スーパーストリートファイターCROSS:StrikerS EDITION 作:拳を極めし者
ZERO3ではあまりのクソ弱さとアレなキャラ設定のせいで全く人気の無いキャラだったのによく出す気にぬったなカプコンw
どうせならかりんの方がよかったなー。仕方ない、バージョンアップに期待するか(時期尚早)。
…という訳で続いて翌日のお話です。
リュウとなのはが恋愛について少しばかり語り合います。
[翌日 陸戦用空間シミュレーター]
「ねえティア」
「…なによ」
早朝の訓練を終えて隊舎へ戻る最中の一幕。スバルが眉間にシワを寄せて訝しげな面持ちでティアナへ話し掛ける。
「今朝のなのはさん、少しボーッとしてなかった?」
「………」
「なんかさ、いきなりハッとして顔が赤くなったりとかもしてたし…。カゼひいたのかな?まあそれでも訓練はいつも通りだったから大したことなさそうだけど…」
「………」
「そういえばさ、なのはさんって昨日リュウさんを部屋に送ったあと帰って来るの遅かったよね。30分くらいだっけ?」
「………」
「その時ずいぶんスッキリした顔してたと思わない?」
「………」
「逆にフェイト隊長とはやて部隊長はなんか苦笑いしてたけどどういうことなんだろ?」
「………」
…が、ティアナは前を向いたまま黙り込んでいる。スバルはスバルでティアナの意見も聞かずに喋り続けており、ただの独り言と化している。
「あ、もしかして帰ってくる時にトイレでスッキリしたのかな!」
「…スバル」
「ん?なに?」
「あんたがそれを分かるようになるのはだいぶ先になりそうね…」
「???」
「いいから早く歩きなさい!ペース落ちてるわよ!」
「なんだよケチー!原因分かってるなら教えてよー!」
「うっさいバカスバル!」
年齢不相応に純真無垢な少女と年齢相応の多感な少女の他愛ない日常会話であった。
[機動六課 トレーニングルーム]
ここトレーニングルームはよく格闘家達が利用しており、逆にフォワード部隊はあまり利用しない。格闘家達を除けば、フォワード部隊よりむしろ身体が鈍らないようにと汗を流しに来る他の面々の方が多いくらいだ。
何故かと言うと、実戦経験の乏しい子供達に毎日殆どの訓練を実戦に近い形で受けさせているので、あまり時間が取れないからである。加えて言えば隊長・副隊長は機動六課以外にも仕事があるので子供達より時間が取れない。
よってトレーニングルームではフォワード部隊の誰かが来ただけで注目が集まってしまうのも珍しい光景ではない。
「おはようございます」
「おはよう……ってあら、こんな時間に来るなんて珍しいわね。どうしたの?」
従ってなのはの来訪もその例外ではない。
「いや、あの…」
「歯切れ悪いわよ。あなたらしくないわねぇ」
「き、昨日あんなだったし…。リュウさんの様子はどうかな……ってリュウさんいないんですか?」
「…ふーん」
リュウを探して四方八方へ目配りするなのはを見ながら春麗は怪しげな笑みを浮かべる。
「リュウなら宿酔で寝込んでるわよ」
「…そうですか。じゃあ失礼…」
「そういえば…」
「…?」
肩を落として帰ろうとするなのはへ春麗が話し掛け、なのはは背を向けたまま動きを止めた。
「ベッドでうなされながらあなたの名前呼んでたわね」
「!!??」
思いも寄らない春麗の一言になのはは固まってしまう……が、春麗の言葉は続く。
「時間がある時でいいから少しでも顔を出してあげればリュウも喜ぶんじゃないかしら?」
「…!!」
まるで短距離走の選手が号砲に反応して走り出すかの如く、その言葉を聞いてなのはは即座に駆け出して行った。
「春麗、さっきの君の話だが…」
なのはが出て行ったのと同時にナッシュが春麗へ話し掛ける。
「リュウが彼女の名を呼んでいたというのは本当か?まさか彼の心境がそこまで変わっていたとは思わなかったな」
「それは俺も気になっていたところだ」
本来は他人の恋愛に興味など無いナッシュとガイルだが、恋愛とは無縁と思っていたリュウがそうとなれば話は別だ。
彼らは差し障りの無い範囲でその状況をチェックして動向を楽しもうと考えているのだ。
以前に春麗の話に割り込んで来たのも同じ理由である。
