魔法科高校の錬金術師   作:藤宮一樹

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第16話 解放

無事に戻ってきた5人はCADを返し終え、さっそくとらえられた生徒を解放する計画を立てた。

「はっきり言って巡回の魔法師は無視して結構です。なるべく見張りの魔法師を優先しましょう。人質を優先して解放しなければ厄介です。相手はプロの魔法師。戦闘を行う場合二人一組(ツーマンセル)で一人の魔法師に立ち向かった方がいいでしょう。それでも少し危ないですが、そんな悠長なことを言っていられません。敵の魔法師の中にはここの学園生徒もいるようなので、何とか乗り切れると思います。そして見張りの魔法師の気をそらしている間に他の救出チームが人質を解放し避難させます。避難確認後戦闘を離脱し、撤退してください。倒すまで長々と戦闘を行うこと自体が逆に迷惑になってしまいますから。ツーマンセルであれば敵を翻弄しながら、撤退できるはずです。・・・と伝えてください会長」

と一樹が言うと

「自分で言えばいいじゃない」

と楓にあきれた声で返された。

「一樹君の作戦はいいと思うわよ?だから自分で言えばいいのに」

と星華付け加えた。

「いえ、自分だとあんまり信用してもらえないような気がして。やはり指揮官は信用が命ですから」

「ていうか、一樹君妙にこういう場慣れてるよね?高校生にしては」

「気のせいですよ」

「ふ~ん」と楓は納得のしていないような声を出したが、それ以上は追及してこなかった。

「でも、さっきの作戦じゃこちらの戦力が足りないんじゃないかしら?私たちは一人で行動したとしても足りないわよね?」

「ええ、ちょうど一クラス分足りませんね」

「どうするの?」

「大丈夫ですよ当てはあります」

そう言って隣に置いてあった二つのCADケースを軽くたたいた。

「誰の?」

「自分で知る限り、この学校で最高の白兵戦に長けた二入の魔法師ですよ」

 

あの後、結局一樹が作戦を説明した。意外と好評価で一樹自身も面を食らった。さっき、壁を空けたことでだいぶ信用してくれているみたいだった。

とにかく早く作戦を実行に移した。大規模な魔法が発動されるまであと35分。魔法の発動が近づくにつれて、発動する時間がはっきりと分るようになり、今では秒単位でも分る。

35分ではとても全クラスの生徒を避難させることはできないが、どっち道自分はあの魔法を阻止するつもりだ。予定では15分で一クラスを解放し、講堂へと向かい魔法を阻止といった流れだ。

自分が解放するクラスは一年C組。その隣のクラスの解放はあの二人に任せよう。

今はC組のクラスに向かっている途中。すでにあちらこちらで戦闘が始まり、色んな破壊音が聞こえてくる。手には二つの武装一体型CAD。一つは組み立て式の槍、もう一つはグローブ。あの二人にピッタリなCADであった。

C組に前を通り過ぎ、D組のドアを開ける。警戒してたのか、待ち構えていたが、気にせず二人にCADを投げ渡す。一樹はそのまま右手を振る。すると西園寺と紗香の拘束具は破壊され自由になった二人は見事に自分のCADを受け取る。

「あとは任せたぞ!!」

そう言って一樹は教室を出た。ちらっと魔法師を見たが運の悪いことに二人ともプロの魔法師だった。しかし、二人の相手にはならないだろうな。そんなことを考えながら隣のC組へと入ったそこにも二人の魔法師がいた。しかし、片方は学生のようだ。

―――つまらない

と心で呟く。しかし、相手がプロだろうが素人だろうが結果は同じ。二人に分散され、一人当たりの魔法の数が少ないがそれども合計48発。24発ずつ振動系の魔法を食らい、一瞬で二人とも沈んだ。あとは人質の解放。もう一度右手をふり、二十人の拘束具をいっぺんに破壊する。生徒の全員が驚いてるに違いない。

「あとは隣のクラスの立宮西園寺と千里紗香に保護してもらってくれ」

一樹はそう言い残し、部屋を後にした。

 

一階に降りると、建物の出入り口にミールが待っていた。

「終ったのか?」

「うん、余裕」

「そうか、それは良かった」

「時間は?」

「大丈夫思った以上に早く終わったからね。あと25分ぐらいある」

一樹とミールが話をしていると、後ろから走ってくる足音が聞こえた。

「はぁはぁ間に合ったみたいね」

来たのは、息を切らしている楓に

「楓はもう少し体を鍛えた方がいいじゃないかしら?」

涼しげな顔をした星華だった。

「いいの、普段は魔法で移動するから」

と息を切らしながら答える。一樹はなんで今は使わなかった?と聞きたかったが、それは九頭見家相手には少し、野暮というものだ。だから一樹はもう一つの疑問をぶつける。

「どうしてここに?」

楓は息を整えてこう言った。

「大規模な魔法を止めに行くんでしょう?

私たちも行くわ。生徒会長なのに、学園生徒だけを危険にさらすわけにはいかないの」

「私も同じ、私は風紀委員長、一樹君はその部下。委員長には部下の監督責任があるからね」

「・・・はっきり言って何が起きるかわかりません。かなり危険だと思いますが」

「さっきも言ったでしょう。あなた方だけを危険な目にあわすわけにはいかないの」

「魔法師を目指した日から既に危険であるのは知っている。覚悟はできてるよ。今更その程度では引き下がったりしない」

「分りました。行きましょう」

一樹がそう言って外へ出ると

「ちょっと待ったーーーーー!!」

と上から女の声が聞こえてきた。一樹が少し隣によけると、そこに紗香が着地し、続いて西園寺もその隣に着地した。

「水臭いよ!私たちを呼ばないなんて」

「そうだぜ、なんか面白そうなのに」

「・・・なんでわかった?」

「私には隠せないのよ」

―――言霊か・・・

さっきは大規模魔法の事で頭がいっぱいで隠すことをわすれていた。

「はぁ~分ったよ

ついてこい」

「「よっしゃあ!!」」

楓、星華、西園寺、紗香、ミール、一樹この六人で魔法発動予測地点である講堂へと向かった。

 

発動まであと20分

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