魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士

決意

「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」

と泣きながら謝っていたのは、シャーリーだった

謝っている理由は、ヴィヴィオを拐われたことらしい

すると、見舞いに訪れていたディアーチェが

「うぬらが悪いわけではない。悪いのは、我らだ……」

と悔しそうに言った

すると、それに同意するようにシュテルが

「そうです。相手の陽動に引っ掛かり、六課をもぬけの殻にした私達に非があります……」

と言った

表情は変わっていないが、その声音が悔しさで震えている

実はシュテルは、なのはに似ていることから、ヴィヴィオになつかれていたのだ

そしてシュテルも、そんなヴィヴィオの面倒を良く見ていた

そのヴィヴィオを拐われたというのは、シュテルからしたら非常に悔しかったのだ

「しかも、到着したら居た筈の戦闘機人は居なかったしさ……色々と不完全燃焼だよ……」

と言ったのは、レヴィである

彼女からしたら、ガジェットとしか戦えなかったのが不満らしい

なお今居る病室は、シャーリーの病室だ

彼女は意識を失った後、机の下で倒れていたために比較的軽傷だった

しかし、迎撃に出たプレシア、ヴァイスの両名は意識不明の重体

研究者として居た、グランツ・フローリアンは奇跡的に軽傷

今は、マリーと共に味方陣のデバイスを修理・強化している

今回の戦闘から得たデータで、対戦闘機人用に出力の調整等をするようだ

特に、スバルのは時間が掛かる見積りである

スバルは戦闘機人としての力を解放し、怒りに任せて戦った

そのために、マッハキャリバーは大破してしまったのだ

それを修理してから、スバルの力に耐えられるように強化するために、他のデバイスよりも時間が掛かる

他のメンバーだが

グリフィス・ロウラン　重傷だが、本人の意思によりある程度の治療をした後、他の無事だったオペレータースタッフと共に、アースラで確認中

アルト・クラエッタ　地上本部から程度の良いヘリを回してもらい、修理中。ヴァイスの代わりに、フォワード陣を乗せるつもりらしい

シャーリーは頭を怪我していたために、念のために検査入院中

今は、結果待ちの真っ最中だ

そして落ち込むシャーリーを、ユーリが慰めていた

場所は変わり、ミッド市内にある高度治療センター

そこに、スバルが入院していた

スバルは普通の人間ではないので、高度な義肢修理能力を有するこの高度治療センターに入院しているのだ

その証拠に、露出していた人工筋肉や強化骨格は最早元通り

傍目には、戦闘機人とは分からなくなっていた

そんなスバルに、見舞いに来ていたエリオとキャロが

「元気出してくださいよ、スバルさん」

「ギンガさんなら、大丈夫ですよ」

と励ましていた

すると、スバルは

「うん、ありがとう……」

と返した

だがその声音には、何時もの活発さは感じられなかった

やはり、ギンガが拐われたということが、響いているらしい

そんなスバルに、二人はどう言ったらいいのか、分からなかった

そこに

「入るわよ」

とティアナが現れた

「ティアナさん！」

「ティアさん！」

「二人も、スバルの見舞いに来てたのね」

当初ティアナは、エリオとキャロの二人は他のメンバーが入院している聖王教会病院だと思っていたのだ

だから声に、若干の驚きが混じっていた

すると、二人は

「この後、聖王教会病院に行きます」

「先に、スバルさんの様子を見ておこうと思いまして」

と言った

それを聞いたティアナが頷くと、二人は退室

二人を見送ったティアナは、スバルを見て

「……やっぱり、気になる？」

と問い掛けた

すると、スバルは

「……ギン姉拐われちゃったし、相棒も……無茶して壊れちゃった……」

と呟くように言った

やはり、後悔しているらしい

それを聞いて、ティアナがスバルの頭を脇に抱えて

「……グランツさんから伝言よ。マッハキャリバーは今全力で修理中……そして、ギンガさんのことも希望を捨てるな……だって」

と言った

それを聞いたスバルは、視線をティアナに向けて

「それって……」

と問い掛けた

しかし、ティアナも知らないらしく、首を振って

「詳しくは知らないわ……けど、諦めたくないんでしょ？」

とスバルを見た

その言葉にスバルは

「うん……絶対に、取り戻す！」

と誓っていた

その目には、強い光が宿っていた