リリカル・W・ボーイ   作:アドゥラ

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前回の予告には一応沿っています。一応ね。一応。

いつの間にかお気に入り200件突破ありがとうございます。

今回主人公もユーノも他ヒロイン二人も出番無いですけどたまにはこういう回があってもいいじゃないか!




八神家の食卓

「ええかげんにしいやぁ!!」

 

 今日はそんな八神はやて8歳のシャウトから始まった一日をご覧ください。

 

 

 ◇◇◇

 

 海鳴市。幽霊や吸血鬼、霊能者から超能力者。暗殺者じみた剣士に近頃は悪魔や魔法使いまでもが出没するカオスじみた土地である。

 おそらくは、これ以外にも色々いるのだろうが、今回は足が動かない車椅子少女、八神はやての日常について語ろう。

 

「まったくもう、博士といいメルちゃんといいなんでそんなに仲が悪いんや!! わたしは悲しいで。まったくもって悲しいで!!」

「でもねはやてちゃん。このアフロ気持ち悪いのよ」

「それは我輩の存在全否定であるか?」

 

 車椅子を使っているとは思わせないほど力強いシャウトで、目の前の妖精のような美人と、白衣を着たアフロの二人を叱るはやて。

 先に答えた妖精のような美人。メルセデス・クオーツハート。

 その隣に居るのはマズダ・ボンバイア博士。白衣にアフロで色黒。出来ればお目にかかりたくない人種の人だ。

 ちなみにこの二人、ある事情によりそれぞれはやてが面倒見ている居候である。

 

「たしかに博士のアフロはキモイで。目に入れたくない。いや視界に入るなと言いたいけどな……でも、今話しているところはそこじゃないんや」

「八神君、君も大概ひどいのである……」

「シャラップや。メルちゃんには一つ言わなきゃならんことがあってな」

「な、なによ。私は権力には屈しないわ!」

「だけどな……仲が悪いし暴れだすし、博士見た目はアレやけど、ほんまなんでアフロなんか小一時間問い詰めたいんやけど、実害はないわけやし」

「だからひどいのである。そしてこのアフロは――」

 

 そこで、アフロの声をさえぎる為に一冊の本が博士の顔面に超エキサイティングした。

 まるでブレイクダンスを踊るかのように、博士の身体を縦横無尽に角を使って激突。また激突。もういっちょ激突。もう一つおまけに激突な有様である。

 

「痛い! 痛いのであるよ!?」

「ほら! なんか鎖が巻きつけてある呪いの本っぽいのもアフロが気持ち悪いのよ」

「うん、それはそれとして今はメルちゃんの話やで?」

「はい……」

「あ、呪いの本っぽいの。とりあえず博士が喋れなくなるまでよろしゅうな」

 

 あちょ、ラジャーじゃなくて、あ、そこはダメーなのである!?

 そんな断末魔をバックにはやてはメルセデスに説教を続ける。

 

「あんな、博士ももう20やしお金うちに入れてくれるんよ。グレアムおじさんの入れてくれるお金がある言うても収入源は必要なんやで。対面的にも。でや、あんた等二人はなるべく自分で生きてもらわなお母さん困るで。そりゃいつまでもうちに入てくれてもええんやけど、自律できなきゃあかんで? 博士見た目はアレやけど料理できて生活能力あって自分の発明で収入得ているんやで? そこんところ、メルちゃんはどうや? まず料理は殺人クラスやろ、で洗濯できんし一人でおつかいできんやろ。もう17やで? 本当なら花の女子高生やろ。というか芸能界にスカウトされそうな見た目のクセに引きこもりやっているんやないこのアホンダラァ!!」

「はやてちゃん落ち着いてください!」

「ええい、止めるなリィン! まずは教育的指導からや!!」

 

 現在はやてを止めに来たのはリインフォース・ツヴァイ。ある事情によりボンバイア博士がはやてのリンカーコアを基に作り上げたユニゾンデバイスである。

 ちなみに、ツヴァイという名のとおり姉にあたる存在が先ほどからボンバイア博士を吹き飛ばしている本の中にいる。一応会話はできるのだが現在ははやての魔力を大量に消耗するので滅多に喋らない。

