前作では誠に申し訳ありませんでした。
本作では気合い、入れて、いきます!ので、よろしくお願いします…
「カカロット……とうとうお前には勝てなかったな……」
特徴的な髪形の老人は呟く。かつてのライバルを思い浮かべて、彼は体を持ち上げようとした。
「父さん!あまり動いては体に響きます!」
「トランクスか……余計な心配はするな。遅かれ早かれ俺は死ぬんだ、最後くらいは恰好をつけさせやがれ……」
彼はようやく体を起こし、対面する息子と話をする。死ぬ時でも無様な姿は見せたくはないと口にして。
「トランクス……今そこにいるのか…?」
「はい、ここにいます……!父さん、無理はしないでください……!」
かつての歴戦の面影はどこにもなく、彼の視線は虚空をさまようだけだった。
―――彼は気を探る技術はおろか……視力すら、とうに失っていたのである―――
「トランクス……俺はサイヤ人の王子だ。その名に恥じぬ命を燃やしたと思っている。」
「お前から見た俺は、一体どう映っていたんだ………お前とこうしてしっかりと話すのは初めてかもしれない……聞かせてくれ、俺のことを」
彼は使えない目で、気で、心で、それでも息子をしっかりと見据えて。
「っ……!父さんは……父さんは…!貴方は、誇り高きサイヤ人の王子です!!僕の、一番尊敬する・・・!!」
「―――そうか」
「それならお前は、この誇り高きサイヤ人の王子ベジータの息子、トランクスだ……!」
「サイヤ人の誇りを……お前が継ぐんだ・・・・・・!」
最後にそれだけを言い残し、彼は――――――
―――姿を消した―――
「と、父さん?!どこへ……?!」
――――――――――――――――――
無限の果ての世界、所謂私たちが宇宙と呼ぶ処。
「いやー、あぶねえところだったぞ!!」
「……?」
彼の目の前にはかつてのライバルの姿が。彼は状況を読み込めていない。
「カ…カカ……ロット………?」
「オッス!久しぶりだなーベジータ!」
「すっげーギリギリだったぞ!あと少しでおっ死んじまいそうだったからよ、つい連れてきちまった!ヘヘヘ」
カカロット―――孫悟空は気さくな笑みを浮かべ、かつての友と再会した。……彼のほうは納得がいっていないようではあるが。
「体が若返っていやがる……カカロット、全部貴様の仕業だな……?」
「貴様……!あと少しで俺は死ぬはずだったんだ!こんなことをして閻魔の野郎にグチグチと文句を言われるのは俺なんだぞ?!それをわかってこんなことをしているんだろうな?!!」
「そ、そんなに怒んなって~……せっかく用があって連れてきたのによ~」
「さっき『連れてきちまった』などと言っていたくせに、どうせろくな用じゃないんだろ」
「いいっ?!ベジータ、おめえしばらく見ないうちに随分鋭くなったなぁ!」
「貴様が何も変わっていないだけだろう……」
彼の言葉は、いつもの厳しい口調であるだけだったが、それは悟空の顔を険しくさせた。しかし、彼がそのことに微塵も気づく気配はなかった。
「そうだな……オラはなにも変わっちゃいねえよ。ずっとこのまま、誰もいないところで、一人でいたんだ。きっと誰にも想像がつかないくれえの時間をよ」
「ベジータ、分かるだろ?オラはあの時のまんまだ。見た目だって、気の大きさだって、何もだ。何も変わってないんだ。……だから、おめえと今戦っても、オラはたぶん一瞬で負けちまうさ」
「なっ…」
彼は至極寂しそうに言葉を吐いた。旧友と戦えないことが一番気がかりなことかのように。
「それでもオラはおめえに会いたいと思ったんだと思う。オラは孫悟空だけどよ、ドラゴンボールでもあるんだ」
「おめえに会って頼みを聞いてほしい……たぶん、そんだけの理由でドラゴンボールが願いを叶えてくれたんだと思う」
「カカロット…まさか、とは思っていたが……。なるほど、それなら…確かに、辻褄が合う」
「だが、貴様がドラゴンボールだというのなら何故今頃になって俺をここへ連れてきた?恐らく貴様は貴様自身が宇宙だと言えるほどの時間を過ごしてきたはずだろう」
「それもただの人間なら狂ってしまうくらいにだ。いくらカカロットでもまともじゃいられないだろう」
「今さらになって、何がお前をそうさせた…?!言え、カカロット!!」
彼は殊に怒りを覚えているわけではなかった。それは彼自身にもわからない、一種の『寂しさ』だったのだろう。
「あはは…。ベジータ、オラはこの前地球に行ったんだ。つっても、おめえのいた地球じゃねえし、おめえの感覚じゃ相当昔のことだ。」
「―――出会ったんだ。一人の子供によ。」
孫悟空はつらつらと言葉を紡いだ。たったそれだけのことが、ベジータには永遠を感じさせるものだった。
「つっても夢の中だぞ?んでも、おかしいなーって思っちまった。オラもう夢を見なくなってたからよ」
「おめえも見たはずだぞ?あの時、オラはおめえを見つけたんだ」
―――
『やだよぉ……死にたくないよ…助けて……誰か……』
『ふん…』
『どうしてこんなところにガキが、とは思ったが…』
『この俺様に任せておけ……!』
―――
「あれは…夢じゃなかったのか……?」
「わかんねえさ。でも、あの世界は確かに存在してたぞ?オラもうすっげー行ってみたくてたまんねえんだ!」
「それに、感じただろ?あの時、とんでもねえヤな気があったのを」
夢の中の世界の話だと気にも留めなかったことが、今、重大な意味を持った。それは、彼にとって良いものかはまだわからない。
「ふん…。なら、貴様は俺に夢の続きを見て来いとでもいうつもりか?」
「おおっ?!よくわかったなベジータ!!おめえやっぱすげえなー!!」
「それはお前がわかりやすい方向に話を持っていくからだ」
「それはそうと、俺を『向こう』に飛ばすんなら早くしやがれ。まにあわなくなっても知らんぞ」
「その前に『向こう』の説明をしねえと……」
「まず、艦娘っちゅうのがいてよ…」
かつて宇宙の地上げ屋として恐れられた民族の彼が、このときから一つの惑星の運命を変えることになるとは、誰が予想しただろうか。だが、それも悟空なら知っていたのかもしれない―――
―――これは、誇り高きサイヤ人の王子の物語である―――
――――――――――――――――――
「わりいなー!もうちっとだけ続くぞ!」
――――――――――――――――――
「んん……なんだか変な夢見ちゃったかも……」
「早く朝ごはん食べちゃ………」
「おぅっ?!」
窓を見ると、初めて会うような、とても懐かしいような、誰かがいた。
しかし、その特徴的な髪形は簡単に忘れられるようなものではなく、窓を勢いよく開けると。
「あ、あなたは…………!!」ガラガラッ
「ふん…」
「ずいぶんと久しぶりだったな、名も知らんガキ」
前作と同じであまり文章構成がうまくないので、お気をつけて。
下手な日本語はスルーしていただくか、ご指摘お願いします。