Fate / Hybrid Stories   作:さんくてるるるく

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時間設定間違えた。ランサーとライダーの再会は少なくとも二日後にしようと思ってたのに...。だいたい三時間ほどでまた会うとか、「見逃してやんよ☆」のランサーさん赤面ものですよ!ええ、私のせいです!!

↑というのを先週やりまして、報告にも書きましたが5話のラスト改編しましたヽ(;´ω`)ノ。そして今に至ります。


ちょっと整理もかねてこれからはちょくちょく日にちの表をあとがきにいれていくことにします。・゚・(ノ∀`)・゚・。


7話 槍兵と槍兵

 その日、士郎は少し浮足立った様子で一日を過ごした。

 桜を取り戻せるかもしれない。そう考えると落ち着いてはいられなかった。

『各自で、手分けして街を探りましょ。こんな真似してる奴等、今すぐにでもとっちめてやらなきゃ』と凛が言っていたのは好都合だった。これで大手をふってライダーに会いに行ける。

 どうやらアーチャーは何も言わなかったようだがそれはなぜだろうか。

 

 

 

 浮足立っていたのはライダーとて同じであった。

 もし士郎が任せるに値するなら、今すぐにでも桜を開放してやりたい。考えるのはそのことのみであった。

 しかしそうことは簡単にはいかないものだ。士郎との会合の時刻まであと少しというところでそれは起こった。

 敵の殺意や悪意に反応して身を震わせる破魔の槍。その索敵能力になにかがかかったようだ。

「敵が...来る!!」

 ライダーは寝ている桜を隠れ家に待機させ、川にかかる大きな橋の方へと駆け出した。

 

 

 その日の夜は風もなく静かだった。穏やかに揺れる川の上に横たわる赤い橋は、月を眺め星を観るのにこれ以上ないロケーションだったことだろう。

 その橋のうえに槍を携えた少年と少女が向き合って立っていた。

「まさか姉ちゃんが相手なんてな。見逃してもらうことは、できないのかな」

 少年はライダーのサーヴァント。

「こないだ会ったばっかりなのに、こんなすぐ殺りあうことになるなんてね。ま、マスターの命令さ、諦めなよ。あたしたちは戦わなきゃいけない決まりなんだからさ。それに...容赦はしないって言ったじゃん」

 対するは赤髪の少女、ランサーであった。

「...うん」

 その言葉に俯くライダー。苦しそうな顔をして身を震わせるが、槍を握るその手はしっかりしたものであった。

「いくよ、ぼうや」

「わかったよ、姉ちゃん」

 そして両者が槍を構える。ライダーは髪の毛が伸び、その目付きは獣の如く変化した。

「本気でいく」

 ライダーが飛び出した。低姿勢で駆け抜けるその姿はやはり獣のそれであった。ランサーに全力で槍を突きだす。この突きを躱し槍を振るうランサー。ライダーは本能でそれを躱す。一撃一撃が地面をえぐり、コンクリートを巻き上げる。

