大変お待たせしてしまいました。
以後、気をつけます。
さて、今回のお話はメリーさんを題材にしたものとなっています。
裏の設定などをごちゃごちゃとしてしまったので、意味がよくわからなくなってしまいましたが、読んでくださると嬉しいです。
それでは、どうぞ。
『私、メリー。今、あなたの家の廊下にいるの。』
無機質な文字列の横に小さく、既読の文字が浮かんだ。
今度こそ。必ず電話に出てもらわなければならない。
じゃないと、私が……
プルルル……プルルル……
なんの変哲もないコール音が小さな部屋に響く。
仕掛けはもうできている。後は、電話に出てもらうだけ。
もう少し。あと少し。
でも、コール音は鳴り止まない。
電話に、出てくれない。
ねぇ、どうして?
何で出てくれないの?
ねぇ。お願いだからさ。
電話に出てよ……
「……もうあきらめたらどう?」
「そうだよ。このまま続けても意味なんてありはしない。産まれもしないよ。」
「またきたのね。
……意味なんて無くても、それでも私は、やらなきゃいけないの。私を捨てた、あの子に出会うまで。」
「ただの執念。」
「ただの恨み。」
「たった一度捨てられただけでそれだけの憎悪を抱けるのもすごいじゃないか。」
「うるさい。」
また、失敗した。電話に出てくれない。
これじゃあ、この子たちが言うようにこの行為に意味なんてないのと同じじゃない。
ねぇ。何で出てくれないのかな。
私が悪いのかな。
私はただ、あの子とずっと一緒にいたかっただけなのに。
あの子が私を捨てたのが悪いんだ。
それなのに。あの子が見つからない。
「もう、タイムリミットが来ちゃうよ?」
「諦めて死んじゃった方が、よっぽど楽になれるよ?」
「あと、三時間ぐらいかな。」
「それだけで、その子を見つけられるの?」
「わからない。でも、やるしかないの。」
その時だった。私が使っている携帯電話に一通のメールが来たのは。
私は、あの子からの連絡かもしれないと思ってメールを開いた。
『私、メリー。今、あなたがかつていたところにいるの。』
「メリー……?なんで?メリーはここにいるのに……」
「あーあ。始まったね。」
「三時間も、ないかもね。」
「ねぇ、どういうことなの!!?私がメリーなのに。メールの相手は一体誰!?」
「だから、メリーさんだよ。」
「私がメリーなの!
それともなに!?同じ名前の子が、同じことをしてるっていうの?」
「そうかもしれないね。」
「でも、そうじゃないかもしれないね。」
「はっきりしてよ!私がメリーなの!
メリーはこの世に一人しかいないの!!」
『………君はほんとに人形のメリーなのかい?』
「ど、どういうことよ。そうに決まっているじゃない。」
『ほんとに、そうなのかな。』
メールの着信音が鳴り響く。
ケータイをあけて、メールを開く。
『嘘つき。
ずっと一緒にいるよっていってくれたのに。
嘘つき。
私を捨てたのはあなたでしょ?
嘘つき。
私を捜したって見つからないわよ。
だって私はもう。
あなたの、後ろにいるんだもの。』
電話の着信音が鳴り止まない。
私が、人形を捨てた?
私は、メリーじゃない?
じゃあ、私は誰?
私はなに?
……私が、メリーを捨ててしまったの……?
「……やっと思い出したんだね。」
「遅いよ。おかげでこんなにも大変なことになっちゃった。」
「……私が、メリーを殺してしまったの?」
「そういうことになるね。」
「……そう。私が悪いのね。」
「理解が早くてすごく助かるよ。」
「……この電話に出れば、メリーとはなせるの?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。」
「……そっか。でも、謝らなきゃ。
ごめんなさいって。」
「そうかい。それじゃあ、君とはここでお別れだね。」
「そう、なるのかもしれないわね。」
「それじゃあ。」
『君に、最高の死があらんことを。』
電話をとる。
ゆっくりと、応答のボタンを押し込んだ。
『……私、メリー。
……今、あなたの後ろにいるの。』
「……そっか。ごめんね。メリー。
約束を、破ったりして。」
『……絶対に、許さない、から。
……さようなら。』
背中に、激痛が走る。
何かが刺された感覚。
それが抜ける。
首にそれが当てられる。
切り裂かれるその一瞬。
私は、かつてメリーが着ていた淡い紫のドレスが、ちらりと見えた気がした。
~
続いてのニュースです。
○○市○○町の小さなアパートの中で少女がなくなっているのが見つかりました。
発見したのは近隣住民で、異臭がする、という連絡のもと、管理人が鍵を開けたところ、死後一週間は経っていると見られる死体が見つかりました。
現場から中継がつながっています。
現場の××さん………
『私に、最高の死があらんことを。』