スーパーストリートファイターCROSS:StrikerS EDITION   作:拳を極めし者

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登場人物の口癖(リュウの「む、」等)や喋り方、一人称(はやての「ウチ」等)等が変わっている事があったりしますが、それは台詞に特徴を付けてなるべく地の文で説明しなくて済むようにと考えた末の処置です。


第一章 -機動六課結成編-
第三話 「機動六課 -決意と始動-」 A


【アナザーside】

[新暦71年4月29日 ミッドチルダ 臨海第8空港近隣 沿岸部]

「203・405、東側に展開して下さい!魔導師陣は防壁張って燃料タンクの防御を!」

 

 陸士部隊で指揮官研修をしていたはやてとその部隊は実習の為に火災現場の近郊におり、近隣の応援部隊で最も現場に近かった為に応援の先駆けとして駆り出され、はやてが応援部隊の指揮を執っていた。

 空港で起こったこの大規模な火災は近隣の陸士部隊・航空部隊が緊急招集される程の大事件となってしまったのだ。

 

 そんな逼迫した状況でまだ研修中のはやてが指揮を任された理由は二つあった。

 一つは単純に指揮官が足りなかった為。

 もう一つははやてが研修課程の殆どを消化しており、更にその成績が極めて優秀だったので即実践投入しても問題無しと判断されていた為だ。

 

 急場の前線を何とか纏め上げていると、空からリインフォース2が降りて来てはやてに状況の報告をする。

 

「はやてちゃん!こっちはダメです!まるっきり人手が足りないですよー!」

「そやけど首都からの航空支援が来るまで持ち堪えるしか無いんよ!頑張ろう!」

「…はい!」

「(せめてこっちに一人でも他の指揮官が来ればウチも支援に回れるのに…!)」

 

 実は魔導師としても極めて優秀なはやてだったが、他の指揮官が不在の為に現場を離れる訳にはいかず、このまま指揮を続けるしかなかった。

 

 

 

 一方では空港へ向かって飛ぶ光が二つ。その正体はなのはとフェイトである。

 二人は偶然にも休暇を利用してはやてに会いに来ていた為に緊急で駆り出され、出動直後にそのまま空港へ直行した。

 

 フェイトが火災現場へ向かう最中、通信本部から連絡が入る。

 

『航空魔導師本局02、応答願います』

「はい、本局02テスタロッサ・ハラオウンです」

『8番ゲート付近に要救助者の反応が出たのですが、損傷が激しくて陸士隊員では入れません。そちらの救助をお願い出来ますか?』

「8番ゲート…。バルディッシュ」

 

《ルート検索終了。2分以内には到着します》

 

 フェイトのデバイス「バルディッシュ・アサルト」は瞬時に検索を終えてフェイトに伝えた。

 

「了解。直ぐに向かいます」

 

 通信を終えるとフェイトは更に速度を上げ、黄色く輝く流星と化した。

 

 

 

 

 

 はやてが歯痒い思いをしながら指揮を執っていると、彼女の場所へある人物が到着した。

 

「すまんな、遅くなった」

「いえ。陸士部隊で演習中の本局特別捜査官、八神はやて一等陸尉です。臨時で応援部隊の指揮を任されています」

 

「陸上警備隊・108部隊のゲンヤ・ナカジマ三佐だ」

 

 はやての前にはには短い白髪で老練を思わせる鋭い目付きの男が立っていた。

 

「ナカジマ三佐、この現場の部隊指揮をお任せしても宜しいでしょうか?」

「勿論そのつもりだが…ああ、お前さんも魔導師か」

「はい、広域型の魔法を使えます。それで消化の支援を行います」

「そうか…」

 

「ではナカジマ三佐、後の指揮はお願いします」

 

「………」

「…ナカジマ三佐?」

「ん?…ああ、すまねえな。ここは任せてくれ。お前さんは早く支援に行ってやんな」

 

 ゲンヤは若干表情が曇ったが、直ぐに元に戻って指揮の移譲を受けた。

 

 

 

「はい!…リイン。ナカジマ三佐のサポート、しっかりな。ある程度落ち着いたら上空でウチと合流や」

「はいです!」

 

 指揮の移譲が終わるとはやては火災現場のある方向に向かって走り出すと体が光に包まれて古代ベルカ式魔法のバリアジャケット「騎士甲冑」を装着し、背中には浮遊する6枚の羽の形を成した飛行補助魔法「スレイプニール」が発生。