「!」

 危険を察し後方に飛び退くライダーに、ランサーが感心した表情をみせる。

「よくわかったな、ぼうや」

 蛇のようにうねる槍。

「これがあたしの武器さ」

 その槍は、三節棍と似たような作りになっており、蛇のように曲がるようになっているのだ。そしてもうひとつの特徴としてこの槍は。

「長さも変えられる」

 ニッと笑い槍を振るうランサー。縦横無尽に切りつけていく槍。ランサーは受けることしかできない。

「そらそらそらそらそらそらそらぁ!!!!!!!!!!!」

「俺も...負けるわけにはいかないんだ!!」

 連撃の隙間をすり抜けていくライダー。手に持った槍ではじきつつランサーに狙いを定める。

「舐めんじゃ、ねぇ!!」

 より加速する槍にライダーが吹き飛ばされる。地面に叩きつけられ、もうもうと立ち込める粉塵。

「獣の槍よ!!!」

「なに!?」

 粉塵の中から槍が投擲され、ランサーの心臓にせまる。

「チイッ」

 間一髪で躱すも、右肩をえぐった。

 投げられた槍はライダーの手に戻り、そのなかで落ち着いた。

「テメェ、獣の槍伝承者か」

 どくどくと血の流れる肩を抑えつつランサーがライダーに睨み付ける。

「たしか14才だかそこらで中国を救った英雄がいたな」

「...」

 ライダーは何も答えない。

「ハッ面白え。いいよ、見してやるよ、あたしの宝具を」

 そう言ってランサーが全身から殺気を放つ。

「ロッソ・ファンタズマ」

 橋が光に包まれる。ライダーが目を凝らすとそこには一人、二人と人の姿が見える。そして光が収まる頃には目の前に30人ほど立っていた。

「全員あたしと同じ力をもってる。いつまで耐えられるかな」

『ロッソ・ファンタズマ』、30体の分身をつくり戦わせる対軍宝具。

「わかったよ、姉ちゃん」

 ライダーが全身の力を抜き、静かに前を見据える。

「来い、『とら』」

 ライダーが呼び掛けると同時に空一面に雷がはしる。轟音と共に橋に巨大な雷の柱がたち、ランサーたちを吹き飛ばした。

「よお、久しぶりじゃねえかツァンユエ」

「ああ、久しぶりだな、とら」

『とら』、雷獣字伏(あざふせ)を召喚する。名の通り雷を操る獣で、ツァンユエはとらと呼んでいる。

「ツァンユエととらか」

 ランサーが体制を整えて再び槍を構える。

「使い魔狩りは得意だよ、かかってきな」

「乗れ、ツァンユエ。一気に蹴りをつけてやるぜ」

「おう、いくぞ!とら!!」

 それは雄叫びか雷鳴か。全身から雷を放ちランサーたちに駆け出していく。そしてツァンユエは槍に雷を纏わせそれを振るう。

 一人、また一人とランサーをなぎ倒していくライダー。

 両サーヴァント共に満身創痍で槍を振るう。

 

 

 どれくらい時間がたったか、すでに空が白みはじめていた。

 雷により砕け、焦げ付いたコンクリート。槍による斬撃の跡が生々しい。

「くらえ!!」

 ドスッという鈍い音ともにとらが崩れ落ちる。

 ランサーの槍は正確にとらの脳天をとらえていた。

「とら!!」

「くくっ、わしは...ここまでだツァンユエ」

 またな、と言い残し光に消えていく。

「あとはぼうや一人...」

 ライダーがランサーの背後にまわり、背中から胸を槍で貫く。

「な...」

 すぐに体を回転させ、凪ぎ払うように槍を引き抜く。そして頭からまっぷたつにもう一人ランサーを引き裂いた。

「姉ちゃんも...あと一人だな」

「...」

 最初にもどった。槍をもって向き合う二人。しかし最初と違うのは、両者ともにもう止まる気はないということだ。

 二人同時に駆け出し、橋の中心で刃を交える。すでにランサーは槍を変化させる魔力がない。純粋に槍の技巧による戦いだ。

 何撃かした後、ランサーが柄でライダーの顎を殴りあげる。そしてそのままこんどは刃でライダーの首を狙う。殴られたライダーはそのまま体を後方に一回転させ、斬撃を躱し、カウンターで突きを入れる。ランサーが槍を弾き落とし、足で踏みつけ、もう片方の足でライダーの腹部に蹴りをめり込ませる。ライダーは槍を手放し、そのまま倒れこんだ。そしてランサーが地面から抉るように槍でライダーを吹き飛ばす。数十メートル先で地面に叩きつけられるライダー。勝負があったようだ。