「ああ、あれね。あれはウソよ」
「「!?」」
春麗の一言を聞いて目を丸くする二人だったが、気を取り直したナッシュがズレた眼鏡を直しながら再び質問をぶつける。
「な、何故そんな嘘を言う必要が有ったんだ?君が他人の恋愛に横槍を入れる無粋な性格だとは思いたくないが…」
「そんな訳ないでしょ。私をどんな性悪女だと思ってるのよ」
「ではどうしてそんな事を?」
「あの子って恋愛に関しては見たまんま奥手じゃない?だからあの子を応援する為に言ったのよ」
「益々分からん…。どういう事だ…」
「リュウが無意識にでもあの子の事を望む気持ちがあるって思えばあの子も自分から踏み込みやすくなるでしょ?だからちょっと焚き付ければあの子も積極的になれるって考えてああ言ったのよ」
「そうだったのか…」
まるで授業で教師の話に感心する生徒のような眼差しで春麗を見つめるナッシュだったが…
「だが春麗、お前はそれで良かったのか?昔はお前もリュウの事を想っていたんだろう?」
ガイルは一般的には憚られるような疑問を春麗へぶつけた。
「………それはそれ、これはこれよ。あの子は私と違ってまだチャンスがある。だから応援してあげたい。それだけよ」
「……そうか。不躾な質問をして済まなかったな」
「………気にしなくていいわよ。昔の事だしね」
「ああ、了解だ」
「(…なのは君はこの上無く心強いサポーターを得たな。後は上手く行く事を祈るだけだ)」
この後ナッシュとガイルは春麗と組手を行ったが、肌が粟立つ程の気迫と共に為す術も無く秒殺され、たまたまその様子を見ていた隊員を震え上がらせたという。
[機動六課 隊員オフィス]
「ごめん、お待たせー!」
「ん?なのはか。別に遅れちゃいねえぞ。どうしたんだ?」
慌てながらオフィスへ滑り込むなのはに話し掛けたのは、スターズ分隊副隊長のヴィータ。なのはの慌て振りが気になり思わず質問した。
「にゃはは…。ちょっと用事を思い出したんで早く仕事を済ませちゃおうと思ってね」
「…そうか」
なのはは短く要点だけを話すと、周囲の隊員も近付き難くなる程の気配を漂わせながらデスクワークを開始した。
ヴィータは自分の仕事を熟しながら暫くその様子を見ていたが、余りの真剣さに気を揉んで再び話し掛けた。
「おい、なのは」
「悪いけど今は忙しいから急用じゃないならあとに…」
「手伝ってやるから書類よこせ」
「…え?」
「あたしに回せる書類は全部やってやるって言ってんだよ」
「で、でもヴィータちゃんも自分の分が…」
「あたしのは今日中に終われば大丈夫だから後回しでもいいし、この後特にやることも決まってないから気にすんな。それにお前がそこまで真剣になるってことはそれだけ大事な用なんだろ?」
「………」
「その代わりこれで貸し一つだからな」
「…うん。ありがと、ヴィータちゃん」
こうしてヴィータの協力もあり、一人では夕方まで掛かると思われていた仕事は午後一時前で終わった。
「ヴィータちゃん、どうもありがとう!おかげで助かったよ!」
「礼なんかいいって。それより早く行ってやれよ」
「うん!じゃあね!」
なのははヴィータに礼を言うと駆け足でオフィスを出て行った。
「(世話が焼けるなぁ、なのはのやつ…。ま、これで少しでもなのはに借りを返せるならそれでいいけどな。あとは頼むぜ、リュウ…)」
[午後一時過ぎ 機動六課 食堂]
「…やっぱり来てないんですね」
「そうそう。朝もほとんど口を付けてなかったからそうとう具合が悪いんだろうねぇ」
既に午後一時を過ぎていたが、なのはは念の為にリュウが来ていないかを確かめに食堂を訪れ、カウンターの女主人に尋ねていた。
「そうだ、あんたがあの人の分を持って行っておやりよ」
「は、はい。そのつもりで来ましたから」
「そうかいそうかい。じゃあちょっと待ってておくれ」
そう言うと女主人は奥へ引っ込み、数分後に二人分の昼食を持って来た。
「さあどうぞ!」
「ありがとうございます。じゃあ私はこれで…」
「がんばりなさいよ!応援してるからね!」
「な!ななな何のことですか!?」
「あっはっはっは!照れるな照れるな!元気に行っといで!」
「~~~っ!!」
