細いですし随分と小柄な……あ、お互いが組み合っています!

 な、殴り合い!? 海岸へ跳んでいきました!? あ、クロスカウンター!?』

 

 なんだこれは……そう思い、やらせなのかなと考えたところで気がついた。キングコングの右手には女の子みたいな金髪の男の子。左手には、「運命をみつけたの」とか言っていた友達が掴まれていて……

 

「あ、もしもしアリサちゃん? 全面戦争の準備を終わらせたからすぐに海岸に行こう」

 

 ◇◇◇

 

 すまんユーノに高町。加減がやりにくいんだ。

 現在、アクアとシードモンスターは海岸で殴り合っている。ネブラにキッチリ変身したが、誰にも変身シーンを見られていないことを祈るばかりだ。

 ゴリ吉は、温和な性格なのだが、一度思いっきり体を動かしたいらしく、それはもう映画のような動きをしたかったらしい。今度移る予定だった動物園に行く前はよく映画を見ていたそうな。

 で、その映画の印象に引きずられて今の姿になったのである。

 

(うまく意識で会話できているからいいけど……とっとと封印しないとやばいな)

 

 とくに、とばっちりを受けている二人は。高町を泣かすのは思わず叶ったから助けるとするかと考え、ゴリ吉を足で掴み、空へ飛び上がる。

 目指すのは本来ゴリ吉が送られるハズだった動物園。

 今回はラティオの実を持っていて助かった。

 到着と同時に変身をとき(最近分かったが、抜け殻は放っておくと砂になる)、ラティオで封印してうやむやにする。まあ、ネブラの姿が悪役扱いになるのを祈ろう。それはそれで嫌だが。

 

 ◇◇◇

 

「なんじゃぁ!?」

 

 空から怪物たちが降りてきよった!?

 今年、60を向かえ、そろそろ引退の時だと思い、最後の仕事にゴリ吉をこの動物園に迎えようと考えていた動物園の園長。

 先の事故ですっかり滅入っていたが、これ以上何が起こるというのか……

 

「な、なにが……」

 

 目の前で怪物が突然砂(アクアがサイコヴォイスの応用で一気に砂にした抜け殻)になってしまい、その中に小さな光が浮かび上がったと思ったら次の瞬間突風が吹き荒れた。

 

「うぐ、一体……む、お、お前は!?」

 

 光は消えていた。大きなゴリラの怪物もいたような気がしたが、砂が吹き荒れたらいなくなっていた。

 だが、そこにはゴリラが一匹いたのだ。

 

「お前はゴリ吉!?」

「ホ?」

「ぶ、無事じゃったのかぁ!!」

 

 その後、園長はあの怪物をまさに光の戦士と語ったという。あのゴリラの怪物をもとの優しいゴリ吉に戻してくれたのだと。

 

 

 後にこれが海鳴に現れた光の戦士の都市伝説の始まりとなることはまだ誰も知らない。

 




今回の用語
『ゴリ吉』

海鳴市近くの動物園のマスコット。の予定で移転してきたのだが数日前に事故で行方不明。
園長とは昔からの知り合い。園長は大層落ち込んでいたが、無事帰ってきた。

帰ってきてからは奇跡の生還とか色々と話題になったり、子供たちのアイドルだったりと忙しくも楽しい日々。
映画鑑賞が趣味で好きな映画は踊る大捜査以下略。


現在のジュエルシードの所持状況

ユーノ、アクア、なのはチーム6個

フェイト、アルフチーム2個

オーガ2個

計10個が出現、いまだ11個行方不明。
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