都市伝説とオウマガトキ   作:コハク

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さて、最新作でございます。
今回もまぁまぁ有名なサルの手ですね。
ですが……そろそろ都市伝説ネタがつきそうです。
何かいい都市伝説はないでしょうか……?
怖い話でもいいんですが。
教えてください。お願いします。
それでは今回も、どうぞ。


サルの手

 

"サルの手は、願いを5つ、叶えてくれる。"

 

"0から1は生み出されない。1から1へとかわるもの。"

 

そこまで書いた僕の手は止まった。

物語が進まなくなったんじゃない。

主人公がもし僕だったら……。

猿の手が見つかるのは、本の上。

そこから慎重に三つ目まで願いを叶える。

残り2つは予期せぬところで……

うん。これがいい。

僕の手はノートの上に文字を書き連ねていた。

 

"これは、小説好きの男の子の、不思議なお話。"

 

と。

 

 

~

 

 

あの小説を書いてから数日後。

 

僕はベッドの上で本を読んでいた。

何となく視線を感じ、周りを見渡すと、不意にゴトッっと音がした。

音の正体は、机の上にたたずむソイツだった。

 

"サルの手は、小さなミイラの手。"

 

ボロボロのやつれた小さな手がおいてあった。

テレビで見たミイラの手の縮小版のようだ。

 

"そのサルの手の指はひとつ、握られていた。"

 

それの親指は、願いを叶えた後のように折れ曲がっていた。

 

"僕はそれを見て一言、"

 

僕はそれを見て察した。そして、

 

"「そういうことか。」と呟いた。"

 

「そういうことか。」と僕は言った。

 

"『まるで、あの小説のようだ。』"

 

 

~

 

 

僕は早速、二つ目の願いを言った。

 

「僕の目の前で、あいつらが死ねばいいのに。」

 

"僕は願いに目がくらみ、こう言っていた。

「いじめっ子が、死ねばいいのに。」"

 

パキッと、僕の手の中から小さな音が聞こえた。

 

"パキッと、手の中のサルの手がまた、指を折っていた。"

 

手の中の小さなサルの手。

人差し指が、折れていた。

 

"次の日の学校。いじめっ子たちは全員、学校には来なかった。クラスの担任が悲しそうに、「亡くなりました。」というのを聞いて、僕はにやけが止まらなかった。"

 

次の日。いじめっ子たちが全員、飛び降り自殺をした。

窓側に座る僕が外を見たタイミングで、全員が笑いながら上から下へと流れていった。

 

"その日、僕の家族が死んだ。僕は、1人になった。"

 

その日、病院から連絡があった。

入院していた父の病状が悪化し、死んだらしい。

まぁ、僕には関係ないことだけど。

 

"僕は、1人になった。寂しさを埋めるために願った。

僕の好きな小説が、たくさん。たくさんほしいと。"

 

僕は大きな願いを言った。

一生かなうことがないと思っていた夢。

大好きな本を、壁一面に敷き詰めてほしい、と。

 

"僕の部屋に、本が敷き詰められた。

たくさんの、僕の大好きな本たちが。"

 

僕の目の前に本が現れた。

本が積みあがっていく音でかすかにしか聞こえなかったが、僕の手の中でまた1つ、指が折られていた。

 

"「わぁ……!!」

僕は目を輝かせながらあたりを見渡した。

たくさんの本が、僕の部屋に集まっていた。握ったままだったサルの手は、小さく、だが確かにまた1つ、指を折っていた。"

 

その日のニュースを、本を読みながら見ていた。

ここの近くの本屋で、ごっそり本がなくなったそうな。

サルの手の原理を知っている僕はそのニュースを見て、薄く笑いながらテレビの前で本を読み続けていた。

 

"僕は本を読みあさっていた。

学校にも行かず、テレビもつけず。

ただひたすら、本を読み続けた。

そのころ外では、消えた本の事件が発生しているとはつゆ知らず。"

 

今日は、何日目なんだろうか。

 

"もう、何日が過ぎたんだろう。"

 

今は、いつなんだろうか。

 

"今は、いつなのかな。"

 

……あの親は、なにを思って死んだんだろう。

 

"僕の家族は、幽霊になったのかな。"

 

もし、もしも幽霊がいるのなら。

 

"もしも、幽霊がいるとしたら。"

 

"「会ってみたいな。」

気づいたら、そんなことを思っていた。"

 

「幽霊に、会ってみたいな。」

気づけば、そんな言葉をつぶやいていた。

 

"『呼んだのは、君?』"

 

『こんにちは。ニート君。』

 

"僕の目の前に、半透明の女の人が現れた。"

 

僕の目の前に、女の人が現れた。

 

"にこりと笑顔を見せてそれは言った。

『家族に、会いたくない?』"

 

その人は薄く笑って言った。

『この世界に、飽き飽きしてない?』

 

"僕は驚いてその人に聞いた。

「みんなに、会うことができるの?」"

 

僕はその言葉を聞いて少しだけニヤリとした。

「あぁ。飽き飽きしてるよ。」

 

"それはまた、僕の質問に答える。

『できないことはない。けど、それなりの覚悟はいるよ。』"

 

『ならさ、もう一度やり直さない?とっても簡単で、とっても難しいことだけど。君がそれを望むなら、私は助けるよ?』

 

"僕は、その覚悟を聞いた。それは、とても簡単で難しいものだった。でも僕にとっては、とっても簡単なことだった。"

 

僕はニヤニヤと笑みを浮かべたまま、小さく、あのとき書いた小説の一言を言った。

今の僕と、同じ状況にたたされた彼の言葉を。

 

"僕は、ニヤリと笑うと一言だけ、小さくつぶやいた。"

 

 

 

『……僕が、死ねばいいんだ。』

 

 

 

それは、そうなってほしいという望み。

 

"それは、ただの願いにしかすぎない。"

 

いつか描いた物語のように。

 

"いつか読んだ物語のように。"

 

ホンモノとニセモノが入れ混じる。

 

"本物は、どちらにあるのか。"

 

こっち?

 

"それとも、あっち?"

 

願って死んだ者の代償は、

 

 

 

『いったい、なにが帰ってくるんだろうね?』

 

 

 

目の前に立つ、幽霊が言った。

 

『キミに、最高の死があらんことを。』

 

その言葉で、僕達の最後の願いは始まった。

 

 

 

 

 

パキッと、いつもの音が聞こえた。

それとともに襲ってくる違和感。

息を吸うことができない、窒息感。

かすれる視界にうつったのは、あのミイラの手だった。

幽霊は僕の前を漂い、言葉を発することのできない僕を見て黒い笑みを浮かべた。

僕の視界は暗転し、頬に冷たい床の感触が伝わってきた。

うっすらと目を開けると、小さなミイラの手が僕の首を絞めていた。

僕の意識は、闇に消えた。

 

 

~

 

 

続いてのニュースです。

○○市○○区のマンションの一室で○○高校に通っていた×× ××君が亡くなっているのが発見されました。

死因は窒息死で、××君はこのところ、学校には行っていなかったようです。

警察は他殺と自殺、両方の線で調べています。

次のニュースです…

 







『僕らに、最高の死があらんことを。』



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