Fate / Hybrid Stories 作:さんくてるるるく
誤字脱字はなるばく少ないよう努力します。
今回はプロローグとなります。
0話 プロローグ
「令呪をもって命ずる。自害しろ、セイバー」
「!?」
鉄の大剣がセイバーの腹部を貫き、床に血が溢れ滴る。
「切...嗣...テメエ」
「重ねて令呪をもって命ずる。自害しろ、セイバー」
「うがぁあぁぁあぁあああッ!!!」
さらに押し込まれる大剣。セイバーの内蔵は破壊しつくされ、今もなお気を保っていられるのは英霊ゆえの精神力によるものであった。
「頼めるな?ライダーとそのマスター。聖杯が破壊できるのは今となっては君たちだけだ」
「当たり前だろ。やってやる!いくぞ、ライダー!」
「よし、準備はよいか、
ライダーは自分の従える幻獣に声をかけ、それに幻獣が呼応する。
「俺はいつでもOKだぜ」
ライダー達は黒いものを吐き出し続ける聖杯に飛び込んでいく。
ライダーが乗るは幻獣、
「マジぃけど、そうも言ってられねーか」
そしてライダーの宝具である太極図は、本来多彩な能力を秘めていたのだが、呼び出された土地や知名度、さらにはウェイバーの魔術師としての実力によって、たった一つのみとなっていた。その能力とは、『無数の英霊を呼び出し、その魂を喰うことで一時的に全ステータスを大幅に引き上げる』というもので、その力をもってすれば例え狂化された半神が相手であろうと、肉弾戦で10秒とかからずに勝利することが可能だ。しかしその発動時間は良くて1分、さらに無数の英霊を召喚するという無茶苦茶な過程を踏むゆえに、マスターは少なくとも一週間は寝込むことになるだろう。
しかしそれでも構わない。なぜならこの戦闘が聖杯戦争最後の戦闘となるからだ。
「のう、ウェイバーよ」
「なんだよ」
「主との日々はそれなりに楽しかったぞ」
「ぼ、僕だって、楽しかったさ」
ふっとライダーが微笑み、そして聖杯に目を向ける。
「太極図...展開!!」
かくして聖杯は破壊された。しかし冬木の街を守ることはかなわなかった。街は焦土と化し、人はおろか虫すらその命を保つことは出来なかった。
「よかった、よかった」
しかし例外はいるもので
「ありがとう!ありがとう!」
切嗣は瓦礫のなかに一人の少年を見つけた。
彼は名を士郎といった。
病院の一室。士郎はベッドから窓の外を眺めていた。
いつのまに来たのか。黒いスーツを着たおじさんが、ベッドの横に座っていた。優しい笑顔だった。退院後しばらくして彼の家にすむこととなり、名を衛宮士郎と改めた。
その後しばらくして切嗣は他界。士郎は正義の味方を目指すこととなる。
ある夜。縁側に座っているのは士郎とその姉的存在である藤村大河だ。綺麗に夜を照らす満月を眺めながら、二人は静かに談話していた。
「切嗣さんが死んじゃって、もう一年になるのね」
寂しそうな表情でぽつりと呟く。
「...」
返事はないがきっと聞こえているだろう。士郎はただ真っ直ぐに月を見上げている。
「ねえ士郎。その首飾りって切嗣さんにもらったんだよね?いつもらったの?」
「これは、爺さんが死ぬ前の日にもらったんだ。『正義の味方になるなら御守りをあげよう』って言ってた」
そう言って士郎は首からさげた綺麗な十字架を掌に置いた。月明かりに照らされたそれは青く光っていた。
「そうだったんだ。どんなご利益があるものなの?」
「わからない。爺さんは何もいってなかったから...」
そうして二人の夜は過ぎていく。過去の記憶に思いを馳せて。
それから数年後、大聖杯は復活を遂げる。
一度幕を下ろしたはずの戦いが再び幕を開ける。
銀髪の剣士。
イレギュラーの弓使い。
赤い少女の槍使い。
半獣の如き槍使い。
悪魔と化した外科医。
海をさ迷う賞金稼ぎ。
救世の英雄と称えられた戦士。
それぞれがそれぞれの思いを胸に、己が武力をもって戦争に身を投じる。
「おやすみ、士郎」
「おやすみ、藤ねえ」
平和な夜が更けていった。
はい、プロローグでした。
一応Zeroのラストをさらっと書きました。
よくわからん部分については後々補完する予定です。
今日中に1,2話は投下します。
クラス:ライダー
マスター:ウェイバー・ベルベット
真名:太公望
宝具:太極図、四不象
補足:中国の仙人。本名は呂尚という。紀元前11世紀ごろの人物である。周の軍師として活躍し、後に斉を建国する。
出典:ジャンプコミックス『封神演義』より一部改変して引用