 その直後に勢いよく地面を蹴り、黒い羽を撒き散らしながらはやては炎に照らされて赤く染まる夜空へ飛び立って行った。

 

 

 

「…さて。おチビの空曹さん、しっかり頼むぞ」

「お任せくださいです!」

「(ギンガ、スバル…。本当なら真っ先にお前達に助けを向かわせてえところだが…俺はやらなくちゃいけねえことがある。助けが向かうまでどうか無事でいてくれ…!)」

 

 

 

[ミッドチルダ 臨海第8空港内 8番ゲート 通路]

 火災現場へ到着して内部へ突入したフェイトは危急存亡の事態につき、壁を砲撃魔法で貫きながら最短コースで要救助者の元へ向かう。本来ならば粉塵爆発やバックドラフトが発生する危険があったが、フェイトは自分のスピードに自信があった為にあえてその手段を取った。

 

 程無くして反応のあった場所に到達すると紫色のバリアに包まれた要救助者を発見。保護しつつ話を聞くと「魔導師の女の子がバリアを張ってくれて、その子が『妹を探しに行く』と言い残して奥へ行った」という。

 

「(あの奥は立ち入り禁止区画…。今は救助者の反応も無い。急がなければその子が更に奥へ行ってしまう!)」

 

 フェイトは救助者を安全な場所へ退避させると、急いでその女の子を探しに奥へ進んだ。

 

 

 

[同空港内 立ち入り禁止区画]

「スバル…スバル!返事して!」

 

 そこには爆発を恐れて這いながらも奥へ進む少女が一人。名前は「ギンガ・ナカジマ」という。先ほどの要救助者にバリアを張ったのは彼女である。そのギンガは妹の名を呼ぶが、呼べども呼べども返事は無く、姿も無い。

 

「スバル…。お姉ちゃんが…直ぐに助けてあげるから…!」

 

 彼女にとっては自分の命など二の次で、今はスバルを助ける事しか頭に無かった。

 

 彼女がそこまでするのには理由があった。

 一つは亡母との約束の為。

 もう一つはスバルと共に「特殊な出自」だった事に起因する家族への憧れから来るものである。

 

 

 

「(いた!)」

 

 奥へと進んだフェイトは眼下で這いながら奥へ進む人影を発見する。

 

「そこの子、じっとしてて!今助けに行くから!」

 

 だがその声に気付いたギンガが振り向いた瞬間…

 

「きゃああああ!」

 

 ギンガのいた足場が崩壊と共に彼女の悲鳴が響き渡った。

 ギンガは崩れた足場と共に為す術も無く頭から落下していくが……

 

 《Sonic Move.》

 

 崩れるのとほぼ同時にバルディッシュ・アサルトが叫ぶとフェイトはUの字の軌道を描いた一条の黄色い閃光と化した。

 

 

 

 

「(……あれ?私、落ちてない?)」

 

 ギンガはフェイトに抱きかかえられて瞬時に飛び上がり、自分が気付いた時には落下した足場が眼下に見えていた。

 

「危なかった…」

「!?」

「ごめんね、遅くなって。もう大丈夫だよ」

「(い、いつの間に私を!?)」

 

 彼女はあまりにも一瞬の出来事だった為に自分に何が起こったのか理解できていなかったが、フェイトに声を掛けられてようやく自分がフェイトによって救出された事に気付いた。

 

 奥に他の要救助者がいない事を確認したフェイトは吹き抜けを上がり、巨大なダクトを伝って脱出しようとしたが、ギンガが慌ててフェイトを引き止める。

 

「待ってください!まだ中に妹が…!」

「…妹さん、何処に行ったとか、分かる?」

「エントランスホールの近くではぐれてしまって…。私と反対の方向に行ったはずから多分こっちに向かってるかと…」

「エントランスホール…そっちにはもう救助に向かってる。こちら本局02テスタロッサ・ハラオウン。通信本部、応答願います」

『こちら通信本部』

「エントランスホール付近の救助の状況は?」

『エントランスホール中央にて女の子一名を救助。救出者は高町教導官と『火災現場の協力者』です。画像を送ります』

 

 モニターには白い道着を着た大柄な男がスバルを救護隊に引き渡す姿となのはが救護隊員に事情を説明している姿が映し出された。

 

 

 

