平賀才人という名前を聞くと、ゼロの使い魔というライトノベルのタイトルを連想する俺がいる。きっとそれは俺だけでは無いはずだし、むしろ俺の世代のオタク趣味を持つ奴なら百パーセント閃くくらいに当然と言える。
なぜそんなことを?と問われれば平賀才人というのが現在の本名であり、俺が転生したという証拠になるからだ。ゼロ戦が空を飛ぶオープニングを見て旧日本軍の兵器を調べたりした記憶もある。その記憶は現幼稚園児で平賀才人という名前の俺に似つかわしく無いものだ。
しかし、いくら俺の名前が平賀才人で前世の記憶があるとしてもココはゼロの使い魔の世界では無いと言い切れる。オリ主転生とか憑依などでは無く、純粋な持越しの転生であると言える。なぜなら転生して6年目の今、俺は魔法発動に必要なデバイスを買ってもらったからだ。つまりココはゼロの使い魔の世界では無く、リリカルなのはの世界だったのだ。
いや、リリカルなのはの世界と言うと語弊がある。どちらかと言えばとある科学の超電磁砲とリリカルなのはの合いの子みたいな世界だ。しかもかなりユルユルな世界だ。
だけど説明は後々ということで。俺はデバイスに夢中なのだ。誕生日プレゼントとして買ってもらったオーバーテクノロジーの塊を弄くりまわすことに全身全霊を持ってあたっている。ヤバイ。めっちゃ楽しい。年齢制限の安全装置とか付いてるけど、戦隊ヒーローの必殺技とか普通に出てくる。拳銃の形をしたデバイスだけど、付属のボタンを押して「変身」と言えば10秒後位にはライダーみたいな格好になっている。前世で夢見た遊びの結晶が俺の手の中にある。感動し過ぎて膀胱が緩むかの様な快感が全身を駆ける。
ふと視線を感じて振り返ると、今世の父と母が俺を見て微笑んでいる。嬉しさと恥ずかしさがない混ぜになって顔を熱くした。今はライダーの格好をしてるからばれてないと思うけど。
「ふふっ。母さん、サイトもやっぱり男の子だねぇ〜。すっかり夢中になって。ヒロイックシンドロームが来たら人並みの苦労をしそうだよ。」
「あらら、気の早いことね。でもH.Sに関しては誰も人のことを笑えないわよ?」
「ンー、だよなぁ。未だに思い出しては枕に顔うずめて悶えるもんなぁ。」
父、母の和かな会話の半分も聞いて無いけど、その中に俺にたいする優しさみたいのを感じて顔から火が出そうになった。中身の年齢は結構高めだから気恥ずかしいや。その気持ちが体に引きずられたからか、父に向けてデバイスを構えてシュートッ!
「おっとと!サイトッ!やったなぁ〜。」
父はニヤニヤ顔になりこちらを見て、母はそれを見て微笑んでいる。俺はさらに気恥ずかしくなりデバイスを連射。しかし父の体に当たっても全然効いてないし、父が出したであろう立方体に防がられたりと年齢制限付きデバイスは弱々しい。
その後は父に漏らすまでくすぐられて、グッテリとしながら母の前で正座をしている父を見ながら平賀才人としての幸せに思いを馳せた。あ、早くパンツを替えなければ。
これは生存報告だからな。