そして使い魔   作:夏野菜固定金具

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ヒロイックシンドロームの本気

ヒロイックシンドロームを舐めていたわ。というより凄まじいわ。一足先に攻殻機動隊が放映された後学校に行くとクラスの男子の何人かがトグサになってたわ。コスプレなんだけどね。その時のクラスの空気が痛々しくてどうしようも無かったわ。登校の時にトグサの格好→ホームルーム前に制服に着替える→でもトレンチコート?はイスの背もたれに掛ける。→サイコマターで作ったマテバを撫でる、磨く→何してんのと声を掛けるとトグサのセリフが返って来る→遅刻して来た奴もトグサの格好でデバイスがマテバの形→ぐぬぬ、という空気が流れる→ギタイがドーノーという謎会話が始まる。出席率は良くなったんだけど、ヒロイックシンドロームの本番というのがどういうのか解った気がするわ。外に向かうというより内に向かう感じなんですね。

 

そんでもってネギまとfateと空の境界が始まった時はもっと凄かったね。前世と今世じゃアニメの放映の仕方が違くてさ、アニメがなんと4話連続で放送されるんだよね。2時間ぶっ続けでネギまとかやるわけ。その後でエヴァの再放送とかやったりするのよ。もうね、クラスに入るとシンジ君がエヴァに乗る時に頭に付けてるやつを装備してるのとか令呪みたいなのを手の甲にペイントしてる奴とかで溢れるとかね。痛々しくて会話を振れないというね。でも何人かがチラッチラッてこっち見たりして話し掛けてオーラを出すという。……クラスメイト女子の写真を加工してパクティオーカード作ってる奴の方が無害という嬉しく無い事実が俺を襲ったよ。

 

あとは俺も結構やらかしたわ。ヒロイックシンドロームな方じゃ無くてさ、クラスメイトの一人が手に包帯巻いて来てて、邪気眼とかど忘れしちゃっててさ。普通に怪我でもしたの?大丈夫?とか言ったりして声掛けちゃったのよ。そしたらソイツ、「ううっ!」とか呻きながら顔しかめて手を押さえるワケ。で、さり気なく包帯解いててさ、令呪のペイントがあったから俺も「あっ、」って声出したのよ。まさしくその時歴史が動いたね。主にソイツの黒歴史だけど。俺の手を掴んで引っ張って、「今見たのは忘れろ」と言うんだけど、クラスのほぼど真ん中で結構な声量だったわけよ。俺は「解ったよ。」と答えたんだけど、その後メールで誰も巻き込みたく無いんだと来たもんだ。エミヤシロウかよっ!その後もクラスメイトが眼帯やら手袋とか髪を脱色しつつ日焼けサロンで色黒にするとかがあってホトホト疲れたわ。眼帯のクラスメイトに「ものもらい?」なんて聞いたら無言で眼帯を取って見せて来るわけ、青いカラコンで直死の魔眼を再現したのを。中学生になっても俺のポジションは「世界の裏側を知らない表側の人間」のままで、酷い時には「お前に何が分かるっ!」って怒鳴られたこともあったわ。その後スグにゴメンナサイメールが届いたけどね。ポエム付きで。

 

 

と、まぁこんな感じでクラスメイトというか学年全体の黒歴史が加速する様を見続ける中学時代でした。部活はやってたけど、比較的ヒロイックシンドローム罹患者が少ないダンス部でブレイクダンスとかマット運動とかしてました。下手に運動部とか入るとヒロイックシンドロームのスパイラルに巻き込まれそうで。

そしていよいよ高校進学。この世界のシステムだと高校迄が義務教育期間で学力に応じて高校を選べるということになっているが、偏差値がココからここ迄の○学区の学生は××高校へ進学してねという塩梅になっていて、モチロン私立高校の受験も出来る。俺は私立高校では無く公立の方に進学することにした。

 

 

高校はヒロイックシンドロームな奴は少ないだろうな。なんて思ってたんだけどね、春休みに放送が開始しましたわよ。fate/zeroが。

 

 

 

 

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