魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士   作:京勇樹

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姉妹の戦い2

「スバル……その力は……」

 

「古代の力……黄昏因子……」

 

ギンガが驚いた表情で問い掛けると、スバルは答えてから構えた

今のスバルは、体から溢れてくる怒りの感情を必死に抑えていた

その怒りの感情は、スバルのものではない

スバルの中

タルヴォスの怒りだ

タルヴォスを含めた黄昏因子は、自我が強いと明久から説明を聞いていた

その自我が強い黄昏因子が、自身のコピー因子を前にして許せるだろうか?

答えは、否である

特にタルヴォスは、復讐する者

自身のコピー因子(・・・・・・・・)を前にして、怒らない訳が無い

 

(少しでも気を抜いたら、怒りに飲まれそう……怒りに飲まれず、ギン姉を無力化……つまり、短期決戦!!)

 

スバルはそう決意すると、一気にマッハキャリバーを最高速に加速

ギンガに迫った

するとギンガは、まるで台風を彷彿させる回し蹴りをスバルの頭目掛けて繰り出した

その一撃をスバルは、左手を斜めにして受け流し、ギンガに肉薄し

 

「はあぁぁぁぁぁ!!」

 

今までで最大の気合いの声と共に、右拳をギンガの腹部狙って振るった

その一撃は、見事ギンガの腹部に命中

 

「がはっ!?」

 

その威力に、ギンガは大きく後退した

そしてギンガはすぐに顔を上げて、驚愕に目を見開いた

既にスバルが懐に入り込み、攻撃を用意していた

 

「だりゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

気合いの声と共に、スバルは体を独楽のように回転させて遠心力を上乗せしていた左手をギンガの胸部に叩き込んだ

 

「ぐうっ!?」

 

その威力は、先程よりも高かった

一撃受けただけで、ギンガはウィングロードから大きく吹き飛ばされた

しかも、一つの遺跡の壁をまるで砲弾のように貫通

二つ目の壁に、めり込んだ

その時、ギンガの背中からミシリという嫌な音が聞こえた

それを聞いて、ギンガは

 

(なんて威力! 背骨が軋んだ!?)

 

と理解した

だがそれでも、ギンガの体は戦うつもりらしい

新しくウィングロードを展開し、着地

構えを取ると、周囲を見回した

その直後、背後の壁から破砕する音が聞こえた

まさかと思うと、ギンガの体は振り向こうとした

その直後、ギンガの体にスバルの左手が当てられ

 

「思いっきりいくよ、ギン姉」

 

とスバルの声が聞こえた

それを聞いたギンガは

 

「やりなさい、スバル」

 

と言った

その直後

 

「破壊ノ……一撃!!」

 

と今までと比較にならない一撃が、背中に叩き込まれた

その威力は、ギンガを数十m吹き飛ばした

余りの威力に、ギンガの意識は短い間だったが飛んだ

そして気付いた時には、夕焼けに変わっていた空が青空に戻っていた

しかも、そんなギンガをスバルが優しく抱き支えていて

 

「大丈夫、ギン姉……?」

 

と問い掛けてきた

その問い掛けに、ギンガは

 

「大丈夫よ、スバル……」

 

と答えた

こうして、姉妹の戦いは幕を下ろしたのである


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