スーパーストリートファイターCROSS:StrikerS EDITION   作:拳を極めし者

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友達に借りたスマブラ3DSで追加されたリュウを使ってみたらあまりの出来の良さに感激してしまいました。本当は買う気が無かったのですが欲しいと思った時には行動はスデに終わっていましたッ!
調べてみるとこのリュウは今迄のスマブラには無い要素をこれでもかと盛り込んでおり、再現度も非常に高い上に、リュウだけの為に新しいTVCMまで作るなんて優遇され過ぎィィィィッ!!(性能自体はかなり上級者向けですが)
グッジョブ任天堂ッ!!


という訳で駄文失礼致しました。では本編をどうぞ。


第五話「正義 -贖罪と信念-」C

【アナザーside】

[新暦75年 4月某日 早朝 機動六課隊舎 ナッシュの部屋]

「…また()()()の夢か…。最近になって何度目だ…」

 

 ナッシュはフォワード陣との腕試しの日を迎え、目を覚ました。身体は大量の汗でグッショリと濡れている。

 

「毎度の事ながら最悪の気分だ…」

 

 シャワーを浴びながらナッシュは物思いに耽る。

 

「(『あの日』までの私はただ軍の腐敗が許せなかっただけだった。シャドルーを潰し、ベガを捕らえてしまえば軍は在るべき形に戻り、それで終わりだと思っていた。しかしそれは間違いだった。奴等は何も知らない子供を…未来ある若い命をその薄汚い野望の為に利用した。そして私はその子供達を…。

 私は許さない。シャドルーを…ベガを…絶対に…。ベガは身も心も人間ではない。悪魔だ。ただ捕らえただけではいずれ同じ事が繰り返される。そして私自身も許す事は出来ない。これは私が生涯背負わなければならない罪だ。

 だからもう二度とあの少女達のような存在を生み出さない為に!私の生涯と命を賭けてこの手でベガを『処刑』する!!)」

 

 

 

[二時間後 機動六課敷地 湾岸部 陸戦用空間シミュレーター]

 時間が来た。目の前には全員が16歳以下という若過ぎる四人の戦闘員が立っている。

 

「(リュウの言った通り彼女達の目からは強い意志を感じる。だが戦場に…それも最前線に立つという事は常に高確率の死の危険が伴う。そして『覚悟』無しに生き抜けるものではない。この子供達はそれを理解しているのか?)」

 

 フォワード陣を見ながら思索に耽っているとなのはから内容の説明と質疑応答が始まった。途中でティアナと険悪な雰囲気になりかけるが、なのはが二人を落ち着かせて事無きを得る。それらが終わるといよいよ闘いの始まりだ。

 

 舞台はビルの多い市街地。大きなハイウェイが街中を走っており、中心にはリュウがスバル・ティアナと試験で闘った大きなビルが立っている。

 開始と同時にナッシュは猛然とダッシュして中央のビルを目指す。ビルは数の多い方が陣取れば要塞と化すからだ。だがナッシュはスバル達より先にビルへ辿り着くや否やそこで待ち構えずにビルの反対側へ再び走り出した。

 隠れるどころか攻撃して来いと言わんばかりに堂々と道路を走りながら距離を詰めていき、程なくして視線の先に人影が見えるとナッシュは速度を緩める。フォワード陣もナッシュに気付き、建物の陰に隠れた。

 

 ナッシュはこの時僅かに見えた姿と位置取りで彼女達の大まかな役割を予測する。

 

「(右拳と両足に何かを装備したスバル・ナカジマと槍らしき長い得物を持っているエリオ・モンディアル…。二人一緒に前にいるという事はこの二人が前衛の突貫役か壁役。武器…アームドデバイスだったか、それは魔導師は主に『ベルカ式魔法』を修める者が使っているんだったな。この魔法は近接戦闘や一対一の闘いに特化している反面、射撃系の魔法が弱い傾向にあるとあった事から近距離でなければ然程警戒する必要は無い。仮に近接したとしても負ける要素はほぼ皆無だがな。

 キャロ・ル・ルシエは動きが鈍い上に前衛二人に守られるように後ろにいた事から、欠点を上回るメリット…前衛を強力にサポート出来る魔法か勝負の決め手になる魔法を使えるのだろう。出来れば最初に落としたい所だが、前衛が二人いる以上は難しい。

 姿を見せていないティアナ・ランスターは三人から距離を置いて…恐らく上から状況を把握しながら指示を出しているといったところか。距離を置いて指示を出すと言っても攻撃を一切しないとは考えられない…という事はそこから飛び道具を撃って来る可能性が高い。警戒しておくべきだな。

