都市伝説とオウマガトキ   作:コハク

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さぁて。2話目に突入でございます。
下書きを書いていても無視してしまう僕です。
下書きはなんのために…。

今回も結構有名なこっくりさんでございます。
だいぶオリジナルにしてあるので違和感がハンパないと思いますが生暖かい目で見守ってやってください(笑)

それでは、どうぞ。



コックリさん、コックリさん。

ねぇ、こっくりさんって知ってる?

そう。あの霊を呼び出してお告げを聞くって言う、あれ。

私たちは、こっくりさんをやった。どうしても聞かなければならないことがあったから。

でも、注意しなかったせいで、私たちの未来は光から闇に変わった。

 

 

 

 

「…みんな、いいか??」

 

「ああ。いいよ。」

 

「ほ、ほんとにやるの??」

 

「仕方ないでしょう。僕たちの、これからのためですから。」

 

こっくりさんのメンバーはみんな同級生。

サッカー部でキャプテンを務めている柊まこと、おとなしくて怖いことが大の苦手の佐倉みつき、冷静で静かなしっかり者の雪原れいじ。それと、私。

放課後の誰もいない教室で、私たちは一つの机を囲んで立っていた。その机の上には、こっくりさんに必要な大量の文字が並んだ紙と、10円玉が一枚。

 

「…始めようぜ。」

 

まことがそう言って、10円玉に指を置く。

四人は恐る恐る手を伸ばし、鳥居の絵の上にある10円玉に指を置いた。

ゆっくりと、まことが息を吸う。そして…

 

「こっくりさん、こっくりさん、いらっしゃったら、『はい』の位置までおすすみください。」

 

…言ってしまった。

とうとう、始まった。

ここからは誰一人として10円玉から指を離してはいけない。

静かな緊張に包まれたまま、10円玉はゆっくりと動いていき、『はい』の位置で止まった。

私たちはもう一度だけ顔を見合わせ、うなずきあった。

『はじめよう。』と。

聞きたいことは、もう決まってる。

 

「…こっくりさん、こっくりさん。ここの教頭は、消えますか??」

 

私たち…いや。ここの高校の生徒全員は、教頭のことを嫌っている。

男子には理不尽な暴力。女子には意味のないセクハラ行為。

それでいてここの高校から移動させられないのは極度のブラコンである校長のせいだろう。

教頭と校長は兄弟だから。常に側に置いておきたいんだろう。かわいい弟を。

あぁ、キモッ。

とにかく、そんなこんながあって私たちはこっくりさんにお告げを聞くことにしたんだ。

 

…まだ動かない10円玉を見つめる私たち。しばらくするとゆっくりと動き出した。

 

『いいえ』

 

「これって…消えないってこと??」

 

「まじかよ…まだあんな暴力を振るわれんのか?」

 

「私…もう、イヤだよ…あんなのっ…耐えられるわけないっ…」

 

うるうると瞳を潤ませながら今にも泣きそうなみつきをみて、私は一つの質問を思い浮かんだ。

 

「こっくりさん、こっくりさん、

…教頭に、ノロイをかけられませんか?」

 

「なに、きいて…!?」

 

三人の視線が私に集まる中、10円玉はゆっくりと動いていく。

『はい』の上へと。

 

「うそ…だろ…?ほんとにできるわけ…」

 

10円玉は勝手にするすると文字の上を走る。

 

『ノロイマショウ、ウラミトトモニ。』

 

そのときだった。ほんとに一瞬のことで、なにがなんだか理解できなかった。

赤く染まるテレビ。机から立ち上がる黒い影。たくさんの笑い声と、みんなの叫び声。

 

「こっくりさん、こっくりさん、お帰りください!!」

 

れいじがそういっているのが聞こえる。でも、もうだめ。

意識がもうろうとして立っていられない。

頭の中を占領していく不気味な笑い声。

目の前にいた黒い影に触れられたとき、私の意識は闇の中へと消えた。

 

 

 

 

「んっ…」

 

次に目が覚めたのは真っ白なベッドの上、病院だった。

 

「あ、目が覚めましたか。」

 

白衣を着た医者らしき人が話しかけてくる。

その声で朦朧としていた意識が少しずつ戻ってきた。

 

「少し失礼しますね。」

 

そう言って私の胸に聴診器をあて、しばらく心臓の音を聞くと

 

「大丈夫ですね。痛いところとか、そういったところはないですか?」

 

と聞いてきた。

 

「大丈夫です。痛いところも、特に。」

 

「そうですか。それならいいんですか。しばらく休んでいてくださいね。」

 

そう言って優しく笑いかけると私の病室から出て行った。

改めて病室を見回すと、個室であることがわかった。

なんという贅沢だろうか。

起きて少し歩こうと思ったのだが…

 

「あれ、動けない…」

 

…体がとても重たい。

まるで誰かが上に乗っているかのように、重たくて、息苦しい。

こんなことならさっき言っておけばよかった。

ナースコールしようにも、腕がうごかないんじゃ意味がない。

 

「はぁ…。」

 

早速やることがなくなってしまった。

母と弟はもう来ていたようで、私の着替えと少しの本が置いてあった。

動けないから読めないけど。

やることがなくて困っていると…

 

「失礼します。警察の安達です。少し、お話よろしいですか?」

 

警察の人が入ってきた。

少し意外だったが、何となく予想はしてた。

…なんとなくだけど。

 

