今回はユーノ君の話。
この作品のユーノ君はオリ設定はいっていますが、レイジングハートともども色々謎な部分が多いので自分の考察から、こうなってしまった。って感じです。
ユーノ君は原作より強化されていますが、ヴォルケンのシグナムさんよりは確実に弱いです。ヴィータには勝てる可能性がある(原作でも攻撃を防いだので)ぐらい。勝率低いですが。
ユーノ・スクライアが遺品の相続をしてから一年の時が過ぎた。その間、基礎能力を高めるために、魔力付加をつけて魔力量をふやしたり、魔法の開発など、自分に出来ることを行っていた彼だが、今現在ある困難に直面していた。
「僕が発掘隊のリーダーですか?」
スクライアの族長に、発掘隊のリーダーをしてみないかといわれたのだ。
自分では仲間に打ち解けているとは思っていないのだが、リーダーなんて務まるのだろうか? どうしてもその疑問が頭から離れない。
「お前が思っている以上に、お前は皆から信頼されているよ。今のお前に足りないのは自信だ。まあ、一度頑張ってみてからでも遅くはないだろう」
「……はい。わかりました」
いくら学校を卒業していようと、自分はまだ8歳。経験が足りないと思うのだが、族長命令であるから仕方がない。
族長のテントをでて、発掘隊が集まっているところへ向かう。やはり自分より年齢が上の人たちばかりだ。
その人たちをみて、やはり自分とは見た目が違うと思う。
ユーノは自分では思っていないが、彼は地球で言うところの難関と呼ばれる大学を卒業できるほどの頭脳を持つ(ただし、経験が足りない部分があるので鈍いところもあるのだが)。
そして、部族内の人たちの顔と自分の顔、その特徴をこの歳でよく掴んでいるのだ。普通、人の顔とは自分が見た人の顔の平均顔を脳内に作ることで、それを基に判別している。
だが、ユーノは自分の顔のパーツ一つ一つをほかの人と見比べることで、自分に近しい人、つまり血縁者がいるのか考えたことがあるのだ。
答えは否。ほかの人からも言われていたが自分には家族がいない。
ユーノは頭が良すぎるがゆえに人に壁を作っていた。
「発掘隊のリーダーに選ばれたユーノです。よろしくお願いします」
隊の中から、同じ部族なのだからもう少し気楽にいけばいいのにという声が上がる。
たしかに、そのほうが良いのかもしれないとユーノは思う。
「ですが、皆さんは僕より経験が上ですので……」
「かたっ苦しいのは嫌いなんだよ!」
「まったく、もう少し子供らしくしてもいいんだぞ」
そういわれ、頭を強く撫でられる。というか、縮むとユーノは叫びたかった。
目を白黒させながらも、遺跡の方へ向かうことになった。皆が話しかけてくる。そういえば、沢山の人と会話したことって少ないな。
この一年、魔法の練習だけじゃなくて、発掘の手伝いもしていたけど……トラップとかの解除をしたり、変身魔法の発展型を使っていたときとか、段々とみんなの態度が変わってきたな……そう思っていると、隊の中で一番年長のものが話しかけてきた。
「そういえば、前はごめんな」
「前?」
「いや、お前が学校卒業した時だよ」
そういえば、彼は学校を卒業したばかりの自分に変な言いがかりをつけてきたことがあったっけ。あの時は姉が追い払ったけど……
「俺、結局学校卒業できなかったから、飛び級で卒業したお前を見てたらなんかむかむかして……ホントスマン!」
「あ、いえ。僕も気にしてませんから」
「そうだぞ、コイツが馬鹿なのが悪いんだから気にしなくていいんだぞ」
「ちょ、いくらなんでもハッキリ言いすぎだろ!?」
紅一点の、長髪の人がものすごくさげすんだ目で見ている。というか、笑っている。
涙目になってしまう男性。その二人の掛け合いを見ていると、なんだか笑えてきた。
「お、やっと笑ったな」
「あ……」
「一年前から笑っているところを見ていなかったからな。心配したんだぞ」
「私達も配慮が足りなかったから……まあ、コイツをからかえばみんな元気になる」
「そうそう……っておいコラ」
なんで、こんなにみんな心配してくれるんだろう。なんで優しくしてくれるんだろう。
ユーノは前とは違うこの状況に戸惑っていた。
「不思議そうな顔だね」
こんどは、丸っこいめがねをかけた男性が話しかけてきた。
「それはね、この一年君が頑張ったからだよ」
「頑張ったから?」
「そう。今までは君が何もしなくても良い結果を出せる天才だと思われていた。だけど、君はこの一年、血反吐を吐くような特訓をしていたし、発掘しているときに誰かが危ない目に遭いそうだったら真っ先に動いたのは君だった。
あの人が亡くなって、君に同情していた人も多いと思う。でも、そんな状況でも、君は前に進んだだろう?