女主人に煽られたなのはは顔を隠しながら急ぎ足で食堂を後にした。
[機動六課隊舎 リュウの部屋]
「リュウさん、起きてる?」
「なのはか…。ああ、何の用だ…?」
チャイムを鳴らしリュウを待ったなのは。一回では反応が無かったので数回繰り返すとやっと声が聞こえて来た。
「お昼、食べてないんでしょ?とりあえずお昼ご飯持ってきたから食べてよ」
「…悪いが今はそんな気分じゃ…」
「格闘家は身体が資本でしょ?だったら一日三食はしっかり摂らなくちゃダメだよ」
「………」
食事を渋った後に暫く黙り込んだリュウだったが、モニターから見えるなのはの真剣な眼差しに負け…
「ああ…そうだな…。恩に着る…」
とうとう中へ招き入れる事を決めた。
「…む、二人分という事は…お前もまだ飯を食っていないという事か…」
「さっき仕事が終わったばっかりだからね」
「ならば…俺の事なんて気にせず食堂で食っていれば…」
「…あ、あなたのことが…心配だったから…」
「声が小さくて…聞こえなかったぞ…。もう一度頼む…」
「ついでだよ!ついで!」
「そ、そうか…」
なのはは病体に障るような大声でリュウに失礼をしてしまったと思いながらも沈黙してしまった。
それから静かに食事を始めた二人だったが、やはり二人きりの緊張感に耐え切れなかったなのはが沈黙を破るべく色々な話を切り出した。
今現在の体調、今まで飲酒した事は無かったのか、今日は自分が来なかったらどうやって過ごす気だったのか、自分の世界での交友関係など様々な質問をリュウに聞いてみる。
リュウは食欲不振であまり箸が進まないながらも、食べながら真面目に質問に答えた。
食事が終わり、その後も暫くなのはの質問攻めが続き、リュウはベッドで横になりながら質問に答えた。
そして二時間程経過した後に、なのはは最も聞いてみたかった質問を勇気を振り絞って聞いてみた。
「あの…リュウさんはさ…」
「…なんだ?」
「恋…したことはある?」
「………」
顔を赤らめながらも真剣な目で質問するなのは。リュウは目を閉じて暫し無言で考え、口を開いた。
「結論から言えば…無いな…」
「…そっか。どうもあり…」
「だが…」
「?」
「恋愛に関しては…思う所が無い訳ではない…」
「!?」
予想はしていたとはいえ、予想通りの結論を聞いて気を落としたなのはは話を切り上げようとしたが、意外にもリュウが話を続けようとしている事に若干の動揺を見せた。
「…それってどういう意味?」
「さっきも言ったが…俺には幼い頃からの同門の親友が居た…という話は覚えているな?」
「うん。名前がケンっていう人だったよね」
「そう。では続きだが…ケンにはイライザという名の恋人がいるんだ…」
「恋人…」
「いつ頃だったかは覚えていないが…。ケンがある格闘大会で優勝した時に…熱心な女性のファンが積極的にケンへ交際を求めて来たらしくてな…。ケンは俺と同じように世界を回って…ストリートファイトの旅をしていたのにしつこく付き纏っていった結果…ケンの方が熱意に負けて結婚したそうだ…」
「好きな人を追いかけて世界中を回ったの!?」
「ああ、ケンも最初は怖い追っかけ…ストーカーとか言ったか?そういう女性かと思って怖がっていたらしいが…自分の嫌がる事は全くして来ないどころか…世話をしてくれたり…時には優しく励ましてくれたりして次第に好意を持っていったそうだ…」
「積極的に…優しく…」
「そして久方振りにケンに再会して久々に組手を行った時…俺は為す術も無く敗北した…」
「リュウさんが圧倒されるなんて…。いったいなにが…」
「楽に勝った事は無いとはいえ…当時の俺はケンには勝ち越していたんだ。だから…その時の組手も自信は有ったんだ…。だが結果は言った通り…
その結果に呆然としていた俺に向かってケンは…衝撃的な事を言ったんだ…」
「衝撃的なことって?」
リュウは目を閉じて深呼吸してから再び喋り出した。
「『イライザがいるから俺は強くなれた』とな」
「恋人がいるから?」
「俺は質問した。『ならばお前は強くなる為に女性を利用したのか』と」
「そ、そんな聞き方したら…」
「ああ…お前の言う通り怒鳴られたよ…。全く逆だと…『イライザと一緒になってから初めて強くなれたと気付いたんだ』と…」