 

「どうせ、どうせ私はプー子ですよ。無職ですよ。引きこもりですよニートですよ。私のとりえといったらこの美貌とあとはお茶目な性格」

「寝言は寝て言えなのである」

「……バカァ!!」

「ゴフッ!?」

「ほんま、アフロがなくてデリカシーさえあったら……勿体無い男やで。顔のパーツはいいのにアフロが邪魔や。このアフロ」

「お、おのれ……ところで八神君、例のものが完成したのである」

「……ついにか。長かった。あの褐色美少女に出会ってから、乳もんどきゃ良かったと思い悩む日々。だけどそれも今日までや!」

 

 博士が取り出したのは手袋のようなもの。青色でゴム質。見た目は普通だが、なんか近寄りがたいオーラを放っている。

 

「これぞ、『乳もんだるでぇ6号』なのである!!」

「おっしゃー! これではやてちゃんの大勝利間違い無しや!!」

「ああ、ツッコミが欲しいです……お姉ちゃん、出てきてください。というか一刻も早く」

 

 ◇◇◇

 

「ってことで頑張ったわ」

「シャッラプや。6号君の力を思いしれぇ!」

「え、ちょ、はやて――キャァ!?」

「おお、ええで。服の上からでも生のような感触が――ふふふ」

「う、あぅっ、あんっ――いい加減にしろぉ!!」

「ひでぶ!?」

「アンタも何作ってるのよ!?」

「いや、家主の言うことには逆らえないのである」

「ぐぬぬぬ……」

「ふふふ、この家ではわたしがルールや! あとでリィンも……くっ逃げられたか」

「まあ当然なのである」

「仕方ない。博士の雄っぱいを先に楽しむことにするわ」

「見境無しであるか!?」

 

 少女のクセに、乳が絡むとオッサン以上にアレなことになる残念美少女八神はやて。相変わらず車椅子関係ない力強さだった。

 

「おお、白衣を着ているから頭脳系と思いきや適度に引き締まった筋肉に包まれた男の――以下長いので略――これはいいものやで! メルちゃんゴメンな先に堪能させてもろうたで」

「なんで私に謝るのよ……というかアンタもなんでされるがままなの!?」

「いや、特に気にすることでもないのである」

「男からしたらソウカモだけど……でも」

「むふふーやっぱりアフロ以外の髪型もしてみたらどうや? 毎日が変わるで?」

「断固拒否なのである」

「ぐぬぬぬぬ……はやてちゃんも余計なことは言わなくていいの!!」

 

「ああ、まだカオスやっているです……それはそうとご飯は?」

 

 ◇◇◇

 

「さて、いただきます」

「いただくのである」

「いただきます」

「はやてちゃんの料理は美味しいですぅ」

 

 四人で囲む食事。いや、空中に漂う本も含めた家族はなんだかんだで楽しそうであった。傍目から見たらとんでもなくカオスだが。

 

「むぅ、今日のエビチリは隠し味が利いているのである」

「さすが博士やな。お見通しか」

「ごま油の使い方もよし。お見事であるな」

「はやてちゃんの料理がおいしすぎるのが悪いのよ。だから私の料理が上手にならないのよ」

「人のせいにしないのです……メルセデスさんの料理が下手なのは持病でしょうに」

「グハッ!? 何気ない一言が私の心にクリティカル!?」

「この焼売もいけるのである……日本人はお米がほしくなってくるのであるな」

「そうよねー……いや、春巻きとかあるからさすがに多くなりすぎるけど」

「その前にあんた等日本人やないやろ」

「これは一本盗られたのである」

「まあ私ら日本育ちだけどね。向こうには戻りたく無いし」

「仮にも国境関係ない軍隊の一員だった人物の言うことではないであるな」

「あんただって色々作っていたでしょう……リアル起動戦士とか笑えないのよ」

「色々違うのであるが……まあ知らない人から見たらどちらも人型ロボであるな。我輩はどちらかというとパイルバンカーを中心にナノマシン、戦闘機から洗濯機まで、あ、振り子時計なんかも作ったのである」