 そして魔導師は念話とやらで通信機も発声も無しに会話が出来るので連携行動も非常に取り易い。それによって一人でも私を視界に捉えたら即全員に筒抜けになるだろう。更に連絡を即座且つ密に取り合えるという事は対処もそれだけ早いという事。こちらから手の内を晒すのは得策ではない)」

 

 走りながら役割の当たりを付けた直後、ビルの上方でオレンジ色の光が見えたと思ったらその場所からオレンジ色の弾丸が連続で飛んで来た。しかし最初から上方を警戒していたのでナッシュの反応は早く、ステップで難無く躱す。

 

「(やはり飛び道具を撃って来たか。隠れて射撃しようにもあんなに目立っては視界に入ってさえいれば直ぐに気付かれてしまって意味が無い。この魔法は不意を衝くには向いていないな。弾は小さく、絶え間無く連射してくるという事から威力や命中精度よりも速射性と牽制力を重視していると推測出来る。そして撃って来たタイミングから凡その射程も分かった。次は下の三人がどう動…)」

 

 その時偶然ナッシュのステップの硬直を数発の弾丸が捉えた。

 

「チッ!」

 

 このままでは直撃する。ある程度予測が出来ているとはいえ、この魔法の詳細が正確には分からない以上は喰らわない方がいいと咄嗟に判断していたナッシュは反射的に払い除ける行動に出る。

 

「フッ!」

 

 掛け声と共に音速の拳が空気を震わせ、空を切った拳は弾を消し去った。

 

「(やれやれ。早速手の内を晒してしまったか)」

 

☆☆☆☆

[ヴォルケンリッター組]

「あれがガイルの言っていた『音速の拳』か。飛び道具の技は見た事はあるが…この技はただ速いだけのパンチではないんだな。ヴィータとザフィーラは見た事があるのだろう?どのような技なんだ?」

 

 その様子を見ていたシグナムはナッシュの技に感心しており、その詳細の説明を求めた。

 

「そういやシグナムは初めて見たんだったな。ビックリしたろ?アタシも初見は驚いたからな。ナッシュの話によると飛び道具は同じ技でも拳の握り方とか腕の振り方とかで色々なバリエーションがあるらしいぜ。今のもその一つで拳から何か出して触れずに殴る技だ。

 あれで『気』も魔力も使ってないって言うんだから信じられねえよな。リュウのいる世界はあんな奴がゴロゴロしてるのかねぇ」

 

「しかも飛び道具の方と違って連続で繰り出せる。私も似た性質の技を使えん事もないが音速は出せんし魔力を用いずには不可能だ。あの技は何度か間近で見て来たが…いつ見ても見事だ。格闘家とは実に不思議な技を使うな」

 

「飛び道具も今の技も『拳から出した』じゃなくて『拳を振り抜いて発生させた』と言った方が正しいわね。

 今のは風…じゃなくて衝撃波を起こしてるわ。普通なら音速を超えると空気の壁と衝突して拳が無事じゃ済まない筈なのに、あれ程の衝撃波を生み出してなお拳が何ともないなんてどんな構造してるのかしら…。仮にだけど普通の『人間』どころか私達が同じ技を使えたとしても衝撃緩和の魔法で保護しないと拳が砕けるでしょうね」

 

「拳の強度と速さを極めれば特殊な力を用いずともこんな事が可能なのか…。やはり『人間』とは無限の可能性を秘めているのだな。私も負けずに剣の腕を磨かねば…!」

「……シグナムはマジメだねぇ」

☆☆☆☆

 

 弾を払った途端に射撃が止んだが、数秒後には再開。ナッシュは再びステップで避けながら少しずつ接近していく。弾を消されたティアナは動揺しつつもナッシュの能力を懸命に分析していた。

 

「(まさか魔力弾が素手で払われるとはね…。格闘家がここまでデタラメな存在だとは思わなかったわ…。半端な威力じゃ無効化されて魔力の無駄になるだけ…!なら払えない程強烈なのを撃ち込んでやる!)キャロ!威力強化お願い!」

 

 ティアナはタイミングを見計らって再び手を止め、銃口の前にスフィア(球状に固めた魔力)を形成しながらキャロに補助を頼んだ。

 

「はい!ケリュケイオン!」

 

 キャロの、両腕に身に付けたフィンガーレスグローブの手の甲に大きな宝玉の付いたグローブ型ブーストデバイス(魔力射出及び射出した魔力の制御を補助するデバイス)「ケリュケイオン」が彼女の呼び掛けに応えてピンク色の輝きを放つ。

 

