リリカル・W・ボーイ   作:アドゥラ

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とりあえず、ゴールデンカオスウィーク、アクアたちはこれにて終了です。
まあ、ゴールデンカオスウィーク自体は終わりませんよ。

詳しくはあとがきという名の次回予告
先に謝っておく。悪ノリしすぎた。


嵐を放つもの

 翠屋にカオス降臨などがあった翌日。結局カオス展開が続いただけでその日は少女達にとって、これといった進展は無かった。

 本日は魔力値や魔道師ランクの調査ということで模擬戦が予定されている。

 

「無理です。今回だけは謹んでお断りさせていただきます」

「そんなこと言わないでお願い、クロノ。模擬戦の相手をするだけでいいのよ」

「艦長の言葉でも聞き入れられません! むしろ模擬戦が嫌なんです!!」

 

 アースラ艦内、リンディとクロノが珍しく言い争っていた。というか、真面目なクロノがかたくなに模擬戦を断っていた。

 いつもの彼なら、進んでやるはずなのだが……

 

「だって、計測しただけでかなり危険なのに…………それをバトルロワイヤルってどういうことですか!?」

「一人ずつ相手するにも時間がかかるし、だからといって彼ら4人を二組に分けるのもねぇ……相手によっては手加減とかしちゃいそうだし、逆に本気でやり合いそうな二人もいるもの」

 

 ちなみに、本気でやり合うのはアクアとなのはである。どうもお互いに相手を天敵だと思っているようだ。

 

「だったらなんでバトルロワイヤルなんですか!?」

「クロノの乱戦トレーニングになるじゃない」

「……本音は?」

「その方が手早いし、クロノがいれば危険なことになっても止めてくれるって母さん信じてるわ」

「少しは本音を隠してください!!」

 

 結局、母の言うことに逆らうの? の一言で無理やり参加決定。

 ちなみに、脱走しようとしたがエイミィに捕縛されました。面白いことが絡んだ時のエイミィは瞬間的にクロノを超えます。

 

 ◇◇◇

 

 戦いが始まる前、アクアは床に魔法陣を展開していた。今までゆっくりしている時間も少なかったので、自分の使う魔法がどういったものかあまり確認していなかったのだ。

 ルーン魔術に関しては以前ほど上手く使えなくなっていた。どうやら悪魔に渡された力の影響か、ジュエルシードを取り込んだときの影響なのか、もしくは両方か、いずれにしても自身の魔力の質が少し変化しているのである。

 

「うーん、今までの技は使えるけど……なんか違和感があるな」

 

 床に展開した魔法陣も、見たことないものだ。ミッド式でもなく、アクアは知らないがベルカ式という管理世界に広まっているもう一つの体系とも違う。

 形は正五角形の中に五芒星が描かれたもの。回りの文字はラテン語表記と思われる。

 

「いかにもって感じだけど……大丈夫かな」

 

 模擬戦ではあるが、あの魔砲を見た限りじゃネブラに変身することも視野にいれようと思う。そんなことを考えながらアクアはとりあえず今までの魔法を試し打ちする。

 

「プレト、いけるか?」

《GUOO》

 

 物を壊すわけにはいかないので、プロテクトシェードを試してみる。

 アクアは左手を前に突き出し、魔力をルーンに流すが……

 

「あれ? 発動しない」

 

 何度も試すが、どうにも上手く発動しない。空間が少し歪んで見えるところを見ると、完全に発動しないわけではないようだが……これはマズイ。どうしたものかとアクアは頭をひねる。

 

「ハンドウはどうなんだ?」

 

 念のためハンドウを起動。ゴルディオンハンマーの負担も大きく、今まで修理していたのだが、本日の日程までには直ったようだ。

 みると、元々未完成だったので足りないパーツも加えられている。

 

「うーん、なんかモードが増えている……えっと、ディバイディングドライバーか」

 

 周囲の空間を湾曲させることで様々な用途に対応するツール。この場で使うには危険。

 流石に試すのは無理かと思い、待機状態に戻そうとするが、そこであることをひらめいた。

 

「いや、これってプロテクトシェードの発展系の力ってことなのか……なら」

 

 ディバイディングドライバーを発動状態にして力を流し込む。左手に接続された巨大なマイナスドライバー。先ほど安定しなかった力の流れを覚えるために、空間湾曲に必要な分の魔力の20分の1程度で起動。

 

「今までのやり方じゃだめだ……なら」

 

 自分が最後にまともに魔法を使ったのは、あの悪魔召喚モドキ。

 あれの発動した時を思い出して魔力をこめる……

 

 ◇◇◇

 

 そして、少し時間がたって戦いの火蓋が気って落とされた。

 結界により構築された戦闘フィールドにはアクア、ユーノ、なのは、フェイト、そして青い顔をしたクロノが飛んでいた。

 

「まだ上手くいくか分からないけど……」

 

