極黒のブリュンヒルデsidestory   作:apride

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【番外編】渡瀬教官

「本庄さん・・・」

 

デスクに肩肘つきながら呼び掛ける

 

「はい。どうかなさいましたか?」

 

「暇だな・・・」

 

「・・・よろしいんじゃありませんか?平和でなりよりですね」

 

本庄は素っ気ない

 

「女の子達はどうしてる?」

 

「用の無い個体は『待機』です」

 

「ゲームとか読書とかして過ごすってこと?」

『待機』と言われてもピンとこないが、命令が下り次第出動できるように過ごすとなると・・

 

「何もしてないと思いますよ。大部屋の個体はおしゃべりくらいしてるかも?ゲームはありませんし、読書できる程に教育を受けてないですから・・・」

 

「そういえば、どの子も小学生だな。教育を疎かにしてるのは問題だな」

 

「そうですか?魔女の能力しか必要とされない子達ですからね・・・」

 

「教育を受けてない『お馬鹿な魔女』を造るのが目的か?魔力が強くても馬鹿では使えんだろ!」

 

「あ、言われてみるとそうですね⁉」

本庄も『あらま』という顔になる

 

「では、所長の許可を取りに行ってくる!」

 

 

 

 

 

────────────────

 

 

《所長室》

 

「・・という訳で、待機中の子達に授業を受けさせたいのだが?」

 

「構わんよ。お互いに良い暇潰しになるだろう」

九所長はすんなりオッケーくれた!

 

どうでも良さそうだったが、許可を取ればこっちのものだ!

 

 

 

 

 

 

─────────────────

 

 

《食堂》

授業をやるから集まれと言ったら・・・多い。

人数が多いから数部屋ごとに分けて行うことにした。

 

「教官の渡瀬だ!授業を始める!」

 

 

《 ゴソゴソ ゴトッ 》

 

 

少女達の目の前には『黒く猛々しい』物体が鎮座した。

 

 

 

「おほん、君たちは生まれて初めて実物を目にしただろう。これはだな・・・」

 

と、言いかけた俺に!?

 

 

「いつも見てるよ!」

「他のオジさんのもみたことある!」

「毎日見てる・・・」

「それ怖いからヤダ!」

「グロい!」

「見飽きたよ・・・」

 

散々な云われようだ・・・

 

この隔離施設では監禁状態の少女達に日常的に晒されているのだ!その事実に俺は愕然となりかけた。

 

「では、触ったことがある者はいるか?」

 

 

《 し~~ん ・・・》

 

「(ほっ、まだ未経験だ)」

 

「よろしい!それでは君たちに初体験をさせよう・・・」

 

 

「じゃ、先ずは絵で説明するからな。全員ホワイトボードに注目!」

 

 

 

 

 

俺はテーブルの上に『H&K MP5a』を置き、ホワイトボードに絵を書いて実銃と両方を見せながら説明してゆく。

 

「ここがトリガー。指でこう引くと弾丸が発射される」

「これはセレクタレバーだ。赤い弾丸のマークが一つ、3つ、7つと三段階ある。一つの場所に合わせると単発、3つだと三連発、7つだとフルオートで全弾発射する。白い弾丸マークはセーフティで発射しない」

 

「通常作戦では3発モードを良く使う、これは数撃てば当たるということと、無駄弾を抑える。潜入作戦などは単発だな」

 

「じゃあ、フルオートは?」

 

「森で熊さんに出会ったらブッ放せ(笑)」

 

 

「教官、質問ええですか?」

 

「構わんよ。ええと、カズミ・」

 

「カズミ・シュリーレンツァウアーや!」

ちょっと関西訛りの白人とのハーフ少女だ。

 

「長いな・・面倒だから『カズミ』でええやろ?」

 

「お、なんや?おっちゃんも関西系かいな?」

 

「生まれは京都だ。そんなんええから質問しろ」

 

「あ、せやった・・うちらは『か弱い女の子』やから、こんなんよりちっちゃいピストルが使いやすくないか?」

 

「ふっ、なかなか良い質問だ。カズミがいうのはこれだろ?」

そう言って取り出したのは『SIG P226』愛用のハンドガンである。

「それやそれ!あるやないか~」

「構えてみろ」

差し出すと、カズミは興味津々で片手で持つ・・・

「う、重っ!」

両手で持つが・・・手が小さいために上な手く持てない。

「見た目より重いだろ?ほとんど鉄だからな(笑)」

「けったくそ悪いなぁ。か弱い乙女やで?」

悪態つくが可愛いものだ(笑)