「…はい。少しなら。」

 

「すみません。起きたばかりなのに。」

 

「いえ、大丈夫ですから。」

 

「…そうですか。それでは質問を始めます。これから聞くことに、正直に答えてくださいね?」

 

安達さんの質問が始まった。

といっても、簡単な質問ばかり。

あそこでなにをしていたのか、とか、どうしてそうなったのか、など。

答えられないところは何となくはぐらかして答えて、しばらく質問をすると満足したのか、

 

「また聞きたいことが出たらきます。そのときはお願いします。」

 

と言って出て行った。

外を見ると、夕日で街が赤く輝いていた。

あのときの、校舎の中のように。

 

 

 

 

あのあと、安達さんが出て行くとナースの人が夕食を運んできてくれた。

重い体を無理矢理動かして食事をとり、する事もないままぼぅっとしていた。

 

もう消灯時間はとっくに過ぎている。

でもなんだか眠ることができなくて。

天井を何となく眺めているときだった。

 

"ね、あんた。"

 

声が聞こえた。

私はびくりとして周りを見渡した。すると、ベッドの横に置いてあった来客用のパイプいすの上に半透明の男の子が座っていた。

 

「うわっ!?」

 

思わず声を上げると、男の子はニヤッと笑って言った。

 

"驚きすぎでしょ。おもしろ。"

 

クスクスと笑いながら言ってくる男の子を少しだけにらみながら私は言った。

 

「君はだれ?ここで死んじゃった子?」

 

"僕がここで死んだ?なに言ってるの。僕は君を導きに来たんだよ。みんなが助かる方法を教えに来たのに。ってか、あんた霊感なさ過ぎでしょ。僕のこともほとんど見えてないんじゃないの?"

 

「う、うるさいわね。霊感はないほうがいいじゃない。」

 

"まぁ、いいや。あんたはみんな…こっくりさんをやったメンバーを助けたいか?"

 

「もちろん。そうに決まってんでしょ。」

 

私は迷わずにそう言った。

男の子はまたニヤッと笑って私に言った。

 

"そういってくれると思ったよ。じゃぁ、行こうか。"

 

「…どこに?」

 

いきなりの展開で私が目をぱちくりさせていると男の子はいつの間にか持っていた黒い水晶玉のようなものを弄りながら

 

"だから、呪いをとくために学校に行くの。一人でこっくりさんに頼むんだよ。『呪いをといてください。』ってね。"

 

何事でもないような声で男の子はけろっと言った。

私は拍子抜けしながら体を起こす。

なぜか体の重みは消えていて、容易に起きあがることができた。

 

"ほら、いくよ。早くしないと、時間がない。"

 

男の子はそう言うと窓からふわりと飛び出した。

 

"早く来てよ。助けたくないの?"

 

「は、裸足でいくの?」

 

"しょうがないでしょ。急いでるんだから。"

 

「えぇぇ……」

 

何とも無責任な男の子とともに私は病室を飛び出したのだった。

 

 

 

 

「ほ、ほんとにこれでいいんだよね…?」

 

"だから、そうだって言ってるでしょ?こうすればたいていは助けてくれるよ。"

 

「た、たいていはって…」

 

夜の教室で私はこっくりさんの用意をして立っていた。

隣に、不思議な男の子をつれたまま。

 

"ほら、始めなよ。"

 

「う、うん。」

 

こうして二回目のこっくりさんが始まった。

 

「こっくりさん、こっくりさん、いらっしゃったら、『はい』の位置までおすすみください。」

 

夕方、まことが言っていたことを私はまた繰り返す。

みんなの呪いをとくために。

 

10円玉はゆっくりと『はい』の位置まで動いていく。

私はゆっくりと息を吸って用意していた言葉を言った。

 

「私たちにかかった呪いを、解いてくれませんか?」

 

10円玉はゆっくりと動き、

『いいえ』で止まった。

 

「どういうこと…だめなの!?私たちの呪いは解けないの!?」

 

"あーあ。見放されちゃったね。失敗だ。ざーんねん。"

 

男の子はそう言うと弄っていた黒い水晶玉のようなものを机の上に置き、私の目の前にくると、驚くほど冷たい目で私を見て、冷たく言い放った。

 

"あんたは見放されたんだよ。残念だったね。『イケニエ』さん?"

 

「いけ、にえ?」

 

その言葉の意味が理解できず、私は固まった。

静かな教室に、10円玉が床にはねる音だけが響く。

その音が引き金になったかのようにあのときと同じように黒い影が浮かび上がり、私に向かってきた。

 

"あんたに、最高の死があらんことを。"

 

男の子はそう言って、私の前から消えた。

 

 

 

 

 

 

黒い影の襲撃はまだ止まない。

次々と立ち上がり、私を闇へと連れ込もうとする。

月明かりさえもなくなってしまった暗い教室に一人、私はもがき、あがき続けたが。

その努力もむなしく、意識は朦朧としてくる。

その意識を手放す直前、パリン、と何かが割れる音がした。

その音を最後に、私の意識は途絶えた。

 

 

~~~~

 

 

次のニュースです。

先日お伝えした○○高校での怪奇現象に進展です。

四人のうち三人は回復に向かっており、残りの一人、×× ××さんは病院の敷地内で裸足のまま亡くなっているのを発見されました。

××さんに目立った外傷はなく……

 

 







『私達に、最高の死があらんことを。』


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