《Boost Up,Barret Power.》

 

 

 

 

 数秒後に再び射撃が止んだのでナッシュはここぞとばかりに距離を縮めるべく走り出したが、その直後に先程の数倍のサイズの弾が飛んで来た。だが大きいとはいえ弾速は先程の飛び道具と変わらないので回避自体は楽だった。

 

「(…大きいな。形自体は先程の魔法と同じだが…大きくなったという事はそれだけ威力が上がった可能性が高い。この魔法は単純に魔力の弾丸を当ててダメージを与えるだけの魔法のようだな。しかし…)」

 

 しかしナッシュから逸れた弾が地面に着弾するとその場所に大きな穴が空く。

 

「(見た目通り威力は先程の比ではない。しかも上手く誤魔化しているつもりのようだが…私を避けて地面へ落ちる割合が多い。足場を悪くして私の動きを制限するつもりのようだが射撃の正確さが災いしたな。辺りを万遍なく撃っていては作戦を教えるようなものだ。作戦自体は悪くないが詰めが甘い!)」

 

 ナッシュは足を止めると両腕で弾を迎撃し始めた。最初のうちは余裕を見せていたが、直ぐにその余裕は消えた。

 

「(思ったより威力があるな。油断したら押し切られそうだ。そして直撃したら少々まずいかもしれん。だが…望み通り足を止めてやったぞ。早く次の一手を見せてみろ!)」

「(強化した弾まで…。拳から出した何かであたしの弾を…!)」

 

 ナッシュが強化弾を迎撃しながらフォワード陣の出方を窺っていると、スバルが物陰から飛び出して右拳を突き出した構えを取った。

 

「(この距離で構え…ベルカ式の射撃魔法か。射撃魔法の不得手なベルカ式に射撃魔法を撃たせるという事はダメージの大きさ以外の利点があるという事。隙を突いたつもりだろうが…今の状態でも攻撃は出来る!)」

 

 ナッシュは連射が弱まった一瞬の隙を狙い、右腕を大きく引いてスバルのいる方向へ振り抜きながら叫ぶ。

 

「ソニックブーム!!」

 

 振り抜いた拳から衝撃波が発生し、スバル目掛けて飛んで行った。

 

 

 

 攻撃が来る事を予想していなかったスバルは反応すら出来ずにそれを顔面に受け、一撃でよろめいて倒れた…かに見えたが、何とか踏み止まったようだ。

 

「(この一撃でK.O.するつもりだったが…ボディリミッターで力を抑えられている上に無理のある体勢でのソニックブームではこんなものか。そう…原因はそれだけ…それだけの筈だ…)」

〈(なんであの状態から攻撃出来るのよ…!)スバル!攻撃受けたみたいだけど大丈夫なの!?〉

 

 スバルがソニックブームを喰らった直後にティアナは念話でスバルに話し掛けたが、スバルは全く意に介さず別の事に気を取られていた。

 

「(返事が無い…様子が変だ。あの目付き…勝手に突っ込む気ね、あのバカ!)」

 

 ティアナはスバルが走り出す前にキャロへ指示を出した。

 

「キャロ!チビ竜の『あれ』お願い!狙いは二人の間よ!」

「はい!フリード、ブラストフレア!!」

 

 キャロが叫ぶとフリードリヒの目の前に自分の顔より大きい火球が現れた。そして…

 

「ファイア!!」

 

 フリードリヒはキャロの掛け声に従い、二人の間に撃ち込んだ。

 

 

 

 時は数秒前に遡り…

 

「うああああああ!!」

 

 スバルは焦燥に駆られた表情になりつつも叫び声を上げながらナッシュへ向かって行った。

 

「(ソニックブームを喰らって逆上したか。ならばそれを利用してカウンターで!…止めを…刺す…)」

 

 ナッシュは弾を捌きながらスバルに狙いを定める。

 

「(逆上しているなら誘い込むのは簡単だ。ガードを上げている場所へ撃ち込む…。私よ、躊躇うな!)ソニックブーム!」

 

 スバルが走り出した直後にソニックブームは撃ち込まれ、目論見通りスバルはそれを右腕で防御しつつ速度を上げて向かって行く。

 

「(ま…また…。両手が塞がってる筈なのになんで平然とスバルを攻撃出来るのよ…!デタラメ過ぎる!)」

 

 ところがスバルの進行は直ぐに仲間によって止められる事となった。火球は地面に着弾すると一瞬で燃え広がって二人の行く手を阻んだからだ。そして同時にティアナは炎で視界を遮られてナッシュを見失ってしまった。

 

☆☆☆☆

[ストリートファイター&なのは組]