 アクアは拳を握り、精神を集中させている。すでにプレトとは融合状態。ハンドウも起動し、アクティブモードでアクアの動きをサポートしている。

 以前とは違い、足にブースターのようなものが取り付けられ、高速空中戦も可能になった。

 

「よし、はじめるぞ!!」

 

 最初に飛び出したのはクロノ。出来るだけ早く決着をつけるためにまずは高火力のなのはを狙う。スターライトブレイカーという切り札の特性上、時間が立つほど彼女が有利になると判断したからだ。

 次に、フェイトも飛び出す。狙うのはユーノ。ジュエルシード争奪戦の中であの防御や捕縛には手を焼かされた。頭脳面でも危険と判断したのだろう。

 次にアクア。アクアはクロノを狙った。この中では一番戦闘経験を持つ彼だ。タイマンではまず勝てない。ならバトルロワイヤルという特性上、早期にダメージを与えるには越したことは無い。

 次に動いたのはユーノ。すでに構築が終わっていたバインドをアクアにめがけて放つ。しばらく行動を共にしていたからこそ、その能力の厄介さを知っている。それゆえの判断だった。

 そして、最後に動いたのは高町なのは。硬い防御を生かし攻撃を受け止めるとモニター越しにリンディは予想していた。もしくは、今まで負け越しているフェイトを狙うか。だが、誰も予想していなかった動きを見せた。

 

「ディバインシューター!!」

 

 誘導弾。それだけなら普通だろう。だが、瞬時に8つの誘導弾を作り出し、4人にそれぞれ二つずつぶつける。

 まさか全員同時に狙ってくるとは思わなくて、4人とも被弾する。

 威力自体はそれほど無い。だけども、彼らは背中が寒くなった。

 

(見た限りはそれほど戦闘出来る思考の持ち主とは思わなかった……だけども、この感じは……)

 

 クロノは信じられなかった。なのはは、普段は運動音痴で戦いを好まない人物だ。だが、一度戦いの思考にスイッチが切り替わることによってこのバトルロワイヤルに対応して見せたのだ。

 

「まだまだいくよ!」

《マスター、後ろから接近している反応を確認》

「シールドお願い!」

 

 奇襲。アクアがブロウクンマグナムでなのはを狙っていたようだが、簡単に防がれてしまう。

 

「おい!? バリア貫通効果があるはずなんだけど!?」

「そんな弱いパンチじゃ蚊がさすよりも軽いの!!」

「……上等だぞコラ」

 

 ピキッと嫌な音を立てるかのようにアクアは低い声を出す。

 その後ろではユーノとフェイトが高速戦闘をしていた。ユーノは既にチェンジビーストを使用している。改良が加えられているようで、若干及ばないものの、フェイトの機動力についていけていた。

 そして、クロノは距離をとって射撃魔法で殲滅する作戦に出たようで大量の魔法を準備している。

 だけども、戦わせてはいけない二人が回りにどんな被害をもたらすのか誰も知らなかった。

 

「嵐と雷を操るもの その御手を今ここに

 水よ荒れ狂え 嵐よ剣となりて我が敵を撃て!

 ソロモンの言葉と共に! フルフルよ、その力をここに!!」

 

 アクアの右手に集まった濃密な魔力。いや、小型の嵐そのもの。

 かなりの魔力を消費したようだが、その力を解放する。

 

 ◇◇◇

 

「うわぁ……えっと、アクア君って悪魔召喚型なのかな」

 

 アースラ艦内。モニタリングしているメンバーが集っているが、全員口をあんぐりさせていた。

 エイミィが声をだしたが、それに答えるものはいない。

 

「うーん、種別は儀式魔法かな……計測データだと、世にも珍しい儀式特化型」

「そ、それはまた……なのはさんは砲撃魔道師だしユーノ君は結界魔道師」

「色々と突き抜けていますねぇ……あ、あの大魔法ただの目くらましに使ったようですよ」

「あんなに膨大な魔力を使ったのに!? 何考えているんですかアクア君は!?」

「あぁ……変身しましたね」

「……軽々しく使わないで欲しいのだけど……」

「あ、クロノ君が嵐で吹き飛ばされた!?」

「急いで回収しないとッ」

「で、ですがこの魔力反応……なのはちゃんのスターライト――」

「――ブレイカー?」

 

 ◇◇◇

 

「さっきの嵐のおかげで一気に魔力が……これならいける!」

《クロノ執務官がリタイアしたおかげで、さらに倍プッシュ。マスターユーノとフェイトさんの使用した魔力もあるのでこれならアレが撃てます》

「よーし、発射シークエンススタンバイなの!!」

《了解しました。スターライトブレイカー発展型。スターストームブレイカー発射用意》

 

 その声を聞いたとき、ユーノは青ざめた。というか、自分に出来る最大防御をしなければならない。調子に乗って広域殲滅集束魔法なんか考えなければよかったと。

 

