スーパーストリートファイターCROSS:StrikerS EDITION   作:拳を極めし者

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第六話のナッシュの話は膨らませ過ぎて長くなってしまいました。現在のところぶっちぎりで一番長いシナリオとなっています。


第六話「決着 -約束と結束-」B-1

【アナザーside】

〈スバル!しっかりしてスバル!〉

 

 ティアナはスバルに呼び掛けるが、当然返事は無い。

 

「(スバルを会話で油断させておいて…。許さない!)」

「スバルさん!今助けに…」

「エリオはまだ待機!さっきの見たでしょ!?迂闊に飛び込んだらあの飛び道具で撃ち落とされるかあのパンチや今のキックで即撃墜よ!それに本来なら走って向かってくればいいのに歩いてるって事は誘ってんのよ!」

「りょ…了解!」

 

「(来ないか。傍から見れば今の私は『会話で油断させた後の不意打ち』という行為を行った卑怯者に見える筈だ。それに憤りを感じて誰か一人くらいは無防備に姿を晒して攻撃してくると踏んでいたが…恐らくはティアナ・ランスターの仕業か。子供の割に感情のコントロールはなかなかのものだ。将来は指揮官か隊長に向い…能力評価をしている場合ではなかったな。今は心を無慈悲に…!)」

 

「キャロ!『鎖』で縛って!」

「了解です!」

 

 キャロが魔法の発動準備に入り、其の間ティアナは射撃で時間稼ぎを行う。

 

「(射撃が再開された途端、ティアナ・ランスターのものとは違う色の光が輝き始めた…。足止めを必要とする大掛かりな攻撃を行う気だな)」

 

 

 

「我が求めるは…戒める物、捕らえる物…。言の葉に答えよ、鋼鉄の縛鎖…」

 

 キャロが詠唱を行うとナッシュの足下にピンク色の魔法陣が現れた。

 

「(やはりか…!離れなければ!)」

 

 危険を感じたナッシュは即座に魔法陣から離れようとしたが…

 

「遅い!」

 

 ティアナは機関銃のような連射でナッシュをその場に釘付けに。先程とは違い、本気で撃墜するという気迫の込められた攻撃だ。

 

「(この連射速度は…!先程は力を抑えていたという事か!威力は弱いが躱し切れん!足を止めて捌くだけで精一杯だ!)」

 

「今よキャロ!」

「錬鉄召喚…!アルケミックチェーーーーン!!!」

 

 キャロが叫ぶと魔法陣から10本の鎖が出現し、生きているかのようにうねってナッシュに襲い掛かった。同時にティアナは鎖の動きを妨げないように射撃を止めて様子を伺う。

 

「(鎖で私の動きを封じて追撃で決める気か…!させん!)」

 

 鎖はナッシュを取り囲みながら範囲を狭め、尖端が上に伸びてナッシュの頭上を覆う。ドームは閉じ、そのままナッシュが鎖に捕らわれたと思われた次の瞬間…

 

「サマソ!!」

 

ドーム状にナッシュを囲んでいた鎖に二つの亀裂が入り、切り裂かれて地面へ落ちていった。

 

☆☆☆☆

[ヴォルケンリッター組]

「剣を持っている訳でもないのにあの鎖を両断とは…。一体どんな技を?」

「切れ目の軌道が前に見た技と似てるな。それと同じなら多分キックの技だ。よくもまああんな動きであんな刃物みてえなキックが打てるもんだ」

「改めて驚かされる…。私の技にも活かせぬものか…」

「あんな斬撃のような技がキックだとしたら…あのパンチも組み合わせたら徒手空拳でもシグナムの剣と切り合えそうだわ。バリアジャケットなんか問答無用で切り裂きそうね。騎士甲冑でも防ぎ切れないかも」

「刃も持たぬ斬撃に私の剣が負ける訳が無い…と言いたいところだがあれで本来の威力ではない以上、断言は出来ん鋭さだ」

☆☆☆☆

 

「そんな!あの鎖は鋼鉄製なのに鋏で毛糸でも切るように…!」

「くっ、これでもダメなの!?」

 

 その様子を見ていたエリオとティアナは驚愕するが…

 