「(スバル…よかったぁ……)」

「了解。こちらも女の子一名を保護。これより脱出します」

 

 スバルの無事を確認した二人は急いで脱出し、ギンガも無事救護隊に引き渡された。

 

「さてと、早く現場に戻ろう。…それにしても…」

 

 フェイトは再び現場へ向かいながら先ほどの通信を思い出す。

 

「(あの白い道着の人、見覚えがある…。後でなのはに聞いてみよう)」

 

 疑問を後回しにして気を取り直したフェイトは活動を再開した。

 

 

 

[臨海第8空港近隣 沿岸部 指揮通信車内]

 その頃、沿岸部の前線部隊では人手が足りず人員配置に四苦八苦していた。

 

「応援の状況は?」

「…首都航空部隊の主力が一時間以内には到着する予定だそうです」

「遅えな…!」

 ゲンヤは遅々として進まない救助活動に業を煮やしていた。

 

 

 

「…要救助者の残りは?」

「あと20名ほど…」

「20!?」

 

 ……が、その数字を聞いて驚きを隠せなかった。 何故ならば要救助者は100名以上おり、空港のあちこちに点在していた為に発見するだけでも苦労する状態だったからだ。

 

「…その数字は確かか?幾ら何でも早過ぎやしねえか?」

「魔導師さん達ががんばってますから。それに…すっごく頼りになる『火災現場の協力者』さんもいますから!」

「(火災現場の協力者?こりゃまた偶然にも随分腕の立つ魔導師が転がってたもんだ)。…最悪の事態は回避出来そうか?」

「はいです」

「…よし。おチビの空曹さんよ、もういいぞ。自分の上司の所に合流してやんな」

「いえ、もう少し情報を整理して指示系統を調整してからにします」

「…そうかい。まあ、助かるがな。(これなら二人とも大丈夫だろう。さて、気合を入れ直すか)」

 

 ゲンヤは一瞬だけ父親の顔に戻るが、直ぐに切り替えて自分の使命を果たす事にした。

 

 

 

[はやて出動より数十分後 臨海第8空港 火災現場上空]

仄白(ほのしろ)き雪の王…銀の翼()て…眼下の大地を白銀に染めよ!」

 

 はやては空中で待機しながら消火の為の魔法を発動する準備を進めていた。足元には魔法陣、頭上には白く光る四つの立方体が浮いている。

 

 

 

 

 そして航空武装隊員ははやての為に露払いを行っていた。

 

「八神一尉。指定ブロック、避難完了です」

「発動、お願いします!」

 

「了解!()よ、氷結の息吹…!!」

 

杖を振り下ろしながらはやては叫ぶ。

 

 

 

 

「アーテム・デス・アイセス!!!!」

 

 

 

 立方体は光弾となって別々の地点に降り注ぎ、着弾点から円状に白銀の世界が広がっていった。

 

 

 

 氷は一区画を侵食し、次々と炎と爆発が姿を消していく。程無くしてその区画は時が止まったかのように静まり返った。

 舞い上がった氷の粒が雪のように静かに舞い降り、安全圏まで退避していた筈の航空武装隊のバリアジャケットが余波で若干凍り付いてしまった。そして周辺の温度が急激に下がり、隊員の吐く息が真っ白になる。

 

「すっげえ……」

「これが…オーバーSランク魔導師の力……」

 

 これ程大規模で強大な広域型魔法を操れるのは時空管理局の中でもはやてただ一人。しかも今回は効果範囲を絞っての使用である。

 その希少で絶大な能力故に、はやては現時点では魔導師ランク「SS(ダブルエス)ランク」を保有している唯一の魔導師となっている。

 ただしランクの頂点は「SSS(トリプルエス)」であり、はやてがそれを保有していないのは「広域型以外の魔法があまり得意ではなく(その広域型ですら制御しきれない場合がある)、直接的な戦闘能力がオーバーSランクの割には低い為」。

本人も戦闘能力の低さは自覚しており、それ故に自身の特性を活かした「戦略級魔導師」として空戦ランクではなく総合ランクを取っている。

 

 

 

「「………」」

 

 初めて見た広域型攻撃魔法の威力に圧倒されて呆気に取られていた隊員達だったが……

 

「巻き添えごめんなー!ウチ一人やとどーも調整が下手で!」

「あ……い、いえ!ありがとうございます!」

「次に氷結可能なブロックを探して来ます!」

 