だからこそ、一人きりで頑張っていた君を見てくすぶっていた連中も頑張りだした」
そこまで語ると、めがねの人は「もちろん、僕もね」と付け足した。
たしかに、この人の言っている事にウソは感じない。でも、一番最初に自分を避けていた理由が分からない。自分が学校に通う前からなんか、余所余所しい所があったと思うのだ。
「……もしかして、僕だけなにか見た目が違うから?」
「スクライアの民は色々な人がいる。それでは不十分かい?」
「でも、僕の家族はいません」
「…………それは君の血縁という意味でかい?」
「はい」
「……族長には言わないでくれよ」
そう言って、彼は語りだした。ちょうど自分もむかし参加した発掘調査。ある不思議な遺跡を相手にしたのだが、その遺跡の中の一室。変な魔力を感知した発掘隊はその部屋である赤ん坊を発見した。
「その赤ん坊が君さ。だれかに捨てられたのか、それとも、何かしらの封印で君が眠っていたのかは分からないが……」
「そう、ですか…………このこと、お姉ちゃんは」
「知っていたよ。彼女もそのとき一緒にいたからね。ただ、彼女は何かに気がついたみたいだけどね。今となっちゃ誰も知らないが」
遺書にも遺品にも書かれていないことがあった。いったい、自分は何処から来たのだろう。そんな謎だけが残された。
だが、一つだけヒントが残されていた。
「あ、そうそう。君の持っているレイジングハートだけど、そのときから君の首にぶら下がっていたんだ」
「え、そうなんですか!?」
《はい。私はマスターユーノが赤ん坊の頃より貴方の持ち物でした。それ以前の記録は残されていないので何ともいえませんが》
「どういうわけか君には完全な形で起動できないけど、最新のデバイス並み、いやそれ以上かもしれないスペック。さらに使用者の意思で最適な形に構築する機能。ロストロギアに匹敵するかもしれないよ……ミッド式の魔法を使うし、AIのタイプも出回っている最新のものだったから誰かが作った実験機か試作機ってことで落ち着いたけどね」
そういえば、普通のインテリジェントデバイスとは毛色がかなり違う気がする。
遺跡で発掘されたって族長に聞いたけど……自分も発掘されたとは知らなかった。
「まあ、とにかく目的地はもうすぐだよ」
◇◇◇
目的地には小さな遺跡群があり、そこで手に入れたのがロストロギア『ジュエルシード』の情報。
近くに埋まっていることしか分からなかったが、族長へ持ち帰った情報から再び発掘チームが作られることになった。
今度は大掛かりになる。ユーノ自身はなんとか族長に自分がいた遺跡のことを聞いて自分の出生の手がかりを見つけようと思ったが、
「こ、今度もリーダーですか!?」
「うむ。現場指揮をたのむぞ」
どうやら、長期計画の発掘のためしばらくは無理そうだった。
この後、半年後から始まるジュエルシードを巡る長い戦いが彼の出生の謎を明かすことになろうとは、ユーノは思ってもいなかった。
今回の用語
『スクライア族』
遺跡の発掘などを生業とする一族。
全員が血縁関係というわけでもなく、拾われた子も多い。
ユーノは拾われたという設定になった。詳しくは上の話で。
違法なところには売っていないみたいなので、管理局とも多少はつながりがある。
色々な世界をたびする関係上、一つの世界に留まっているわけではない。
ユーノのように、学校へ行く者もいる。