「まだです!見てください!」

 

 キャロの声に反応して注視すると、切られずに残っていた2本の鎖がナッシュの左腕を、1本の鎖が左足を縛り上げていた。

 

「(くっ…流石に全部は切れなかったか。早く残りを切らねば!)」

「よし!これで充分時間は稼げるわ!エリオ!トドメ行くわよ!あたしの攻撃に続いて突撃して!」

「了解!」

「(こちとら射撃型…。無効化されて『ハイそうですか』って引き下がってたんじゃ…この先生き残れないのよ!!)」

 

 ティアナはカートリッジ二個を使い、銃口の前に魔力を集め始める。

 

「(攻撃用の弾体を膜状バリアで包む…。この魔法はあの人も知らないから有効なはず!せめてあのパンチ一撃分だけでも外殻が耐えられれば…本命の弾はターゲットに届く!!)」

 

☆☆☆☆

[ストリートファイター&なのは組]

「む、ティアナのあの魔法…始めて見るな。キャロの強化と似ているように見えるが…」

「リュウさんはティアナの訓練担当じゃないから知らないのも無理ないよ。あれはフィールド系防御魔法を突き抜ける『多重弾殻射撃』って言って、AMFに対して有効な攻撃なの。それに加えて遠隔誘導もあるね。

 AMF対策ってだけじゃなくてカートリッジ二個を使っているだけあって威力はブーストアップした魔力弾よりずっと上だし、簡単には壊れないし、弾かれても複数回攻撃出来る。本来はAA(ダブルエー)ランクのスキルなんだけどね」

「AA…。確かティアナはBランクになったばかりだったな。大したものだ。本人の努力が伺える技だな」

☆☆☆☆

 

「(固まれ…固まれ…固まれ…固まれ…!)でやああああああああ!!」

 

 ティアナが気合を入れると大きくなった弾が膜状のバリアに包まれ、最終的には数倍のサイズに膨れ上がった。

 

「ソニックブーム!」

 

 ナッシュはソニックブームで左足の1本を切断したが…

 

「ヴァリアブル…!シューーーート!!!」

 

 次の行動に移る前に巨大な弾丸が円形の煙を上げて飛び出し、ナッシュ目掛けて襲い掛かっていった。

 

 

 

 

「(先程より更に弾が大きい…。恐らくソニックブームでは迎撃出来ん。ならば!)ソニックブーム!」

 

 ソニックブームで鎖を2本同時に切り裂こうとしたが、切断は叶わず7割程度の切れ目の入った状態となった。

 

「(この体勢ではこれが限界か…。回避が間に合わん!このまま迎撃せねば!)」

 

「キャロ!エリオの強化!」

 

「はい!我が乞うは疾風の翼…」

 

キャロはティアナの指示により詠唱を開始。ナッシュは右拳に力を込め、大きいテイクバックで振りかぶり…

 

「オオ!!」

 

 全力で拳を振り下ろした。

 

 

 

 轟音を伴って発生した衝撃波は拳より遥かに大きな軌跡を描いて弾丸を弾き、軌道が逸れた弾丸はナッシュの横を通過していく。

 

「(叩き落とすつもりだったが逸らすので精一杯か。全力でなければ危なかった…)」

 

「まだまだぁ!!」

 

「何っ!?」

 

  …が、ティアナは弾丸を誘導して再びナッシュへ向けて飛ばした。

 

「グッ…」

 

弾丸の風切り音に気付いて振り返ったナッシュだったが時は既に遅く、弾丸は鎖で引っ張られて動かせない左上腕に命中し…

 

「アアアア!!」

 

 直撃したナッシュは鎖が千切れる程の勢いで吹き飛んだ。

 

「若き槍騎士に…駆け抜ける力を…!」

 

〈Boost Up. Acceleration.〉

 

「行くよ、ストラーダ!」

 

 キャロの魔法によりエリオのデバイスがピンク色に発光して爆発的な加速力を得、機を見たエリオが名前を呼ぶと彼の槍型アームドデバイス「ストラーダ」が刃の噴射口から魔力の噴射を始めた。

 

 

 

