今回から、色々とグロくなりますのでご注意を。
タイトルは狙いすぎて分かりやすいですね。まあ、自分なりの展開と設定で描きますけど。
「結局、なんなのか分からないんだよなぁ」
「成分的には人間の膀胱に近いらしいけどね」
「ぼ、膀胱……」
ミッドチルダ、地方屯所(大きい交番みたいなところ)の食堂にて、俺とユーノとフェイトは夜食を食べていた。
話の内容は先日回収した遺留品。帯状の皮、ぶよぶよした布と思ったが、生物の一部ではないかというのが今のところの見解だ。
というか、膀胱って……フェイトが顔赤くし、ますよね。そりゃ。
ちなみに俺はというと、ものすごく微妙な表情をしています。あれだよ、しかも食事時にその話題はちょっときついものがあるよ。時間が無いのはわかるんだけどね。
色々と無茶して調査に入れてもらったから夜勤があるんだよね、今回。
「魔力を通さないから調べるのに苦労したって。何で魔力と押さないのかは結局分からないままだけどね。構成成分の一部がかろうじて分かって、一番近いものが分かったって所だよ」
「だからって、被害者の一部とかじゃないよなアレ。見た感じ、帯状に切れた内臓じゃなくて、初めからああいう形みたいだぞ」
「私も同じ意見だよ……それに、なんだか凄く嫌な感じがする」
「最初は俺もものすごく嫌な感じがしたんだけど、今は違うんだよな……リミピッドチャンネルが通用しないのは不安だけど」
「とにかく、技術スタッフの腕に期待するしかないね……ここのスタッフは優秀だっていうし」
「できることなら、そのまま本局とかにやって欲しいんだけどね、地上部隊の仕事だけど。まあ、不死者とかベターマンがらみなら融通利くから空(時空管理局本局のこと)の人もこっちにこれると思うんだけどね」
むしろ、怪物と戦った経験が多くて、高火力の魔道師は海(次元世界を渡る執務官とかのこと)の人間を沢山集めた上で、集中砲火するのがベスト、いやベターなんだけど。
流石に人員が足りない。だからこそ、対ベターマンのために俺に色々な権限が渡されたんだよなぁ……
「ま、とりあえずきしめんでも食べるか」
「なんで地球の食べ物がここにあるのか聞きたいんだけど」
「ここ、ミッドだよね?」
「なんでも地球からの移民って多いらしいな。1000年ぐらい前の日本とか多いぞ。源義経とか」
「地球の歴史調べたけど、色々説あったなぁ……ってなんで君が知っているんだ!?」
「ウソかホントか分からないけど、子孫だっていう人にこの前会った」
「そ、それはまた……」
「あとは昭和の時に来た人も多いな。おかげで微妙に間違った文化とか伝わっているっぽいし。懐かしき番長ルックを見たときは衝撃が走った」
「はぁ……いいよ、もうつっこむの疲れた。大人しくカレーきしめん食べるから」
「お前もきしめんじゃないか」
「そうだよ、自分だってたのんでいるじゃない」
そういうフェイトだが、自分も月見きしめんだった。
◇◇◇
「見回りの時間だよぉーっと……流石に、夜勤は疲れるなぁ」
「まあ、そう言うなって、コレ終われば交代だからよ」
二人の局員、お互いに警備員のような服装に身を包んだ彼らは、手に懐中電灯をもって廊下を歩いていた。
「なんというか、子供に引継ぎというのもなぁ」
「アレでもSランクに匹敵する変換資質持ちと、総合Aランクの結界魔道師、それに噂のベターマンらしいぞ」
「マジかよ……最近の子供は規格外だねぇ」
「他にも、悪魔的な砲撃資質をもった子供が嘱託になったとかなんとか」
「弟97管理外世界ってなんていうか、凄いな」
「なんつーか、グレアムさんの出身ってだけじゃなくて、色々とあるらしいけど……」
「ま、俺らには関係ないか」
その後も、ゆったりと歩く二人。ここで、少しばかり気を引き締めていたら結果は違ったものになっただろう。
だが、流石に管理局の建物内だからと、油断してしまった。それだけのことだ。この結末はそれだけのことなのだ。
「なんか、物音しないか?」
「うーん、カサカサいってるな……虫か?」
当たらずとも遠からず、ソレはすぐに現れた。
「お、おい……う、ウワァアアアアアアアア!?」
「あ、アアあああああアアアアアア!?」
◆◆◆
「なんだ?」
「悲鳴?」
「……なんかあったのかもな、様子を――」
――バンッ
「キャ!?」
「停電?」
そう、いきなり照明がすべて消え、辺りの光はなくなたのである。
時間は既に深夜。色々な事情で彼らは歳の割には慣れているが、そうでないなら大人でも寝ているような時間帯。
「落ち着いて……手に魔力を集めてライト代わりにするんだ」
「そこらへんの制御は苦手なんだよな……いや、元々俺はこのぐらいの暗闇は平気だっって忘れてたわ」
「てっと、じゃあ……私は全身光らせてみる」
「ホタルイカか」
