スーパーストリートファイターCROSS:StrikerS EDITION   作:拳を極めし者

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今回はリュウがかなりネガティブ思考に走りますが、このリュウは元々一度悩むと深みにはまりやすいタイプになっています。


第八話「出動 -新人と客人-」A-3

【リュウside】

 走るティアナの背中を見ながらふと考える。

 

「(俺も甘くなったものだ。だが…不思議と気分は悪くない。これもスバルに教えている影響か?)」

 

 その後ガジェットを何機か落とすと突然増援が途絶えた。どうやらなのはとフェイトが制空権の獲得に成功したようだ。

 

「む?あれは…」

「あ、リュウさーん!」

 

 安心して一息吐くとリインがこちらへ戻って来た。任務が終わったのか?そんな連絡は来ていない筈だが。

 

「こちらへ何の用だ?まさか迷子か?」

「んむー!子供扱いしないでくださいよー!今からリニアレールの制御を取り戻すためにリインが見に行くんですよー!」

「そうか。ならば俺は邪魔が入らんようにお前を護衛しよう」

「あ、それはありがたいです!よろしくですー!」

 

 こうして俺はリインと制御室へ向かい、大した時間も掛からず制御を取り戻した。リインはこんな技能もあったんだな。

 

「流石と言うべきか…あっという間だな。地味で目立たないが素晴らしい技能だ。少し見直したぞ、リイン」

「なんかちょっとトゲがある気がしますけど…これがリインのすごさです!えっへん!」

「これなら戦闘に参加するよりもずっと機械をいじってた方がいいんじゃないか?」

「……もうつっこむのもつかれたです……」

 

 更に時間が経過すると、遂に春麗・スバル・ティアナがレリックを確保。ライトニングチームも車内の残敵も掃討し、任務は無事に完了した。

 

 

 

[任務終了後 JF-704式機内]

 スターズ及び俺と春麗とリインは先に電車を立って中央のラボまでレリックの護送を行う事になり、ヘリコプターへ乗り込んだ。

 

「みんなお疲れさま。大きいケガもないし、レリックも無事回収できたし、任務大成功だね!」

 

 ヘリコプターの中で一息吐くとなのはから労い言葉が送られてきた。

 

「なのは、俺はそれなりにダメージを受けたんだが…」

「格闘家はそれくらいのダメージなんていつものことなんでしょ?」

 

 この目…本気だ…!!

 

「と、とにかく日常生活にまで影響するような怪我は無かったんだし、おめでたいわよね」

「そういえば春麗さんは服がボロボロに破けたくらいで全くの無傷ですね。一度も被弾しなかったんですか?車輌内は弾幕が激しくて大変だったってスバルから聞きましたけど」

「ああ、あれ位なら…」

「春麗さんすっごいかっこよかったんですよ!助走も無しにすごい速さで飛び出して一瞬で何mも真横に飛んだり、何も無い空中で方向転換したりしながら弾を躱しまくってガジェットを次々と蹴り砕いちゃって!なにがなんだかよく分かんなかったけど感動しちゃいました!」

「そ、そんなに褒めたって…何も出ないわよ…」

 

 スバルが春麗の闘いを見て随分と興奮しているようだ。まあ、春麗の空中技は確かに見事だからな。子供ならば見惚れてしまうのも頷けると言うものだ。だが俺は……

 

「逆に俺は情けない姿を見せてしまったな。いや、それどころか…」

「…リュウさん?」

「ティアナが助けてくれなければ…死んでいたかも知れん」

「!?」

「本来ならばお前達を守ってやらねばならん立場だというのに逆に守られるという恥を…!俺は…お前達の役には立たないのかも知れんな…。こうなれば俺は一度機動六課を離れて修ぎょ……」

「それは違います!!」

「!?」

 

 そこへ突然耳を疑うようなティアナの怒号。これ程に感情を剥き出しにしたティアナを見たのは初めてかも知れん。

 

「たしかにあたしはリュウさんを助けられました!でもあの敵を倒せたのはあたしだけの力じゃありません!」

 

 ティアナ…。まさか俺を庇ってくれているのか?こんな情けない俺を…。

 

「リュウさんでなければあたしが行くまでに間に合わなかったと思います!