「………」
「愛する者の為に何処までも強くあろうとする…。そんな強さも有ったのかと感心したよ…」
「愛する人のための強さ…か」
「俺も誰かを愛すれば…もっと強くなれるのかと考えた事もあるが…こんな事を考えていては…人を愛せる訳が無いと気付いて諦めた…という訳だ…」
「………」
「俺は…非道な男だろう?人を愛する事さえも…強くなる為の踏み台としか考えられない男なんだ…。さっきは思う所があると言ったが…こんな俺には人を愛する資格も愛される資格も無いんだ…」
「……ない」
「?」
リュウが自分の恋愛観を話した途端、なのはが視線を逸らすように俯き、何か呟き始めた。そして…
「そんなこと…ない…!」
「な、なのは…どうしたん…」
「愛するのも愛されるのも資格なんていらない!」
「…!?」
「あなたがどんなことを考えてても好きって気持ちが本物なら関係ないよ!そんなことを言ったらあなたを想ってくれてる人だって悲しむよ!」
「………」
「もし資格がないなんて思ってるなら資格のある自分に変わればいいじゃない!人は変わろうと思えばいつだって変われるよ!」
「…!!」
俯きながら怒鳴り散らすなのはに驚いて口を開けたまま呆然とするリュウ。静かになるとなのはは取り繕うように顔を上げて喋り出した。
「あ…ご、ごめんなさい…。私…」
「いや…。俺の方こそ…すまん…。だが…俺はそこまで変われる自信が無い…」
「………」
それから数分間沈黙が続いたが、やはりリュウから口を開く事は無く、なのはが沈黙を破る事となる。
「…具合が悪いのに変なこと言って困らせちゃってごめんなさい。さっき言ったこと、全部忘れていいから…。じゃあ私、行くね…」
なのはは立ち上がると脇目も振らず玄関へ向かうが…
「ま、待ってく………!?」
リュウは勢い良く飛び起きてなのはの元へ向かおうとするが、その勢いで頭が揺さぶられて目が回り、床に倒れ込んでしまう。
「ぐぅぅ…」
「!?だ、大丈夫!?」
なのはは派手な打撃音に気付いて振り向いて駆け足でリュウの元へ向かい、抱え上げてベッドへリュウを戻した。
「か…重ね重ね…すまん…」
「まったく…ムチャしないでよ、もう…」
若干呆れながらも何処と無く微笑ましい顔になるなのは。
「仕方ないね、もう少し私がお世話してあげるよ」
「…ああ、恩に着る……」
「(変わりたくても自分だけじゃ変われないなら…誰かが変えてあげればいい…。そうだよ、だったら…)」
その後なのはは部屋の片付けや軽い掃除を行い、リュウの症状を見て二日酔いの原因を特定し、夕食時にはそれに有効な飲み物と食品を含んだ特別メニューを女主人に作ってもらってリュウに与えた。
そしてリュウが食べる姿を見つめながら、「お昼ご飯もこれにすればよかったかな」と少しばかり反省した。
[夜 機動六課隊舎 リュウの部屋]
「それじゃあ私は行くね」
「ああ、おかげで体調もすっかり元通りだ。ありがとうなのは」
「た、たまたま午後から暇だったから付き合っただけだよ」
夜も更けて多くの者が就寝している時間になり、なのはも自分の部屋へもどろうとすると、リュウから感謝の言葉を貰い照れるなのは。
どうやらもう二日酔いは治ったらしく、昼食の件はこれで帳消しだと密かに喜んだのはここだけの秘密だ。
「いや、それでも世話になった事実は変わらん。ここまで世話になっては何か礼をせねばならんな」
「お、お礼なんてしてもらう程のことはしてないよ」
本当に見返りなど微塵も考えていなかった為、思わず反射的に断ってしまった。…が、リュウは…
「それでは俺の気が済まん。何かして欲しい事は無いか?俺に出来る範囲内ならば何でもやろう」
「じゃあ…そこまで言うなら…」
ここまで言われて断るのはかえって失礼か。そう思ったなのはは口籠もってからこう答えた。
「か……」
「か?」
「買い物に付き合って!」
「!?」
礼としてはあまりにも軽い礼。流石にリュウもこの軽さには閉口し、自分の耳を疑った。
「なのは、確認なんだが…今、聞き間違いでなければ『買い物に付き合え』と言ったように聞こえたんだが…」
「…うん」
どうやら聞き間違いではないらしい。