 

「次はこれ持ってみろ。右手でグリップを握り、左手はハンドガードを下から支えるように添える」

「あれ!?」

「ハンドガンの3倍程重いが、案外としっくりくるだろ?同じ9㎜弾丸を使用するハンドガンより反動も抑えられ、命中率も良くて扱い易いのだよ」

「へぇー知らんかった!ええなこれ!佳奈も構えてみ?ほれっ!」

「ちょっと!美少女の私に持たせないでよ!」

「美少女とマシンガンの組み合わせは、マニアには人気らしいぞ?なかなか様になってるじゃないか!?」

フォローしたものの、事実・・似合う(笑)

「ま、当然かしら。超絶美少女はなんでも似合うものなのよ」

かなりお気に召したようだ・・・

 

そんな感じで、5丁用意したMP5を皆で廻して構えてみてる。

 

その時、食堂入口の扉が開いた。

 

「あーっ!!あんた何をやってんのよっ!!」

 

入り口には美樹と本庄が立っていた。

 

「軍事教練かな?・・はは」

 

「授業やってると聞いたから、見に来てみれば・・・ゲリラにでも仕立てるつもり!?」

美樹の後ろでは本庄が『やれやれ』といった顔だ。

 

「ゲリラか、なかなかいい線だな。場所が変われば少年・少女が自動小銃持って戦闘してるんだ。彼女らにも出来るさ」

 

「ここで反乱でも起こすおつもりですか?」

本庄が本気で心配な表情で聞いてきた。

 

「いや、そんなつもりはない!・・・(今はな)」

 

 

「・・・渡瀬さん。あまり誤解を招く行動は慎んでください。たとえあなたでも命に関わります」

(今は悟られる訳にいかないのよ)

「ああ、すまない・・・自重する」

 

「ようぉし!それじゃみんな、今日はここまでだ。次回はナイフを使っての野外調理実習をやる予定だ」

「野外調理実習!?やったー!」

「外へ出れるのー!?」

少女達は大喜びだ・・・うっかり『野外』と言ってしまったが、敷地内なら大丈夫かな?

「ええぇぇっ!あんたねー!?外はマズイでしょっ!!」

美樹は相変わらずビビりまくる。

 

「構わんそうだ。所長のお墨付きだから好きにさせとけ」

「し、室長⁉」

美樹の後ろには黒服が立っていた。どうやら最初からモニターされていたみたいだ。当然だろうから驚かん。

 

「敷地内ならOKということかな?」

「そうだな、此処は広大な私有地だ。境界線付近に近付かない限りは構わんよ」

黒服から寛大な返答がある。

 

「ほう・・随分と寛大な計らいだが、近づいたら?」

 

「死にたくなければ止めておくんだな」

 

「了解した」

 

察するに、下手な国境警備以上の仕掛けがあるのだろう。

 

 

 

後日、予定通りに野外調理実習は行うことが出来た。

 

 

だが、次の授業は行われることはなかった。

 

 

 

 

 

───────────────────

 

 

───────────

 

 

 

「セレクタレバーをフルオートに!」

「えっ!?潜入作戦は1コじゃなかったけ?」

「相手はラスボスよ!熊に会ったらフルオートでブッ放せって教官が言ってたじゃん!!」

「あ、そか!」

「行くわよ!初菜!」

飛び込んで行く佳奈に続く初菜!

 

 

「「喰らえ!!」

2人が同時にトリガーを引いた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《 ガ ッ 》

『 オ オ オ オ オ オ 』

 

「良太!!」

 

 

 

《 ダ ダ ダ ダ ダ ダ 》

 

《 パス パス パス パス パス パス 》

 

『 お あ ぁ あ ぉ あ あ あ 』

 

ロキは悲鳴を上げながら手にした良太を離した!

 

 

「お前ら・・・なんで・・・」

信じられないと驚く良太。

 

 

「案外効くものね?」

硝煙の立ち込める中、落ち着き払った口調の佳奈。

 

「あんたは魔女というより、女兵士ね・・」

「美少女兵士ってとこかしら?フフ」

 

 

 

 




171話を読んでて絡めそうなネタだったので・・・
即興で書いて見ました。誤字脱字や考証の落度の見落しなどあるかもしれません(汗)
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