 それにそれだけじゃない!リュウさんが隙を作らなかったらあたしは敵の動きを止めることができなかったし、もし止められたとしてもリュウさんでなければ敵を倒せませんでした!だから……っ」

 

 突然ティアナの言葉が詰まった。そして…

 

「自分が…役立たずなんて言わないで…!」

「…!!」

 

 顔を手で覆うと頬を伝っていく一筋の液体。それは目から止め処無く流れ、顎で交わり大粒の雫となって滴り落ちていく。

 

 ティアナは今、俺の為に泣いているのだ。

 

「…あたしも、そう思います」

「スバル…」

「あたし達は一人で戦ってるんじゃない。チームで…機動六課みんなで協力しあって戦ってるんです。

 誰かがミスしたら誰かが補う。誰かがピンチなら誰かが助ける。誰か一人じゃできないことをやろうとしてたら誰かが一緒にやる。それが協力するってことだと思います。

 あとこれはエリオの受け売りですけど…リュウさんみたいにあたし達を大切に思ってがんばってくれる人がいるからあたし達も一生懸命戦えるんです。だからあたしからもお願いです。そういうあなたを見て悲しむ人もいるんです。そんなに自分を責めないでください」

 

 ……俺は大事な事を忘れていたようだな。俺は昔のように一人で闘っているのではない。世界の法と秩序を守る為、何よりも愛するものを守る為に同じ志を抱いた者達が共に力を合わせて事件に、事故に、悪に立ち向かう組織の一員として闘っているのだ。

 それは一人では決して達成出来ない大きな目標だ。ただ強いだけでは…ただ闘うだけでは今までと何も変わらん。達成など夢のまた夢だ。だから俺は……

 

 

 

「スバル、俺は驕っていたようだ」

「そ、そんなこと無…」

「いや、いいんだ。俺は今までひたすら闘う事しか考えていない頭の悪い人間だった」

「………」

「それが偶然に偶然が重なってなのはと出会い、こうして時空管理局に所属する事となった。俺はこの機会を単純に『まだ見ぬ強い奴と闘える好機』としか考えていなかったんだ。

 その考えは機動六課に入ってからも大きくは変わらず、変わったと言えば『仲間は俺が守らねばならない』という間違った責任感が生まれた程度だった」

「………」

 

「そんな思いを抱いたまま今回の任務に挑み、自分の驕り・愚かしさを思い知った」

「愚かだなんてそんな!あなたは…!」

「なのは、これは俺のけじめだ。最後まで言わせてくれ」

「う、うん…」

「それを思い知った今だからこそハッキリと言える。

 俺はこのままでは胸を張ってお前達の仲間だとは言えん。だから俺は変わらねばならない。機動六課の一員として…お前達仲間として協力し、時には助けられる事があろうともそれを恥とせず受け入れられる人間になる!」

「リュウさん…!」

 

「改めて言おう。お前達には今まで迷惑を掛けてしまい、申し訳なく思っている。だがこんな俺でもまだお前達の役に立てるなら、仲間だと思ってくれるなら、また力添えさせてくれ。頼む」

 

 俺はもう仲間から助けられる事も助けを乞う事も恥だとは思わん。あるがままを受け入れ、仲間と共に立ち向かいたい!

 

 

 

「…あなた、昔から変わらないわねぇ。そういう頭の固いところなんか特にね」

「ちゅ、春麗さん!こんな時に何を…」

「誰もそんな事気にしてないわよ。ティアナだってあなたのおかげで助かったって言ってるじゃない。それにみんなの顔を見なさいよ。あなたを拒否してるように見える?」

「………」

 

 春麗に言われて皆の顔を見るとティアナ以外は微笑み掛け、ティアナは涙を拭いながら懸命に表情を作って頷き、いつの間にかコックピットから離れて此方に来ていたヴァイスは噛み合せた白い歯を見せながら片目を閉じて右手の親指を立てる。

 

「ありがとう…。これからもよろしく頼む…」

 

 俺は今日からまた新たな一歩を踏み出す。格闘家としてだけではない、機動六課の一員としての一歩を!

 

【リュウside…TO BE CONTINUED】




スバルが暴走した時は事情が事情だけに直ぐに援護を頼んでしまいましたが、このリュウは基本的に自分の闘いに介入されるのを嫌っています。
ちなみにリュウとティアナの共闘は二回目ですが、ティアナって誰と組ませてもいい仕事してくれそうなので今後はリュウ以外でも誰かと組む機会を増やそうかなーとか考えている今日この頃です。
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