 ブラストフレアを初めて見たリュウ達三人は…

 

「まるでナパーム弾のような炎だな。戦略兵器として米軍に欲しいくらいの生物だ」

「これ程の炎を生み出せる生物が『あのインド人』以外に存在していたとはね。…って言ってもあっちの炎は全然質が違うけど。でもいちいち指示しないといけないみたいだから個人戦向きじゃあないわね」

「正確にはキャロの力で『着弾時爆裂効果』と『簡易バインド』が付加されています。広範囲の炎に加えてバインドで動きを鈍らせる事もできるから距離を置いて連続で撃ち込まれるとかなり厄介ですよ。

 でも春麗さんの言う通り毎回指示しないといけないから個人戦には不向きだし、爆裂後の炎は飽くまでただの炎だから物理的な破壊力は無いし、バインドは火球が直撃しないと効果が弱いっていう欠点もあります。まあ、チーム単位で動く分には問題ないんですけどね」

「そっか、説明ありがとう。…それにしてもあの子、頭に血が上りやすい性格みたいね」

「あの程度の不意打ちで自分を見失うとはまだまだ甘いな」

 

「………」

「あれ?リュウさん、どうしたの?」

「…いや、何でもない」

「…そう。ならいいんだけど」

「(不意打ちで逆上…。本当にそれだけか?)」

☆☆☆☆

 

「(一瞬で炎が数十mの広範囲に…。まるでナパーム弾…!だが射撃が止んだ今が接近のチャンスだ!)」

 

 再び巡って来た接近のチャンス。ナッシュは両足に渾身の力を込めて深く屈み込んだ。

 

「(奥は見えんが並んだビルと比較すれば大凡(おおよそ)の炎の規模は推測可能だ。炎の直線距離は40〜60m程度、高さは5m前後…。炎は直接浴びても耐えられる温度…。仰角良し…。炎から発せられる熱には身体の動きを若干縛る効果有り…。だがこの程度なら…今の私の身体能力でも問題無い!)」

 

 そして次の瞬間…

 

「ハアッ!!」

 

 カタパルトで射出されたかのようにナッシュは炎へ向かって飛び出して行った。

 

☆☆☆☆

[ヴォルケンリッター組]

「おいおい、今の何m跳んだんだ?しかもまだ余裕がありそうに見えるな」

「リュウが『技』で高く跳ぶのを見た事はあるがただのジャンプでこれ程に長距離のものは私も見た事が無い…と言うよりあのジャンプも『技』なのかも知れんな。必要に迫られなかったから今まで見せる必要も無かったという訳か」

 

 ヴォルケンリッターの中で最もナッシュとの付き合いが多いヴィータとザフィーラでもこれを見た事が無く、一様に驚いていた。

 

「身体能力を制限されているにも関わらずあのジャンプ力で尚且つまだ余力があるとは…。後は高さも有れば空中戦にもある程度対応出来るだろうな」

☆☆☆☆

 

「(このまま落下と同時にムーンサルトスラッシュで…)」

 

 ナッシュは跳び上がっている最中にスバルを一撃でK.O.しようと考えていたが、炎の切れ目からスバルの顔が見えた時…

 

「(…チッ…)」

 

 何故か攻撃を止めてそのまま着地してしまった。

 

「あ…」

 

 立ち上がるナッシュを見てスバルは身体が強張る。

 

「(この程度で怖じ気付くか…未熟者が!だが…それでいい…)」

 

 ナッシュがクロスレンジに入るまでスバルは一歩も動けなかった。

 

〈スバル!早く逃げなさい!〉

 

 ティアナは念話で警告を発したが今のスバルには聞こえなかった。

 

「(身体が竦んで動けないの!?しかも二人の距離が近過ぎて撃てない…!)」

 

 我に返ったスバルが咄嗟に攻撃しようとしたその時…

 

「フッ!」

 

 音速を超える拳がスバルの身体を掠めて行った。

スバルはそれに危険を感じたのか即座に後退りして距離を取ったが、ナッシュは構わずゆっくりと歩いてスバルへ接近する。

 

「怖いか?」

「!?」

 

 突如話し掛けられたスバルは再び身体が固まる。

 

「当然だ。人は自分に死を予感させる力や自分の想像を超えた力が自分に牙を剥いた時、恐怖を感じるものだからな。(そう…それでいいんだ。恐怖するがいい…)」

「あ、あたしは怖くなんて…」

「だが戦場ではそんな甘えは許されない。恐怖に足が竦んだ者に訪れるのは『死』のみだ。戦場でないこの闘いでさえもそんな状態になってしまうなら尚更だ」

 