「(僕の取り柄はスピードだけ…。だから絶対に決めてみせる!!)」

 

「エリオ!今!」

 

 もう一度ナッシュへ向けて弾丸を飛ばしたティアナはエリオへ指示を出すと、エリオはストラーダを後ろに引き…

 

「行っけぇぇぇぇ!!」

 

〈Speerangriff.〉

 

 ストラーダが叫ぶと噴射が一瞬にして爆発的に強まり、前に突き出すとエリオの足が地面を離れてストラーダと共に空を駆け降りて行った。これがエリオの魔力付与槍撃「シュペーアアングリフ」である。

 

 

 

「うおおおおおおお!!」

 

 エリオが気合の雄叫びを上げながらナッシュへ突貫。ナッシュはまだ吹き飛んだままだ。

 

「(ひ…左腕が…。だが…負け…られん…!保てよ左腕!)」

 

だが吹き飛んだナッシュは身を翻して何とか体勢を立て直し、右腕を大きく引いた。

 

「ソニック!!」

 

 右腕からソニックブームを放ち弾丸へぶつけるが、強固な魔力弾は小さくなりながらも依然としてナッシュへ向かって行く。ところが…

 

「(そんなんじゃ…)」

「ソニック!!」

「!?」

 

 間髪入れずに左裏拳から二発目のソニックブームが撃ち込まれるとそれが外殻を貫き、弾丸は衝撃波に打ち砕かれて跡形も無く消失した。

 

「ソニック!!」

「(ぐっ!)」

 

 連撃は止まらない。左後ろ回し蹴りから放たれた三発目のソニックブームが突貫して来たエリオへ撃ち込まれ、ストラーダの穂先へ命中した。

 

 突貫の勢いは弱まったがエリオはまだ止まらない。

 

「ソニックブレイク!!!」

 

 しかしナッシュの攻撃もまた終わっていなかった。右回し蹴りから放たれた四発目のソニックブームが再び穂先へ命中。その衝撃でストラーダの刀身は砕け、貫通したソニックブームがエリオ本人の胴体を直撃した。

 

 

 

「(強…すぎる…)」

 

《K.O.!!》

 

 エリオは突進が止まるどころか投げ捨てられた人形のように後方に吹き飛び、ビルの壁面に叩き付けられてから地面へ落ちて行った。

 

「エリオ・モンディアル、バイタリティ消失により戦闘不能とみなし撃墜となります」

 

☆☆☆☆

[ストリートファイター&なのは組]

「な…何だ…最後のソニックブームの威力は…。あの突進を相殺した上であれ程吹き飛ばすとは…!」

「わ…私も初めて見たわ…。ナッシュがあんな技を隠してたとはね…」

「最後のソニックブームは威力も凄いけど…一撃目の数倍は速かった…。ガイル少佐、あの技は一体…」

 

「あれは遠心力で加速しながらソニックブームを連射するナッシュの必殺技だ。一撃毎にパワーとスピードが上がる特徴がある。通常状態では足からのソニックブームは撃てないが…この技でのみ遠心力で加速すれば足からも撃つ事が出来る。ボディリミッターが無く万全な状態ならバリエーションも増える。実は更に奥の手も有るんだが…こればかりは教える訳にはいかん。ナッシュにも口止めされているからな。

 ボディリミッターで弱くなっているとは言え、小僧は運が良かったな。最後の一撃は槍がクッションにならなければ重傷を負っていただろう。…まあ、ナッシュの事だから直接槍だけを狙ったのかもしれんがな」

 

「このままでも充分強力なのにその先が有るのか…。底の知れない男だな…」

「(…とは言ったものの…正直なところこれ程の技の切れは俺ですら見た事が無い。とうとう吹っ切れたか…)」

 

 ガイルですらも今のナッシュの強さに驚いていた。

 

「………」

「ヴァイス、どうした?」

「いえ…気にしねえでくだせえ、ガイルの旦那…」

「?…そうか」

「(ティアナのヴァリアブルシュートの手応え…。ナッシュの旦那は多分左腕が…)」

☆☆☆☆

 