ユーノは卓越した魔力操作で、瞬時に光源をつくり、アクアは元々必要なく、何故かフェイトは全身を光らせた。どうやら、魔力変換資質の応用らしい。
「まったく、何があったのか……あ、きしめんが伸びちまうな…………?」
「どうかしたの?」
「いや、きしめんが伸びると思ったんだけど、こんなに速く伸びるかな? なんか、量がめがっさ増えているように思えて……」
「そんなわけないだろ……たしかに、僕のも凄いことになっているね」
「私のも……なんか、固い?」
これはどうしたことだろう。いったい、何があってこんな速度で伸びたのか。
あるいは、これはきしめんと言う名の何かけったいな代物なのだろうか。
「けったいな代物って一体なん……な、の」
「どうかしたのかフェイト」
「みみみみみみみ」
「みじゃわかんない」
「み、視て!」
「だから……え?」
アクアは見てしまった。フェイトのどんぶりの中のきしめんたちがダンスしている光景を。
いや、ダンスとか言う生易しい言葉じゃダメだ。そんな言葉では足りない。
まるで、鼻をヒクヒクと動かしように辺りを確認し、獲物を狙うかのような動き。
「ユーノ! 逃走経路!!」
「分かっている!!」
「え、なに?」
「フェイト、しっかり掴まっていろ!」
フェイトを抱え、アクアは脚力に集中して魔力強化を行う。同時、ユーノも強化する。
惜しむらくは、プレトがメンテでいないことだろう。丸薬もこの場合に対処できるポンドゥスとラティオは切らしている。
「使えるのは魔法オンリー……正直、俺にはきついんだけどね!」
扉を蹴破り、飛び出す三人。それが、彼らの命運を分けた。
その出自ゆえに、危機察知能力の高いアクアがいたことが幸運だった。
すぐに三人のいた部屋はきしめん――否、蟲によって多い尽くされ、凄惨な光景が広がった。中のものは食われ、侵され、跡形もなくなる。
「――ッ!?」
「俺の危機察知にも直前まで引っかからないとか、ステルス性高すぎるだろオイ!」
「どうする? フェイトはこの状態だと、魔力コントロールは……」
「だ、大丈夫、私も頑張れる」
「無茶するなよ、あれは女の子にはきついだろ」
蟲、蟲、蟲、とんでもない速度で追いかけてくる。
その大群は津波のように押し寄せてきた。
「喰らえ、威力は低いけど!」
「私もッ」
アクアとフェイトの魔力変換弾、水と電撃による相乗効果で少ない魔力での高火力を実現した。
威力も申し分なく、効果範囲も広い強力な魔法だった。だが、意味は無い。
蟲たちはものともしない。いや、表面は焼け焦げて倒れるが、物量が大きすぎる。
そのときだった、目の前から数人、大人が駆けつけてきた。
「援軍、助かった」
「君たちは速く下がりなさい」
「は、はい!」
全員、構え! その号令により複数人の局員がデバイスを構える。
そして、放たれた射撃魔法。いや、高町なのはに比べると細いが、砲撃魔法だろう。廊下という狭い空間だからこそ、細くても十分にカバーできていた。
「な、効きません!?」
「なに!?」
だが、無常にもこの攻撃は蟲にとってまったくの無意味。無傷の虫たちは勢いを失わず、局員達に届いた。届いてしまった。
「は、早くにげてぇ!!」
「フェイト、目つぶれ」
「ッ」
アクアは咄嗟にフェイトの目をふさぎ、駆け出す。ユーノもそれに続いた。
二人は分かってしまったのだ。無傷の蟲たちをみて。魔法が効かない、いや、魔力を通さないと言ったほうが正しいのか。
今回の事件の犯人から仕掛けられたのだ。
そう、ベタービースト事件の。
そして、二人は見てしまう。蟲に飲み込まれる局員達を。
「グッ……クソッ!」
「悔やむのは後だよ。まずは状況を整理、そして迅速にこの事件を解決するんだ。じゃないと被害は出る一方だよ」
「わかってる!」
「でも、あの人たちは……」
「……」
「何も言うな、フェイト。言ったら、足が止まる。それだけはダメなんだ」
「――うん」
突如として切り替わった世界。表の明るい時間は終わった。
これから先は、裏の暗い時間である。
◆◆◆
彼らの様子をモニターしているものがいる。
男だ。歳は暗くてよく分からないが、少なくともある程度歳を経た男性だ。その傍らには、まるで獣のような、小型の竜のような生き物が鎖につながれている。
男は、モニターの様子をみて満足げに頷き、椅子から立ち上がった。
モニターの隣にはコルクボードが置かれており、そこには複数の写真が貼られていた。
そこに映っているのは男とその隣にいる綺麗な女性。
他の写真には、アクアとフェイトが写っているものがあり、男はそれを見て、一言、高呟いたのだ。
――ベターマン、と
戦闘はアクアとフェイト、推理とか頭脳系はユーノ担当になりますねこのパーティー
なのはさんがいるとパワーバランス崩れそうですが。
目の前で人が死んだのに、取り乱していないのは緊急事態だからなのと、三人とも人の死を身近に感じたことがあるからです。