 上空からのはやての声で我に帰り、作業に戻った。

 

 

 

 

 隊員が次の鎮火場所を探している間、一部を鎮火して一安心しているはやての元に通信が入った。

 

「遅くなってすまない!」

 

 それは首都航空部隊の隊長からの通信だった。

 

 

 

「現地の諸君と臨時協力のエース達に感謝する!後はこちらに任せてくれ!」

「了解しました!では引き続き協力を続けますので指示をお願いします!」

 

 はやては現場の判断を首都航空部隊に任せて支援に徹する事となった。

 

 

 

 

[臨海第8空港近隣 沿岸部 指揮通信車内]

 慌ただしく情報整理と指示を行うリインとゲンヤの元へある通信が入って来た。

 

『首都航空部隊、到着しました。これより救助活動に入ります』

 

『一番隊、北側へ展開する』

『二番隊、東側を担当します』

『こちら三番隊……』

 

 ………

 ………

 ………

 

「…ふぅ、やっと来たか」

「はい!」

 

 一時間以内とは言っていたが、実際に到着に要した時間は30分も掛かっていない。二人は予想よりも早く来てくれた事に胸を撫で下ろした。

 

「…だがまだ油断は出来ねえ。もちっと情報整理を頼んでいいか?」

「了解です!」

 

 

 

 

 

[翌日 午前中 ミッドチルダ 首都クラナガン 宿泊ホテル]

『皆さんおはようございます。本日は番組の予定を一部変更してお送りします。

 既にご存知の方も多いと思われますが、トップニュースは昨晩未明に起こった臨海第8空港火災です。早速現場を呼んでみましょう』

 

『はい、こちら現場です。火災は現在鎮火していますが、煙は未だに所々立ち昇っている状態です。なお現在は時空管理局の局員によって危険調査と事故原因の……』

 

 

 

 空港は火災の殆どが鎮火され、残る救助者全員を助け出したなのは達は後発の部隊から帰投を言い渡され、その日は用意されたホテルに宿泊していた。

 彼女達が現場を離れる頃には既に陽が昇ろうとしており、一睡もしていなかったせいもあって服を雑に脱ぎ散らかすと倒れるようにベッドに横たわり、数分もしないうちに眠りについた。

 そして朝を迎えて陽射しが強くなってきた頃になのは・フェイト・はやての三人は唸りながら目を覚まし、リインフォース2はまだ熟睡していた。

 

 

 

『……幸いにも迅速に出動した航空魔導師隊の活躍もあり、民間人の死者は無いとの事です』

「うーん…やっぱりなぁ…」

 

 最初に目覚めたはやてがニュースを聴きながら呟く。

 

「…んーー?」

 

 はやての呟きになのはが反応した。しかしフェイトはまだ枕に顔を埋めている。

 

「実際に働いたんは…災害担当と、初動の陸士部隊と、なのはちゃんとフェイトちゃんやんか」

「…まあ、休暇中だったし…」

 

 なのはは目を擦りながら…

 

「…民間の人は無事だったんだし…」

 

 フェイトは枕に顔を埋めたまま喋り出す。

 

「……あのな?なのはちゃん、フェイトちゃん」

「「?」」

 

 はやては突然声のトーンを変えて二人に話し掛け、二人は様子が急変したはやてに驚き同時にはやての顔を見た。

 

「ウチ……やっぱ自分の部隊を持ちたいんよ!」

「「!?」」

 

 

 

 あまりの唐突さに二人は言葉を失った。だがはやての話は続く。

 

「今回みたいな災害救助は勿論犯罪対策も、発見されたロストロギアの対策も、何につけミッドチルダ地上管理局の部隊の行動が遅過ぎる。後手に回って少人ばっかりの動きじゃあかんし、ウチもフリーで呼ばれてはあちこち回ってたんじゃちっとも前に進めてる感じがせえへん。

 少数精鋭のエキスパート部隊…。それで成果を挙げてったら上の方も少しは少しは変わるかも知れへん。でな?ウチがもしそんな部隊を作る事になったら…フェイトちゃん、なのはちゃん、協力してくれへんかな?」

 

 普段は冗談を言う事が多いはやてだったが、今回は目が真剣そのもの。

 二人も部隊の行動の遅さに若干の疑問や不満を感じてはいたが、「その分は自分が頑張ればいい」という程度にしか考えていなかった。

 しかしはやては一歩先へ進んだ事を考えており、それは時空管理局の中に革新をもたらすものになる事だった。

 そんなはやての意見を聞いた二人の返事は……

 