「とどめだよ、ぼうや」

 ライダーのもとに立ちランサーが槍を構える。

「獣の...槍よ!!」

 呼び声に呼応し、ライダーの手元に飛んでくる槍。しかしそれをランサーが掴みとり動きを封じた。

「今度こそとどめだ、ライダー」

「待って...姉ちゃん」

「こういうときはさ、男らしく覚悟決めなよ」

「話を聞いてくれ」

「いい加減にしろって、恥さらすな...よ」

 ライダーは生にすがっていたのではない。本当に伝えなければならないことがあるのだ。

「...わかったよ、聞いてあげるよ」

 そしてライダーが語りだした。

 しばらくして話が終わると、ランサーはもの悲しい表情になっていた。

「頼むよ、姉ちゃん」

「アンタ...」

「つまらん茶番はよせ」

 ランサーが言葉を続ける前に冷たく遮られる。声のほうに振り向くと、そこには金髪の男が立っていた。

王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

 無数の剣、槍、斧が宙に浮いている。そのすべてが宝具であった。

「な...」

「疾くに失せよ」

 それらが風を切ってせまり、ランサーはとっさに回避した。

 辺りに飛び散る赤い液体。それはライダーのものであった。

「テメェ...」

「ふん、たまには女遊びに興じるのも良いか」

 宙に先程の倍以上の武具が出現する。

「我を楽しませろ、女」

(逃げられるか!?)

 

 

 ある教会の中、暗い部屋の中に一人の神父が立っている。

「今ここに、彼の者との契約は断たれた」

 乾いた笑い声が教会内にこだました。

 

 

 ランサーの全身から力が抜ける。それは魔力供給が断たれたことを意味していた。

「己がマスターに見捨てられたか、女。せめてもの慈悲だ。痛みを感じるまもなく死なせてやろう」

「ッッッ綺礼ぇぇ!!!」

 体を貫く剣。刺さったと同時にランサーの全身を焼き、消し炭にしてしまった。

 飽きたのだろうか。金髪の男はなんの言葉もなくその場をあとにした。

 

 

 川辺のライダーの隠れ家で桜が目を覚ました。

「ライダー...?」

 なにかが足りない。なにかが、そうだ、ライダーとの繋がりが断たれている。

「ライ... ダー ...」

 なぜだろう、なぜこんなに悲しいんだろう。

 まだ会って間もない。そんなに会話もしたことない。余計なことをして私をここに閉じ込めて、でも...。

(あの子の笑顔が、困った顔が、頭から離れない)

 直接的な繋がりはないが、ツァンユエの家系は士郎の遠縁の先祖にあたった。切嗣の影響はもちろんのことだが、あの正義感は血的なものもあったのかもしれない。しかしそれを知るものは誰もいない。しかし桜の感じる悲しみこそがその唯一の証であった。




クラス:ライダー
マスター:間桐桜
真名:蒼月(ツァンユエ)
宝具:『獣の槍』とても攻撃力の高い槍。呼んだら手元に戻ってくるいい子ちゃん
『とら』雷獣。金色の体毛に覆われた体から雷を発生させる。背中に蒼月を乗せて縦横無尽に駆け回る。
補足:中国の英霊。蒼月と書いてツァンユエと読む。獣の槍は使い手がたくさんいて、蒼月はその一人であり最も有名。主に世代毎に使い手が一人いて、彼等は『伝承者』と呼ばれる。白面の者を討ち取って中国の英雄になった。
出典:サンデーコミックス『うしおととら』より。蒼月潮(あおつきうしお)が原作での彼の名前であるが、今回は中国の英霊として蒼月(ツァンユエ)と改変しました。



ここまでの流れ
一日目
・アーチャーvsランサー
・セイバーvsランサー
・セイバー&アーチャーvsバーサーカー
二日目
・特になし
三日目
・新サーヴァント召喚
四日目
・アーチャーvsライダー
五日目
・ランサーvsライダー
・我様登場


はい、どうもです。
あと一つ投下します。小分けにしたほうがいいとは思いますが、できると投下したくなっちゃうのでしていきます。明日とかにすればいいとは思うんですけどね。。。
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