「(何とかなったか…ぐっ!…左腕はもう…。

 屋上の二人が攻撃して来ないのは…仕留め切れなくて動揺したか…何らかの理由で攻撃出来ない状況になったかのどちらか…。スバル・ナカジマはそろそろ目を覚ます頃だろう。せめて合流する前に…!)」

 

 

 

☆☆☆☆

[ヴォルケンリッター組]

「ナッシュ…巧妙に隠しているが左腕を随分と脱力しているな。あの様子だとティアナの一撃で左腕が折れたようだ」

「…そうか。流石は我々の中で最も格闘術に秀でたザフィーラだ。お前が言わなければ我々は気付く事が出来なかっただろう」

「んー、なるほどな。明らかに防御も回避も無理なタイミングだったからな。しかも喰らったのは射撃型の決め手の一つだ。むしろ生身で喰らってその程度で済んだのがおかしいくらいだよ。あいつも『人間』なのにあたしら並に丈夫な体してんな。そういうのはリュウだけかと思ったぜ。けど動かすのも辛いだろうに…。あんな腕に負担のかかりそうな技を使っちまったんだからもう左腕は使い物にならないんじゃねえか?」

「だろうな。だがそれを殆ど感じさせない身の熟しと物腰…賞賛に値する。それもここまでかも知れんが…」

「でもティアナはもう殆ど動けないわ。キャロは今のところ接近戦だと無力だし…。スバルが早く来ないとこのままナッシュ中尉の勝ちね」

☆☆☆☆

 

「ウ…ウソ…。仕留め…切れなかった…?」

 

 ティアナは両膝を突いて肩で息をする。消耗が激しく立ち上がる事すらままならない。

 

「ティアさん!…フ、フリード!」

 

 キャロは慌ててフリードリヒに指示し、火球を連射させた。手数を重視した為に一発一発が小さく弾速は遅い。ナッシュは跳び上がりながら身を翻してこれを回避し、二人がいる屋上へと降り立った。

 

 

 

「「!?」」

 

 ゆっくりと立ち上がってティアナとキャロを順に鋭く睨み付けると二人は背筋が凍り付くような感覚に襲われ、更には身体が震え出し、視線する変えられない程の恐怖で硬直してしまった。

 

「お前達に問おう…。お前達は何故…機動六課にいる?」

 

しかしナッシュはそんな事を気にする様子も無く二人にスバルの時と同じ質問を投げ掛ける。

 

☆☆☆☆

[ストリートファイター&なのは組]

「む、スバルの時と同じ質問か。あの質問にはどんな意味が…」

「意味など無い。…強いて言うなら『背負う為』だな」

「…ガイル、何を背負うって言うの?」

「見ていれば分かる」

「(私は分かる。あの人はあの子達の…)」

「(ナッシュの旦那…)」

☆☆☆☆

 

「「………」」

 

 ティアナとキャロは金縛りを解かれたかのように我に帰ると無言で顔を見合わせ、しばしの沈黙の後にティアナから話が始まった。

 

「あたしは家族…亡くなった兄の汚名を雪ぐ為…兄の夢だった執務官になる為…その近道だからです。誰に何を言われようと…何に阻まれようと…絶対に譲れない…。兄さんはあたしの憧れで…誇りだから…!」

 

「(命を落とした家族が汚名を被せられ、それを自らが返上する為に闘う…か)」

 

「わたしは…今よりもっと小さい頃に一族から捨てられました。生まれつき持っていた私の『力』が『危険だ』『災いを呼ぶ』って…。それからいろんな場所で保護してもらったけどどこの誰もわたしの事を怖がって…。そのうちにちょっとした事で暴走してしまうこの『力』が自分でも怖くなって…。それで…『わたしはどこにも留まっちゃいけないのかな』『わたしの居場所はどこにもないのかな』って思ってふさぎ込んじゃいました」

 

「(チッ…何処の世界も強過ぎる『力』は迫害を呼ぶのか…!)」

 