「そうか。買い物程度なら断る理由も無いが…本当にそんなものでいいのか?」
「うん」
余りの衝撃に二度確認するリュウ。なのはは短い言葉で二度目も肯定する。
「分かった。ではそれはいつにするんだ?」
「うーん…。じゃあ、今度の休暇にしようかな」
「では日が決まったら教えてくれ。その日は一日中でもお前の買い物に付き合おう」
「い、一日中…!」
昨日と今日だけで何度こうなっただろう、と自分で呆れる程に顔を真っ赤に染めるなのはである。
「き、気持ちはありがたいけど多分そんなに時間は取れないと思うし…かかりもしないと思うよ」
「そうか。まあ、とにかくその日はお前の為に空けるとしよう」
「私の…ため…」
続いて女性ならばと好意を寄せる男に言われればきめかずにはいられないであろう「お前の為」という言葉を聞き、口を開けて惚けてしまった。
「ではこの話はここまでだ。お前もずっと俺に付き添って疲れただろう。部屋に戻って休んでくれ」
「う、うん!そうだね!」
リュウの声に気付いて我を取り戻し、なのはは満面の笑みで反応を示す。
「じゃあおやすみなさい!」
「ああ、お休み」
「(やった…!)」
挨拶を済ませるとなのはは足早に部屋を出て行った。
なのはは昨日の夜に自分を変えると誓い、今日は凄まじく積極的にアプローチした。気まずい雰囲気になる事はあったが、概ね上手く行っていたと言っていいだろう。
これは今まででは考えられない進展と言える成果だ。現に昨日は会場に戻って来た時になのはから「進展は全く無かった」と聞いたフェイトとはやては苦笑いしたが、なのはの晴れやかな表情と決意を固めた眼差しに大きな心境の変化を見て一安心した程である。
しかも次の日には、偶然とはいえ買い物と称して別の計画を立ててしまった程の念の入りようだ。
たまたまなのはが夕食を持って行く様子や夜遅くにリュウの部屋を出て行く様子を見かけたティアナは、「なのはさんが初めて普通の女の子に見えた」と語っていたという。
[更に翌日 早朝 機動六課 部隊長オフィス]
この日は朝から機動六課の主要メンバー全員が部隊長オフィスへ招集されていた。
このメンバーが集まった事には何らかの深い意味があると全員が考え、皆が皆緊張を隠せずにはやてがやって来るのを静かに待ち続けた。
「皆さん、お待たせしました」
遂にその時はやって来た。
「えー、本日はこんな早朝から集まっていただいてありがとうございます」
いつもなら皆を緊張させないように努めて厳しい顔にならないようにしていたはやてだったが、この時はそんな配慮は微塵も見せない引き締まった面持ちでの挨拶となった。
「皆さんに集まっていただいたのは、このメンバー全員で挑まなければならない重要な任務をお知らせする為です」
やはりか、と全員が固唾を飲む。
「その任務ですが……」
言い淀むはやて。口に出すのも憚られるのかとメンバーは更に緊張感が高まる。
「実は……」
歯切れが悪いのか焦らしているだけなのか、なかなか本題に入らない。これには全員の心の中で「早く言ってくれ」と奇跡のシンクロツッコミが入った。
するとその奇跡が通じたのか、やっとはやてが最も全員が聞きたかった事に言及する。
「格闘大会や!!!!」
ここ機動六課にて、魔導師VS格闘家という未曾有の対決が宣言されるのだった。
【アナザーside…END】
【第八話「出動 -新人と客人-」…END】
【次回予告】
スバル「いきなり舞い込んできた格闘家と戦うチャンス!あたし達以外は誰もがみんな強そうだ!」
ティアナ「だけど誰もが頂点を求めて力を尽くす以上、誰が勝つのか予測不可能…!」
リュウ「かつての強敵は更に強くなって俺の前に現れる…」
次回 スーパーストリートファイターCROSS:StrikerS EDITION
第九話「格闘大会 -友と強敵-」
TAKE OFF!!
リュウの恋愛話は中平正彦先生の「RYU FINAL」から拝借してアレンジしてみました。
さて、闘いが終わってからの話がグダグダと長くなってしまいましたが、次回からはいよいよ完全なオリジナルストーリーに入ります。
ストリートファイター側からの新キャラがいっぱい登場します!