☆☆☆☆

[ヴォルケンリッター組]

「こんな時に戦闘の心構えの講釈かよ。ナッシュの奴…まさかこんなことの為にこの模擬戦組んだんじゃねえだろうな」

「あのナッシュがそんな事だけの為だけにこんな大掛かりなものを仕組んだとは思えんが…」

「ヴィータ、自分で言った事を忘れたのか?恐らくこれはナッシュの『譲れない部分』なのだろう」

「…確かにな。これであいつの心の内が少しは分かるかもってことか」

☆☆☆☆

 

〈(あんなに接近しておいて…ナッシュ中尉はスバルを倒す気が無いの?)…キャロ、エリオ。少し様子を見ましょう〉

〈〈りょ、了解…〉〉

 

「………」

「そして危険に対する警戒心の無い者も生き残れない。もしここが戦場だったなら君は四回は死んでいた。

 

 

 

………

………

………

 

「敵が自分の目の前にいるのに君は攻撃するどころかこの距離になるまで動こうともしなかった。私も結局は先程の攻撃を当てなかったが…それは君とこうして話をする為だ。(そうだ。決して…躊躇った訳ではない…!)これが何を意味するか分かるか?」

「………」

「…やはり分からんか。では質問を変える。君は何故、何の為に『機動六課にいる』?(これで答えが甘いものなら…!)」

 

「…憧れた人に追い付く為、助けを求める人を一人でも多く助ける為、自分の弱さに勝つ為…です」

「………」

 

 ナッシュは目を閉じて少しの間沈黙した。

 

「(憧れや目標か…。それが闘いの場でなければ良かったものを…)。そうか…。理由はそれで全部なんだな?」

「…はい」

「最後の質問だ。君に『覚悟』はあるか?」

「…昔のある出来事をきっかけにずっと…。どんなに辛くても険しくても、必ずやり遂げます。それがあたしの…全てだから」

 

 ナッシュは再び下を向いて沈黙。

 

「そうか…。(やはり命の遣り取りをする覚悟は念頭に無いか…)」

 

 息を深く吸い込んで再びスバルに顔を向ける。

 

「ならば『お前』は…。(覚悟を決めろ…それがこの子の為なんだ…!)」

 

 そしてナッシュがスバルに一言告げようとした時…

 

〈(ナッシュ中尉の様子がおかしい…まさか…!)スバル逃げ…〉

 

 ティアナはナッシュの変化に気付いてスバルに警告しようとしたが…

 

「機動六課から去れ」

 

 時は既に遅く、その一言と同時にスバルは怒涛の蹴りの連撃をその身に浴びた。

 

 

 

 倒れる事すら許されないキックのラッシュが終わると、スバルは攻撃の勢いで伸び上がった後に糸の切れた操り人形のように膝から崩れ落ちた。

 

「(私の覚悟とは…この程度だったのか…!)」

 

☆☆☆☆

[ヴォルケンリッター組]

「…ありゃあそのまま撃墜か、そうでなくてもしばらくは目が覚めねえな。ところでナッシュの奴、あのラッシュの最後に変な止まり方しなかったか?」

「ああ。技の流れから察するに締めの一撃が足りないように感じたが…敢えて出さなかったように見えたな」

「出さなかった…と言うより『強引に止めた』と言った方が正しいな。我が主から『本来は子供に優しいと聞いた』とは聞いていたが…ここに来てそれが迷いとなったか」

「あの人…すっごく…辛そうです…」

「リイン、彼はあの子達とだけでなく自分とも戦ってるの。私達はそれを見届ける義務があるわ。目を背けちゃダメよ」

「はい…です…」

☆☆☆☆

 

「(だが…暫くは目を覚まさない筈…。このまま終わらせてやる!かかって来い!!)」

 

 スバルが白目を剥いて完全に沈黙したのを確認すると、ナッシュは悠然と歩いてティアナ達のいるビルへ向かって行った。

 

 

 

【アナザーside…END】

 第五話「正義 -贖罪と信念-」…END

 

 

 

【次回予告】

リュウ「遂に迎える決着の時。全ての思いを吐き出し、男は吠える。男は再び拳を握り締め、心の闇を切り開けるのか…」

 

なのは「少女達は己の身を振り返り、彼の拳と思いを受け止める。『明日は我が身』と糧にして…」

 

 次回 スーパーストリートファイターCROSS:StrikerS EDITION

 

 第六話「決着 -約束と結束-」

 

 TAKE OFF.




ナッシュは胃をキリキリ痛めながら闘っているワケです。
将来ハゲないか心配ですね。
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