魔法少女リリカルなのはstrikers 蒼炎の剣士 作:京勇樹
「ジェイル・スカリエッティ……」
フェイトは苦々しい表情を浮かべながら、スカリエッティを睨んだ
しかしスカリエッティは、そんなフェイトを無視して
「フェイト・テスタロッサ……私が初期の初期に提唱した人造魔導師の技術を使い、プレシア女史が産み出した……」
と語り出した
「しかし、プレシア女史が当時欲していたのは、不慮の事故に巻き込まれて死んだ一人娘……アリシア・テスタロッサだった……だが、失敗……記憶の転写は出来ていたが、差異が生まれてしまった……それ故、与えられた名前は当時の企画名……プロジェクトFATEから取った、フェイトという名前だった……」
スカリエッティが語る度に、フェイトは怒りで頭が沸騰しそうになった
だが、自身に冷静になるように言い聞かせた
執務官になってから、フェイトは様々な犯罪者を捕まえてきた
その中で、色んな犯罪者が居た
自分の戦闘力に自信があり、真正面から向かってくる者
自分はまったく動かず、部下やまったく関係ない者を実働者として操る者
そして、スカリエッティのように科学者として武器や兵器を開発し、騒動を起こす者
そしてスカリエッティのようなタイプは、話術で相手の冷静さを奪って撃退・撃破を狙ってくる
だから重要なのは、冷静さを保つことだ
「さて、君が怒っているのは、母親に無茶な命令をして事故を引き起こした会社か……はたまた、自身を省みずに人造魔導師計画で娘を甦らせようとした母親か……それとも……」
「全部だ……と、言っておく」
スカリエッティが最後まで言う前に、フェイトはそう告げた
プレシアは危険だと警告したのに、無茶な実験をして死者多数を出した企業
そして、病気に侵されながらも治療せずに、愛娘を甦らせようと実験を繰り返した
そしてなにより、人の命を何とも思わず、人造魔導師計画という狂気の計画を提唱したスカリエッティ
それらに、フェイトは怒っていた
勿論だが、
企業からの謝罪と、莫大な慰謝料を貰った
病気に関してはフェイトが涙ながらに訴えて、プレシアが生きる意志を見せたことで、明久が
なお、病気に関して明久は
『生きる意志を示さなくても、無理矢理治してたね! フェイトが泣くし、プレシアさんへの罰も含めてね!』
と後に語っている
なおその時、明久の額には血管が浮き上がっていたという
どうやら、娘たるフェイトを泣かしたことを怒っていたらしい
そのことから、明久は怒らせたらいけないという不文律が、出来たとか……
閑話休題
「しかし、こちらに来たのは二人だけか……たった二人で来るとは、予想外だったね……」
スカリエッティがそう言うと、周囲に凄まじい数のガジェットが姿を現した
その数は、数える気すら起きない
更に、スカリエッティの後ろから二人の戦闘機人が姿を見せた
それは以前、六課隊舎に向かおうとしたフェイトを、二人掛かりとは言え、終始押した二人だった
以前の交戦時に、名前は把握している
ガッシリした体格の女が、トーレ
両手に巨大なブーメランを持ち、長い茶髪の女がセッテ
その二人が、スカリエッティの後ろに立った
そして、少し前にスバルからもたらされた情報
コピー因子
全員ではないようだが、一部戦闘機人は黄昏因子のコピーを保有している
「さあ、執務官殿……一人で来たことを、後悔するように」
スカリエッティはそう言うと、金属質なグローブを装着した
それを見たフェイトは、バルディッシュを収納
右手を掲げて
「来て……私は、ここに居る! スケィス!!」
その手に、巨大な鎌を顕現させた
それは、フェイトの意志表示だった
黄昏因子には、非殺傷設定などない
太古の昔では、殺し合いが当たり前だったのだ
だからそれは、殺してでもこの事件を終わらせるという、フェイトの固い意志の現れだった
そしてその鎌を、スカリエッティに向けて
「覚悟するのは、貴方達です……この事件、必ず六課が止めます!」
と宣言したのだった