「でもフェイトさんがわたしを保護してくれて…。わたしの『力』の事を知ってるのに優しくしてくれて…。わたしのわがままもいっぱい聞いてくれて…。わたしに会う度にうれしそうにしてくれて…。その時思ったんです。『わたしはここにいてもいいんだ』『わたしの居場所はここなんだ、この人のそばなんだ』って。だからわたしはフェイトさんのためになにかをしたくなったんです。それからしばらくしてわたしの『力』を活かせるお仕事として紹介してもらった自然保護隊の人達にもいっぱいお世話になって、いろいろなことを学びました。

 望んで手にした『力』じゃないけど…決めたんです。この『力』がフェイトさんの役に立つなら…私の『居場所』を守れるなら…この『力』を使うって!…そう考えたからです。エリオ君もわたしと同じような理由でフェイトさんに保護されました。だからたぶん…エリオ君もわたしと同じ気持ちだと思います」

 

「(それぞれが重いものを抱えながら戦場に臨もうとしているのか…。若いと言うのに何と強い子達だ。だが…だからと言ってそれが…子供が命の遣り取りをしていい理由には…ならん…!)」

 

 

 

ナッシュは下を向きながら自分を奮い立たせると…

 

「…そうか。だが…」

「「…?」」

 

呼吸を整え、心を整理した。

 

「闘いが起こり、逃げる事は叶わず、敵を殺すしかなくなったらどうする?」

「あたし達の魔法には非殺傷設定があります。それで…」

「敵に非殺傷設定が効かなかったらどうする?実際に私の様に効かない者がいるというのに考えが温過ぎるぞ。

それだけではない。効いたとしてもダメージだけでは止まらぬ者が相手だったら?敵が自分の仲間や家族、守りたい者だったら?そのような可能性を考えた事があるか?」

「そ…それは…」

「自分が人を殺し、そして人に殺される可能性を考えた事はあるか?」

「「………」」

「無いだろう。子供なら当然だがな。

…目標や信念の為に戦場に立つ事を否定はしない。だが…確固たる意志の無い者は生き残る事は出来ず…『覚悟』の無い者は戦場に立つ資格すら無い。よってお前達は……(これもお前達の為だ…!)」

 

 ナッシュは喋りながら体を捻って小さく前方宙返りを行い…

 

「資格無しだ」

「えっ」

 

 右足の踵をティアナの頭上に振り下ろした。次の瞬間、ティアナは地面に叩き付けられた反動で頭が小さくバウンドし、再び地面に接触するとそのまま動かなくなった。

 

 

《K.O.!!》

 

 

 ナッシュは更に体を捻りながらキャロに背中を向けて着地。

 

「ひっ…」

「サマソ!!」

 

 間髪入れずに背を向けたまま宙返りしつつ、両足の踵で顔が青ざめたキャロの顎を連続で蹴り上げた。するとキャロは蹴りの勢いで小さく浮き上がって一回転した後、地面に落ちて倒れ伏し、動かなくなった。

 

 

《K.O.!!》

 

 

☆☆☆☆

[ヴォルケンリッター組]

「ナッシュさん…。なんで…辛そうな顔をしながらあんなひどいことするですか…」

「決まってるだろ。『覚悟を決めた』からだよ」

「私にもやっと理解出来た。ナッシュはフォワード陣を…」

「ああ、『戦わせたくない』という事だったのだな。いや、正確には『死なせたくない』か。…四人はまだ若くとも並ならぬ思いで機動六課に入って来た者達だ。口だけでは聞き入れて貰えないと考えた結果の行動がこれなのだろう」

「知的で聡明なのに…不器用な人なのね…」

☆☆☆☆

 

 

 

「ハアッ…ハアッ…」

 

 疲労からか、はたまた心労からか、ナッシュは右手で胸を押さえながら息を激しく乱している。

 

「(スバル・ナカジマは…もう来る頃か…)。ハッ!」

 

 ナッシュはビルから飛び降りると…

 

「(グッ!)」

 

 飛び降りた衝撃で左腕に激痛が走るが歯を食い縛って耐え、表情を崩さず涼しい顔でスバルを待ち構えた。

 

【アナザーside…TO BE CONTINUED.】




とうとう迷いを捨てたナッシュでした。
頭がいいのに悲しい程に不器用な男がこのナッシュなのです。
次はスバルとの意地の張り合いです。
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