「雑多すぎるやろ!?」

「というかなんか危ない会話をここでしてもいいんですか……」

 

 ◇◇◇

 

 そしてその様子を見ていた二匹の猫。いや、魔導師の使い魔リーゼロッテとリーゼアリアは見ていた書類と博士、メルセデスの情報を照らし合わせて絶望した。

 

「なによ……この女の経歴は。あの子に手を出す隙さえないじゃない。というか返り討ちよ!?」

「あのアフロも……闇の書を少し解析するだけであの子に負担がかかっているのを見抜いて、しかもそこからユニゾンデバイスを設計できた上に作るとかあり得ない」

「どうするのよこれじゃあ計画が……」

「仕方ない。ひとまず撤退!」

「決して怖気づいたわけじゃないんだからね!!」

 

 そんなことがあったという。

 

 ◇◇◇

 

 次の日。山本のぼるは困っていた。小学校に入学した後はなのはたちとおなじクラスで浮かれていたが、流石に少し気持ち悪がられた。早すぎる中二病も手伝ってアレなことになっていた。

 今は落ち着いたために大丈夫だ。自分以外の転生者が居るみたいだし、自分には結局魔力の欠片もないのか力にも目覚めない。

 むしろ、命の危険があったことを考えると、うかつなことは出来ない。それに孤児院のみんなのことだってある。

 

「はぁ……まあまだ5月なのが救いかな」

 

 一応孤児である八神はやて。孤児院からチャリティーイベントの紹介などのプリントを届けなければいけなくなったので彼女と顔を合わせることになる。

 せめて、お手伝いさんがいてくれればいいのだが……

 覚悟してチャイムを押すと、でてきたのは一人の男性。普通なら間違えたかなと思うところだが……

 

「……アフロ?」

 

 白衣にアフロだった。意味がわからない。

 

「どったの?」

「どうしたんですかー?」

 

 次にやってきたのは凄く美人なダメ人間オーラ満載の女性。

 そして自分と同じくらいの少女。ただし、今現在居るのはおかしいはずの少女。

 

「……えっと、八神さんのお宅ですよね?」

 

 なんとか普通の対応が出来た自分を褒めてあげたくなった。

 というかこの二人は誰なんだツヴァイはなんで居るんだよとか色々言いたいことがある。

 

「はいはい。どちら様ですかー?」

「えっと、八神はやてさんですよね? 孤児院のチャリティーイベントなどの件でプリントを預かってきていますので」

「ああ、あそこの孤児院の子か~同い年くらいの男の子がいるって聞いていたんやけど、君がそうなん?」

「あ、はい。山本のぼるって言います」

「よろしくなぁ。わたしは八神はやてって、名前知っとったな。それじゃあ院長さんにもよろしくつたえてや」

 

 結局、そのまま帰ったが……あのアフロと美人は一体? 八神家父と母? いやそれはありえないか……転生者かとも思ったが、あの見た目はあり得ない。男で転がり込むならアフロは無い。というかなんでアフロだ。

 美人さんのほうも見て分かるほどの堕落オーラだ。なんていうかどこからつっこめばいいんだ?

 

「ん、おじさん何してるの?」

「ああ、知り合いが元気でやっているか見に来ていたんだが……心配なかったようでな」

「……」

 

 のぼるは混乱した。普通に話しかけたがなんかこのおじさんどこかで見たことあるぞ? っていうか某蛇さんじゃね?

 え、多重クロス?

 

「さて、俺は仕事があるから……じゃあな坊主」

「あ、うん……」

 

 この後、改めてニュースを見ることで世界のカオスさに頭を抱えるのぼるであった。

 

 結論。海鳴ではなく地球がカオスです。




今回、ある作品のキャラが出ていますが、今後出すわけじゃないです。
まあ以前に存在を仄めかす場面がありましたのでいいかなと。誰もツッコミ入れませんでしたが。

というわけで八神家むっちゃカオスでした。
だけども俺の思い描いていたカオスにはまだだ。一度に出しすぎるとアレなんで今回はこの二人だけ。
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