 

 

「「……」」

 

 無言だった。二人は無言のままはやてを見つめる。

 

「もっ!…勿論…二人の都合とか…進路とかあるんは…分かるんやけど…でも…その…」

 

 イエスでもノーでも返事が返ってくると思っていた為、無言の二人にはやては驚き慌てて取り繕う。

 

「…はやてちゃん…何を水臭い!!」

「…私達、小学三年生からの付き合いじゃない」

 

 ようやく二人が口を開いた。はやては呆気に取られてしまい、言葉に詰まる。

 

「それに!」

「えっ?」

「そんな楽しそうな部隊に誘ってくれなかったら逆に怒るよ?ねっ、フェイトちゃん?」

「うん!」

「………」

 

 二人の言葉を聞いた途端、はやての目に涙が溜まっていく。

 

「…おおきに…ありがとな…。なのはちゃん!フェイトちゃん!」

 

 涙を拭いながら礼を言うはやての顔は笑顔に満ちていた。

 

 

 

 

 

「(ホントのところこれは建前やけど…実際このままじゃ今の時空管理局はあかん。それに…二人の力は借りたいけどもう迷惑はかけたくない。だから()()()()だけはウチが…!)」

 

「おいお前達!いつまで寝ているんだ!弛んでいるぞ!」

「「「!!!?」」」

 

 はやての話が終わるのを狙ったかのようにドアが開いて男性が入って来た。それは勿論リュウだ。

 

 

 

 リュウは救助活動の後でなのはと共に時空管理局本局へ出向いていた。

 幸いリュウは協力的だったので取り調べや軟禁等は殆どされずに済み、リュウを迎えるにあたっての暫定措置として万一の事態に備えられるようなのは達の監視下に置くべきと判断され、同じホテルの隣の部屋に宿泊していたという訳だ。

 

「む、起きてはいたのか」

「「「…………」」」

 

 三人は予想外の来客に驚いて絶句しながら固まってしまった。

 

「三人とも早く着替えてくれ。ホテルは息苦しくてかなわんから長居したくない。

 …それにしても随分脱ぎ散らかしたな。寝巻きも着ていないようだが…女としてそれはいかん。俺の出身国には大和撫子という女性像があってだな、女は慎み深く清楚で恥じらいを…」

「「「………」」」

 

「ん?どうした?黙ってないで準備…」

「「「出てけーーーー!!!」」」

「うーーーん…。何の騒ぎですかー?」

 

 

 

 

 その日のうちにリュウは時空管理局に客員扱いで入局。日常生活の保障と同時に被験者としてデータ採取の為の各種検査及び模擬戦、プライベート以外での行動監視を義務付けられた。

 そしてリュウの事をよく知るなのはが監視役に選ばれ、リュウは多くの時間を彼女と共に行動する事となったのである。

 

「監視というのは堅苦しい響きだが監視役がお前なら少しは気が楽だな」

「ふふっ、私は基本的に見てるだけだよ。あなたが変なことをしない限り行動を縛る気は無いから心配しないで!」

「それは助かる。修行の内容にまで横槍を入れられるのかと思っていたところだ」

「それは内容によるけどね。ともあれこれからよろしくね、リュウさん♪」

「ああ。よろしくな、なのは」

 

 

 

 

[臨海第8空港火災から数ヶ月後]

 リュウはなのはから仕事を回されて公の場に度々姿を表すようになり、時空管理局及び一般人の間にも「格闘家」という言葉と存在が少しずつ浸透していった。

 その影響もあって魔法の素質を持たない時空管理局局員から「その肉体を作る訓練メニューや『気』の操り方を教えて欲しい」との声が上がった事もあったが、「まだ修行中で未熟なので教えられる程の身分じゃない」との理由で断っていた。

 

 

 

[更に数ヶ月後]

 時空管理局は格闘家の被験者を増やす事を決定し、リュウのいた世界から新たに数人の格闘家をスカウトする事となった。

 スカウト役にはフェイトが選ばれ、フェイト自らが補佐役として選んだシャリオ・フィニーノ一等陸士も同行。その結果、新たに三名の格闘家を招く事に成功した。

 

 そして臨海第8空港火災から4年後……

 

 

 

【アナザーside…END】




コメディ展開って難しい…。
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