「フェイト! 急いで防御するかなのはの射程……から離脱は無理だからやっぱり防御!!」

「え、え?」

 

 フェイトはその叫びをすぐに理解できなかったが、分かった。分かってしまった。なのはがチャージしているあのピンクの球を。いや、より膨大でなおかつ乱回転している。

 嵐が来る。先ほどとは比べ物にならない嵐が。

 

「ばばばばバルディッシュ!!」

《落ち着いてください。サー、フェイト》

 

 とりあえず自分の限界を超えた防御を成功させた。もともと苦手な上、防護服も薄いが、今までに無い位に防御力重視の見た目に変わる。

 その姿、露出どころか着膨れするほどだ。

 

 

 

 

 

 ちなみに、アクアはレストリクトロックで捕縛されています。

 変身したはいいものの、なのはには見抜かれたのです。

 

 

「さあ、いくよ……スターライトブレイカーの進化系! スターストームブレイカー!!」

 

 それはまさに、流星を超えた、流星群だった。

 チャージされたピンクの球体がさらに乱回転し、魔力を解き放つ。

 一つの大きな砲撃が降り注ぐのではなく、破裂するかのように沢山の星が降り注ぐ。

 一発一発の魔力量はスターライトよりも少ないが、乱回転した分破壊力を増している。

 それがいくつも、いくつも……その光景はまさに世界の終末と言っていいほど。

 

「……やりすぎたの」

 

 さすがにマズイと思ったが、既に後の祭り。結界内の空間とはいえ、みんなにどれほどダメージを与えたのか煙で見えない。

 とりあえず、大きなトカゲだけはやっつけたと思った。だけども……

 

「流石にしぶといの」

『殺す気かッ!』

 

 アクアは無事だった。いや、既にボロボロでネブラも崩壊しつつある。

 というか、すぐにネブラの姿を保てなくなりもとの姿に戻った。

 すぐさまアクアの実を食べ、周囲の水を巻き上げてなのはに突撃をしかける。

 

『喰らえェェ!!』

「させるかなのぉぉぉ!!」

 

 集束魔法は負担はあっても自分の魔力はそれほど使わない。なのははディバインバスターで迎え撃とうとするが……

 

「ストップストップ!! これ以上の戦闘は危険です。アースラ艦長リンディ・ハラオウンの名においてこれ以上の戦闘は禁止します!」

 

 水面に浮いていたユーノやフェイト、そしてアースラのクルーは背中から魔力の羽をだし、中に飛んでいたリンディはまさにあの時、天使に見えた。後にそう語っている。

 

 結局、この模擬戦は不完全燃焼に近いが一応の終わりを迎えたのだった。

 

 ◇◇◇

 

 その後、データを検証した結果、

 高町なのは

 砲撃魔道師AAAランク

 ただし、最大破壊力はSSランクに匹敵

 砲撃魔道師なのに防御が固く、運用方法が戦車そのもの 

 

 フェイト・テスタロッサ

 高速戦闘型AAAランク

 電気の変換資質もち。万能で多くの種類の魔法を使える

 使い魔、アルフを従えている

 

 ユーノ・スクライア

 結界魔道師Aランク

 攻撃魔法の適性の低さのためランクは低い

 結界、防御、捕縛に関してはSランクに匹敵

 独自に魔法を作ったり、デバイスを使用しなかったり記載する項目が無い部分を加味するとAAランク以上にはなる

 

 アクア・プロト・ベターマン

 儀式魔道師Aランク

 4人の中では魔力量がもっとも少ない

 ただし、変身などの特殊技能によりSランク以上になる場合も確認されている

 能力がピーキーな上、後の調査で分かったソロモン式と呼ばれる地球古来の悪魔契約型魔法を用いていた(使い手自体は一度数百年前に途絶えた。アクア氏は悪魔に直接接触したことにより習得)

 彼が以前使用していたルーン魔術というものは事件後、リンカーコアの性質が少し変化したために適性値が下がった

 リンカーコアの適性が肉体強化と魔力操作、儀式魔法に特化している

 備考として、現在地球に魔法は公になっておらず隠れた使い手が居るのみと思われる。

 

 この記録を見て、リンディは一時間ほど頭を抱えたという。

 なお、ある執務官は魔力ダメージで数日ほど動けなくなってしまい、ある補佐官に看病されていたという噂がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみにこの日、アルフは食べすぎで寝込んでいました。

 




君たちに最新情報を公開しよう

アクアが以前であった車椅子の少女
そしてその周りに集まりだす変人集団
突如、現れた謎の男
果たしてその目的とは?

リリカル・W・ボーイNEXT
「八神家の食卓」
次回もこのチャンネルにファイナルフュージョン承認!



これが勝利の鍵だ
「ボンバイア博士」
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