別荘地下にて
「もう…限界‥だ…」
レンの鼻からは鮮血が滴り落ちる
「頑張ったな…後は任せろ」
男はレンの頭をポンと柔らかく掴むと、黒装束の三人の後を追って行った。
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「早くっ!! 時間が無いっ!」
「死ねっ! ヴァルキュリア! 」
サブマシンガンを構えた!
『 パ パ パ ン! 』
「「なっ! なにいぃ!? 」」
銃撃の瞬間、真子を庇い飛び出した九に驚くが構わず…ところが、次の瞬間には抱き合う二人の手前で銃弾は空に停止していた。
「くっ、間に合わなかった!? 」
美樹は悔しそうに唇を咬む… ヴァルキュリアの魔法が発動した…(殺される)
「え? なに? どうしたの?? 」
九に抱かれながら、真子は状況が掴めていない様子だ。
「…どういうことだ? 」
九も真子の様子に気付き、辺りを見回した…
「久しぶりだな…」
美樹達の背後から現れたのは…
「渡瀬 !? …生きてた」
「追ってきたか… 高千穂の指示か? 何故、私を助ける? 」
九はある程度の事情は把握しており、自身が既に追われる身であると悟っている。高千穂の者が纏う装束姿の渡瀬を見て確信を得た。
「神祇官から請けて来たのはヴァルキュリアの回収だ。貴様は成り行き上のついでだ… 礼には及ばん」
「ねぇ、
真子は殺意の籠った視線を渡瀬に向けた‥!?
《 パシンッ! 》
その瞬間、目の前に出現した渡瀬が真子の頬を張り倒した! 手加減無しらしく、吹っ飛びながら鮮血が舞う。
「ぐぅっ! い、痛い… 」
真子の頬は赤く腫れ、口元からは鮮血が滴り落ちる。
「お前はまだまだ躾が足りないようだ……連れて帰る 」
渡瀬は倒れた真子の細い腰に腕を廻し込みヒョイと持ち上げて小脇に抱えた。
「千怜! 助けてっ! 嫌だぁ~離せっ!」
《 バシンッ!! 》
ジタバタする真子を肩に担ぎ上げ左手で尻を叩いた
「痛いっ! やめろぉ~ お尻触んな! 殺すぞぉ! 」
「やれやれ… 黙っていれば良家のお嬢様に見えるのにな? 」
そう呟きながら、叩いた尻を撫でまわすとポンポンと鼓を打つ如く…
「やっ!? やめてぇ~! 嫌ぁぁ~! 」
渡瀬の肩の上で真子は顔を真っ赤にして羞恥の表情で暴れるが、魔法を封じられた彼女は赤子同然だ。
「九、戻るなよ… 次は無いぞ」
渡瀬は九とヘクセンヤクトの面々を一瞥すると闇の中へ紛れるように消えた……
「どうなってるの?? 渡瀬が生きていて? 高千穂? 」
美樹は状況が呑み込めていない…
「渡瀬は神祇官の… 村上長官の下に就いたのだ」
「高千穂の者だと? 」
「そうだ、最早…人では無い」
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「お疲れ様でございます… 大副様。あら? それが九所長の…【
巫女姿の少女が渡瀬を出迎えた。連れてきた真子を蔑むように見ると風呂に入れろとばかりに袖で鼻と口元を隠した。
「犬ってなによ!! 何様よあんた! 」
犬呼ばわりされた真子が憤るが、渡瀬の手が頭を真上から鷲掴み黙らせる。
「ぐう、馬鹿にして… 絶対に殺してやる! って、ちょっと!」
渡瀬は無言のまま真子をまた小脇に抱えて歩き出すと浴室へ直行した。
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浴室の脱衣場には大勢の巫女が待ち受けていた。
「脱げ」
「はぁ? 何言ってんの! 」
真子は目の前のオッサンに出てけと顎で指図した。年頃の少女が中年オッサンの目の前で脱衣するなど罰ゲームどころでない。当然の対応だ…が
「ちょっとぉ!! なんで脱いでんのよ!? 」
言っている間にさっさと着物を巫女達に脱がせて貰い全裸になった渡瀬が眼前に仁王立ちして見下ろしていた。
真っ赤な顔で抗議する真子の視線は…渡瀬の顔ではなく、下腹部にぶら下がる物体に注がれていた。
「脱がせてやれ」
渡瀬の言葉に頷き、巫女達が一斉に真子の衣服を慣れた手つきで脱がせて行く。
「あっ!? やめてっ! 嫌だぁ~ ああ… 」
抵抗する間もなく全裸に剥かれ、巫女達に囲まれながら浴室へ連行される…
引戸を開けると大浴場が… でかい!
どこの有名温泉旅館かと思う程の浴室である。巫女達に促され渡瀬の横に座らせられるが…恥ずかしさにモジモジしてしまう。
檜造の椅子に腰掛けて、これまた檜造の桶で掛け湯を巫女達にされている渡瀬が語りかけた。
「お前の身体に興味は無いから気にするな」
この一言には憤慨する! 我ながらスタイルは抜群に良いと自負しているのだ。ここまでしておきながら、馬鹿にするなと…
「なっ? 」
真子にとっては意外な一言に思わず渡瀬を見て……
言葉を発するのをやめた………
既に当該の人物は前後左右に巫女達を侍らせて泡だらけになって洗われている最中であった。全身である…
真子は渡瀬の前に腰を下ろしている少女の手元が酷く気になった……
「…… (何処を洗って… 握ってる? えっ?)」
視線を上げて渡瀬の表情を見ると… 然も当然の如く、自然体で巫女少女達の為すがままでいる。
「っ!? あっ! 」
肩や背中…脚を洗われていたのだが、前に居る巫女の手が上へと移動してきた!
「そこはダメッ! 」
真子の声は届かない…
「嫌ぁぁ~!! 」
「うるさい… 」
横から渡瀬が呟きながら何かを放った! 瞬間、真子の声は消えた… 身体もピクリともしない…
いつの間にか真子の周りにいる少女達の身体が密着していた… 気づけば、持っていた手拭は無く…直接手が真子の全身を蠢いている。いや、手と呼ぶよりも靭やかな指が生き物の如く真子をピンポイントで責め立てている。生まれて此の方経験したことのない奇妙な刺激が全身を駆け巡る!
「! ‥!? …(声が出ない! やめて! )」
巫女達の執拗な攻撃はほんの数分間なのだが、真子には何時間にも感じられ… 限界が襲ってくる。
巫女達はお互いに目配せした…
「…?(も、もう許して‥ え?) …!!!(あっ!!!)」
口だけがパクパクする紅潮した顔で全身隈無く洗い尽くされて行く中で微かに痙攣しながら真子の意識は遠のいて行くのだった……
「静かになったな… ん? 終わったのか? 」
静かになり、最初からこうしとけば良かったと見れば…
真子は白目を剥いて失神していた。
「おい! しっかりしろ! どうなってんだこりゃ? 」
「大副様… 無理からぬことかと? 洗われる行為は慣れぬひとには刺激が強すぎます故… フフフ」
渡瀬は巫女の少女の表情から…
「お前ら… 悪戯も程々にしろ。白目剥いてるじゃないか… 」
長官にお目通りする前に余計なことを…